Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

新規プロジェクト:二番町I邸の現地調査&サッシ詳細採寸

二番町I邸

新しく始まったプロジェクト二番町I邸の現地調査に伺って参りました。築12年の117平米(35坪)のお宅をLDKとお風呂を中心にリフォームするプロジェクトです。一度、ご購入が決まった時点で、前のオーナーさまがまだ暮らしている時点で現地を拝見させて頂きましたが、調査ができるような状況ではなかったので、前オーナーのお引越し後に改めて、現地調査に入らせて頂きました。

パッと見たところ、とてもきれいで、大きくリフォームする必要は無さそうに思えるのですが…、

お子さまが二人いらっしゃるIさま一家は、できればオープンスタイルのキッチンと、ご家族が集まれる大きなダイニングスペースがご希望で、インテリアとしてももっとニュアンスカラー(ヴィヴィッドカラーの反対で、彩度の低い色でグレーやベージュを中心として色合い)で纏めたいとのご希望です。
こちらが既存のキッチンの様子ですが、奥に見えるダイニングスペースに大きな問題がありました。

こちらは、事前にこちらで用意したLDKのリフォーム案です。左上の既存プランに対して、左下のリフォームA案では、ダイニングテーブルを窓際に置けるようにキッチンを縮小し、オープンカウンター設けたプランです。右下のリフォームC案は、既存とほぼ同じ大きさのキッチンとダイニングスペースで、柱型の横からベンチシート設ける考えでした。右上のリフォームB案はキッチンとダイニングの位置を交換して、窓際にキッチンを持ってゆく変形プランです。
Iさまは、広いダイニングが実現できるC案が良いのではとのご意見でした。キッチンをどのように開放的にして、リビングの家具レイアウトをどうするかを、これから相談してゆきたいとのお話でした。

キッチンを窓際に持ってゆく可能性があったので、窓サッシの位置や高さ、細かいディテールの寸法まで、担当スタッフの神崎さんに実測してもらいました。

細かく実測しながら、サッシや枠の位置関係を図面化するための寸法資料を集めていきます。

神崎さんと各務の実寸データでサッシの細かい図面を起こすことができそうです。

他の窓についても、寸法体系が同じかどうかを確認し、柱の位置なども実測で平面詳細図通りかを見て貰いました。

天井の段差位置や、照明器具、自火報、エアコンや点検口の位置もチェックしてゆきました。

その他、キッチンを作り替えるうえで、重要な要素になるシンク下のディスポーザーと設備配管の位置関係も調べました。

リフォーム後のキッチンも、シンク下の引き出しがほぼ同じ形状になると予想されるので、引き出しについてもチェックしておきました。
これらの資料をベースに、もう少し詳細まで詰めたリフォーム案を作りつつ、キッチンショールーム周りをお客さまとしてゆくことになりそうです。

 

検査を飛ばしての取り扱い説明@西麻布N邸

西麻布N邸

長かったリノベーション工事もほぼ終わり、クリーニングをした西麻布N邸の現場に、お客さまのNさまご夫妻が取り扱い説明を受けるために現場に来てくださいました。本来であれば、検査を経て補修工事を行い、お引渡しのタイミングで取り扱い説明となるのですが、今回は複雑な事情があって、流れが前後してしまいました。

まずはクリーニングが終わった状態の西麻布N邸のリビングダイニングの様子です。沢山の異種素材が混じっていますが、全体に高級感があり、華やかな空間がお好きなNさまご夫妻のお宅らしさができたのではないかと思っています。

逆方向から見たリビングダイニングです。

リビングと玄関ホールを仕切るシャム柿の二枚扉も、とてもシックで落ち着いた雰囲気に仕上がっていることが改めて分かりました。

リビングの裏にある、来客用トイレは便器が付きましたが、シンクがまだで完成一歩手前です。ゴールドのガラスタイルがNさまご夫妻からのご要望の非日常的な華やかさを演習してくれています。

こちらはクリーニングが終わって全容を現した浴室です。タイルの張り替えや、アクセントタイルが効いています。

浴槽側からの見返りアングルです。洗面から浴室内のお子さまたちの様子を覗ける小窓がついています。

お客さまが購入して現地まで配送手配して下さっていたIKEAのクローゼット家具については、施工会社が組み立てだけを請け負ってくれました。IKEAの収納サイズに合わせて部屋内寸法(こちらの寸法もお客さまが事前に調べて指定してくださいました!)を決めていたので、コーナーも含めて、きちんと組み上がってきました。

