Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

雑誌「家庭画報」の取材撮影@元麻布I邸

[元麻布I邸]

雑誌「家庭画報」(世界文化社)が、4月1日に発売予定の5月号にて「豪邸」の特集を組みたいとのことで、元麻布I邸に取材撮影に来てくれました。

最初は、豪邸特集を予定しているので、それにあいそうなプロジェクトを紹介して欲しいとの依頼メールがライターのKさんから届きました。単なるインテリア空間の紹介ではなく、あくまでもお客さまのライフスタイルの紹介という形での記事となるので、お客さまの一家が何らかの形で写真に登場するという条件とのことでした。その趣旨を元麻布のIさまご夫妻にお話したところ、「喜んで協力したい」との嬉しいお返事を頂きました。
そこで実施されたのが、この写真のロケハンでした。

「ロケハン」とはロケーション・ハンティングの略語で、撮影の前に現地の様子を確認して、どのようなシーンを撮影するか、撮影するうえで足りていないものがあった場合は、お客さまに事前に用意して貰うか等を考えるための事前訪問のことです。このロケハンの時点から、ライターのKさん、家庭画報編集部の道面さんと賀来さんが現地に来てくださって、Iさまご夫妻とお話をして、各部屋を見てくださいました。

こちらは主寝室を案内して貰っているときの様子です。お引越しの直前にお子さまが生まれて、お引越し後もインテリア備品を揃える時間がなかったとのことで、ベッドリネンなどは編集部からお借りすることになりました。

さて、撮影当日ですが、以前からIさまご夫妻がご自宅のフラワーコーディネートをお願いしているMUKUの山口祥次郎さんが、撮影のテーマに合わせて素敵なお花と植栽を持ってきてくださいました。

撮影はカメラマンの大泉省吾さんが、Iさまご一家に登場して貰いながら、このようなスタイルで撮っていってくれます。

僕らが行う建築・インテリアの撮影では、人物は映さない、小物でも生活感が現れすぎるものは映さない、などの独特のルールの中で撮ってゆきますが、今回はIさまご夫妻のライフスタイルがテーマですから、I家の皆さまが写りこんだ写真がメインで、Iさまの私物の食器や本などもテーブルに置かせてもらっての撮影となっています。

撮影の合間には、Kさんや道面さんからのリノベーションについてのインタビューを受けたり、

誌面に建築家として顔写真も掲載されるとのことで、ベランダで僕自身が撮影して貰ったりしました。

午前10時から、途中、編集部差し入れのサンドイッチを頂きながら、午後2時間での約4時間で、すべてのシーンの撮影と取材を終えることができました。とてもスムーズで気持ちの良い撮影&取材で、まだ生後6か月のR君も始終ご機嫌で、笑顔と笑いが絶えないひとときでした。こちらの写真は、すべてが終わった後の記念撮影です。左から、ライターのKさん、編集部の道面さん、私各務、Iさまご夫妻とR君、編集部の賀来さん、カメラマンの大泉さん、そしてうちのスタッフの前田君です。
「至福の豪邸物語」が特集された家庭画報5月号は4月1日の発売ですので、どうぞ楽しみにお待ちください。最後になりましたが、今回の取材撮影へご協力してくださったIさまご夫妻、どうもありがとうございました!

2号連続でのリノベーション対談@建築知識

[リフォーム]

ブログでの連絡が遅くなってしまいましたが、雑誌「建築知識」(エクスナレッジ社)にて、2号連続でリノベーション対談が掲載されました。

共通のテーマは「リノベーションが想像する過去のある未来」で、対談相手はTVの「劇的!ビフォー&アフター」でお馴染みの空間の交渉人こと、イン・ハウス建築計画の中西ヒロツグさんでした。

2017年2月号では、お客さまのご厚意で、青山P邸をお借りして対談させて頂き、タイトル写真も撮影して貰いました。

2017年3月号では、中西さんと共同で設計させて頂いた田園調布F邸の場所をお借りして、対談させて頂きました。F邸を訪問させて頂くのも、2年近く振りでしたが、お子さまたちも歓待してくれて、とても楽しい対談になりました。

