Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

オーダーユニットバスの設置取り付け@港区R邸

港区R邸

工事進行中のハイエンド・リノベーションプロジェクトの港区R邸の現場に、オーダーユニットバスが設置されました。

オーダーユニットバスの設置

まだ組み立てられたばかりで、タイルが張られていない箇所もありますが、大判のイタリア製大理石調タイル、アリオステア社のアラベスカート柄がスタイリッシュで、お客さまが当初お話して下さっていたイメージにかなり近づけたのではと思っております。

オーダーユニットバスの設置

特注ユニットバスの外側から見ると、このような組み立て方となっております。床からは鋼製の束を立てて洗面脱衣と床の高さを揃え(手前の洗面脱衣はまだ床下地が組まれていません)た位置にFRP製の防水パンを置き、その上に大判タイル(60センチ角と60×120センチの2種類)を張った壁パネルを立上げ、天井には白いパネルを置き、手前にはステンレス製のサッシ枠を取り付ける構成となっています。

特注ユニットバスの設置

床下を覗き込むとこのようになっています。右下から伸びている灰色の管が50φ(内寸で直径50ミリ)の排水管で、水色と濃いピンク色の管がそれぞれ給水と給湯管となっています。今回は、洗い場の左右に天井付けのレインシャワーがあり、さらに浴槽への給湯もあるので、給水と給湯管がそれぞれ3本ユニットバスに繋がっています。

特注ユニットバスの設置

浴槽はJAXSON社の大型浴槽Rose 2089 C(1980ミリ×890ミリ)のジェット(背面や側面からの水流)とブロー(底面からの泡)付きを入れて貰っています。ジェットとブローのための配管が浴槽デッキの下を縦横に走っています。タイルが抜けている面を設計用語ではエプロンといいますが、この部分は後々のメンテナンスのために、タイルを剥がせるようにして貰っています。
因みに、ジェットやブローはマンションによっては騒音や振動のことで禁止されていることがありますが、こちらのマンションでは問題がないことを確認し、さらに床下に防振ゴムを採用たうえで採用しております。

大判タイル張りの特注ユニットバスの設置

メインの水栓側の壁と入り口側の壁の様子です。入り口横には、シャンプーや体を洗うスポンジ等を置くためのニッチを作っています。ご家族4人それぞれの用具を置くために、このニッチには後ほど3枚のガラス棚板を入れる予定となっています。

特注ユニットバスのタイル壁の裏側

お嬢さまの部屋側から見た、オーダーユニットバスの背面壁です。手前の壁下地用のLGSの裏側がタイル壁の背面で、白い部分がケイ酸カルシウム板で、木のベニヤ板が張ってある箇所は、水栓などの器具の取り付けや、将来的に手すりなどをつけたいときのために木製下地を取り付けた箇所となっています。

特注ユニットバスのサッシディテール

洗面脱衣側にはガラス扉とガラスの窓が付きますが、両方ともステンレス鏡面仕上げの枠仕様となっています。建枠が扉と窓の仕切りで、溝のように見える箇所にガラスを挟むみ込むことになっています。通常のオーダーユニットでは、浴室内から見るとステンレス枠ですが、洗面側から見ると建築工事で木製塗装枠になってしまうことが多いのですが、港区R邸では洗面側にも同じグレードのステンレス枠を取り付けて貰う予定となっています。
こちらのオーダーユニットバスの東京バススタイルでのお打合せ時の様子はこちらで紹介しております。

置床システムの組み立て

その他の部屋の工事も着々と進んでいます。こちらはリビングダイニングですが、遮音置床の組み立てが進んでいます。

置床システムの組み立て

束の上にパーチクルボードを敷き、その上に黒いマット、さらにその上にエコボードを張って床下地が完成となります。

天井隠蔽型エアコンの吊り込み

ダイニングの天井には、新しい隠蔽型のエアコンが2機設置されました。従来は天井カセット式エアコンでしたが、どうしても大きなフェース(吹き出し口と清掃口が一緒になった大き目のパネル)が天井に見えてしまうので、なるべくそういった設備類は隠したいとのことで、居住空間からは空気の吹き出し口と吸い込み口、そして清掃用の目立たない点検口だけしか見えないこの機種に変更しました。屋外機は既存を再利用し、室内機もお客さまが持っていらっしゃる他の事務所で使いたいとのことで、大きな無駄はなくすように努力しています。