色違いのIKEAを使ったご主人さまのクローゼットもスタイリッシュです。造作家具で作った場合の三分の一程度の価格で、ここまで出来てしまうと、造作家具屋さんも顔が真っ青になってしまいそうです…。

右がIKEA家具で、左側が造作家具です。造作家具は天井までピッタリと作られているのに対して、左のIKEAのは天井との間に結構な隙間が生じてしまいました。IKEAは事前から綿密に検討しておけば、平面的には無駄なく組み上げることができますが、高さ方向は造作家具には劣りますね。それでも、ガラス扉付きの引き出しがついて、造作家具の半分以下の価格ですから、驚きます…。

先日組み上げていた、子ども部屋の2段ベッドもきちんと収まっていました。

そうこうしているうちに、お客さまのNさまご夫妻がいらして、キッチンをお願いしたアドヴァンの穂坂さんも揃ったので、検査しながら取り扱い説明をして貰いました。

食洗器やレンジフードの清掃方法まで、「マニュアルを見てください」だけでなく、きちんと穂坂さんに実演してもらっての説明にして貰いました。

浴室とシャワールームの取り扱い説明は、東京バススタイルの和久田さんでした。

キッチンと浴室の取り扱い説明が終わった西麻布N邸ですが、実はまだ完成していない部分が幾つか残っており、検査自体も後回しになっています。

取り扱い説明を終えたばかりの浴室ですが、その外側の洗濯機収納とベンチ&ミニ収納がまだほとんど出来ていない状況です…。

リビングの暖炉部分も、鉄部の塗装が完全には終わっていなかったので、一度取り外して、仕上げ塗装をしたうえで、再度はめ込むことになっています。

ほぼ完成したように見えるリビングダイニングですが、よく見ると階段の段板がまだ未施工だったり、壁の大理石の一部が張れていません。これは、石職人さんがサイズを間違ってカットしてしまったので、追加で大理石パネルを発注して、補修工事で直してゆく予定となっています。
工事工程が伸びてしまったことで、工事完了より先にお引越しで、新居での生活が始まってしまうので、検査を飛ばして、取り扱い説明をするという変則的なスケジュールで進んでゆくことになりました。

 

マンションバルコニーの屋外家具選び@ニチエスショールーム

港区R邸

お部屋の2辺に大きなバルコニー(併せて約60平米!)がある港区R邸の屋外家具選びで、お客さまご夫妻と千駄ヶ谷のニチエスのショールームを訪問いたしました。

ダイニングの横には、屋外で食事を楽しめるアウトドア用ダイニングを、リビングの外にはリビングの延長となると屋外用ラウンジチェアを、そしてコーナーで一番展望が開ける個所には、特別な屋外家具をと考えています。

ショール―ムに入ってすぐにある、円形で360度回転するデドンのオービット・ラブシートはお客さまもすぐに気が付いて、是非採用なさりたいとの話になりました。

白は清潔感があって良いがそれでも都心では汚れが目立ちそうだとのことで、選べる生地を持ってきてもらい、

灰色の生地をベースに、クッションにグリーンを使ってアクセントにする形でリラックスできるイメージを考えてみました。

最終的に選んだクッションの色味は、この3色になりました。

マンションベランダの屋外家具では、嵐や突風で吹き飛ばさせる可能性があるので、オービット・ラブシートの裏側も確認させて貰いました。このようなキャスター付きで、移動もできるそうで、フレームにワイヤーを結び付けて、ウッドデッキ下の構造体に固定することもできることを確認いたしました。

ダイニング前のテラスのテーブルは、こちらのテーブルで片側にだけシートを入れる考えでおりましたが、奥さまから娘さんのお友達が来るときには大勢で座りたいので、幅は狭くても良いが、両側からシートを入れられるものをとのことで、他のテーブルにすることになりました。

ダイニングのイスは、このCTRのラウンジチェアの小型版のアームチェアとすることになりました。清掃方法やメンテナンスのことを気になさっていたので、カバーリングの外し方も説明してもらいました。

ショールーム奥にあった、このスイングレスト・スタンディング・ラウンジャーにも興味を持って頂いたのですが、残念ながらスペース的にもバルコニーの避難経路を確保できなさそうなのと、マンションへの搬入が難しそうだったので、今回は諦めて頂きました。