Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

インテリア素材 突き板(つきいた)決定のプロセス

南平台N邸

現在リフォーム工事進行中の南平台N邸インテリアの重要なポイントになる、ダ イニング壁に使う突き板(または単板(タンパン)ともいいます)を探しに埼玉県川口市の突板屋の山一商店に伺って参りました。

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山一商店は、二階建ての大きな倉庫で、1階部分には比較的よく使われる一般的な突板(ナラ、ラワン、ウォールナット等)が置かれ、この写真の2階にはより貴重で希少価値の高いいわゆる銘木突き板が置かれています。

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事前に色のイメージをお伝えし、イメージ写真も送っておいたので、到着してすぐに幾つかの見本パネルを見せ て貰い、どのような突板が候補になりそうかをレクチャーして貰いました。こちらはサペリ材の板目です。

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このようにベニヤ板に張って、クリアラッカ―で仕上げていないとなかなか仕上がりのイメージが掴めないのですが、これらの見本でイメージを掴みながら、幾つかの候補を見せて貰いました。

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こちらはオマケですが、本当に希少価値が高い(20年前にワシントン条約で輸入禁止になってしまったそうです。ということは、この材料は20年以上こちらの倉庫に眠っているということのようです…)ブラジリアンローズという木の突板だそうです。同じ木のでいながら、センター部分の赤身(芯材)がここまで濃い色で、周囲の白太(しらた・辺材)が白く、コントラストがあるような木は、めったにないとの事でした。

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いつもお世話になっている山一商店の方々との記念写真です。左からうちのスタッフの竹田さん、山一の部長さん、社長の山内さん、私・各務、そして専務の山内さん(弟さん)です。当初はサペリのイメージでしたが、新しくマコレとカリンとアイリスローズも候補に入れること となり、幾つかの候補のロールシートを預かり、工事現場にてお施主さまに見て頂くことになりました。

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数日後、工事現場に場所を作って貰って、候補の突板を並べてみた様子です。左からカリン、サペリ板目、サペリ柾目、マコレ(縮み柄)、アイリスローズです。

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他の仕上げ材も並べて、それらとの相性を確認しながら、最終的にはアイリスローズに決定させて頂きました。実はこちらも相当希少な材で、約30年程前にローズウッドの代替材として中米・南米北部から輸入されたマメ科の広葉樹だそうです。素直すぎず、ちょっと癖がある木目もこちらのインテリアにマッチしそうです。

因みに、以前突板屋さんを訪問した際の様子は、こちらです。
突板屋訪問&突板工場見学
黒檀の突板探し@山一商店

 

第2回マンションリフォーム事例発表会@REPCO

神戸M邸

昨年に引き続き、光栄にもREPCO(レプコ・マンションリフォーム推進協議会)主宰のマンションリフォーム事例発表会のプレゼンターに選ばれたので、弊事務所のリフォーム事例、神戸M邸を 題材にプレゼンテーションを行って参りました。

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レプコの会員企業向けの発表会で以下のような趣旨で開かれた発表会です。

  • 発表事例現場を担当した第一線社員によるプレゼンテーション
  • 会員各社の実業を背負う第一線社員の交流の場としてのプレゼンテーション
  • 安心して本音で第一線社員たちが意見交換できる場

とのことで、外部の方はいらっしゃれない専門家だけのプレゼンテーションでした。

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神戸M邸は、第30回住まいのリフォームコンクールの優秀賞に選ばれたこともあって、プレゼンに選ばれたようです。80平米のマンションのリフォームという点では、他社のプレゼン事例と似ていましたが、別荘的に使うという 点で、全く違った内容になっているようでした。

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大きな会場を借り切っての発表会で、大手のリフォーム会社8社に混じって、唯一の設計事務所として、全く違ったスタンスでの発表となり、大いに緊張致しました。

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色々とデザイン的な工夫を発表したことが面白かったのか、プレゼンのあとには沢山の方に「面白かった」とお褒めの言葉を頂きました。貴重な機会を下さったREPCOの広報委員、そして事務局の皆様、どうもありがとうございました。
因みに、こちらが昨年の発表会の様子です。

解体指示の方法@南平台N邸リフォーム

南平台N邸

いよいよ工事が始まった南平台N邸の現場で、解体工事に際して、どの部分を撤去解体し て、何を残すのかを現地にて指示して参りました。

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この壁面造作家具は全て作り直すので、完全に撤去することになっています。既存を使う床の黒い大理石部分もきれいに養生されています。その上には、保管して再利用する予定の建具がきれいに外されて仮置きされていました。

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リフォームキューの岩波さんと福井さんが、僕らの設計意図をきちんと理解してくれているので、基本的には間違いがないかを横から聞いているだけで十分でした。

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撤去すべき箇所には、赤鉛筆で大きくバツを書きこみ、間違いがないようにして行きます。

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インターフォン、コントローラー、スイッチ類も再使用する物と撤去するもの、移設するモノを整理して印をつけてゆきます。

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建具などに付属している金物類も、とても重要な要素なので丁寧に取り外して貰い、箱に入れて保管しておいて貰います。