Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

電気式床暖房シート&フローリング張り@青山P邸

青山P邸

工事が順調に進んでいる青山P邸では、電気式床暖房シート張りが終わり、フローリング張りが始まっていました。

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手前に見ている部分は、すでにフローリングが張られ、大工さんが養生シートを被せ始めていました。奥の部屋の床に黒い短冊状に敷かれている物が電気式の床暖房シートです。

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こちらはキッチンになりますが、部屋中央には可動式ワゴンを置く予定で、そこに電源を供給するために、床暖シートに隙間を空けて、床付のコンセントを埋め込む予定となっています。この部分は、天然大理石を張るので、仕上げ工事は少し先になります。img_20160727_133500

キッチンでも、キャビネットを置く部分は当然ながら床暖は不要なので、シートは壁から650ミリ離れた部分から敷かれています。写真の個所にはキッチンシンクが来るので、給水給湯と排水管がひかれています。

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キッチン側からリビングダイニング側を見返した様子です。フローリングだけでなく、壁下地のLGSも完成しており、もうすぐ石膏ボード張りへと工事が移ってゆきます。

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少しピンボケになってしまいましたが、こちらが青山P邸で採用したフローリングです。建築家に大人気のフローリングメーカー、IOCのオーク40ホワイトブラッシュドを採用しております。

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ダイニングの天井には、大きな掘り込み照明ボックスが埋まっています。ダイニングテーブルも2600ミリと長いものを設置する予定でなので、天井のボックスも同じ長さのものを用意して貰いました。

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こちらはリビングの書庫コーナーの天井です。この部分の天井は色を掛けるので、見切り材を入れて貰っています。まだ接着剤での固定が十分でないので、養生テープで仮固定している状態でした。

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LDKと玄関に比べると、少し工事が遅れ気味のプライベート廊下です。こちらにも大理石調タイルやカラーガラス、クロスパネル仕上げが入ってくるので、仕上がりとしては小ざっぱりしたイメージになると思っています。

 

特注色のフローリング張り@元麻布I邸

元麻布I邸

TES(東京ガス温水システム)の床暖房パネルの敷設が終わった元麻布I邸現場でフローリング張り工事が始まっていました。

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この写真では色味が良く分かりませんが、スカンジナビアンフローリングのワイドプランク材に、グレートーンに特注で着色して貰ったものです。

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木目を残しながら、少しアーティーク加工したような風情のグレー塗装して貰いました。実際にはイメージを伝えて、3種類のサンプルを作ってもらい、それを見ながらまた細かく注文するというプロセスで特注色を作って貰いました。

最初は、各メーカーにこちらが希望するグレーの色味とニュアンスを伝えて作って貰ったサンプルを持ち寄って…

メーカーをスカンジナビアンリビングに決めた上で、再度色味が少しずつ違うサンプルを作って貰ったものがこちらです。最終的には、一番後ろのものをスカンジナビアンリビングの中川さんに依頼いたしました。

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こちらが、遮音床下地を組んだうえに、床暖房パネルを敷いた様子です。すでに、床暖パネルの上に、フローリング下地用のベニヤ板も敷かれていますが…

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こちらが反対側から見た床暖パネルです。わざと二枚のパネルに隙間を空け、そこに床付けコンセントを埋め込んで貰っています。ちょうどこの部分がダイニングテーブルを置くセンターで、テーブルの下にLAN配線も含んだ床付けコンセントを取り付けて、ダイニング出コンピューターなどの作業ができるようにする予定です。

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解体時には取り外されていた天井埋め込みエアコンも、新しいものが吊り込まれ、各ダクトとの接続もされていました。

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廊下も吊り扉のレールを取り付けた後、ベニヤ板の下地と枠が取り付けられていました。

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廊下中央には、プライベートゾーンを区分ける、引き込み扉の上吊りレールも埋め込まれています。

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さらに廊下の奥には、防火扉も再設置されていました。この防火扉は、200平米以上の広さならではの問題なのですが、いかに目立たせないかも工夫のしどころです。

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こちらの小窓は、洋室の裏にある隠れ書斎の風抜きのためのものです。小窓を使った明り取りと風通しを考えています。

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そうこうしているうちに、どんどんフローリングが張られていました。すぐに清掃されて、養生シートが掛けられてしまうので、この姿もお引渡し直前のクリーニング時点まで、しばらくお預けになってしまいます。

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場所は変わりますが、アークテック社にお願いしていたイタリア・フィアンドレ社の大判大理石調柄のタイルが工場に届いたとの連絡がありました。こちらはキッチンの壁に張って貰うもので、ブックマッチ(本を開いたように左右対称になる柄)になるようにカットして貰ったものを、床に並べて貰いました。

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余った部分も大事な素材なので、来客用トイレの壁に張ることにしています。こちらは左右だけでなく、上下にもブックマッチになるように柄を合わせて貰う予定です。大きな(3メートル×1.5メートル)タイル2枚を、うまく無駄なく使えるように考えた工夫が上手くゆきそうです。

 

築浅マンションリフォームで木製下地造作工事

一番町A邸

築浅かつ高級マンションでは、壁や天井の下地材はLGSで作られることが、ほぼ定説となっていますが、なぜかこちら一番町A邸のマンションは、木製下地材で組まれています。

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マンションリフォーム&リノベーションに特化する以前は、在来木造工法の住宅設計を得意としていたので、元々木製下地の方に愛着を感じていたので、その点では何の問題もありませんでした。

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以前ぼブログ記事「LGS(軽量鉄骨)下地のメリット・デメリット」でも書きましたが、木製下地はLGS下地に比べて、現場でのフレキシブルな対応が可能だったり、既存を部分的に残しながらの工事の場合の微調整が可能なこともあるので、今回の現場では却って適していたのかもしれません。
解体時に一度取り外されていたキッチンも、冷蔵庫と仕切る袖壁の隣に再設置されていました。

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既存の天井高さ(折り上げの下がった部分)とキッチン内の天井の高さが微妙に違っていたので、キッチン内の天井は組み直すことになっています。大工さんが作業しているのは、大き目に作られていたPSを有効活用して、AV機器収納を組み込む工夫を作ってくれているところでした。

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PSは写真で手前に出っ張ってきている突端にあったのですが…

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部分解体調査の時にも、ある程度判っていましたが、PS内部を上から覗きこむと、相当大きなスペースが隠されていました。ちょうど床にバッテリーセットが置かれている個所が使えそうでした。

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壁の低い個所が少し出っ張っていますが、その一部を欠き込んで、AV機器の収納ボックスを埋め込む計画としています。

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大工工事が始まってから数日経った様子です。一般にスピードが要求されるLGS下地工事では若い大工さんが多くなりがちですが、細かい細工や面倒な調整作業が必要な木製下地工事では、どちらかというと年配の大工さんが呼ばれるケースが多いのではと感じています。

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床下地もきちんと組み上がって天井も折り下げ部分からキッチンまで、きれいに繋がっていました。

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LDの天井にあった大きな折り上げ天井は、部屋の構成に合わせて、縮小しています。電気配線を通した後で、脚立を使って天井のボード張りが進んでいました。

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浴室を設置する空間は、床下の排水管と天井裏のダクトがひかれていました。

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その横の洗面脱衣スペースには、ダブルシンクカウンター用の排水管が2本と洗濯機用の排水管が墨出しされた位置まで伸ばされていました。