対談の内容は、マンションリノベーションについては各務が、戸建てリノベーションについては中西さんが語るスタイルで、設備や構造、インテリア素材などについて、多岐にわたる内容となっています。写真で紹介している事例も、二人の設計事例が混じっていますが、色々なものが使われているので、是非本屋で手に取ってご覧ください。

こちらが、2号連続での連載になった建築知識の表紙です。3月号は「成功するリノベの法則」というタイトルで、リノベーションについての内容充実した特集記事もあるお役立ち本です。

 

ビフォー&アフター 横浜伊勢山Y邸の竣工検査

[横浜伊勢山Y邸]

横浜伊勢山Y邸のリノベーション工事が完了いたしました。

早速に家具なしではありますが、竣工写真を撮影させて頂きましたので、リノベーション前と後を比較するビフォー&アフターの写真を作ってみました。
リビング側から玄関ホールを見返したアングルの写真です。かつては、リビングとダイニングが大きな可動建具で仕切られていましたが、それを撤去して、二つの空間を一体化しました。また、玄関ホールからの建具が唐突だったり、PSや柱型のせいで凸凹していたラインを特注の大型スチールサッシでスッキリと整理してみました。

因みに、こちらがお客さまの竣工検査時の様子です。前とは打って変わったシックで高級感のあるデザインになったことで、とても喜んでくださいました。

こちらからリビングからダイニングを見た写真のビフォー&アフターです。スチールサッシはリビング側にせり出してきていますが、ラインがきれいに揃ったことと、ダイニングとの仕切り建具が無くなったことで、却って広く感じられるのではないでしょうか?窓のサッシと連続した大判の鏡も効いていますね。

ダイニングからキッチンを見返したアングルです。L字カウンタースタイルだったキッチンを二つに分けて、ダイニングに対面したカウンター側にシンクを持ってきています。また、冷蔵庫が隠れた位置におけるレイアウトとなっていましたが、冷蔵庫をより使いやすい位置に変更するとともに、ワインセラーとワイングラス収納を冷蔵庫の隣に持ってきて、華やかさを加えています。
以前は空間的にもキッチンとダイニングが分断されていましたが、キッチンカウンターの甲板と側面板をダイニングにまで廻すことで、両者が繋がって見えるように感じられるようになりました。ただ深く折り上げただけだった天井にも、ダイニングテーブルを照らす照明ボックスを浮かせ、折り上げがわも間接で照らしたことで、懐が大きな空間になりました。

キッチンカウンターからダイニングとリビングを見返したアングルです。空間がガタガタしていたものが、すっきり整理されて、リビングまで見通しの良い空間になりました。

左が改装前の玄関ホールで、右がリフォーム後です。玄関のタタキ部分とホールが天井の高さや間接照明、右側の収納の奥行きの変化などできちんと区分けされたことで、空間の形が判りやすくなっています。高級感のある大理石やスチールサッシを使ったことで、よりシックに仕上がっています。

こちらは来客用トイレの比較です。以前のレイアウトは、なぜこれだけの広さがあるのに、こんなに手洗いが小さかったのだろうかという疑問しか浮かびませんでしたが、広いカウンターと大き目の手洗いが付け加わり、より使いやすいレイアウトになったと思っています。

その他の写真は、ビフォーが上手く撮影できていなかったので、比較できませんが、こちらはキッチンです。通り抜け型にしたことで、カウンターは分かれてしまっていますが、シンクの位置が使いやすくなっていたり、ワインセラーやその背面の家電カウンターと見せるところと隠すところが上手く切り分けることができたと思っています。

玄関ホールのスチールサッシのディテールです。デザインは苦労しましたが、カッチリとスタイリッシュに仕上がりました。右手の壁にはコート掛け収納が隠れており、左手には(写真には写っていませんが)キッチンへと通じる引き戸があります。

カウンター本体とメディスンキャビネットだけを利用して、カウンター甲板とシンクと水栓、扉も作り直したリノベーション洗面カウンターです。右手の柱型も取り込んで、脱衣カゴを収納するニッチやリネン収納を一体的にデザインすることができて、とても使いやすくなったと思っています。
ようやく完成したこの横浜伊勢山Y邸ですが、当初の予定通りリノベーション工事完了後に販売されることになりそうです。もうすぐ、この空間のサイズに合わせて購入して頂いたソファーやダイニングセットが入って、内覧して頂くことができるようになる予定です。

