Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

インテリアの色とデザイン 広尾マンションリフォーム-13

広尾H邸

広尾の高級マンションリフォームのインテリアの中で、お施主様の奥様が、一番こだわられたのが、この玄関ホールでした。外から入って、右手の壁一面がラッディッシュ・レッドの赤に塗られています。その赤い壁に、ポツポツと小さな電球が配置されています。調光スイッチで、光の具合をコントロールできる仕組みになっています。

赤い玄関

壁を目立たせるため、床はシンプルに、タタキ部分はベージュのタイル張り、上がり框なしで内部はカーペット仕上げとしています。玄関ホールとリビングを仕切っている扉の仕組みとデザインには、設計者のこだわりがあります。夏や冬、来客があった場合は、間仕切りが必要ですが、普段は開け放して使いたい玄関ホールとリビングの仕切り扉なので、開放した状態では、壁にのみ込まれて消え、閉じた状態では、しっかりと間仕切れるように工夫しています。

隣の靴収納とのデザイン調整や、リビングと玄関の色味の違い、そして少し華やかに見えるよう、ガラスを木製の桟で区切ったクラッシカルなデザインとしました。

色・カラーリフォーム 広尾マンションリフォーム-12

広尾H邸

広尾の高級マンションリフォームの工事も無事終わり、お施主様への引渡しと取り扱い説明(トリセツ)に伺って参りました。今回のリフォーム工事は、お施主様が、一家揃って海外赴任中の留守の間に鍵を預かって工事を行うという特殊なケースのリフォーム工事でした。途中で問題が発生しても、直接見ていただいた上での判断をお願いすることができず、変更箇所についても、全てメールと添付写真、そして国際電話での相談となってしまいましたので、色々と苦労もありました。

カラーリフォーム

ただ、引渡しのためにわざわざ、ご家族揃ってご帰国してくださった施主様ご夫妻に、大変喜んで頂けたことで、
そんな苦労も吹き飛ばすことが出来ました。今回のリフォーム計画の一番の特徴は、色でした。お施主様と一緒に悩みながら、壁や床の色、キッチンや造作家具の色を、文字通り「色々」と研究し、最適のマッチングを探すというプロセスでした。写真は、薄緑のダイニングと、薄青のリビング’です。まだ家具なしの写真なので、すこし間延びしているように見えるかも知れません。家具を置いた状態で拝見させていただけること、楽しみにしています。

色のリフォーム

設計をご依頼頂いたH様ご夫妻、どうもありがとうございました。そしてリフォーム工事をお願いした株式会社「」の片岡さん、樋口さん、カガミ建築計画スタッフの渡辺さん、旧スタッフのIさん、本当にお疲れ様でした!

北イタリア旅行記 チンクエ・テッレからピエモンテ

見学記

私用で、一週間ほど北イタリアを旅行して参りました。ジェノヴァに代表される北イタリアのリグーリア州では、世界遺産に認定されているチンクエ・テッレを訪問してきました。ほぼ車では近寄れない、断崖絶壁の地形に寄り添うような小さな村が5つ並んでいるので、チンクエ・テッレ(5つの丘)と呼ばれているそうです。その中でも、一番厳しく、そして美しかったのが写真のVernazza(ヴェラナッツァ)の村でした。

チンクエテッレ

小さな岬の先端に、波と風から逃れるように、住宅が寄り添って村となっています。

他の4つの村々も、同様に厳しい自然状況の中に立ち、それぞれ素晴らしい工夫をしながら、成り立っているようでした。自然の偉大さと同時に、人間のしたたかさを強く感じる旅でした。

雪のピエモンテ

リグーリア州の次は雪のピエモンテ州を訪問しました。ピエモンテ州の州都は先回の冬季オリンピックが開かれたトリノです。今回はピエモンテ州でも南部にあたる、ランゲ・ロエーロ地方を周りました。この辺りは、ワインの産地として有名で、バローロや、バルバレスコといった村が連なった地方です。他にも、この地はスローフード運動発祥の地でもあり、ちょうど訪問した時期は白トリュフ(タルトゥーフォ)の季節でもありました。11月に雪が降ったのは、地元の人たちにとっても30年来の出来事だと驚いていましたが、雪道をスリップしながらブドウ畑の中をドライブして周りました。

あるときは、霧の中に薄っすらと見える教会の塔を目指し、あるときはアルプスの山々に囲まれた平地を長々と、各地にある美しい町並みを巡りながら美味しいレストランで舌鼓を打って参りました。