Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

リノベーション座談会@リフォーム産業フェア

ニュース

いつもお世話になっているリフォーム産業新聞社主催のリフォーム産業フェア@東京ビックサイトの座談会に招待されてお話をして参りました。

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2年前の時は有料のセミナーでしたが、なぜか今回は無料セミナーでお話しすることになっていました。幸い席はほぼ満席になってくれて、良かったです…。

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「1000万円超の受注も!競合に負けないリノベーションプランテクニックとは」との刺激的なお題で、フィールドガレージの原直樹さん、ルーヴィスの 福井信行さんとの座談会でした。

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こちらが最初の自己紹介のシーンです。さりげなく「驚異のリフォーム&リノベーション」本を広告して貰いました。普通の事を普通にお話ししてはつまらないので、お施主さまから要望を伺う前に妄想プラン(!)を作って、それをネタに話をして 行くスタイルの打合せ方法を説明してみました。

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原さん、福井さん、そして司会役の金子さん、どうもありがとうございました!
(実際はこの座談会の後の三人の雑談が一番役に立って、刺激的で、楽しかったのですが…)

 

二度目の墨出し@品川区Y邸

品川区Y邸

床下地が組み上がった品川区Y邸に、二度目の墨出し打合せに行って参りました。

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初回の墨出しは、設備の立ち上がり位置などの大まかな寸法確定でしたが、今回は床下地にきちんとした墨が出せるので、壁の正確な位置や収納や家具との取り合いを決めることができます。

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因みにこちらが解体検査直後に行われた、初回の墨出しの様子です。ガタガタのコンクリート下地に墨と油性マーカーで記すスタイルなので、正確な位置出しが難しいのです。

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木製の床下地上だと、このような形でより正確な位置を出すことができます。これから発注する建具の寸法や、お施主さまが子供部屋用に購入する家具の寸法などもある程度決めることができました。

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設計側が用意した墨出し用の寸法です。壁位置は断熱材を基準に決めるところと、左右からのバランスで、現場立会いで決める個所があります。今回は予算節約の為に、プライベート部分には既製品の建具を使うことになっており、それらの枠の細かい収まり寸法まで理解していないと寸法が決められないので、スタッフの竹田さんは相当大変そうでした。

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手前の脚立の上にレーザーレベルを置いて、現場監督の斉藤さんと竹田さんが天井のレベルを確認している様子です。現場の大工さんとの打合せで、天井の組み方を工夫して貰い、天井高さを当初の想定より上げることができそうです。

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キッチン裏の壁の内部に立ち上がる給水と給湯のヘッダー用のさや管です。竣工後も点検できるように、壁に点検口を作ることになります。

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こちらは玄関ドア横の様子です。奥に走っている水色の管が、メーターから専有部に入り込んでいる(いわゆる二次側)給水管で、その手前の白い管がガス管です。広さに余裕がない玄関なので、これらの管の上を付加して、ビニールタイルを敷いて仕上げることになっています。既存の玄関扉の下枠との高さ調整も打ち合わせることができました。

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玄関横の洗面脱衣とトイレ部分の床下地組みも始まっていました。コンクリートブロック積みの個所が防火区画となっていますが、トイレの排水管は耐火二層管、その他の管についても貫通部分の処理をお願いしています。天井には、三室型の換気扇が釣り込まれています。

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床下の写真ですが、今は使われていない通気管にきちんと区画貫通処理のフィブロックが巻かれていることを確認いたしました。後施工でのテープ処理なので、厳密には施工手順通りには施工されていないかもしれませんが、リフォーム以前は全く区画貫通処理がされていなかったので、お施主様に事情を説明して、理解して貰っています。

みんなのキッチンストーリー展@オゾン

杉並区S邸

新宿オゾンにて開催中の「みんなのキッチンストーリー展」の見学に行って参りました。

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展示の趣旨は、「多様な暮らし方から発想されたキッチンに焦点をあて、住まいと暮らしの関係性、その理想的な築き方を考えます。生活空間の核としての基本はおさえつつ、 個々の暮らしを反映したキッチン、多目的なスペース、こだわりが詰まったディテール…多様化するキッチンを紹介し、暮らしに寄り添うかたちの実現につい て、その背景と方法を掘り下げていきます」とのことでした。

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僕らもユニークなキッチンの設計をお手伝いしてきましたが、大きなアイランドとその中央を貫通する配管の円柱が印象的な杉並区S邸の キッチンをご紹介して貰っています。
展示に当たって、改めてお施主様にお手伝いさせて頂いたキッチンの感想を伺ったところ、とても嬉しいコメントを頂きま した。少し長くなりますが、以下ご紹介させて頂きます。「オープンなキッチンになったことで片付け中でも子供達とコミュニケーションが常にとれるようにな りました。ダイニングが子供たちの勉強机となっているので、料理中に質問に答えたり、会話したり出来て大変助かってます。以前の閉じたキッチンの時の 「ちょっと待ってて!後で!」というセリフが格段に減りました(笑)。キッチンから窓の外の景色が広がり、外の四季を楽しみながら作業が出来て最高に幸せ です。光と風がたっぷり入る空間は、まさに理想の空間です。また、オープンで死角がないため、キッチンを常にキレイに使おうと意識が変わりました。いい意 味で「丸見え」なので、生活感溢れる物は全て収納し、調理台も常にピカピカに磨くのが生きがい(?)になりました(笑)。アイランドの丸柱は不思議な存在 で、この丸柱があることで全体との一体感が生まれ、「家っぽい」安定感のある仕上がりになっているような気がいたします。主張しすぎない、この微妙な存在 感のある丸柱なしには、このキッチンは語れません!もしこの丸柱がなかったら、広い空間に大きなアイランド、という組み合わせは「お料理教室」や「学校の 家庭科室」の調理台的なイメージだったかもしれません。」

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展示には他の建築家のユニークで個性的でかつ魅力的なキッチンが沢山紹介されており、とても勉強になりました。

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キッチンのレイアウトの基本を模型を見ながら勉強できるコーナーも作られており、時間があれば一見の価値ありの展示だと思います。杉並区S邸のお施主さまからは、他にも「春休みには娘のお友達家族と一緒にランチパーティーをしたりしましたが、大勢でもゆったりと一緒にお料理の準備が出来てとても楽しかったです。将来的には、大人限定(?)の集いも企画し、オープンキッチンのさらなる威力を発揮したいところです(笑)。」とのお言葉も頂きました。本当に設計者冥利に尽きるキッチンでした。Sさま、ご協力どうもありがとうございます!