Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ハイブランドの家具ショールーム巡り@青山

港区R邸

新築マンションリノベーションプロジェクトの港区R邸では、家具やラグ、カーテンなどもすべてインテリアに合わせて新調したいとのお客さまからのご要望がありました。Rさまご夫妻のテイストが良く分かっていないので、まずは奥さまと一緒に青山エリアのハイブランドのイタリア輸入家具屋を一緒に巡ることにいたしました。

スタートとして選んだのは、外苑前のB&Bイタリアでした。今回は家具選びというより、家具ショールームの雰囲気を感じていただくことが主目的なのですが、B&B1階の雰囲気はとてもスタイリッシュでお好きだとの言葉を頂きました。

3階のショールームでは、僕らも大好きなウォークイ・クローゼットの収納家具は気にいって頂けたようでした。

今回は、Rさまをご紹介してくれたリフォームキューの営業担当の坂本さんも一緒の家具屋巡りですが、B&Bの栄田さんがB&Bイタリアの特徴やファブリックやレザーのサンプルをご説明くださいました。

次に伺ったのが、青山通りを挟んで向かいにあるカーッシーナです。いつもお世話になっている営業の植草さんが、すべてのフロアを案内してくれました。

次は、B&Bやカーッシーナから少し離れた南青山5丁目・6丁目エリアに移動して、フレックスフォルムのショールームを訪問し、

うちの事務所ではお馴染みのミノッティのコート店に寄って、

フィリップ・セルバのショールームを経て、

最後は、インテリアズのショールームまで駆け足で巡りました。
約4時間掛けての速足でのインテリアショールームツアーでしたが、これまでゆっくりお話をしたことがなかった奥さまと、ランチもご一緒しながらのお話で、ご主人さまとは違ったインテリアテイストもお好みであることが判って参りました。まだこれから、他の家具やラグやカーテン、そしてキッチンや浴室などの設備も、これから時間を見つけてはショールーム巡りをご一緒するお約束を致しました。

 

新規プロジェクト:港区R邸

港区R邸

新しく始まったプロジェクトのご紹介です。都内の新築マンションの全面リノベーションプロジェクト、港区R邸です。

こちらは、まだ完成したばかりの新築マンションですが、お客さまが望んでいらっしゃるインテリアとは程遠い作りとなっているので、お引渡しと同時にリフォーム申請を管理組合(実際にはまだ発足していないので管理会社)に出して、工事を始めることになっています。
新築マンションで、こちらのマンションのように数億を超える価格のお部屋であれば、新築オプションといってデベロッパー側が建物を建設するゼネコンとの間にコーディネーターを手配してくれて、間取りの変更や仕上げ材の変更をしてくれるのが普通です。ただ、今回のケースではお客さまのRさまがこの部屋の契約をなされたのが、発売後しばらく経ってからの少し遅いタイミングだったので、その時点で既に新築オプションの期限が終わってしまっていたのです。

ここまで10回以上のお打合せをお客さまご夫妻と、このプロジェクトを紹介してくれたリフォームキューの担当の坂本さんと行ってまいりましたが、実は現地を拝見するのはこの日が初めてでした。新築マンションの施主検査に相当する内覧に合わせて現地を拝見させて頂きました。リフォームキューからは坂本さんをはじめ、設備や電気屋さん、坂本さんの上司の森井さんや石原さんも現場をチェックしに来てくれました。

お引渡しまでは、管理組合に保管されるべき竣工図をチェックすることもできなかったので、これまで詳細が良く分かっていなかった窓サッシ際の実測をさせて頂きました。

アルミサッシの冷たいシルバー色がお嫌いとのことで、無垢の木材やダイノックシートを張る予定ですが、それらがうまく施工できるか、細かくサッシのコーナーや取り合いを確認して行きました。

こちらが部屋に入ってすぐの玄関ホールですが、マンションのエントランスからエレベーターホールへと続いてきたラグジュリアスな雰囲気はここらへんで途絶えてしまっていました。

この浴室は、残念ながら一度も使われないまま取り壊されてしまうのです…。でも、ちょうど打ち合わせ最中だった浴槽のサイズや洗い場からの跨ぎ高さ、使い勝手などのご説明用に使わせて頂きました。

お客さまが帰られた後には、設備関係や床下&天井裏の作り方をじっくり研究してゆきました。まずは分電盤の様子です。

天井と床下、壁に見つかった点検口は全て開けて、中を確認してゆきます。

天井裏はこのような状況なのですが、写真を何枚撮っても、どのような実態になっているかを理解するのが難しいので、天井高さとコンクリート躯体の関係(なぜそこだけ天井が下がっているか等)、LGSの建て方、設備ダクトの内容と通る方向、電気・弱電配線の位置、その他設備(自火報等)と分けて、少しずつコンテキスト(文脈)を読み解くように理解してゆきます。

