Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

バング&オルフセン ショールーム訪問@六本木

代官山T邸

代官山T邸のお施主様は元々バング&オルフセンのステレをシステムを愛用していらっしゃいましたが、新しく組み込む音響もB&Oで考えたいとのことで、新しい製品も見てきて欲しいとのご依頼がありましたので、久しぶりに六本木のショールームを訪問して参りました。

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ちょうどショールームには、昨年のLWLのイベントでお世話になった小泉さんがいたので、丁寧に新商品の特徴や、スピーカーシステムの違いなどを案内して貰うことができました。

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ショールーム内に小さなモデルユニットがあり、映像よりも音響を中心としたリビングでのライフスタイルの提案も経験させて貰いました。

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輸入元のNEXT社は、B&Oの展開だけでなく、オリジナルに時空というブランドを立ち上げて、空間と音響と時間をテーマに新しい製品を開発しているとのことで、隣室の時空のショールームを代表の加藤さんに案内して貰いました。写真中央に映っている鏡面の裏側にテレビを仕込んだ製品は、人がどこまで近寄ったかをセンサーで感知して、案内やイメージを映し出すInteluxというシステムでした。

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こちらはそのシステムを応用したテーブルで、ガラスにタッチパネルシステムを組み込んで、写真やインターネットを見れるようにした製品でした。大きなアイパッドのようなものですが、画像の美しさとその動作性の楽しさは近未来を体感しているかのようでした。

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このシステムの優れたところは、普通のガラスに特別な加工をしないで、背面にテレビ画面を組み込めば作れるところだそうで、時空のショールームのガラスにも同じシステムを作り込んでデジタルサイネージとして活用していました。遠くからはミラーに見えるガラスに触ると画像が飛び出し仕掛けになっています。僕らは店舗設計はほとんど手掛けていませんが、ショップやレストランでは大きな可能性のあるシステムだと感じました。

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こちらは壁に組み込んだスピーカーシステムのArtcousticという製品です。柱型の左右に貝の断面模様をプリントしたネットの背面がスピーカーになっており、表面を自由な画像イメージを取り込むことが可能で、かつ薄く、音響的にも非常に優れたスピーカーです。B&Oがデザインを際立たせるスタンスなのに対して、こちらは壁に埋め込んだり、好きなアートイメージを転写して、インテリアに溶け込ませるところがユニークなシステムでした。

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音響の未来を見据えたようなモノだけでなく、写真のような日本の伝統工芸を技術と組合せた美しいイヤホンGEMも作っています。漆や皮を丁寧に張り込んで、使い捨てではなく長く愛着を持って楽しめるように昇華された美しいイヤホンでした。色々なバリエーションを虫眼鏡を使いながら拝見させて貰いましたが、工芸品を超えてまるで宝石を見ているかのようでした。
時間を掛けて、会社のコンセプトから未来へと繋がるモノ作りを紹介してくれた加藤さん、小泉さん、どうもありがとうごいました。空間と音響と映像と時間が4次元的に繋がってゆくような、まばゆいイメージに正直圧倒されてしまいました。

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因みに、こちらは先日Tさまの湾岸のご自宅に、施工をお願いしているリフォームキューの岩波さんや電気屋さんたちと伺って、B&Oのステレオシステムを取り外した際の様子です。代官山T邸では、これらをテレビと繋げて、新しい音響システムを組み上げる予定です。

 

トラバーチンを使った内装計画@六本木M邸

六本木M邸

本物の素材感を追求している新築マンションリフォーム六本木T邸では、トラバーチン(ぶつぶつ穴があいている独特の風合いを持つイタリア産大理石、またはトラバーティンとも書きます)を色々な所に使う計画です。

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ダイニングの正面壁には水磨きでテカリを押えたマット調なトラバーチンを、窓手前には植栽を置けるように、かつテラスとの中間帯としてのトラバーチン製式台を、テレビを収納するマントルピース型のニッチの甲板には本磨きのスラブ物を、玄関には濃い灰色の大理石スティングレーと併せてボーダー模様に張る予定です。

