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プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

リノベーション本がリフォーム産業新聞に「教科書」として紹介されました

ニュース

先月出版になった「驚異のリフォーム・リノベーション術」が業界ナンバーワン新聞であるリフォーム産業新聞で紹介されました。

リフォーム・リノベーション術がリフォーム産業新聞で紹介

先日記者の金子さんが事務所に来て、本の特徴やどのような人に役立つ本かをインタビューしてくれましたが、その内容が丁寧に書かれています。

リノベーション成功の教科書

「リノベ成功の”教科書”出版 人気建築家がプロ向けにノウハウ公開」とのタイトルには、多少の誇張があると思いますが…。専門的な技術から、間取りや費用の事まで、幅広くリフォーム・リノベーションについての知識を開示しているので、パッと見はプロ向けになり過ぎているように見えますが、リフォーム営業や経営者だけなく、深くリフォームについて勉強したいお施主様にも役に立つ本ですので、是非多くの方に手に取って見て頂ければと思っています。

「驚異のリフォーム・リノベーション術」と各務謙司

リフォーム産業新聞社のウェブサイト内のインターネット記事にも詳細が載っていますので、どうぞご覧ください。

竣工慰労パーティー@田園調布F邸

田園調布F邸

リフォーム工事の竣工お引渡しから2か月半経った田園調布F邸のFさまご夫妻から竣工慰労パーティーにお招きいただきました。

竣工慰労パーティ@田園調布F邸

施工の参創ハウテックの現場監督の小園さんとオーダーキッチン・リブコンテツの田原さんは参加できませんでしたが、共同設計者のイン・ハウス建築計画の中西ヒロツグさんと担当の川野君、大工の棟梁の高橋さん、カガミ建築計画からは私、各務と妻と娘まで参加させて頂きました。

オープンキッチンから次々と出てくるお心尽くしの美味しい食事を頂きながら、Uちゃん、Hちゃん、S君に歓待して貰いながら、立ったり座ったり、二階に行ったり、キッチンをグルりと回ったりと、本当に楽しく賑やかなひと時でした。

竣工パーティー食事メニュー

こちらがご用意くださった料理の数々です。既に食べ始めてしまっていますが、ソフトとハードタイプの皮を用意して下ったタコスに、魚介と夏みかんのサラダ、お庭で採れるタイムをまぶしたビーフステーキ、台からお手製の生ハム入りピザ、クリームチーズをスモークサーモンで巻いたものと茹でたスナップエンドウのカナッペ、そして二種類のシャンパンにビールにソフトドリンク、最後の食後の完熟メロンまで本当に美味しい料理ばかりで、帰るころにはすっかりお腹がパンパンでした。

食事をしている横では、川野君が子供たち相手に折り紙やボール紙を使った細工をしてくれて、それを大人に店に来てくれる子供たちで、静かな環境で音楽もないのですが、賑やかな笑い声がずっと家中をコダマしていました。

竣工記念写真@田園調布F邸

手前中央が大工棟梁の高橋さんで、左で長男のS君を抱いているのがご主人のFさま、右が奥さまのMさま、後列右後ろが中西ヒロツグさんんで、中央で娘を抱いた各務と横に妻の記念撮影です。長女のUちゃんと次女のHちゃん、川野君は二階で遊んでいる最中で幾ら声を掛けても降りてこないので、諦めて撮影しました。
Fさまご夫妻、改めてのリフォーム工事完成おめでとうございます。そして思い出に残る楽しい慰労会へのご招待、どうもありがとうございました!

マンション在来工法浴室のFRP防水リフォーム

杉並区S邸

杉並区のスケルトンマンションリフォーム現場S邸では、竣工時には在来工法で作られていた浴室が、ご購入時には防水層まですっかり剥がされた状態でした。カガミデザインリフォームとしては、マンションの浴室はできる限りユニットバス(既成品かオーダー品かを問わず)で対応すべきだと考えていますが、今回は低層マンションであり躯体の揺れが少ないと考えられること、スケルトン状態で見ても構造躯体がしっかりしていること、またサイズと費用を考えると、既製品ユニットバスではスペースの無駄が大きく、オーダーユニットでは費用が高くなりすぎることなどから、それらを全て考慮に入れてに在来工法でやり直すこととしました。

