Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

防空壕現る!

新築住宅

ゴールデンウィーク明けから始まった、久が原の三世帯住宅N邸の既存住宅の解体ですが、建物の下から、凄いものが現れました。先代からこの土地で暮らしているN様のお母様から、その存在は聞いてた戦時中に作られた防空壕です。上屋が全て取り壊された事で、長年(60年以上!)地下に眠っていた防空壕が全容を現しました。戦時中にこの防空壕に入った思い出を持っているN様のお母様、叔母様達の話では、

  •  「近所の人も含めて20人以上の人が非難した」
  •  「確か6畳くらいの広さはあった」

とのことだったので、もっと大きなものを予想していたのですが、実際は3m×1.5m位のコンパクトな大きさでした。

地下防空壕

記憶より相当小さく感じたようですが、本当に久しぶりに、家族皆の命を助けてくれた防空壕を見るのは、お母様にとっては不思議な気分だったそうです。地域の交差点にある敷地なので、構造設計をお願いしているビーファームの中野さん達と事務所のスタッフ、施工の監督と現場で対処方法を打合せしている最中にも、通り掛かりの人や近所の人など、沢山の方が覗きに来ました。

地下防空壕

近所の小学校の先生も通られて、珍しいものなので、是非小学生の社会の授業で見学に来させて欲しいというお話もありました!ただ、このまま放置しておくと危険なので、直ぐに砕石を入れて埋め戻す事に決めた後でしたので、写真をお送りするだけになってしまいましたが…。防空壕とは言葉で何度も聞いていましたが、実際に拝見するのは初めて、とても貴重な経験でした。

構造補強 箱根別荘リフォーム-02

箱根C別荘

箱根の中古別荘のデザインリフォームも、いつの間にか(?)工事が始まり、本日現場に伺った時には構造部分のリフォームが一段落致しました。不思議な縁で、僕等がリフォーム設計のお手伝いをすることになった箱根の別荘ですが、リフォームの第二段階の構造リフォームも(第一段階はお施主様がご自分で行なわれた解体工事です)一応枠組みが決まり、終了いたしました。

中古別荘の耐震補強リフォーム

構造の専門家にも見てもらった上で、リビングとダイニング・キッチンを分けるように通っていた
別荘の中央の廊下の壁を撤去いたしました。筋交いも入っている壁でしたので、単に壁を撤去するだけではなく、取り去った筋交い分の補強を新しく設置した梁の端部で行なっています。

こちらは柱と梁が離れないように、特注の鉄製の金具でしっかりと留めてもらっている様子です。予算の関係上、段階的に進めているリフォームですので、これからも工務店と相談しながら工事を進めてゆくことになります。一気に工事が出来ない分、お施主様も工事の度に現場に足を運んでもらっています。
ゆっくり時間を掛けて、さらに空間を実地で見ながら打合せが出来るので、お施主様と建築家(私)の意思疎通が図れる事、そのメリットを最大限に活かしながら、設計を進めてゆきたいと思っています。

最後のお風呂  そして解体…

新築住宅

昨年こちらのコラムでご紹介した、「オゾン・リビングデザインセンター」の「家づくりサポートシステム」が縁で設計をさせて頂くことになった、大田区の三世帯住宅N邸ですが、いよいよ既存建物の解体が始まりました。僕らとしても何度も打合せをさせて頂いた住宅でしたので、明日から解体が始まるという前夜に、そっと最後の姿を覗きに伺って参りました。

ちょうどご両親がシャッターを開けているところでしたので、夜分でしたが声をお掛けしてみました。その夜からお隣に仮住まいすることになっているのですが、最後のお風呂を、昔の家で浴びたいとの想いで、湯浴みの準備をして来たとのことでした。新しい三世帯住宅を作るために、古い住宅を壊すことは必要な事ではありますが、お二人にとっては本当に思い出深い家であることを、今更ながら最認識いたしました。

その翌々日、解体の現場を訪問いたしました。お店も住居もすっかり引越しが済んで、古いお宅もどんどん解体されている最中でした。仮住まいしているお隣の2階から解体の様子を撮ったのが二枚目の写真です。恐竜のような重機の向こうに見えているのが、古いキッチンです。僕等にとっても、何度も打合せをさせて頂き、その度に美味しいご飯をご馳走になったキッチン。僕等でも寂しい思いがするのですから、長年使いこんできたお施主様達には、どのように感じるのでしょう…。寂しさ、悲しさの深さの分だけ、新しい三世帯住宅が完成した暁には、家族9人が楽しく、賑やかに暮らせる、そんな未来の生活の為に、僕等、設計者が更に頑張らねばとの想いを強く感じた二日でした。