Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ショールーム見学-6 高級家具のフクラ

白金台S邸

現在工事進行中の、マンションリノベーションプロジェクト・白金台S邸のインテリアを検討中で、クライアントと一緒に高級家具ショールームに見学に行って参りました。

これまでにも何社かの家具ショールームを拝見してきましたが、本日は青山のHUKLA(フクラ)に行ってきました。以前、八雲にあった巨大なショールームは拝見したことがありましたが、この青山ベルコモンズ内のショールームは初めてでした。

フクラは、ドイツ発のソファーメーカーで、「美しいフォルム、”使い心地”のよさ。高い品質をベースに心地よいくつろぎ・やすらぎのトータルインテリアをめざした”家具づくり”」を標榜している会社です。今回は、フクラ得意のソファーを中心に見学してきました。

お目当ては「VALIANT(ヴァリアント)」という、水平性が強調された、”モダンなソファー”でした。クライアントに実際に座ってもらった感想は、「デザインは良いが、座面の奥行きが深すぎるのでは?」とのことでしたが、他のソファーを4組を試して頂いた後には、やはり、ヴァリアントが一番しっくり感じるとのことでした。奥行きの問題は、クッションを重ねることで解決できることが確認できたので、平面図で大きさを確認しながら組み合わせを考え、同時に張り地を検討しました。

何通りもの形態的な組み合わせを見たうえで、ベースの部分を薄茶色のレザーとし、上の座面をベージュ色のウールとする組み合わせで、お見積りをお願いすることとなりました。もう少し他のショールームも見学した上で、最終的な決断を来月中にすることになります。

この写真は、平面図にソファーの形状を切り抜いたシートを重ね、他の家具や空間とのバランスを確認している様子です。

マンションの折り上げ天井について

白金台S邸

白金台のリノベーションマンション工事は、現在天井の下地を組んでいる最中です。最近の高級マンションの天井は、最大天井高さを数字として示すために、折り上げ天井を多用することが多いようです。

新築マンションの広告で「最大天井高さ2600!」などと謳っているものです。

部屋の中央にそれだけの天井の高さが確保はされているので、数字上はウソはありませんが、体感できる天井の高さはどうでしょうか?間接照明付きの折り上げ天井があると、パッと見は華やかですが、いざ家具をレイアウトしようとすると、部屋の中心が天井と床面でずれてしまい、気持ち悪さを感じてしまいます。

カガミデザインリフォームが提案するシンプルモダンなインテリアは、天井と床をすっきり見せることが重要なポイントだと考えています。天井と床は生活のシーンを映す、バックグラウンドとなって欲しいからです。そこで今回は、全ての折り上げ天井を中止し、さらに間接照明もほぼ中止しています。

その代わりといってはナンですが、埋め込みのダウンライトや、天井とフラットに見える特注の埋め込み照明を設置する予定です。

以上の設計方針に基づいて、現在全ての折り上げ天井をつぶすべく、新しい天井下地を組んで貰っています。折角の天井の高さをつぶすようで、もったいない気もしますが、お客様が望まれるシンプルモダンな空間を実現するためには、必要な工事なのです。

排水管の振り回し

白金台S邸

今回のリノベーションで、水周りの位置は大きくは変わらないのですが、すこしづつ便器や、洗面の位置を変えています。大きく位置が変わる場合は、床を全面剥がして、スケルトン状態にしてから、ほぼ全ての排水の配管経路をやり直せます。ところが、意外と面倒なのが、今回のように、すこしづつ動かすことです。

必要な箇所だけ、床を剥がして工事をするのですが、もう少し、もう少しと剥がしてゆくと、復旧が大変になるので、事前によく現状を把握し、打合せを密にした上で、工事に入ります。本日は、勾配を考えながら、無駄な遠回りをせず、上手く配管できるルートを、水道屋さんと打ち合わせて参りました。

洗面台の下には、大きなヘッダーが隠れていたので、これも床下に押し込みます。この場所は、ウォークイン・クローゼットになるので、床下に押し込んだ上で、床点検口を設け、将来のメンテナンス用に備えています。

現場が同じ白金台の町内と近いので、ほぼ毎日通って、監理できるのはありがたいことです。