Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

竣工検査、即お引渡し

南平台N邸

消費税前の駆け込みになってしまいましたが、南平台N邸を何とかお引渡しすることができました。

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ほとんどすべての家具を入れた上での変則的な形での検査を行って、補修はお引越しまでの間に行う約束で、お引渡しをすることになりましたが、当日の午前中もずっと塗装やさんや家具屋が入ってのギリギリのスケジュールとなってしまいました。

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午前中の作業を終えて、午後2時にいらっしゃるお施主さまのNさまを待つ、取扱い説明でよばれた各業者の方々です。

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まず第一番目の取り扱い説明(取説)はワインセラーのユーロカーブでした。適度な湿度を保つために、冬と夏で手当てが違う事、これまで幾度か採用させて貰いましたが知りませんでした…。

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照明の調光コントローラーのルートロンの説明を経て、サウナの取説です。東京バススタイルの眞柄社長にお願いしました。お施主さま以上に、僕が喰い付いているように見えますね。

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他にもタオルウォーマー等3社ほどの取説を受けた後、最後はB&Oにお願いしたホームインテグレーション・システムの説明です。難しい言葉ですが、要は家電や設備機器を配線等でホストコンピューターと繋ぎ、手許のコンピューターで成業する考え方です。家電としては、テレビとステレオ(アンプ)とDVDとアップルTV、設備は窓の電動ブラインドとルートロンを介したリビングダイニングの照明です。これら全てを、アイパッドでコントロールする訳です。ヘタをするとリモコンだらけになってしまうところを、一つの端末だけで制御できるので、暮らしてゆく上ではとても便利になりそうです。

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全ての取説と、事前に僕ら設計側がチェックしていた問題個所を見て頂いた上で、未成工事内容を整理したうえで、お引渡し書類をリフォームキューの岩波さんと石原さんがNさまに説明しているところです。ギリギリのタイミングでしたが、Nさまにも仕上がりをとても喜んで頂くことができました。

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まだ、アートや調度品が揃っていませんが、完成時のリビングダイニングの様子です。

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こちらは廊下側から特注のスチールサッシ越しにダイニング空間を見返したアングルです。天井のカラーガラスが廊下まで伸びてきている所が、何とかカッコ良くなりました。Exif_JPEG_PICTURE

インテリアのアートや調度品にも強い興味をお持ちのNさまなので、お引渡し後に画廊のギャラリークローゼットの協力を得て、8枚ほどのアートを借りて、壁に立て掛けてみて、具合を見て頂きました。

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リビング背面のこの壁には大きな迫力のあるアートが欲しいとのことで選んでみたものですが、Nさまにはどうもピンとこなかったそうです。

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こちらは個人的に好きな松丸真江さんのアートを選んでみましたが、やはりこちらもダメでした…。残念ではありましたが、どのようなサイズのアートをどこの場所に掛けるのか、またイメージや色味を伺うことができたので、次回は気に入って頂けるように頑張ります。
とにかく、一応生活できるところまで家具を揃えて、年度内にお引渡しをすることができて、本当にホッとしております。頑張ってくれたリフォームキューの岩波さんと福井君と石原さんとその下職の方々、どうもありがとうございました。獅子奮迅の活躍を見せてくれたスタッフの竹田さん、お疲れ様でした。ここまで辛抱強く待って下さったNさま、おめでとうごございます!そして本当にありがとうございました。

 

 

ニューヨークのタワーマンションリフォームS邸の取材・撮影

ニューヨークS邸

いつも施工事例を紹介して貰っているリクルート社の雑誌「都心に住む」から、東京とニューヨークの高層マンションの事例を取材したいので、どなたか知り合いを紹介して貰えないかとの依頼がありました。

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東京の高層マンションの事例として、先日六本木T邸を取材撮影して貰ったのですが、ニューヨークでは十数年前に設計させて頂いたニューヨークS邸のお施主さまをご紹介させて頂きました。

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さすがにニューヨークでの撮影に立ち会うことはできませんでしたので、事前にお宅の図面やリフォームした空間のポイントを、リクルート社の江原さんとライターの森さんのお二人に説明した上で、Sさまにお願いして立ち会って頂きました。

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上記3枚の写真は、Sさまにお願いして取材・撮影中の様子を撮影して頂いたものです。カメラマンやコーディネーターの方は、現地ニューヨークの方たちだそうで、江原さんと森さん以外の方は存じ上げておりません。ステキなインテリアのS邸ですので、どのような写真が撮れているのか、とても楽しみです。

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こちらの写真のみは、一昨年ニューヨークに遊び(研修?)に行った際に撮らせて頂いたSさま邸の写真です。

 

リフォーム工事の現説(げんせつ)

高級高齢者向けサービスアパートメントS邸

MレジデンスS邸の図面がある程度纏まってきたので、それを元に見積りを作って貰うために、現地に施工をお願いすることにほぼ決まった高島屋スペースクリエイツ、下請けで入って貰うMレジデンスの指定設備業者、建築工事の、造作家具工事の現代製作所に集まって貰いました。いわゆる現説(げんせつ・現場説明のこと)です。

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高島屋スペースクリエイツ(以降高島屋SC)、青と現代製作所のチームは、幾度かリフォーム工事をお願いしたことがあるので、こちらの設計感覚も判って貰っています。ただ、指定設備業者は初めてのお付き合いで、以前の下打合せの際にも色々と難しい問題を投げかけられたことがあったので、結構緊張致しました。下打合せが功を奏したのか、本日は大きな問題もなく全員でチームを組んでの見積り、そしてその後の工事もお願いできることになりそうで安心いたしました。

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ほぼすべての部屋に居住中で、かつ日中も部屋にいらっしゃることが想定される中での工事なので、有機溶剤の使用禁止や工事中の騒音をなるべく少なくするための工夫、搬入経路やそのルールなどがとても厳しいので、Mレジデンスの管理会社側から工事の注意事項を説明して貰っている様子です。ただ、高島屋SCの現場監督の山崎さんは幾度かここでの工事を経験しているとのことで、とても心強いです。

こちらがほぼ纏まったリフォーム後の平面図です。居住者が退去後には現状復帰が必要となるので、今回のようにほぼスケルトンでのリフォームとなると、現状復帰用の積立金を管理会社側に預けなければならないので、工事費用もそれなりに用意しなければなりません。色々なケースを想定しながら、見積りの結果によっては大きく減額できる案も考えながらの設計となっております。

また、高層マンションになるので、各部屋にスプリンクラーが設置されており、間取りを変更すると、その再配置も必要となるので、こちらである程度想定してプロットした天井伏図(床に寝転がって天井を見上げた図面)も準備致しました。

展開図は一般的なものと同じですが、既存では壁で囲まれたクローズド・タイプだったキッチンを、家具にビルトインするオープンキッチンにするので、その部分は電子レンジや冷蔵庫の設置、お皿やカトラリーの収納などを細かく設計した展開図を用意いたしました。

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主寝室と洗面と廊下とダイニングが交差する箇所には、4枚の引き戸が交差する形となっています。そのうち3枚がポケットに収まるタイプの引き戸となっているので、それらの枠周りをスタディーしたスケッチです。3方枠や2方枠、更には枠なしの納まりが混じっているので、大工さんや建具屋さん泣かせの現場になってしまいそうです。