Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

竣工検査&お引渡し@代官山T邸

代官山T邸

長らく工事中だった代官山の高級マンションリフォームT邸も、竣工検査を迎えることができました。

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当初は、マンション管理会社から、騒音に厳しい住人が多いので、工事はくれぐれも気を付けてくれと言われていたプロジェクトで、スケジュール通りに竣工することができるか不安でいましたが、何とか無事問題なく、ここまでたどり着くことができました。毎回の現場での打ち合わせで、素早く決断をして下さったお施主様のTさまご夫妻と、現場常駐で岩波さんを配置して、全力でリフォーム工事にあたってくれたリフォームキューさんのお陰です。

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Tさまご夫妻も、現場にしばらくいらっしゃっていなかったので、ほぼ完成状態になってからは、今回が初めてのご訪問でした。玄関を開けた時に見える、写真の黒檀の扉をご覧になって、「カッコイイ…」とのつぶやきが聞こえて、僕らのテンションも上がりました。

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家具がほぼすべて揃ってからの検査でしたので、普通のがらんどうでの検査とは状況が違いますが、僕ら設計側が2時間ほど前に現場入りして、チェックした項目を、順を追ってご説明させていただきました。ただ、Tさまご夫妻は、カッコよく仕上がった空間をとても気に入ってくださったようで、修正項目については、次週のお引き渡しまでにきちんと補修してくれれば、その内容については基本的にお任せしてくださいました。

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今からでもすぐに引っ越して暮らせるレベルまでインテリアも整えているので、検査というよりお引き渡しができそうに見えますね。

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まだ、お引き渡しではないのですが、ソファーへの座り初め(?)も兼ねて、お施主様ご夫妻とリフォーム関係者での記念撮影をさせていただきました。後列右から順に、リフォームキューの石原さんと岩波さん、当日の家具の搬入で立ち会ってもらったアルフレックスの中山さん、カガミ・デザインリフォームの竹田さんと各務です。

ブログが遅れがちなので、その後補修を無事終えてからの取り扱い説明とお引き渡しまで、一気にご紹介いたします。

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取扱い説明(取説・トリセツ)で、主寝室の家具についてご説明している様子です。棚の寸法は、施工側で理解しているので、棚板が足りない時はご要望してくだされば、追加の棚板を発注できることをご説明いたしました。また、書斎コーナーの造作机は、ある程度の重量は考えて設計していますが、人が乗るとぐらついてしまうこともお伝えいたしました。

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ソファー裏に隠れてしまい、写真では様子が見えませんが、ワンちゃんたちのペットコーナーのご説明をしていると所です。二つに分けて作った柵の取り外し方法を実演させていただきました。

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フロスで入れてもらったペンダント照明ですが、電球をLEDに変えたことで、1時間ほど点灯した後でチラつきが発生することが事前に判っていましたが、どのような方法で補修したのかを、日本フロスの高橋さんに説明してもらいました。

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補修項目すべてをチェックしていただき、またまだ間に合っていない未成工事もご説明したうえで、お引き渡し関係の書類をお渡しして、捺印していただきました。とても空間性を気に入ってくださったようで、お施主様からも感謝のお言葉を頂き、とても嬉しく楽しいお引き渡しになりました。

壁面収納に飾る小物や、テーブルの上に置く調度品などの宿題を頂きましたが、まずは大きな作業は終わったことになります。Tさまご夫妻、どうもありがとうございました。そして無事の竣工、おめでとうございます!

配管&墨出しチェック@中央区Y邸

中央区Y邸

更新が遅れ気味になっていますが、中央区Y邸の工事も順調に進んでいます。設備配管が完了し、墨出しも住んだとのことで、現場にチェックに行って参りました。

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床シンダーコンクリートを斫った状態だった先回と比べると、モルタルで床の不陸(ガタツキ)を調整した後なので、スッキリした現場になっていました。写真は、右からライフデザイン社の現場監督・長尾さん、設計の鶴崎さん(このケースでは、設計施工がライフデザイン社で、僕らは施主側のデザインアドバイザーです)、そしてうちのスタッフの竹田さんです。この後、現場をチェックしている際は、出張中のYさまはスカイプでの参加となりました。

