Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

六本木T邸の本見積り

六本木T邸

今年4月にお話を頂いてから、ゆっくり慎重に設計を進めてきた六本木T邸、ようやく本日、本見積りを三社の工務店にお願いいたしました。午前10時から夕方4時半まで、現場に三社の担当者、設備関係の職人さんたちに重ならないタイミングで来て貰い、それぞれに設計意図や難しいと思っている点などを丁寧に説明いたしました。

各社には事前に現状平面図とリフォーム後平面図を渡しておいたので、ザッと一通り見て貰った後は、設備の状況や細かい取り合いなどもきちんと見て貰いました。

各社の人たちが興味を持つところが、似ているようで少しづつ違っているのが面白く、それぞれ指摘された事項に対して、設計側の意見を伝えてゆきました。これらについては、後で全てを纏め、各社に連絡事項として渡してあります。見積りの結果は来週末に上がってくる予定です。

同時に、マンションの管理会社と消防設備の折衝も行っています。図はスプリンクラーのレイアウト図面です。共同住宅用で半径3.25mの範囲まで届くスプリンクラーがどのエリアをカバーしているか、それによってスプリンクラーの移設や撤去が可能かを打合せしてゆきます。

最後の写真は、母校・麻布高校が夕焼けできれいに見えたので嬉しくて撮った写真です。考えてみれば、生まれた病院から小中高、そして現在の事務所や自宅までが、この写真のエリアに納まっていることを改めて不思議に感じました。

マンションリフォームの照明計画

六本木F邸

現在設計進行中の二つのリフォーム物件の照明計画を、いつも設計相談に乗ってもらっている照明デザイナーの三橋倫子さんに見て貰いました。

照明デザイナーの三橋倫子さん

模型が写っている六本木T邸は、大人っぽいスタイリッシュな照明で、特徴であるスチールサッシへの光の当て方や、モルタル壁の見せ方の工夫を、もう一つの六本木F邸ではオークの木目に優しく光が回り込むデザインを相談に乗ってもらっています。

通常の照明計画であれば、事務所内でも設計できますが、今回ようにリビングライコン(ライトコントロールシステム)が絡むと、機器の相性や容量などの調査が必要になります。そんな時にいつも相談に乗ってもらっているのが三橋さんで、これまでも白金台S邸高輪M邸などでもお世話になっています。

その後、六本木F邸プロジェクトはお施主さまの都合で、残念ながらキャンセルとなってしまいました。ここまでお手伝いしてきたので、何とか実現させたかったのですが、致し方ありません…。Fさま、ここまでのプロセス、どうもありがとうございました。

リフォーム・リノベーションのお役立ち雑誌・本-2

建築知識学校 リフォームセミナー

先回ご紹介した「リフォーム・リノベーションのお役立ち雑誌・本」特集の第二弾です。あくまで設計者として役に立つ本や雑誌を紹介していますので、その点はご了解ください。

マンションリフォーム施工マニュアル

マンションリフォーム 施工マニュアル」(REPCO) ◎
マンションリフォーム推進協議会(REPCO)が出版しているマンションリフォームに特化したマニュアルです。リフォームに関連した法規から各種工事のマニュアルまで、本当に細かく詳細に説明してくれています。

僕が持っているのは2001年度版ですが、現在は「マンションリフォーム専有部分施工マニュアル」として2009年度版が出ているようです。税込発送費別で7000円しますが、それ以上の価値がある本だと思っています。僕も早速新しい版を手に入れます。

マンションリフォーム実務者必携

 「マンションリフォーム実務者必携」(財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター) ◎
マンションリフォームマネジャーの資格試験や住まいのリフォームコンクールを主催している住宅リフォーム・紛争処理支援センターが出している、試験勉強用の参考書です。マンションリフォームに関する知識はほぼ網羅しているスグレ本です。この内容すべてを覚える必要はありませんが、一冊事務所にあると困ったときの解決の近道です。

マンションリフォームの設計と施工

マンションリフォームの設計と施工」(彰国社) 〇
ちょっと古い本ですが、壁や床、天井のリフォームに際しての寸法が記されたディテール図面が嬉しい本です。基礎事項である法規等については情報が古くて役に立ちませんが、公団の集合住宅の年代毎の内装材や仕様を比較した表も、古い建物の仕様を探るうえで役に立っています。

 住宅リフォーム支援制度ガイドブック

「住宅リフォーム支援制度ガイドブック」(国土交通省住宅局) 〇
国土交通省住宅局監修のリフォームの減税・補助・融資についての公的なパンフレットです。毎年変わるこれらの情報をフォローしてゆくのはとても大変ですが、最新版のパンフレットがあれば心強いですね。無料での送付もお願いできますが、PDFでダウンロードすることもできます。

住宅インテリアの設備

住宅インテリアの設備」(彰国社) 〇
直接的なリフォームの本ではありませんが、建築出身でない方が特に苦手な住宅の設備関係を図解入りで説明してくれる本です。僕が持っているのは1992年度版で古いので、インターネット配線やエコ関連の設備は記載すらありませんが、電気配線や給排水の配管の種類や太さ、注意事項などが判りやすい形で記載されていて、ちょくちょく参考にしています。

以下は既に廃刊になっているようですが、事務所で愛用しているリフォーム本です。

住宅リフォームエキスパート

「住宅リフォームエキスパート」(財団法人 住宅産業情報サービス)

増改築の計画

「増改築の計画」(財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)

インターネットでざっと探しても見つかりませんでしたが、持っていてそれぞれ損はない本だと思っています。第二弾はこれで終わりとしますが、第三弾ではデザイン的に参考になる本や雑誌を紹介したいと考えています。