Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

配線・配管は立体パズルです

新築住宅

大田区久が原の三世帯住宅の現場で、電気の配線、給排水・ガスの配管についての打合せを行いました。各室内空間の天井高を確保しながら、建物全体の高さを抑えているので、天井裏や床下のスペースがどうしてもギリギリになってしまい、電気や設備の業者さんたちに苦労を掛けることになってしまっています。

施工している様子は、写真の通り、まるで立体パズルのようです。どうしてもうまく管や線を廻せない箇所を、一つずつ回って、工夫しながら問題を解決してゆきます。特に構造と絡む箇所は重要で、安易に構造を削ったり、ハツることは避け、必要な箇所は壁をフカし、スペース(いわゆるPS(パイプスペース))を確保した上で配管を廻すよう、お願いして参りました。

今回は、ボードを張る前に、お施主様に立ち会って頂きながら、スイッチとコンセントの位置も全て確認しています。ここまで注意深く設計・監理を行うことで、後での工事やり直しを少なくすることができると信じています。

変形アイランドキッチンへの配管 広尾マンションリフォーム-03

広尾H邸

広尾の高級マンションリフォームも工事が着々と進んできました。今回は変形のアイランドキッチンを設計していますので、こちらがご紹介いたします。何が変形かと言うと、アイランドの一部が、壁際のユニットと繋がっているのです。完全に独立しているから「アイランド=島」と呼ばれているのですから、正式には、今回のケースはアイランドとは呼べないのかも知れません。ただ、繋がっているのが、下部の給排水管部分だけなのです。

どうしても、壁際にあるパイプスペース(マンションの上下階の給排水管を繋げる配管スペース)の排水管(写真の右隅にある薄い灰色の管)へと繋げる必要があるので、このような床付近だけが繋がった、変形アイランドを考案した次第です。写真中、灰色と臙脂色の太い管が排水管です。シンクと食洗機のから汚れた水を緩やかに取られた勾配に沿って流れてゆきます。食洗機にはトラップ(臭気を防ぐ仕組み)がありませんので、立ち上がりが高くなっています。黒い管が給水管で、白い管で、コーナー部が銅色のものが給湯管です。

一部、配管が終わっておりませんが、この上にアイランドのキャビネットがかぶせられることになります。

新たに生まれる空間 広尾マンションリフォーム-02

広尾H邸

今月から工事が始まった広尾の高級マンションリフォームの内容を紹介いたします。 
170平米のとても広いマンションですが、なぜか広さを実感できないマンションのナゾは、マンションの中央にあったようです。

 図面を詳しく見ていただくと、よく判るのですが、キッチンや玄関といったパブリックの空間と、寝室やトイレ、洗面といったプライベートな空間を繋ぐ中央部分に、無駄に長くうねった廊下があるのです その廊下に囲まれた部分が、主寝室用のWIC(ウォークイン・クローゼット)だった訳です。 初めて平面を見たときに、この変な点に気が付いたので、WICと分電盤を移動し、壁を解体することで新しく生まれる中央のホールを、ライブラリーコーナー 或いは子供たちの勉強コーナー などに利用してはどうかとご提案しています。

 まだ、お子様が小さいので、当初は子供たちがおもちゃを散らかして遊べる、プレイコーナーとすることになっていますが、また時間が経って、どのように展開されてゆくのか、今から楽しみです。解体前と解体後を同じアングルで比べた写真を見ると、新たに生まれた空間の違いが、よく理解できると思うのですが、いかがでしょうか?