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部屋中央で、ほぼすべての配管が集中して集まっているPS(パイプスペース)部分の配管状況です。パイプスペースは①防火壁で区画されているケースと②配管自体が防火仕様となっており、区画されていないケースがありますが、今回は②のケースだったので、このようにすべての配管を確認することができました。中央を縦に通る銀色の管が共用排水管(汚水・雑排水)で、床の灰色の管は新たに接続した排水管です。青とピンクと白の管はそれぞれ新規の給水管と給湯管とガス管です。天井からぶら下がっているのは電気配線関係で、まだ交換する前の既存分電盤もぶら下がっています。

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このマンションでは、トイレ部分と浴室部分はスラブが一段下がっていたので、排水管と給水・給湯管が重なっても問題がありませんでした。

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コンクリート壁のコア抜きもきれいに無駄なく行われていました。オレンジ色の管はCD管とよばれるもので、その中に電気配線が通っています。

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こちらは洗面室側の床配管です。アンダーカウンター型のビルトイン洗濯乾燥機も設置するので、排水管が2つに分岐されているのが判ります。配管類は一部、モルタルで埋め込まれて閉まっている個所もありましたが、圧を掛けてチェックした内容の報告も受けました。

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墨出しも現場監督の長尾さんが丁寧に書きこんでくれたので、スムーズにチェックすることができました。引き込み扉のポケットと電気配線が重なってしまってので、当初の僕らの設計より、少し寸法がずれましたが、ここまできちんと書かれていると、すぐに問題点を把握することができます。

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こちらも引き込み扉のポケットを示した墨出しです。ライフデザインらしい、基本に忠実で真面目な現場で、とても気持ち良くすべての項目をチェックすることができました。

スタイリッシュな廊下と癒しの廊下 アートコーディネート

代官山T邸

代官山T邸には廊下が2本あります。玄関ホールから繋がった廊下は、スタイリッシュなギャラリー的な廊下ですが、そこから直角に曲がったプライベート部分の廊下は、もう少し柔らかい雰囲気の空間にしたいと思っていました。

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まずは玄関横のスタイリッシュ廊下からです。床は既存の大理石仕上げ、壁はアートを飾る壁は白塗装、反対側のウォールナット突板仕上げの収納、天井は濃い茶色の塗装です。

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このマンションのデザインポイントである黒檀の扉と並んだ廊下なので、選んだアートも草花をアップでカラフルに撮影した、ちょっと派手目なものを選んでいます。

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廊下突き当りには姿見が張られているので、実際の廊下の2倍の長さに見える仕掛けです。鏡には、玄関側の濃灰色の石張りの壁まで見えています。

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もう一つのプライベート部分の廊下は、もう少し気持ちが安らぐ、癒し系のアートを探しました。伺ったのは、いつもアート探しでお世話になっているギャラリークローゼットで、オーナーの新井さんに手伝ってもらいました。

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床近くの壁に立てかけてある、こじんまりとした可愛らしいアートを紹介してもらいました。

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こちらもそれなりに長い廊下なので、どのようにレイアウトするか、事前に並べ方を幾通りか試してみました。

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アートをギャラリーから一日お借りして、現地に並べて、お施主様に確認して貰ったうえで購入させていただきました。ほかの部分に関しては、ご主人さまのご意向が強かったのですが、こちらは奥様に気に入って頂けたので、バランスを取ることができました。ちなみに、こちらの廊下は床がフローリングで、天井壁ともに白いペンキ塗装仕上げです。

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高さを決めて、テープでマーキングして、順次大工さんに釘を打ってもらいました。ちなみに、スタイリッシュな廊下の方は、後日アートを交換することを考えてピクチャーレールで写真を固定しましたが、こちらは額なしなうえ、サイズも小さいので、壁に釘を打ちつける方法でアートを固定してもらいました。

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こちらがアートを掛け終わった後の様子です。テクスチャーがあって、ちょっとしたストーリーを感じるような詩的なアートで、奥さまがとても気に入ってくださいました。