Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

解体状況確認@赤坂M邸

赤坂M邸

赤坂M邸マンションリフォームの現場では解体工事が無事終わり、設備配管のルート変更が行われていました。

赤坂M邸 マンションリフォーム解体現場

ご覧の通り、陽がサンサンと降り注ぐ素晴らしい環境なので、冬でも暖房が全く必要ないそうです(夏は暑いかも?)。現場に常駐の斉藤監督さんと、今回のリフォーム工事の仕切り役のライフデザイン社の山碕さんが打合せしています。

玄関ホール解体下地

玄関からリビングへと曲がってゆくL字型の壁には、全体にライムストーンを張る予定なので、壁のボードは全て剥がし、下地のLGSを補強してゆきます。また、玄関ホール部分の床も張り替えるので、下地ごと撤去されています。

洗面トイレの床下配管

浴室奥の水周りに新たに洗濯機をレイアウトするので、こちらも床下地から撤去して配管ルートを更新しています。灰色の管が雑排水管で、水色のさや管の中に給水が、赤いさや管の中に給湯が通っています。築3年と比較的新しいマンションなので、床下及び天井裏のスペースにも余裕があり、配管ルートも図面通りに施工されていて、リフォーム工事もとてもやりやすいようです。

天井裏配管

元々は賃貸用として作られたマンションなので、各寝室のエアコンが壁掛け型だったので、今夏のリフォームで天井埋め込みにします。天井を開口した個所に、浴室の追い炊き用の配管を通しています。

解体工事 取り置き部材

全部スケルトンにしての工事ではなく、なるべく既存でも使えるものを再利用してゆく、CP(コストパーフォーマンス)を重視した計画を立てているので、このように再利用する可能性のある材料は、きれいに室内に保管して貰っています。

家具図のチェック

玄関ホールの家具も使える部分は残しながら、部分改修してゆくことになっています。白いメラミンの扉は、チークの突板扉に変更し、壁面一杯に作られていたものを、一部オープンにして、抜けを作る計画となっています。

玄関ホールの石サンプル

現場監理の後で、石材の確認にアドヴァンのショールームに伺ってきました。ケベックカルニコという濃灰色の石を特別に水磨きにして貰うことになり、そのサンプルを見せて貰いました。黒い石は磨きが効きすぎると、オールドファッションのデザインに見えてしまうので、ここでは水磨きでシックに決めたいと思っています。

壁張りのライムストーン

玄関とリビングの壁に張るライムストーンの確認です。こちらも水磨きと本磨きを混ぜて、光の具合によって深みが感じられるようにデザインしています。

神戸M邸 照明実験中

神戸M邸

神戸のマンションリノベーションM邸の照明計画の実験(調整)に伺って参りました。

天井間接照明 調整中

今回は、限られた電気容量の中で、LEDを多用しながら、どこまで豊かな、深みのある空間を照明で演出できるかにチャレンジするために、いつもお世話になっている照明デザイナーの三橋倫子さんに照明計画を全面委任して、新しい製品や特注の製品も含めて提案して貰いました。こちらの写真では、天井の片側からLEDで投光して、反対側の天井カーブ部分を照らす照明の位置を調整している所です。

天井間接照明調整中

天井の丸い部分にどのような光が落ちるのかを、微妙に調整しながら確認してゆきました。この作業を照明用語ではシューティングというそうです。

森川製作所の特注LED照明

天井にアゴを作って、その中にこのようにアームがついて、角度や高さを調整できるLEDを仕込んでいます。森川製作所に、照明のピッチから可動部分まで特別に設計をお願いして作って頂いた照明です。これにアゴ手前の板を上下に上げ下げすることで、最終的な光環境を設定して参りました。

床埋め込みのアップライト

こちらも同じ森川製作所にお願いした、床埋め込みスタイルのLEDアップライトです。元々、現地で取付けた後で、まぶしさをチェックしてからフィルターで調整しようと計画していたので、幾つかのフィルターを重ねてみて、最終的な判断をしてきました。

子供室の照明

こちらの不思議な形は、子供室に採用した可愛らしい照明のベースとなる部分です。壁紙にピンクの色を使う予定なので、カバーを付けても見えてくる部分には、先にピンク色で焼き付け塗装して貰っています。

LED間接照明

コーナーの棚下にもLEDの間接照明を入れています。こちらのLEDはDNライティングさんのものです。

カーテン間接照明

南側窓面にもカーテンボックスの裏に間接照明を入れています。窓側に遮光のロールスクリーンを入れて、その手前にレースのカーテンを入れるのですが、それらが間接照明でどのように見えるかを確認しました。右側のガラス面に光の粒が写っていますが、レースのカーテンを入れることで、この粒も消える予定です。こちらはトキスター社の製品を使っています。

