Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

登録有形文化財住宅のリフォーム相談

戸建住宅リフォーム

築93年の登録有形文化財住宅のリフォームのご相談があり、神奈川県の現地に伺って参りました。

有形登録文化財(建造物)

登録有形文化財とは、文部科学大臣が「近年の国土開発や都市計画の進展、生活様式の変化等により、社会的評価を受けるまもなく消滅の危機に晒されている多種多様かつ大量の近代等の文化財建造物を後世に幅広く継承していくために作られたもの」を登録するシステムで、従来の指定制度を補完するものだそうです。原則として築50年を超える建造物で、

  1. 国土の歴史的景観に寄与しているもの
  2. 造形の規範となっているもの
  3. 再現することが容易でないもの

を条件に選ばれているそうです。

まだ、正式にリフォーム設計のご依頼を頂いていないでの、差しさわりのない玄関の写真を紹介します。ご家族の方が大事に住み続けてきたとても風格のある建物で、

建具のディテールなども非常に凝ったもので、確かに再現するのが難しそうな、人手が掛かった詳細になっていました。

屋根裏調査

実は、拝見するのは二度目でしたが、先回は図面なしで、単なる相談だけでしたが、今回は文化財に登録された際に作られた資料を見ながら、床下から天井裏まで入り込んで調べさせてもらいました。
スタッフの笠原君の奥の壁に、屋外の植物が入り込んでいるところは気になりました。

一通り調査が終わり、リフォームの相談が終わった時点で、この住宅のお隣の住宅を拝見させて頂きました。やはり古い洋館を約1年掛けて、建設当初の様子を想像しながらリフォームなさった住宅とのことでした。

ダンスパーティーが開けそうな大きな居間です。グランドピアノが2台置かれていても、その存在を感じさせない、実に堂々とした空間でした。天井の漆喰細工も素晴らしいものでした。

こちらは客間です。天井が高く、腰壁や枠飾りの詳細、バランサーが付いたダブルハング窓(上げ下げ窓)等が素敵にマッチした空間でした。

こちらは玄関ホールです。古い雰囲気を損なわないように、使えるものは上手く再利用し、新しく作った部品も古いものに合せ、機能・使い勝手共に向上させた素晴らしいリフォームでした。このような手法を上手く取り入れた、リフォームプランを作ってみたいと強く感じる素晴らしい事例でした。

後日談:事務所のスタッフが辞めることになり、迅速に対応することが難しいことをご説明したところ、80代後半のお父様がお元気なうちにリフォーム工事を完成させたいとのことで、他の事務所に依頼することになったとのご連絡を頂きました。

田園調布F邸 キッチン打合せ

田園調布F邸

戸建リフォーム計画が進行中の田園調布F邸のキッチン、水回りの打ち合わせをカガミ事務所で行いました。

可愛い三人のお子様もいらしての賑やかな打合せで、水回り資料や図面に混ざって、子供たちのカラー粘土が置かれています。

打ち合わせでは、玄関と階段室のデザインも検討致しました。立体的につながっており、空間として判りにくい個所だったので、写真のような模型を作って、窓の位置などを決めさせてもらいました。

リブコンテンツのショールーム

ある程度方針が決まったところで、いつもオーダーキッチンでお世話になっているリブコンテンツのショールームに伺って、オーダーキッチンとユニット品の違いを説明して貰いました。価格は高くなりますが、何から何までカスタムメイドでお願いできるオーダーキッチンの魅力は十分に理解できました。

最後のスケッチは、打合せ中に共同設計者の中西ヒロツグさんがサラサラと書いてくれたキッチンの詳細スケッチです。ステンレスか人工大理石のキッチンに、タイル張りのカウンターを組み合わせる方向になりそうです。これまで試したことがない組み合わせですが、Fさまらしいキッチンになりそうで、ワクワクしてきました。
Fさまご夫妻、長時間に渡る打合せ、どうもありがとうございました。

高輪I邸 解体進行中

高輪I邸

現在解体工事進行中の高輪I邸現場に伺ってきました。養生を終えて、解体が始まってからまだ3日目でしたが、随分工事が進んでいました。

コンクリートの躯体壁を残して、すべての壁が解体されたので、100平米の空間を見通すことができるようになりました。

以前に2度ほど大きなリフォーム工事がなされたようで、その痕跡が色々な所に現れてきました。正面のコンクリート壁には、幾重もの段差があり、誰がどの段階で、何を意図して、工事されたのかの判断に困る状況でした。

こちらは竣工時には浴室だった個所です。昔の浴室のタイル床が残っていますが、部分的には解体され、モルタルで補修されていました。キッチンの床などは、長尺塩ビシートが二重に張られ、その下のシンダーコンクリートをハツッてガス配管が通っていました。

こちらは天井の様子です。ある程度は予想していましたが、部屋ごとに天井のレベルが変わっており、木製下地にボード張りの個所や、軽天下地にコンパネ二重張りの個所が入り混じって、何を基準にどうやってレベルを取ってゆくかを、現場の片岡さんと相談させてもらいました。