Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ペントハウス豪邸の関西M邸竣工

関西M邸

カガミ建築計画としては珍しい、マンションリフォーム&リノベーションではないプロジェクト、新築マンションの最上階ペントハウス住戸、関西M邸が竣工お引渡しとなりました。

多様な素材をつかいつつ大きくて堂々としたキッチン、そのキッチンと一体化した長いダイニングテーブルが特徴的なお宅の完成です。

こちらの写真は、施主検査のお手伝い時に伺った際の物で、まだ家具やラグ、カーテンも入っていないガランドウな状態ではありますが、ダイニング横のリビングの大型本棚もきちんとつくられていました。

正式には設計施工が大手ゼネコンで、僕らはお客さま側のアドバイザーという立場ではありましたが、ここまで重要な打ち合わせの際には同席しながら進めてきた経緯もあるので、ゼネコン側も僕らのチェックを尊重してくれました。

浴室と洗濯コーナーに隣接する洗面所です。造作家具については、お付き合いのない会社での施工で心配でしたが、何とかきれいに仕上げてくれたようでホッとしております。
今回の施主検査、僕らは最上階のオーナー邸だけの検査でしたが、お客さまとゼネコン側はマンションロビーなどの共用部から、賃貸用マンション各住戸全ての検査があったので、本当に大変な一日なのです。最後の検査がオーナー邸で、もうここまで来ると、皆ヘトヘトになっている所に、僕らが参上してフレッシュに(?)ダメ直し工事個所をチェックさせて貰ったこと、後日お客さまからとても感謝されました。

そして施主検査の2週間後のお引渡しにも立ち会わせて頂きました。検査時に指摘した事項を全て回って、きちんと是正されているかをチェックさせて貰いました。この日は取り扱い説明もあるので、p-ダーキッチンをお願いしたリネアタラーラの牧野さんも来てくれています。

大型のオーダーユニット浴室も弊社でご紹介したバンクチュール(ニッコウ)の田中さんも来てくれました。

とにかく、この威風堂々としたダイニングキッチンは、工事関係者皆が感嘆する出来上がりになりました!


キッチンとダイニングテーブルと連動するような照明を組み込んだ天井は、ちょうどキッチン真上に来てしまった梁型を隠すための窮余のデザインでしたが、色合いといい素材といい、キッチン空間を引き締める良いアクセントになりました。

その他の空間も、思い切った素材や色味の採用で、キッチンほどの風格はありませんが、M邸らしい空間に仕上がりました。こちらは玄関からリビングダイニングへと繋がる廊下です。壁には硬質感のあるバサルティーナという大理石を使っています。

リビングの大型本棚と絡んだ、廊下からリビングへの入り口部分です。木質は壁や造作家具に使ったウォールナット材と床のオーク材がメインの素材ですが、この扉部分だけはアクセントとしてゼブラウッドを使っています。

浴室の浴槽はドイツ製鋼製ホーローのカルデバイの大型浴槽に、大理石柄のタイルを合わせました。

洗面カウンターは、クオーツストーンの天板にダブルシンク、メディスンボックス下は本物の大理石のモザイクタイルです。

お客さまのMさまご夫妻、ゼネコンと協力業者の方々、リネアの牧野さんに僕らが揃うことは、もう中々ないだろうとのことで、皆集まっての記念撮影をさせて頂きました!
以下は、この2か月後に他のプロジェクトのご相談で関西に伺った際に、家具やカーテン、テレビ等が入った所で撮影させて頂いたものです。

ソファはイタリア製高級家具のミノッティホワイトシリーズで、M邸らしくどっしり重量感のある大型L字のレイアウトです。

ダイニングのダイニングチェアは、モルテーニアウトラインです。

黒いレザーで木質脚の椅子が12脚並んだ様は壮観です!

リビングの本棚も、ご家族の本全てが入ると、あっという間にほぼ満杯になってしまいました。中段に良く目を凝らして頂くと、僕らのリノベーション本も表紙を向けて飾って下さっています!沢山のお客さまがいらっしゃるMさま邸ですが、来る方来る方皆がインテリアを誉めて下さるとのことで、その度に僕らの本を見せて、この人たちにインテリアデザインをお願いしたんだと広告して下さっているそうです!