 

 

出張料理人・岸本恵理子さんのお料理での竣工記念パーティ@原宿K邸

[原宿K邸]

昨年4月に全面リノベーション工事が終わってお引渡しをしていた原宿K邸ですが、先日竣工お祝いのパーティーを開いて、施工の現場監督の辰・田所さんと設計担当者であるスタッフの竹田さんと各務をお招きくださいました。

お料理は、各務の義姉でもあるイタリア料理の出張料理人である岸本恵理子さんに声を掛けてくださいました。原宿K邸の奥さまは、お料理が大好きだとのことで、料理の先生にもついていらっしゃいますが、そこから偶然に義姉の恵理子さんとも繋がって、竣工パーティーを開くなら彼女にお願いしようと以前から盛り上がっておりました。

パーティー当日に先立って、1週間ほど前には料理をする現場視察(?)とのことで、原宿K邸のキッチンの様子を見に来てもらっています。

パーティー当日の料理のメニューを一緒に考えると共に、お鍋やお皿、ボウルなどで調理に使えるものがどの程度あって、何を持参したらよいかをこのように調べさせて頂きました。

通常の出張料理だけであれば、食事開始時間の2時間前にお宅に伺えれば、十分時間があるとのことでしたが、今回はパスタ生地を練るところや、料理の下準備も半分くらいは一緒にやりたいとのこちら側の希望があったので、3時間ほど前にK邸に来てもらっています。

お料理がお好きな、お嬢さまも参加して手打ちパスタを作っている様子です。当然ながら、私、各務も手伝いましたが、ここでは後ろのシンクで食器を洗っております。

手打ちパスタで作ったのが、シシリアのトラーパニに伝わるブジアーテというねじりパスタです。細く伸ばしたパスタ生地を、焼き鳥のくしのような細い棒を使って捩じってゆくものでした。ソースも、シチリア風のイワシとフェンネルと干しブドウと松の実を使ったオーソドックスなものでした。

料理は、焼き立てのグリッシーニに前菜が4種類、パスタ2種類にお肉のメイン料理とデザートと豪勢なコースでしたが、作るだけでなく教えてもらうという欲張りなスタイルで、恵理子さんも大変だったのではないでしょうか…。

全ての料理の写真を撮ったわけではありませんが、左上から時計回りに、生ガキの前菜、芽キャベツのフリット、ピエモンテ名物の極細パスタのタヤリン(こちらはあまりに細いので、事前に仕込んで貰っています)、チョコとキンカンのデザート、メイン料理の豚肉のロースト、そして先ほどのイワシのシチリア風パスタです。

メインの豚肉は、K邸キッチンに採用したミーレの最新式スチームオーブンDGC6800を使って、2時間近く掛けて肉の内部温度を60度でレアに仕上げたローストポールでした。

美味しいお料理にお酒、そして皆が料理を作ったり食べたりしながら、賑やかに設計や工事のプロセスを振り返りながらのパーティー、本当に楽しく時が経つのを忘れてゆっくりさせて頂きました。岸本恵理子さん、美味しいお料理どうもご馳走様でした(キッチンが使いやすいとのお墨付き、どうもありがとうございました)。そしてKさまご夫妻、とても素敵なお食事会にお招きくださり、本当にありがとうございました!

 

 

 

ヴィンテージマンションの空調機器調査@白金台H邸

[白金台H邸]

先日プロジェクトの設計デザインが始まった白金台H邸ですが、エアコンを全面交換するか、既存機器を活かして補修してゆくかで、費用的に大きな差が生まれることが判ったので、その調査に入って貰うことになりました。

空調機はアメリカンスタンダード社の空冷式エアコンシステムのダクトタイプです。室外機が屋上に一台、室内機も廊下に一台あり、そこから各部屋に向かって天井裏をダクトが伸びているスタイルです。