玄関の大谷石を照らす照明

玄関入って正面には、写真のような大谷石を張っています。ワザと少しずつずらして貼っているのですが、それはこのような照明で上から照らした際に生じる陰影を演出したいと思っていたものです。さすがにこのような照明は、LEDでは演色性がまだ十分ではないので、ここはハロゲンを使っています。

インタフォン下地

電気やさんと時間を掛けて打合せをするのは、今回が最後になりそうなので、他の電気に関連する部分もチェックして回りました。こちらはインターフォンを設置するためのニッチです。

スイッチ、コンセント類の確認もしています。基本は神保電気のNKPシリーズですが、調光が掛かる部分で、一般の調光器では対応できない個所には、ルートロンのディーヴァを使わせて貰います。

特注照明打合せ

こちらは、夏の終わり頃に、森川製作所に照明デザインの三橋さんと一緒に伺って、特注照明について打合せをさせてもらった時の様子です。

LED照明実験中

幾つかLED照明メーカーから借りた機器を、夜中の事務所で点灯して、光の指向性や色温度などを実験したうえで機器を決定しています。一番左側が子供部屋に使ったピンポン型のLED器具です。

照明器具の据え付けスケッチ

また、こちらは照明デザイナーの三橋さんが書いてくれた照明据え付けのスケッチ図です。まだ、この時は具体的な寸法までは決まっていませんでしたが、どのような光を設計したのかのイメージを共有することができたので、とても助かりました。

日米の超高級リノベーション設計事例セミナー@LWLワークショップ

学校・セミナー

セミナー続きですが、こちらはこれまでのリフォーム&リノベーションの技術的なものとは一味違った、日米の富裕層のリノベーションの実態に迫ることを目的としたセミナーでお話しをさせて頂きました。

LWLセミナーpポーゲンポール広尾ショールーム

主催はLWL(リビング・ウェルネス・イン・ラグジュアリー)という高級建材・設備を扱う会社が集まったグループです。ドイツ製高級輸入キッチンのポーゲンポール社、イタリア製輸入フィットネスマシンメーカーのテクノジム社、デザイン性の高い暖炉専門のヴェッキオ・エ・ヌオーヴォ社、デンマークのハイエンド・オーディオブランドのバング&オルフセン社、最高級テキスタイル・ラグ・壁紙のマナ・トレーディング社など、僕らにとっても憧れのブランドが集まったスター軍団のようなグループです。彼らが中心となって、自宅での生活を、いかに快適でラグジュアリーに過ごすかという、まさにこれからの時代が求める新しい生活コンセプトを考えているそうです。

日米富裕層リノベーションセミナー@広尾ポーゲンポール

会場は以前のブログでご紹介した、広尾にあるポーゲンポール キッチンデザインセンター東京で、超高級キッチンに囲まれたショールームの不思議な高揚感が漂う空間内で、大手不動産会社や大手リフォーム会社やリノベーション会社、約70名の方々にお話をさせて頂きました。

東京&ニューヨーク超高級リノベーション実例紹介

日本での高級リフォームは僕らの事務所が設計させて頂いたものですが、ニューヨークの実例は、ここ2年連続して研修で出掛けて元の事務所や色々な筋を辿って見学させてもらった超高級リリノベーションの貴重な実例写真です。

セミナー後のパーティー@広尾ポーゲンポールSR

セミナーの後は、ワインとフィンガーフードを食べながらの懇親会でした。今回は基本的にはクローズドで、LWL側が考えてくれた企業やエンドユーザーの方々が中心でしたので、非常にリノベーションへの意識も高い方々が多く、セミナー後も沢山の人にお声掛けして頂き、とても楽しく、刺激的な時間を過ごすことができました。

セミナーの告知

因みにセミナーのタイトルは「-日米の設計事例から読み解く- 超高級リノベーションのデザインとライフスタイル」で、その説明としては、「市場が拡大の一途をたどるリフォーム・リノベーション。特に、工事費が数千万円以上にも達する高額市場では、建築・インテリアについて高度な設計ノウハウだけではなく、富裕層のライフスタイルに対する理解が必要とされます。今回のセミナーでは、超高級リノベーションのメッカであるニューヨークで修業を積み、日本でも数多くの設計を手掛けているカガミ建築計画の各務謙司氏が、具体的な設計事例を読み解きながら、その難しさと面白さを明らかにしていきます」となっています。こうやって読んでみると面映ゆいものですが、それなりに内容の濃いお話ができたと思っています。

LWLのメンバーと各務謙司

こちらはパーティーも終わった所で、主催者側のポーゲンポール社の川島社長、テクノジムの渡我部部長、ヴェッキオ・エ・ヌオーボ・ジャポーネの佐々木社長、マナトレーディングの山本部長とお話をさせて頂いているシーンです。貴重な機会を作ってくださったLWLの メンバー企業の方々、そしてお忙しいなかセミナーの聴講に来てくださったお客様方、どうもありがとうございました。