Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

カッシーナでのラグ探し

白金台S邸

先週に引き続き、青山の高級家具カッシーナのショールームに伺って参りました。今回は白金台S邸のリビングのラグ探しです。

昨年から長い時間を掛けてS夫妻とご一緒に色々なショールームを巡って探してまいりましたが、なかなかピッタリとマッチする物がありませんでした。選択するうえでの重要なポイントである、以下の四つの要素が揃ったものが中々見つからないのです。

  1. カラー(色味): ベージュ・灰色系のシンプルな色味が良いが、ベタッとした表情でなく、少しムラがあっても良い。ソファーやラウンジチェアーとの相性も重要。
  2. テクスチャー(触感):短すぎず長すぎないカットで、自然素材の優しい触感が欲しい。
  3. サイズ(大きさ):リビングとソファーのサイズを考えると3×4メートル程度。
  4. ストーリー(興味):機械仕立ての退屈なものでなく、そのデザインやイメージの裏にある、興味をそそるストーリーが欲しい。これが欲しいと思える言い訳(?)

今回も幾つかの良さそうな候補を選んでいただき、サンプルが揃った時点でご自宅に持って帰って貰い、日中の日差しや夜の照明のもと、どのように感じるかをご確認いただくことになりました。

カトリーヌ・ミメ

帰り際に、ショールーム三階のCatherine Memmi(カトリーヌ・メミ)の家具を一通り拝見して参りました。しっかりとした造りと大柄なデザインは以前から大好きなのですが、この大きさは普通の日本の家庭では難しいようです(現在はカッシーナではカトリーヌ・メミは扱っていません…)。

建築知識学校 リフォームセミナー-6

建築知識学校 リフォームセミナー

昨日は建築知識学校のリフォームセミナーの第6回目でした。「現場のスマートな管理術」とのお題目で、工事が始まってからの現場指示図や現場監督とのやり取りの方法などについてレクチャー致しました。

リフォーム 解体図

マンションリフォームで重要な解体図の一例です。何を撤去して、何を保管、どこまで壊すのかをカラーで図示することとしています。これは壁解体図で、もう一枚の床・設備解体図と合わせて解体図一式となります。

リフォーム 墨出し図

こちらは解体が済んだ後の墨出しの際に使う図面です。どの壁を基準に新しい壁位置を導き出すのか、色分けしながら指示した図面です。何と平行で、余りの寸法がどの程度かを現場でチェックする際に役立つ図面の説明をいたしました。

リフォームの墨出し状況

上の図面を基に、コンクリート下地に現場で墨を打ってもらった様子です。壁位置だけでなく、壁厚さや建具枠、建具の寸法まで書き込んでもらうことで、間違いのない指示ができると思っています。

レクチャーの後は先回に引き続き、工務店「」の片岡さんに参加してもらって、中西さんとの三者対談を行い、授業後半は来週プレゼンしてもらう予定の課題のエスキースチェックを行いました。課題が進んでいない人には、他の学生のエスキース状況を見ながら研究してもらうようお願いしたところ、写真のように皆が集まってお互い刺激的なやり取りが発生していました。

 授業後には毎回定例となった池袋駅近くの居酒屋での反省会(打ち上げ?)です。毎回参加者数が増えているので、来週の最終回は全員参加が目標です。

リフォーム・リノベーションのお役立ち雑誌・本-1

その他

リフォームセミナーで教えている学生さん(?)から、リフォーム・リノベーションの設計で、実践で役に立つ本や雑誌を紹介して欲しいとの依頼がありました。何冊かの本を紹介しましたが、このブログにも転載しておきます。まずは、セミナーの主催者である建築知識のバックナンバーから。

2004年 7月号 「リフォーム設計 業務まるごと便利帳」 ◎
考えてみれば早い時期からリフォームの設計に特化した特集を組んでいましたね。私も以前からリフォームに強い興味を持っていたので、過去の事例を参考に幾つかの記事を書かせてもらっています。

  • 手戻りゼロ!現地調査の流れとポイントを知る
  • ばっちり決まる!解体・墨出し時の指示方法
  • リフォームで大活躍!大工造作でつくる家具のセオリー!
  • 梁を軸に考える 簡潔なプラニングのセオリー

他の方の記事ではマンションリフォームの設備移動や、工程管理、スケルトンリフォームの実例などが参考になりました。すぐ役に立つ記事満載で、今も設計スタッフの教育に使っています。

2010年 3月号 「最高のリフォームを提案する方法」 ◎
今年発売された、リフォーム・リノベーションの最新情報満載の特集号です。久しぶりの特集でしたから、一気に読むのももったいなく、チビチビ楽しみながら読ませてもらいました。無駄な情報はほぼゼロのお役立ち本です。今回も志願して幾つかの記事を書かせてもらいました。

  • リフォーム設計の流れを抑えよう
  • 広い玄関より使い勝手の良い玄関に
  • アイランドキッチンに給排水管を移動させる
  • 既存を生かしつつスッキリした照明を設置
  • 室内で子供にノビノビ遊んでもらう

他の方の記事では、建築確認年で分かる既存不適格や、付録のDVDが傑作でした。

2000年 8月号 「改修・リフォーム設計シート」 △
戸建や基礎の補修・リフォームについての特集です。集合住宅の大規模改修に使えようなるディテールが多くピックアップされています。戸建住宅でも基礎の改修や、外壁補修、耐震補強などは使える詳細集ですが、インテリアを主体としたリフォームではすぐ役に立たないかもしれません。ただ、持っているだけで安心感は確実にありますね。

住宅インテリア究極ガイド ◎
雑誌「建築知識」の出版社、エクスナレッジ社から発売されているインテリアのガイドブックです。インテリアと言いながら、実際にはリフォーム物件の写真や図面が豊富で、役に立ちます。また、仕上げ材のカタログとしても使え、更にお施主さまに見てもらうこともできる美しい本ですので、買っておいて損はありませんね。

もうバックナンバーで購入できない雑誌も入っていますが、時々オークションなどでは出ているようです。古本屋さんにもあるかもしれませんので、探してみてください。また、今後も少しずつ愛読している本や雑誌を紹介してゆくつもりです。