室内機については、7年ほど前にその時点で故障しそうだった部品を交換していたそうです。このようなヴィンテージマンションのエアコンは、GE(ジーイー)にしてもハネウェルにして、今回のアメリカンスタンダードにしても、メーカーが日本から撤退してしまっていることがほとんどなので、補修しようと思っても部品が無くなっていることがほとんどです。しかし、このマンション全体の空調も見てくれている城西エアコンに点検をして貰ったところ、今回補修が必要な箇所については、部品がまだあるとのことで、補修が可能との判断が出ました。

屋上に上っての室外機の点検の様子です。室内機よりも室外機の方が重要なので、電圧などの異常がないかもきちんとチェックしてくれています。

各吹き出し口に、風量と温度をチェックするセンサーを当てて、暖房と冷房それぞれを作動させたうえで、検査をして貰いました。

吹き出し口のルーバーのチェックまでしてくれています。
検査だけでも3人の方が来てくれた分で2万円+消費税の費用が掛かりましたが、検査の結果35万円程度の補修費用で、既存のエアコンが使えることが判りました。全面的にシステムを変更すると、400万円以上の費用が掛かると言われていたので、360万円ほどのコストセーブができたことになり、お客さまも大変喜んでくださいました。

 

レザー張り扉の研究@麻布台M邸

[麻布台M邸]

これまでにも幾度かレザー張りの建具をデザインして、作って貰ってきましたが、細かいディテールやレザーの選び方で思い通りに行っていない部分がありました。昨年は、栃木にある工場まで出かけて職人さんの話も聞いてきましたが、まだ納得がいっておりませんでした。

今回は、難しいディテールや素材のことに詳しいトリシュナ・ジバーナの三浦さんに協力して貰い、素晴らしいレザー張り建具を作ることができたと思っています。そこまでの研究の成果(?)を記事にいたしました。

素材としての皮革ですが、本物の牛皮だと、革の厚みやサイズ的で思ったようなものが作れなさそうなので、やはり人工レザーで進めようと考えました。

壁の大理石がモナコグレーで決まっていたので、そのサンプルを持って、これまでも人工レザー素材を使わせてもらっているイノベイジアの岩本町ショールームを訪問してきました。これまでは、イメージを伝えて選んだサンプルを送って貰って、その中から選んでおりましたが、やはり大量にあるサンプルを実際に見比べながら選ぶと、より多くの気付きがありました。

人工レザーに限らず、本物の牛皮も拝見させて貰いました。アメリカでは最高級の牛皮といわれているGarrett社のレザーサンプルです。

微妙な色味の違いも表現されており、カラーサンプルのように多彩な見本がありました。

本革は人工皮革以上に色々ななめし方、パターン付があるそうです。ハイエンドブランドのコートやカバン、靴などに使われる素材まで考えると、ほぼ無限にバリエーションがあるとのことでした。当然ながら、人工レザーと比べると、価格も数倍の価格となってしまい、サイズも牛一頭から取れる牛皮の大きさが限定されてしまうので、それに合わせてデザインしなければならないので、やはり人工レザーで進めることを再確認いたしました。

幾つかのサンプルをショールームからお借りして、麻布台M邸のお客さまご夫妻に確認して頂いている様子です。

大理石だけでなく、造作家具に使ったチークやカラーガラスとの色味の相性、そして革のテクスチャーやスティッチを入れる糸の太さと色も確認して頂きました。

トリシュナ・ジバーナの三浦さんに書いて貰った施工図を、こちらでチェックして返す作業を3度ほど繰り返して、ようやく作り始めて貰うことができました。

そして、レザー建具が作られて、現場に吊り込まれたのがこちらです。この距離だと、レザーの室間が伝わってきませんが、左側の造作家具カウンターや吊戸棚の高さと、レザー建具の特注取っ手の高さ、そしてスティッチの位置が合っており、そしてそれが右側の大理石の目地の高さとも合っていることが判るでしょうか…。

取っ手部分のディテール写真です。スティッチもとてもきれいで、特注取っ手との取り合いもとてもきれいです。

扉を閉じた時の様子ですが、このようなアップ写真で見ても、カウンターの高さとピッタリ合っていますした。価格もこれまで作って貰ってきたレザー建具より高くなってはしまいましたが、費用を負担してくださったお客さま、そしてトリシュナジバーナとイノベイジア、全てを組合せてくれた施工会社の青のご協力で、とても満足度が高い扉をつくることができました。

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