壁LGS下地と置床下地が組み上がった主寝室

主寝室か壁・床共に下地が終わっています。息子さんとの間仕切壁(写真左側壁)は遮音仕様の壁を一枚立てた上で、さらにその手前にLGS下地を組んで、壁掛けテレビを埋込めるような作りにしています。床については、室内に大理石張りの部分とフローリング部分があるので、下地の面材も変わっています。

壁LGS下地と置床下地が組み上がった主寝室の天井設備配管

遮音仕様は壁の仕組みだけでなく、天井や床下で壁を貫通する配管が通っていると、そこからも音が漏れる可能性があるので、配管やダクトの経路も全て変えて貰っています。写真左上には、空調機の冷媒管が隣の部屋へと貫通している箇所が残っていましたが、こちらも経路を変えて、廊下経由で室外機への伸ばして貰い、この箇所も厳重に穴埋めしてもらうように指示しています。

 

大型有機ELテレビのあるホームオートメーション計画

港区R邸

音響や高解像度のテレビに強いご興味をお持ちの港区R邸のお客さまと一緒に、渋谷の家電量販店を訪問し、最新の大型有機ELテレビを見てきました。

大型有機ELテレビ購入@家電量販店

4Kの有機ELテレビの画像の美しさは、色々な所で噂には聞いておりましたが、今回お客さまと一緒に見比べることで、その映像の鮮やかさや黒色の美しさを実感することができました。当初は100インチを考えておりましたが、受注からの製作で納期が掛かることと、それだけで600万円を超える額(!)になることをお客さまにご説明したところ、サイズの割にはCP(コストパフォーマンス)が良く感じられる77インチで進めることになりました。

大型有機ELテレビとハードディスク購入@家電量販店

有機ELテレビとの相性を店員さんに聞いて、録画用のハードディスクも選んで頂きました。今回はB&O(バング・アンド・オルフセン)六本木店でクレストロンやルートロンを組み込んだホームオートメーション・システムをリビングダイニングに組み込んで貰う予定となっていますが、テレビはオープン価格で定価設定がないことが多いので、B&O経由よりお客さまに直接購入して頂く方が明解だとのことでした。ここでまずはお見積りを取ったうえで、後日お客さまにご購入して頂くことになりました。

バングアンドオルフセンショールームでのシアタールーム体験

こちらは別の打ち合わせ時に訪問したB&O六本木店で、ステレオの音響をRさまご夫妻に確認して頂いた際の様子です。ショールーム内のシアタールームで、低音響のウーハーやサラウンドシステムの効果を体感して頂きました。

B&O六本木ショールームでのシアタールーム体験

音響だけを考えれば、写真右にあるような置き型のスピーカーが理想なのを良くRさまはご存知ですが、今回は部屋のインテリアとの相性を考えて、天井埋込のスピーカーを使うことのご了承を頂くことができました。ただ、それでもなるべく音質の良い天井埋込スピーカーをとのことで、ともにイギリス製の高級スピーカーブランドのLINNKEFを候補に挙げて、検討してゆくことになりました。

バングアンドオルフセンショールームでのクレストロンのホームオートメーションシステム体験

B&Oの営業と技術を担当してくれている阿南さんが、クレストロンのホームオートメーション機能でリビングダイニングのTV&AV、照明、エアコン、カーテンを操作するイメージを、iPhoneを使って説明してくれました。

ホームオートメーションシステムのイメージ図

実際にはiPadをご購入いただいて、そこにアプリを入れて使うので、もっと使いやすくなりますが、部屋毎やエリア毎にスピーカー範囲が違ったり、作動できる照明やカーテンなどの範疇が変ってくるので、最初に覚えるまでは大変そうだと奥さまが嘆いていらっしゃいました…。ただ、それでも沢山のリモコンを抱えて、マニュアルに沿ってボダンを押してゆくより、もっと直感的に使えるようになる予定ですので、そのことを再度ご説明させて頂きました。

 

 

 

 

突板塗装仕上げサンプル×50枚以上

港区R邸

仕上げ材について、お客さまが大きなこだわりを持っていらっしゃる港区R邸プロジェクトでは、大量の仕上げ材をサンプルを依頼したり、作って貰ったりしています。特に作り付け家具や扉については、材料や色味だけでなく、違ったツヤのサンプルも見てみたいとのことで、造作家具と建具をリフォームキューの下請けでお願いしているニシザキ工芸さんには沢山の突板塗装サンプルを作って貰いました。