既存防水層まで剥がされた在来工法浴室

壁周りに見えている黒い材料が、既存のアスファルト防水層です。既存状態では、防水層がほとんど剥がされているので、防水層の下地作りから始める必要がありました。

在来浴室 下地作り

既存防水層とその上に塗られていた保護モルタルは全て撤去し、ゴボゴボだった壁をモルタルで補修している様子です。

浴室床段差下地作り

事前に排水管の立ち上がり高さや、排水トラップの寸法などから、洗面・脱衣から浴室の床レベルの高さを+180と計算して、浴室の手前に一段上げた床を作ることとしました。因みに、写真で大工さんが作業している個所が浴室部分です。

FRP防水の施工

防水下地ができた段階で、FRP防水工事が始まります。下地にプライマーを塗った後、写真で白く見えるシート状のものがガラス繊維で、これを壁に張り付け、その上から液状のポリエステル樹脂を塗ってゆきます。樹脂がガラス繊維に入り込んで固まって、シームレスの(継ぎ目のない)防水層ができあがる仕組みとなっています。因みにFRPとはFiberglass Reinforced Plasticsの略で、ファイバーグラスで補強されたプラスチックという意味です。天井裏に見えているカラフルな管は、さや管に入った給水と給湯管で、灰色に見える太い管は、防音の為に鉛で巻かれた上階の排水管です。

FRPガラスマット

こちらがガラス繊維(ガラスマット)の拡大写真です。高校生の頃、美術の先生の手伝いでFRP樹脂で彫刻を作ったことがありますが、このガラス繊維が作業中に飛び散ると、衣服や髪について、ずっとチクチク痛痒いことを思い出しました。

FRP防水

こちらは、ガラスマットを敷いてその上からポリエステル樹脂を塗った際に、繊維の隙間に入り込んだ空気をローラーで押し出している様子です。ピッタリと下地にFRPが付着することで防水層の確実性が増すので、このような小さな作業も疎かにできません。このFRP防水の前には、ヒビが入りやすいコーナーや、特に注意が必要な排水トラップ周囲や木製下地との取り合い部分には、事前にウレタン防水を部分的に施工しています。

防水水張り試験

FRPを施工して一週間後には、水張り試験を行いました。5センチほどの水を浴室部分に入れて、丸一日観察して、自然蒸発分の1~2ミリ以上減っていないことで、防水層をチェックします。

こちらは踏込部分の横壁の天井付近の様子です。ここは完成後のPS暖房機を設置するので、木製下地の上に耐水ベニヤ板を張って、その上からFRP防水層を作っています。通常は水が掛かる腰高までを防水しますが、今回は特に丁寧に、壁は天井に接する部分まで防水層を立ち上げています。写真で所々に見えている丸い部品は、アルミ製のトンボという部品です。約20センチ間隔で取り付けて、後程この上に保護モルタルを塗る際の下地になるメタルラスを固定するための材料です。

FRP防水層上からの配管

防水層が完成した時点で、給水給湯管を設置してゆきます。防水層を破らないように、天井裏からそれぞれの管を立ち下げています。写真奥の壁には、浴槽への水栓を壁際に設置するために、溶融亜鉛メッキのLGSで下地を組んで、その裏に配管を通しています。

ラス網張り

その後1週間してからの現場の様子では、トンボにラス網が張られていました。ラス網とは写真のネット状の金網ですが、この上からタイル下地となるモルタルを塗った際に、付着を良くして、剥落を防ぐため下地材です。 モルタルに含まれる水分やアルカリ性に対応する為に亜鉛メッキを原料とした網が主流になっているそうです。また、網のの奥のFRP素地にツブツブの表情がありますが、こちらもモルタルの付着を良くするために撒かれた珪砂(石英のツブ)という材料です。トンボの先の針金を曲げてラス網を留めている様子が良く判ります。

先週は水栓などの位置に合わせて端部だけが設置されていた給水と給湯配管ですが、今週は全て接続されていました。洗い場の給水給湯だけでなく、浴槽への給水給湯管もあるので、沢山の管が錯綜しているように見えますね。床部分には、砕石が詰められています。奥左側に見えている水色の箱状の物は、スタイロフォームです。後程、洗い場床をモルタルで均した後に、このスタイロフォームを抜いて、その個所に排水ユニットを埋め込むことになります。また、砕石の上には、ヒビ割れ防止用のネットが置かれています。右側のLGS下地の壁にはラスカットが張られています。ラスカットとは耐水ベニヤにモルタルを塗りつけたボードで、表面をモルタルが付着しやすいようにゴワゴワに仕上げている製品です。