床下の点検口は、隠されたところにあるので注意が必要です。ここでは、洗面所の引き出しを取り外した下部にありました。ほかの人たちが覗き込んだのですが、手が届かないとのことで、手だけは長い僕が頭と手をキャビネットに突っ込んで床下の様子を覗いてみました。

こちらが床下の状況です。灰色の太い管が排水管で、水色が給水、ピンクが給湯管となっています。水回りがレイアウトされている箇所は、床下のコンクリートスラブが一段下げられていることが分かりました。

浴室の天井裏からは、壁際に無駄になっているスペースが15センチほどあり、その分浴室を大きくすることが可能なことが判明しました。

壁から柱状に出っ張っているPS(ピーエス:パイプスペースのこと)もすべてチェックしました。キッチン横の大きなPSを低い位置にある点検口から手とカメラを突っ込んで上方向を撮影した様子ですが、床から150センチほどまでは何もなく、そこから上にダクトを集めたチャンバーボックスがありました。これは、床から150センチほどまでを収納に使うことができそうだとのことで、早速事務所に戻った後にお客さまに「良いニュースです!」とお知らせいたしました。キッチン回りの収納量に余裕が生まれそうです。

その他、壁際のPSにも結構な余裕があったので、配管のルートを変えることで、PSそのものをなくしたり、大きく縮小することもできそうでした。
まだ、お部屋の詳しい図面も揃っていない段階ですが、ここまでじっくりと調査をすることができたので、ここから先はその内容を検討しながら、より具体的な設計を詰めてゆくことができそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

床下地&ユニットバス設置@西麻布N邸

西麻布N邸

西麻布N邸の工事が色々なフェーズで進行中です。

まずは床下地です。マンションの管理規約では「LL40及びLH50を目指すもの」との記載がありますので、遮音下地業界(そのような業界があるかはよく分かっていませんが…)で最も信頼がおける会社の万協フロアーYPE-S4タイプの標準仕様にTGボードを加えて、さらに下地の下にはグラスウールを敷く仕様で下地を作って貰っています。

ミアダのように切れ目が入っているのが厚み20ミリのパーティクルボードで、黒いシート状のものが、4ミリ厚のアスファルトシートです。

窓際やリフォーム前に水回りがあった個所にはシンダーコンクリート(かさ上げのためのコンクリートで構造的には意味がないもの)が打たれているので(遮音のためにはハツッてしまいたいところですが、工事でのハツリも厳しく制限されているので)、それは残したままパーティクルボードをフラットに仕上げて貰っています。

床下に配管が通っている箇所については、(床下寸法が十分にない為)従来もそのように作られていましたが、配管を避けながら遮音下地を入れて貰っています。

やはりシンダーコンクリートが打たれていたかつての浴室は、新しい排水管を通すために、工事騒音がなるべくしないようにコア抜きで溝状にハツって貰っていましたが、そこに排水管と給水管が通されていました。

もう一か所の浴室だった箇所にはシャワーユニットが設置され、

家族共用の大きなオーダーユニットバスも設置されました。ともに東京バススタイルにお願いしたものです。

オーダーユニットバスの内部です。PS配管の形が室内に出っ張った形となっているのですが、変形なことを逆手にとって、水栓前のライニング上のタイル色を変えてニッチ状に見せています。また、大きな室内なので浴槽前にはアクセントで金と銀のタイルを張っています。

浴室の奥が広くなっていることを利用して、ジャクソンの大型浴槽のAbbraccio(アブラッチオ)を採用しております。浴槽手前壁(エプロン部分)は将来のメンテナンスのために、タイルを後張りとしてシールで納める予定となっています。

主にご主人さまが使う予定のシャワーユニットは、ユニットバスと違って、黒を基調としたスタイリッシュなデザインになっています。

ユニットバスとシャワーユニットの設置も無事終わったタイミングで、お客さまご夫妻が現場に来てくださいました。

ユニットバスの広さも現地で確認して頂きました。

ご主人もご自身がメインで使うシャワーユニットも確認して、「もっと狭いと思っていましたが、十分な広さがありますね」との感想を述べられていました。シンダーコンクリートを溝ハツリして作った配管経路のことは、現場監督に石山さんを労ってくださいました。

現場内に机をセットしてもらい、現地の光環境で、仕上げ材の最終確認もして頂きました。

事前にメールでお送りしていた、担当スタッフの前田君が作ってくれた着彩スケッチの洗面と脱衣スペースの資料をご一緒に見ながら、

それぞれの場所にどのような素材を使うかの最終決定をさせて頂きました。

また、カーテン&ラグ専門店のオーシマプロスでご提案していたラグは、サンプルをショールームからお借りしていたので、それらもご一緒に触り心地などを確認しながら最終決定をお願い致しました。