お願いした突板は、オーソドックスなホワイトオークやタモやウォールナット、それに高級突板のシャム柿や黒檀、ゼブラウッドやワンダー黒檀(人造コクタン)などで、生地のままのものだけでなく、指定色で染色してもらったり、ツヤを3分-7分あるいは5部-鏡面と塗り分けて貰っています。また、塗りつぶしの鏡面仕上げサンプルも幾つか作って貰っています。

突板塗装サンプル依頼表

こちらは、第一弾として前田君が作ってくれた突板サンプルの注文票です。お客さまが気に入ってくださっている素材と色合わせをしたり、お子さまの部屋などではダイノックシートに合わせた色味などもお願いしています。このあと追加でお願いしたものを合わせると、実に50枚以上のサンプルを作って貰ったことになります(実際にはお客さま分もあるので、その倍の100枚以上!)。

各種内装素材打ち合わせ@港区R邸リノベーション

突板染色&塗装サンプルが揃ったところで、これまでに決まった素材に、まだ最終決定していない素材と今回のサンプルを合わせて、港区R邸の現場に運んでRさまご夫妻に確認して頂きました。

各種内装素材打ち合わせ@港区R邸リノベーション

あまりに多くの素材が並んでいるのを見て、お客さまも当初は驚いていらっしゃいましたが、それだけ頑張ってリフォームキューと僕らで集めたこと、とても喜んでくださいました。まだ決まっていなかったプライベート廊下部分の壁や建具はワンダー黒檀を黒く染めた鏡面仕上げに、主寝室の建具と壁材は天然黒檀(シャチ柄)を黒く染めた鏡面で進めることに決まりました。

各種内装素材打ち合わせ@港区R邸リノベーション

これまで後手になっていた奥さまとお嬢さまの寝室についても、白の塗装色サンプルが揃ったので、現地で決めて頂くことができました。

奥さまのお好きなインテリア@港区R邸リノベーション

女性陣のお部屋のインテリアは、LDKや主寝室とは趣を変えて、白が基調となっています。お嬢さまと奥さまが一緒に考えた家具の雰囲気を確認し、造作家具で進めるか、既製品を購入して頂き、リフォームキューで同じニュアンスの白で塗り直すかを検討しておりましたが、価格差を出してもらったことで、既製品を採用する方向で決まりました。

奥さまのお好きなファブリック@港区R邸リノベーション

女性部屋はカーテンやレース、さらにベッドのリネンやスプレッド等、選ばなくてはいけないファブリック類が多いので、奥さまとスタッフの間瀬さんでナショナル・インテリアマナ・トレーディングや、FEDEフジエテキスタイルを随時廻って頂き、気に入ったサンプルを取り寄せて貰っています。

LGSスタッドと鉄骨柱が立ったリノベーション工事現場@港区R邸

リノベーション工事現場も順調に進んでいるので、お打合せの後に一緒に見させて頂きました。

LGSスタッドと鉄骨柱が立ったリノベーション工事現場@港区R邸

リビングのテレビボードには、片持ち(脚がなく、壁から持ち出して支える形式)の石のカウンターが来るので、その重さを支えるために、壁下地の中に鉄の角パイプを仕込んでくれています。大工さんの後ろに見える壁下地で、赤い柱がその角パイプです。

LGSスタッドと鉄骨柱が立ったリノベーション工事現場@港区R邸

この壁の背面にある息子さんの部屋から見ると、角パイプが仕込まれていることが良く分かります。この時点では、まだ床スラブや天井スラブにきちんと緊結されていませんでしたが…、

スラブ材に緊結された鉄角パイプの下地柱@港区R邸リノベーション

この数日後に現場を訪れた際には、このように鉄のアングル(L字型に曲がった材)金物でしっかり天井や床のコンクリートスラブに固定されていることを確認しました。

大理石と木製ルーバー壁の間接照明確認

お客さまとの打合せが終わった後、TVボードの背面壁に仕込む間接照明の設置方法と隙間寸法が決まっていなかったので、リフォームキューの坂本さんと実験をしたうえで決定いたしました。