Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

マーフィーフローリングの張り始め@杉並区S邸リノベーション

杉並区S邸

以前から打合せを重ねてきたMAFI(マーフィー)フローリングが現場に届き、床に張られ始めました。下の写真で、部屋中央に積まれている灰色の箱がフローリング材の梱包です。

ユーロデザインハウス経由で、施主支給でお願いしている材料なので、支給する日程や巾240ミリ、長さが2400ミリもある超大型フローリングなので、その搬入経路などに頭を悩ませましたが、支給側と現場(監督の八木さん、お疲れ様でした!)の協力で無事搬入されました。

マーフィーフローリング張り

今回選んだのは、カントリーオーク(Oak Country)というナラ材をベースにしたフローリングで、ひび割れ、節穴、及び大きな節の個所を黒いパテで埋め、更に仕上がりもちょっとザラッとした(ブラッシング加工)独特の風合いを持つ材料です。

フローリングと壁際の黒ゴム

フローリングの性質上、コンクロートの壁と接するところには、3ミリ程度のスキマを開けて、黒いゴムを差し込んで、伸縮に対応するようにしています。写真で孔があいている個所は、後日スピーカーの線を取り出すための細工です。
早速張られ始めた様子を見てきましたが、むき出しになったコンクリート壁にも全く負けない強いキャラクター(特徴)を持った仕上がり具合に大いに感動してきました。

造作家具打合せ

本日は造作家具の打合せもありました。こちらで一通り書いた図面を、左側の家具屋さんが実際に作れるように製作図を起こし、それを現場で寸法を大工工事との納まりを考えながら、詰めてゆく作業です。造作家具のデザインが好きなので、どうしても複雑な物を考えがちなのですが、現実を見据えながら、シンプルで使い勝手が良い形に、少しずつ形を変えてゆきました。左が家具屋の大沼さんで、右が青の片岡社長です。

こちらはこれまであまりお見せしていなかった玄関ホールです。正面のLGSで組まれているのが大きな納戸収納です。中に現場用の作業机が置かれている様子は、小さな檻のようでちょっと可哀そうでした。

 

ウェブマガジン・家の時間にて「建築家リフォーム」連載中

ニュース

2009年12月から連載を始めた、ウェブマガジン・家の時間での「建築家リフォーム」も、早いものでもうすぐ30回になろうとしています。昨年の震災の直後はしばらく休ませて貰いましたが、良くここまで続けられたと我ながら感心しております。

玄関リフォームの機能とデザイン

玄関リフォームの機能とデザインでは、複合的な機能を要求される玄関に絞って、リフォームでどのようにデザインと機能を合致させてきたかについて書いています。

ウォークイン・クローゼットの作り方

ウォークイン・クローゼットの作り方では言葉では良く聞くWICの本来的な意味や便利に使えるレイアウトなどを紹介しています。

  調理の巾が広がるキッチンパントリー

調理の巾が広がるキッチンパントリーでは、単なるキッチン収納ではない、ワクワクして料理の準備・下ごしらえが楽しくなるパントリーのあり方について説明しています。

生活のシーンを豊かにする照明リフォーム

生活のシーンを豊かにする照明リフォームでは、コストパーフォーマンスに優れたリフォームの1種類として、照明リフォームの効用について書いてみました。LED照明の使い方や、一室多灯型の照明配置についても説明してみました。

  床仕上げより重要?天井リフォームのデザイン

床仕上げより重要?天井リフォームのデザインはちょっと刺激的なタイトルですが、忘れがちな天井のデザインについて考えてみました。

快適なトイレ空間へのリフォーム

重要なことは判っていても、ついつい設計者でも常識的に考えてしまう、トイレ空間について書いたのが快適なトイレ空間へのリフォームです。扉の位置や開き勝手を工夫するだけで、音や臭いを気にせずに使いやすいレイアウトに変えることも可能だと思っています。

  マンションにおける廊下の意味と効用について

マンションにおける廊下の意味と効用についてこちらでは、ついあまり主だった機能が見えてこないので、リフォームで部屋に取り込んでしまいがちな廊下空間をトピックに、リフォームでどのように活かすことができるかを事例を挙げながら説明しています。

マンションリフォームとインテリアデザイン

マンションリフォームとインテリアデザインは、ここ数年事務所内でも、大きな問題として考えている、リフォームとインテリアデザインついて考えてみました。リフォーム提案にはインテリアのグレードや雰囲気が重要になりますが、本来はちょっと違った分野の仕事を、どのようにお施主さまに説明し、提案してゆくかについて考えています。
ちょっとずつではありますが、それなりの期間を掛けながら連載してきた記事ですので、お時間があるときに、どうぞご覧ください。

設備配管・電気配線 工事中

杉並区S邸

杉並区S邸のマンションリノベーション工事は、床下の設備配管がほぼ終わり、電気の配線工事も大よそメドがついて参りました。

照明用電気配線工事

照明の電気配線は、天井下地との位置関係や、天井埋め込みエアコンの配管との絡みで、図面通りに配置することができない場所もあるので、電気屋さんと現場で打ち合わせて対応してゆきます。

LGS壁下地

同時にLGSの壁下地と置き床の下地も終わりに近づきつつあります。プイラスターボードが壁に張られてしまうと、このように風通しが良く、大きな空間が見通せることが無くなってしまうのが残念です。

廊下配管状況

廊下部分は、まだ、床の給水給湯配管が見えている状態です。青が水でピンクがお湯です。廊下の先に向かって、二本がユーティリティーへと曲がってゆき、二本がキッチンへと置き床の下へと延びてゆくのが判ります。

リビング床下地工事

こちらはリビングかダイニング方向を望んだ写真です。置き床システムと一体になったパーチ(パーティクルボード)の上に、剛性を確保するためのラーチ合板が張られています。

置き床の重量補強

リビングの一角に、お施主様が購入した重さ300キロのテレビキャビネットが置かれる予定なので、その部分は置き床を重量対応にするために、足を密に入れて貰っています。写真で壁から二枚目までのパーチには、ボードの中央部分にも三点で支えられていることが判ります。

フロアヒンジ設置工事

廊下からリビングへの鉄扉用のフロアヒンジも取付けられていました。微妙な取付け間違いが、建具の動きに影響するので、何度もレベル(水平性)や位置を確認しながらの慎重な作業です。

フロアヒンジ金物設置

こちらがアップで撮影したフロアヒンジです。重量が掛かる部品なので、コンクリートスラブに鉄筋アンカーを打ち込み金物を溶接し、すきまを無収縮モルタルで詰めてガッチリと固めています。

フィブロックで区画貫通処理

最後の写真は、床スラブを貫通している排水管の区画貫通処理の様子です。従来は、PS(パイプスペース)周りはコンクリートブロックで囲われていることで、防火区画を貫通していても処理されていることになっていましたが、今回は既存状態でPSのブロックが大きく崩されていたので、管理組合の許可を得たうえでブロック壁を完全に撤去しています。その代りに、フィブロックという材料(写真の銀色のカバーの部分)で区画貫通処理をして貰っています。一か所あたり、約1万円掛かる高価な工事ですが、それで確保できるスペースを考えると、コストパーフォーマンスは良いのかもしれません。