Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

構造補強 箱根別荘リフォーム-02

箱根C別荘

箱根の中古別荘のデザインリフォームも、いつの間にか(?)工事が始まり、本日現場に伺った時には構造部分のリフォームが一段落致しました。不思議な縁で、僕等がリフォーム設計のお手伝いをすることになった箱根の別荘ですが、リフォームの第二段階の構造リフォームも(第一段階はお施主様がご自分で行なわれた解体工事です)一応枠組みが決まり、終了いたしました。

中古別荘の耐震補強リフォーム

構造の専門家にも見てもらった上で、リビングとダイニング・キッチンを分けるように通っていた
別荘の中央の廊下の壁を撤去いたしました。筋交いも入っている壁でしたので、単に壁を撤去するだけではなく、取り去った筋交い分の補強を新しく設置した梁の端部で行なっています。

こちらは柱と梁が離れないように、特注の鉄製の金具でしっかりと留めてもらっている様子です。予算の関係上、段階的に進めているリフォームですので、これからも工務店と相談しながら工事を進めてゆくことになります。一気に工事が出来ない分、お施主様も工事の度に現場に足を運んでもらっています。
ゆっくり時間を掛けて、さらに空間を実地で見ながら打合せが出来るので、お施主様と建築家(私)の意思疎通が図れる事、そのメリットを最大限に活かしながら、設計を進めてゆきたいと思っています。

最後のお風呂  そして解体…

新築住宅

昨年こちらのコラムでご紹介した、「オゾン・リビングデザインセンター」の「家づくりサポートシステム」が縁で設計をさせて頂くことになった、大田区の三世帯住宅N邸ですが、いよいよ既存建物の解体が始まりました。僕らとしても何度も打合せをさせて頂いた住宅でしたので、明日から解体が始まるという前夜に、そっと最後の姿を覗きに伺って参りました。

ちょうどご両親がシャッターを開けているところでしたので、夜分でしたが声をお掛けしてみました。その夜からお隣に仮住まいすることになっているのですが、最後のお風呂を、昔の家で浴びたいとの想いで、湯浴みの準備をして来たとのことでした。新しい三世帯住宅を作るために、古い住宅を壊すことは必要な事ではありますが、お二人にとっては本当に思い出深い家であることを、今更ながら最認識いたしました。

その翌々日、解体の現場を訪問いたしました。お店も住居もすっかり引越しが済んで、古いお宅もどんどん解体されている最中でした。仮住まいしているお隣の2階から解体の様子を撮ったのが二枚目の写真です。恐竜のような重機の向こうに見えているのが、古いキッチンです。僕等にとっても、何度も打合せをさせて頂き、その度に美味しいご飯をご馳走になったキッチン。僕等でも寂しい思いがするのですから、長年使いこんできたお施主様達には、どのように感じるのでしょう…。寂しさ、悲しさの深さの分だけ、新しい三世帯住宅が完成した暁には、家族9人が楽しく、賑やかに暮らせる、そんな未来の生活の為に、僕等、設計者が更に頑張らねばとの想いを強く感じた二日でした。

伊豆山の蓬莱

見学記

連休を利用して、熱海の近くにある伊豆山の蓬莱という旅館に泊って参りました。ご存知の方も多いかと思いますが、こちらは江戸時代から続く由緒ある名旅館です。若い頃、祖父母のお供で泊まったことがありましたが、今回は、奮発して妻と自腹で泊まって参りました。旅館の空間の特徴を、体験を通して理解し、何とか別荘の設計に生かせないかとの想いでした。今回の宿泊で、旅館の空間の魅力を何となくですが、体感することができました。

伊豆山蓬莱中庭

まずは、ゴールデンウィークの大渋滞の中を必死にドライブして着いた時のお迎え。ここからゆっくりした時間が始まる事を、旅館の静かなアプローチの中、女将さんの挨拶が合図になって教えてくれているかのようでした。そして部屋への案内。写真のような小さな庭を迂回する回廊を経ることで、期待が高まります。そしてたどり着いた部屋から広がる景色。ここまで海の近くでありながら、海を見せないでいて、最後に部屋から
切り取ったような海を見せるという心憎い演出。

伊豆山蓬莱のテラス

別荘でここまで凝った演出は難しいかも知れませんが、建物へのアプローチや、部屋の構成、小さな演出の数々と色々と参考になることが沢山ありました。いつか、このような素敵な和風の別荘も設計してみたいものです。