Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

マンションリフォームの照明計画 神戸M邸

神戸M邸

見積りもほぼ纏まって、工務店も決定した神戸のマンションリフォームM邸で、まだ最後に残っていた照明計画を詰めました。

マンションリフォームの照明計画打合せ

いつも僕らの照明デザインをお願いしている三橋倫子さんが、これまで見たこともない多様な照明サンプルを持って事務所に来てくれたので、実際に点灯しながら器具の種類と設置個所、スイッチの位置も決めてゆくことができました。

照明プロットスケッチ

手書きでラフに書いた照明プロット図とスイッチ系統図です。今回は、あまり壁にスイッチを並べたくなかったので、なるべく目立たない位置にスイッチ類を纏める作戦を練りました。

床埋め込みのLED照明のアルノ社の製品や、六本木ヒルズのリフォームで使った森川製作所の照明、更には、トキスターの物など大量の実物サンプルを比較しながら、最適な照明器具を探すことができました。

 

シモンガヴィーナ・ジャパンのショールーム/事務所訪問

インテリア

イタリアの建築家、カルロ・スカルパがデザインした高級家具を扱うブランドSimon(シモン)の日本の正規代理店であり、かつ高級素材を使ったイタリア仕込みの家具を始めたとしたインテリア提案ができるデザイン事務所であるシモンガヴィーナ・ジャパンのショールーム兼事務所を訪問して参りました。

シモンガヴィーナ

JR代々木駅から徒歩5分の事務所には、シモン社からの輸入家具や照明器具に混じって、シモンガヴィーナ・ジャパンのオリジナル家具やディテール素材が沢山飾られていました。

無垢真鍮材の家具ディテール 

こちらはスカルパ好みの無垢の真鍮材を削り出した金物類です。無垢材ならではの重量感と、使い勝手の良さを両立させるための工夫も随分重ねてきているようです。右側の黒い器具は、いわゆる六角レンチですが、シモンガヴィーナ側がお施主様に扉の開閉用にプレゼントするためにデザインした特製レンチだそうです。

木質と皮革を合せた家具ディテール

木材と皮革という違う性格を持った材料を上手く接合させて難しい家具のディテールも説明して貰いました。皮は本革を使っているそうですが、木材は無垢を使うと価格が高くなるだけでなく、歪みなどの精度の問題もあるそうなので、突板を張っているそうですが、見事に継ぎ目が隠されており、手に取って見ても判らないくらいの貼り合わせ精度の高さでした。

シモンガヴィーナ・ジャパンの津川恕之さんと

記念撮影させてもらった代表の津川恕之さんは20代の時にイタリアの家具屋に飛び込みで修業に入り、日本に戻ってからは高級家具店を経営するという伝説上の人物です。パッと見た目は怖そうな方(?)ですが、実はとても真摯で丁寧な方で、スカルパをはじめとする有名デザイナーの人たちのことや、イタリアでの苦労話を色々と伺わせて貰いました。
因みに、これまでは銀座和光本館や銀座交詢社の家具類やフィリピンやナイジェリアなどの大使館関係建物の内装、ホテルニューオータニなどの高級ホテルのレセプションルームなどの施工・納入実績があるそうです。大学・大学院の恩師である池原義郎先生との仕事も多数手伝っているとのことでした。
凝った金物と木材や皮革を上手く合わせた、キラリとディテールが光る家具は、置き家具でも造り付けの造作家具でもOKとのこと、是非僕らの設計でも、ここぞといポイントで取り入れさせて貰いたいと考えています。

LGS工事+ファンコイルユニット接続工事

杉並区S邸

先週の断熱工事が終わった所から、一気にLGSの下地を立てる工事が始まっています。

LGS壁下地工事

壁や天井の下地となるLGSですが、これが立ち上がってくると設計していた空間の骨格が見えてくるので、自然と設計側のテンションも上がって参ります。その横(写真では左側)では、断熱材を一部剥がしながら天井スラブにファンコイルユニット(FC)の新規取付・接続作業が進行中です。

LGS天井下地工事

LGSと木製下地の比較、メリットとデメリットについては、以前の記事で書きましたが、LGSはとにかく早いのが特徴です。写真のリュウさんは特に手際が良く、精度も高いので、木製下地を使う気がしなくなってきます。

お昼にはお施主様の奥さま、Rさまが現場を覗きに来てくださったので、書斎廊下の天井高さの変化や読書用ベンチや本棚の構成について一通りご説明いたしました。

ファンコイルユニット設置・接続工事

こちらがファンコイルユニットの設置・接続工事の様子です。写真のように二人掛りで、先行して配管されていた冷温水管とFCの機器を繋いでゆきます。

配管工事 二つの工具

職人さんたちの足元には、写真のような不思議な工具が置かれていました。それぞれの使い方を教えて貰いました。

ステンレスパイプ用拡管機

手前にあったオレンジ色の機械は、油圧式の拡管機だそうです。ステンレスパイプの端部を膨らませて、接続のした際に外れないようにするための装置だそうです。

ステンレスパイプ用チェーンカッター

奥にあった不思議な形のマシンは、ステンレスパイプ用チェーンカッターだそうで、こちらは硬いステンレス管をほとんど音もなくきれいにカットすることが出来るそうです。一人が脚立の上で、寸法を指示して、もう一人が下でパイプをカットしたり、端部を拡管した部材を作り、手渡ししながら接続してゆくという、とても手間と時間が掛かる作業でした。

ステンレス管防錆塗料塗布

接続された配管には、灰色の防錆塗料を塗ってゆきます。見た目は普通の塗料と変わらないように見えますが、一般的な塗料の約10倍もする高価なものだそうです。一般的にはステンレスは錆びないと言われていますが、FCの冷温水管のように過酷な状況で熱いものと冷たいものが通るような条件だと、錆が発生する可能性が高いので、この塗料を塗って、更に断熱材を巻いて仕上げることになります。

コンクリート梁 モルタル左官補修

こちらは、露出して見せることが決まっているRCの梁を左官で補修して貰っている所です。コンクリートの表情によって、きれいな所はそのままGLボンドを削って見せる、凹凸がひどい個所や、穴などで見た目が悪いコンクリートについてはモルタルで補修することにお施主様と決めて、作業を進めて貰っています。

浴室下地工事

リビングから遠く離れた(?)浴室では、防水層の下地を作るために木下地工事が進んでいました。床にはLGSが使えないことと、防水層の下地となる耐水合板との相性からこちらでは木製の下地材を使っています。排水管の位置から、床仕上げのレベルを決めて、洗面・脱衣スペースからは約18センチ床が上がることになります。段差の端部には間接照明を入れることになっているので、その補強の為に木下地の間に黒い鉄の角パイプが挿入されています。