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それぞれ用途と見え方が違ってくるので、目地の色や幅、凹み具合を現場で確認しながらの作業となります。写真は判りにくいですが、目地材のサンプルを3種類、トラバーチンの間に挟み込んで、色味を確認している様子です。また、トラバーチンは本来、多孔質でポツポツ孔があいているのですが、埃が溜まらないように孔は同色のグラウト材で埋めて貰ったものを使います。

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こちらがトラバーチンを張るダイニング壁の下地状況です。トラバーチンの重さに耐えるように不燃の合板を張っています。どこを基準に張ってゆくかを示す墨が打ってあります。

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テレビを収納するマントルピース状のニッチの上部の甲板部分を差し込んでいる様子です。こちらは通常とは違ったサイズなので、スラブ材と言われる板状のものを事前に削り出したものです。あと2日ほど掛けて、トラバーチンとその他の石材を張ってゆくことになります。

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こちらが3日後の現場の様子です。トラバーチンの壁が張り終わっています。壁に張ったトラバーチンは、水磨きの特注品で、テカリ感をなくし、落ち着いた雰囲気にしています。目地の具合もお施主様に確認して頂きOKして貰いました。

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光と照明のあたり具体で色が変わって見えますが、こちらがダイニング側の壁全面に張ったトラバーチンです。適度な重量感がありながら、空間に上手く溶け込んでくれています。

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窓際には、トラバーチンを使った式台を作る予定で、こちらがその下地材です。床フローリング、壁のクロス、天井の塗装とそれぞれ違った素材が使われますが、トラバーチンを二面の壁に回り込ませたり、式台に同じ大理石を張ったりすることで、空間と素材を馴染ませる工夫をしています。

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玄関にはこのお宅のテーマ素材でもあるトラバーチンに濃い灰青のスティングレーをボーダーでデザインした床石が張られ始めました。

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先の写真にも床下地のベニヤ板に墨で位置が撮られていましたが、僕らが事前にデザインして渡して置いたスケッチ図に、どのようなサイズで石を切って張ってゆくかを石張りの職人さんが現場で置いていた図面です。デザイン図と実際の張り作業でズレが生じた場合に、どの部分で逃げるかや、枠との取り合いなどの細かい注意点がメモってありました。

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さりげない高級感と上質感が感じられる玄関になりそうです。

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リビングの窓際には、サッシの高さと合せた式台を計画していましたが、こちらも張られていました・横長の壁の石目地とどこを合せるを最後まで迷っていましたが、結局ズラして張りましたが、それほど違和感を感じなかったので、ひとまずホッとしました。

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床石が張り上がった後、お施主様が休日に現場に寄った際に、スティングレーの斑で気になる箇所が2箇所あるとの連絡がありました。現場に行った際に確認したところ、確かに油を垂らしたような斑がありました。天然石なので、このような問題が起こる可能性はお伝えしてありましたが、それでももし現場に余っている石で良さそうな部分があれば、交換して貰えないかとのことでしたので、余っていた石を並べて確認している様子です。

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ボーダー用に切ってあった石には、もっと大きな文様や黄色い斑が入っていたので、四角い真物からこちらで判断した面を切り取って貰い、張り直すことと致しました。

 

写真ギャラリー「Subject Matter」訪問

代官山T邸

代官山T邸でインテリアアートもご提案することになったので、幾つかのギャラリーやインテリアストアをこの数日で巡っています。以前からホームページで拝見していましたが、予約制なのでなかなか訪問できなかった写真ギャラリーのSubject Matterにも伺うことができました。

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当日はユニークな植物写真家のClinton Friedman氏の展示がされていました。

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こちらの写真は、全てpermallureという特殊な手法でマウンティングされています。写真をアクリルとアルミの間にマウントし、紫外線の影響を受けない構造になっているそうです。

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通常は展示作品しか見せて貰えないのですが、今回は事前にお願いしていたので代官山T邸のダイニングと廊下にご提案できそうなJuliet FergusonやCaroline Fraserのアートを見せて貰いました。写真左の共同創設者のリーゼル・ストラウスさんはインテリアデザイナーだったそうで、どのようなレイアウトが良いかも図面を見せながら相 談に乗って貰いました。