キッチン&ダイニング側からリビングを見返した様子です。当初は、このダイニングテーブルももっと厚みが欲しいとのご要望を仰っていたMさまも、すべてが揃ってみるとこの厚みで良かったんだとご納得して下りました。

キッチンはカウンター材が3種類(ポルフィド(イタリア産斑岩)、ステンレスホットバイブレーション、クオーツストーン)、扉材も3種類(オーク突板、塗装、メラミン)にカラーガラスなどの素材を組み合わせていますが、それぞれが適材適所でほんとに使いやすいと奥さまに褒めて頂きました。

東京にお住いの頃は、ご主人も外食が多かったそうですが、こちらに移ってからはコロナのこともありますが、本当に自宅の居心地が良いので、とにかく家で過ごす時間が長くなったとのことでした。

ダイニングと主寝室の間に設けたテラスも合成樹脂製のウッドデッキと植栽、折り畳み式の屋外用チェアで、コロナ自粛期間中も快適に過ごすことができたとのことでした。
最後のおまけは…、

オーナー邸のある階のエレベーターホールです。この階だけはエレベーターのカギがないと入れない個所なのですが、他の賃貸マンションと同じ仕様の真っ白なエレベーターホールとなっていました。折角室内がこれだけ濃厚でカッコよい空間になったのだからとのことで、施主検査時にご依頼があって僕らがデザインし直しました。

室内でも使った素材を各壁に展開して、室内に負けないホールに仕上げることができました。

渋谷区Q邸が家庭画報に掲載されました

渋谷区Q邸

昨年竣工お引渡しをしたヴィンテージマンションリノベーションの渋谷区Q邸が、雑誌「家庭画報」(世界文化社)に掲載されました。

家庭画報マンションリノベーション術

今回は「ホテルライクな究極の空間ー豪邸マンション拝見」という特集で、Q邸は「部屋をつなげて夫婦二人の一室空間に」というタイトルで6ページ渡って紹介されています。

マンションリノベーションならではのビフォーアフターの写真も掲載して貰っております。

マンションリノベーションの達人・各務謙司流マンションリノベーション術とのことで、具体的な間取りの変更箇所、個々の空間の特徴や工夫なども細かく説明しております。

家庭画報はこれまでも幾度か掲載頂いたことがありますが、ほぼ毎回このようなポートレート写真を撮影してくれます。嬉しいと同時に恥ずかしいのですが、今回は良く撮れているとの事務所内での評判です(笑)。

こちらが掲載号2022年6月号の家庭画報の表紙です。
以下、撮影時の様子です。

ちょうどお引き渡し後1年の点検と重なった撮影でしたので、朝一番はリノベ工事の際にお世話になった青の岡田さんと片岡さん、キッチンのリネアタラーラの水谷さんも同席して貰っての検査を行いました。

まず最初に、とにかく使いやすくて、デザインも自分たちらしくて、デザインにも工事のクオリティーにも大満足していますとのお言葉を頂きました!

それでも細かい個所は、一年経ってヒビが入っていたり、細かい不具合が発生していたので、弊社担当スタッフの竹田さんとご主人さまと青の岡田さんと片岡さんと一緒に見て回って貰いました。

そうこうするうちに、家庭画報の取材チームがいらっしゃったので、早速撮影に取り掛かることになりました。メインのカットはリビング側から見て、左に暖炉、右にオープンキッチンで、奥のダイニングスペースに奥さまに立って頂く形の撮影です。奥さまとカメラマン以外は、ソファの後ろに縮こまって待機しています。

1アングルの撮影が終わる度に、パソコンのモニターでどのような写真を撮っているのか説明して下さるので、お客さまも僕らも楽しく撮影を進めることができました。

メインのリビングダイニングキッチン空間の撮影が終わるタイミングでライターさんが来て下さり、ご夫妻に同席する形で僕も一緒に取材に対応させて貰いました。第三者の取材が入ると、これまで聞いたことのなかったお客さまの本音が聞けることもあり、ドキドキしながらとても楽しいひと時でした。

取材の間に撮影して貰ったアングルを、撮影に同行して貰った竹田さんに聞いて、こちらで似たようなアングルで撮ってみた玄関から通り抜けのSICの写真です。

こちらは玄関からキッチンへ通じる隠し扉裏に設けたパントリーの様子です。オープンキッチンをきれいに見せるためには、大容量のパントリーが必要とのことで、撮影して下さったようです。

最後の家庭画報恒例の、僕、各務のポートレート撮影時の様子です。コロナのマスクで髭もそらず、シャツもアイロンをかけてなく、お客さまのシャツを借りようかというジョークも出るような状態ですが、カメラマンの腕の良さで何とか撮影を乗り切ることができました。
なお、今回の特集には、豪邸設計で有名なikgの池貝さん、僕らの目標であり仮想ライバルでもある横堀建築設計事務所の横堀さんとコマタさんの事例が紹介されている、見ごたえのある特集となっています。