床モルタル均し

こちらは、玄関横のトイレの床の施工途中写真ですが、浴室と同じく、砕石と金属ネットの上からモルタルを均している様子です。最初は長い木材で大きく揺らしながら均し、最後は木ゴテで水勾配を取りながら仕上げてゆきます。砕石部分が濡れた色になっているのは、乾燥した砕石の上にモルタルを施工すると、砕石がモルタルの水分を吸って、不均一に乾燥してしまうので、事前に水で濡らすようです。この程度の厚みがあっても、4時間ほどで表面はほぼ乾いて、上を人が歩いても大丈夫なくらいの硬さになります。

裏地に発泡ウレタンを吹いた浴槽

その一週間後、現場に鋼製ホーローの浴槽、カルデバイの製品が届きました。断熱に心配があったので、他の現場で発泡ウレタンを浴槽裏に吹いて貰っています。

寒冷紗張りのモルタル下地

その後、下地モルタルの上に寒冷紗(カンレイシャ)が前面に張られました。ひび割れを防ぐための耐アルカリガラス繊維の寒冷紗で、ノンクラック工法に従って、この製品を全面に張り付けています(と言っても、完全にクラックが入らない訳ではありませんが…)。溝が掘られた部分には、洗面・脱衣との間仕切りのガラス壁が差し込まれます。

こちらは水栓周りの下地の様子です。FRP防水の上に、三層ほど下塗りと中塗りモルタルが塗られ、寒冷紗が貼り付けられている様子がよく判りますね。水栓の部分は、ブロックでライニングが作られるので、下地塗りはされていません。

浴槽ライニング仕上げ

その一週間後、既に浴槽は設置され、ライニング部分のブロックも積まれ、モルタルで下塗り作業が始まっていました。

モルタル仕上げのライニング部分の下地塗り

このように、木製の定規をあてながら、出っ張ってきている水栓をよけながら、きれいにコテで均してゆきます。

床・天井のモルタル仕上げ 浴室

壁、ライニング、浴槽のエプロン部分、床共にモルタルで仕上がった状態です。床の凹み部分は、排水グリルが設置されることになっています。

在来浴室リフォーム 浴タイル張り

床の凹み部分に排水用グリルが埋め込まれ、タイルが張られ始めました。写真では判りにくいですが、左側のグリルに向かって緩く勾配が取られています。

浴タイル張り完成

浴室床及び、手前の踏込位置までタイルが張られた状態です。手前の段差部分には、後日間接照明が埋め込まれる予定です。

水栓金物取付け

仕上げ材はほぼ終わってから、今度は水栓金物の取付けになります。見えている水栓とシャワーのセットはハンスグローエ社、浴槽の水栓はTform(ティーフォルム)社が扱っているアガペの製品です。

浴室ガラス扉の袖ガラス取付け中

ガラス扉はまだついていませんが、袖部分のガラスが取り付けている様子です。この袖ガラスでガラス扉を吊ることになるので、しっかり固定する必要があります。

袖ガラスが付き、壁にタオル乾燥用のPSヒーターが付いた状態です。スタッフの渡辺さんが中に入っていると、スケール感が判りますね。

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こちらが完成後に、洗面脱衣側から望んだ写真です。清潔感のある白系の床タイルが、脱衣部分からフラットに浴室内に続き、その下には間接照明を入れて浮かせて軽く見せています。浴室内はモルタル塗りの簡素な仕上げとなっています。

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浴室内部です。カルデバイのホーロー製浴槽とタイルの白と、モルタルの灰色のコントラストがシンプルで美しい浴室が完成しました。丁寧な施工をしてくれた各職方には感謝です。

在来浴室のリフォーム・ノウハウで以下の記事もご参照ください。
在来浴室の扉枠をステンレスにリフォーム
在来浴室のタイル壁の収まり詳細
浴室のスタイリッシュリフォーム(外部サイト)