Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

マンションリフォームの解体状況確認@南平台N邸

南平台N邸

マンションリフォームでは、幾ら竣工時の図面がしっかり書きこまれていても、図面とは違う方法や寸法で施工されていることがあります。僕らの事務所では、解体工事が全て終わった時点で、当初考えていた設計通りに施工できるかを確認して、お施主さまに変更点があった場合は現地にてご説明するようにしています。

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全体状況が見えるように、横並びの写真を合成してパノラマ仕立てにしてみました。築浅のマンションリフォームなので、スケルトンにするほどではありませんが、ほとんどの壁はなくなって、家の素形が見えています。

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床下地の置床や、天井吊りの空調機や自火報などは残しつつ、壁や天井についても、細かく指定して、残す部分と撤去する部分を分けて貰っています。

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ウォーク・スルー・クローゼット側から主寝室を見たアングルですが、主寝室はほぼ内装をお化粧するだけなので、あまり解体されていないことがよく判ると思います。

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ダイニング部分は一番大きく変わってくるので、天井も下地毎きれいに撤去されています。隠れていた色々な設備配管が見えてきましたが、これらの配置状況に応じて、天井に埋め込む照明ボックスを微調整してゆくことになります。

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リビング周りは、ベランダ側の窓フレームをデザインし直すのですが、それに絡めて、少しデザインを変更することになったので、現場で状況を確認しながら、スケッチを描いてみました。これを使ってお施主さまに変更案をご説明いたしました。

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お施主さまに解体結果によって生じた変更のポイントをご説明している様子です。玄関横のベンチスペース当初考えていたより広くすることができましたが、WICと洗面を通してデザインしていた天井の照明ボックスは位置が変わることになりました。細かい微調整についても、一通りご説明させて頂きました。

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インテリア素材、そして現場塗装の色味についても、それぞれの部屋に持って行って、ご承認して頂きました。

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リビングのテレビ機器が置かれる予定の箇所には、天井から沢山のオレンジ色の管がぶら下がっていました。このオレンジ管はCD管(コンバインド・ダクト管)とよばれる管で、後日テレビやブルーレイ等の配線を通せる電線管です。

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こちらが部分的に解体された浴室です。在来工法という作り方でつくられた浴室だったので、ライニング部分(水やお湯の管を通すために部分的に膨らんだ部分)と仕上げの大理石を変更する予定の壁石を撤去して貰っています。向かって右側に新しくサウナが入る予定です。

 

白金台S邸のユニバーサルデザイン・バリアフリーについて

白金台S邸

先日取材をして頂いた、TOTOのユニバーサルデザインに関してのウェブサイト、ホッとワクワク+白金台S邸の記事が掲載されました。

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タイトルは、「適度な距離感を大切にする住まい・ゾーニング編」とのことで、まずは全体の空間構成について説明してくれています。

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夫婦別の寝室ながら、隣り合わせの部屋は引き戸で仕切られていて、気配を感じられる工夫を判りやすい写真と文章で説明してくれました。

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さすがプロのカメラマンの撮影、とても広く美しく撮られた空間がとてもきれいです。この書斎空間は、どうやっても上手く表現できませんでしたが、この写真はサスガの出来です。また、来月には、残りの部分についても紹介してくれることになっています。

パネル壁の塗装下地作り@白金N邸

白金N邸

マンションのほとんどの壁をパネル仕様にして、塗装で仕上げる予定の白金N邸で塗装用の下地作りが佳境を迎えています。

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リビング壁は写真のような状態です。パネル壁は細かい凹凸があるので、塗装屋さんにどこはフラットに仕上げて、どこは段差を付けるかを指示いたしました。

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折り上げ天上も複雑な作りなので、パテ処理にも時間が掛かっているようです。

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造作家具については、内部の箱は事前に工場で同色を吹いて仕上げて貰っていますが、周りはやはり現場での塗装仕上げになるので、こちらにも下地作りが必要になっています。

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カラフルなパテを使っているようですが、幾度パテをしごいたかを間違えないために、パテに塗料を混ぜているのです。一度目は白いパテで、主に石膏ボードを留めたビス孔塞ぎと継ぎ目をしごいています。二度目のパテがピンクのパテで、ボードの継ぎ目を大きく処理しています。3度目のパテが緑色部分で、最終的にはほぼ全てをパテ処理することになります。一度パテ処理し乾燥した後に紙やすりを掛けて、パテを重ねてゆく作業、とても地味ですが、この丁寧さで塗装の仕上がりが変わってくるので、とても重要な作業なのです。

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パテをしごいている塗装屋さんの仕事風景です。3人の職人さんたちが一週間掛りで下地を丁寧に作ってくれています。

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ダイニングの丸形天井の内部も、態勢的に作業しにくい部分ですが、きれいに平滑面が作られています。

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翌日にお施主さまが現場に来てくださることになったので、急遽塗装サンプルをダイニングに作って貰い、確認して貰うことになりました。

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写真では判りづらいのですが、左右のパネルで塗装下地の作り方が変わっているのです。右側が最後のパテ処理をしたままで塗装した面で、左側はパテ処理後にサンドペーパーでさらに平滑に仕上げた下地に塗装したものとなっています。アメリカ暮らしが長かったお施主さまご夫妻には、日本のきれいすぎる塗装面がプラスチックみたいで気持ちが悪い感覚があるようでしたので、わざとラフに仕上げたものも作って、現地で比較して頂きました。結論としては、両者の中間帯のような仕上げで、ローラーを使った後に刷毛でちょっとラフ目に仕上げることになりました。

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こちらはまたその翌日の様子です。昨日のサンプルも上からパテ処理されてしまっています…。

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こちらがほぼパテ下地が完成した様子です。ほぼ全面パテ処理で、ここから塗装工事が始まります。

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パネル壁のコーナー部分も、細かいコーナー目地を消さないで、上手く立体感が表現されています。本当に大変な職人さんたちの作業に頭が下がるばかりです。