設計開始から半年経って初めての現地調査

乃木坂U邸

乃木坂U邸の現場調査に、設計が始まってから6か月経って、初めて伺って参りました。

通常であれば、設計のお手伝いをすることが決まれば、なるべく早くに現地調査をさせて貰うのですが、Uさまご夫妻はこのお部屋を中古でご購入した際はオーナーチェンジ物件(賃借人付きでの物件購入)で、お二人もご自身の目で内装を見たことが無かったのです。賃貸契約が切れて、それまでの賃借人が出る時期が分かったので、早めにリフォーム設計を初めて、お引き渡し後なるべく早くに工事を実施なさりたいとのことで、早めに設計をスタートさせていたのです。

乃木坂U邸現地調査

ほぼ似ているマンションのリフォーム・リノベーションのお手伝いを何件かさせて頂いたことがあるので、写真と図面だけである程度予想をしながら設計を進めてきましたが、窓からの景色の広がりや角部屋ならではの風の抜け感などは、初めてお部屋に入って体感することできました。

乃木坂U邸現地調査

今回のリノベーション設計のクライマックスは、この写真に写っている中途半端な廊下を削減して、その分リビングダイニングを広げる計画なので、完成後に同じアングルでの写真で比較できるようにビフォーアフターのビフォー写真を撮影しておきました。

乃木坂U邸現地調査

キッチンはパッと見、きれいではありましたが、小さなお子さまがいらっしゃるUさまご一家には、このクローズド(閉じられた)のキッチンは適していないので、作り直すことはほぼ決定です。ただ、食洗器はまだ使えそうでしたので、コロナでドイツ製食洗器が品薄なこともあるので、再利用をご提案することになりました。

乃木坂U邸現地調査

玄関はまだまだきれいでしたが、広さの割に収納が少ないことや、タタキの床石がお好みではないとのことを伺っていたので、やはり全面的に作り替えとなります。

乃木坂U邸現地調査

各寝室と水回りへの廊下はとにかく長く退屈な空間に感じるので、通り抜け型の洗面を作ると共にインテリアでも工夫して、一つの見せ場に持っていくようにしたいと考えています。

乃木坂U邸現地調査

廊下の通り抜け洗面には、ビストージのブラケット照明をつけるお話しが進んでいるので、竹田さんが良さそうなサイズの照明を実寸で切り出したモックアップを作ってくれていたので、どんなサイズでどんな位置に取り付得るとどう見えるかの確認ために壁に張ってくれています。

乃木坂U邸現地調査

実際に使われた状態を見ないと、どこまで手を入れるべきか判断できないとお話しをしていた浴室ですが、クリーニングに入った際の水が抜けきっていない為か、かなり汚れて見えました。ただ、図面からはどこのオーダーユニットバス会社が施工したものか分かっていませんでしたが、色々と調べて日ポリ化工が作ったものだということが分かりました。他社ではほとんど対応して貰えませんが、日ポリさんの場合は、浴槽だけの交換や床だけの交換にも対応してくれるので、オーダーユニットバスを作り直さずに部分交換できれいにすることも出来そうだとの良い情報を得ることができました。

乃木坂U邸現地調査

この日はお客さまとの日程が合わず、僕らとリフォーム工事会社として想定しているリフォームキューの営業担当の坂本さんと設備の槻川原さんにも同行して貰いました。脚立で浴室の天井裏をのぞき込んだり、浴室暖房乾燥機を外して品番の確認もして貰いました。

乃木坂U邸現地調査

作り替えることになる洗面では、ビルトイン型の洗濯乾燥機の横の配管スペースを開けて…、

乃木坂U邸現地調査

水回りの床下スラブの深さを実測して貰いました。大よそ、当初見ていた竣工時の図面と同じで、ここまで設計してきた内容で工事が出来そうなことも確認することができました。

乃木坂U邸現地調査

リビングの梁型もダウンライトを外して、本当に構造の梁がどこに合って、度の位置であればダウンライトを入れることができるかも確認して貰いました。

乃木坂U邸現地調査

リフォーム計画では、キッチンもオープンになって、奥の扉のある壁もなくなるので、ツーサイズほどLDKが広くなるだろうと考えております。これからの計画がより楽しみになってきました!