Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

雑誌「都心に住む」の取材&撮影@平河町T邸

平河町T邸

ちょうど一年前にリフォーム工事が終わり、お引渡し後暮らしながらインテリアを整えるお手伝いをしてきた平河町T邸に、雑誌「都心に住む(リクルート社)」の取材撮影でお邪魔して参りました。

平河町T邸_雑誌取材&撮影

当日は、編集部からお二人、そしてライターの方とカメラマン、そして弊社での担当スタッフの前田君と各務の6名で伺っております。

平河町M邸_雑誌取材&撮影

カメラのアングルを決めて貰っている間に、ご対応下さった奥さまにリフォームのきかっけやどの部分にこだわりがあったかなどをインタビューさせて頂きました。ちなみに、こちらのダイニングテーブルは、昨年末に届いた、モルテーニのフィリグリーの大理石天板の物です。

平河町T邸_雑誌取材&撮影_都心に住む

ダイニングテーブル奥の壁に置かれているキャビネットは、こちらのお部屋に引っ越される際に購入して頂いたタイム&スタイルのウェーブ・コンポジット・キャビネットですが、特注で天板にネロマルキーナ(大理石)を載せて貰った仕様となっております。ダイニング上のミラーも特注で作って貰ったものです。

平河町T邸_雑誌取材&撮影_都心に住む

リビングとダイニングの中央、ちょうど玄関ホールの中心軸上にある丸いテーブルは、以前からお持ちだったものをダークブラウンに塗装してもらい、天板もかつてはガラスでしたが、木を黒に塗装した甲板を載せたものです。その上に吊るされている3つのペンダント照明、ルミナベッラのアプロムですが、高さや位置関係はお客さまと苦労して検討したものです。

平河町T邸_雑誌取材&撮影_都心に住む

テラスに面した木製ルーバー付きの建具を、編集部の方々に説明している様子ですが、こちらのお宅のご主人はまだ窓周りのデザインには何かが足りないと考えて下さっているようで、次回以降に変則的な仕様のダミーカーテンをご提案することになりそうです。

平河町T邸_雑誌取材&撮影_都心に住む

そうこうしている間に、カメラのアングルも決まったということで、順次プライバシーに関わるものを移設しながら、撮影を進めて貰いました。

平河町T邸リノベーション_リビング竣工写真

僕らも、家具が入ってからの写真は、これまできちんと撮影する機会を作っていなかったので、プロのカメラマンの後を追いかけながら、家具入りの竣工写真を撮影させて頂きました。こちらはリビングですが、ソファは米国製ベイカーのMAX SOFAを入れさせて頂いたものです。

お忙しい中、取材&撮影にご協力くださったTさまご夫妻、どうもありがとうございました!

新プロジェクト:外苑前C邸がスタートします

外苑前C邸

昨年からご相談が始まっていた外苑前のマンション・リフォームプロジェクトの外苑前C邸がスタートすることになりました。

子育てを終えた世代のお客さまご夫妻がご購入なさったのは、築20年で132平米(40坪)の中古マンションでした。

解放感のあるLDに3つの寝室と、ご夫婦二人で暮らすにはゆとりのある空間で、ご主人さまはリフォームせずにこのままでも暮らせるのではとのことでしたが、デザインにこだわりのある奥さまが拙著「世界に一つだけのプレミアム・リノベーション」を本屋で見つけて、これだと思ってご連絡をくださったそうです。

ダイニングの横にあるキッチンは、十分きれいでまだ使える状態ではありましたが、設備は古く、デザインも中途半端なので、交換したいというのが奥さまのお考えのようです。

キッチンは、廊下からの入り口側に洗濯機置き場やスロップシンクが設置されていましたが、それらは奥の洗面近くに移設したほうが、より広くキッチンを使えるのではとのお話を致しました。

中央にある玄関から、手前のリビングダイニングへと続く廊下、そして奥のプライベートゾーンへと繋がる廊下はクラシカルな雰囲気の建具が連なる、迫力の空間です。天井裏には隠蔽型のエアコンが入っているため、大きな点検口がついていました。

立派な廊下に対して、玄関ホールはちょっとコンパクトな空間に感じられます…。

洗面所には洗面カウンター下に点検口があったので、弊社担当の竹田さんと神崎さんに覗き込んで写真を撮って貰いました。

床下には給水のヘッダーがあり、そのための点検口だったようです。ただ、水回りの床下は大きなピットが掘られており、配管の余裕がありそうでした。お風呂はまだどうするか、全体の予算次第で考えたいとのことでしたが、いざ交換となっても設備配管は問題なく施工できそうでした。

天井裏は設備用の点検口の鍵が見つからなく、納戸の小さな開口部から覗いた様子ですが、空調や換気用のダクトが絡み合っているようでした…。

実は、通常の現地調査では、事前にマンション管理事務所に保管してある建物竣工時の図面一式を撮影させて貰い、目視では分かりにくい天井裏や床下の設備配管ルートなどを研究したうえで、調査に臨んでいるのですが、今回は管理人さんとの日程調整ができず、現調の後に図面を拝見するという形になってしまいました。

データを色分けして、分析している図です。とにかく天井裏はダクトだらけで、これらを再活用してゆくのか、処理してゆくのかは大きな課題になりそうでした。

床下の給排水&ガス管は、水回りピットの深さのことも相まって、それほど大きな問題もなさそうで、一安心です。

一通りの現調、そして図面資料の研究を終えた所で、お客さまのリフォームのご希望、そしてマンションのこの部屋が持っているポテンシャル、両方からどのようなリフォーム案が考えられるかのスケッチを始めています。

完成後の外苑前C邸の様子もどうぞご覧ください。

墨出しからエアコン吊込み、設備配管へ

駒沢X邸

すかっりスケルトン状態になった駒沢X邸の現場ですが、床のコンクリートスラブに壁位置などを書き込む墨出しが始まっていました。

ヴィンテージマンションの墨出し

キッチン回りはどこに壁が来て、その壁も壁の芯(壁の中心線)ではなくボードを張った壁の厚みまで墨出しで表現されています。

ヴィンテージマンションの墨出し

特にキッチンでは、給排水などの設備配管の立ち上げ位置も重要になってくるので、それらについても管の径や立ち上がりの高さまで、キッチン屋さんが作ってくれた資料を基に、墨出しに数値が記載されています。ここまで最初の墨出しから丁寧にやってくれていると、施工する職人さんたちも間違いなく工事を進めることができそうです。さすがの現場と感心してしまう墨出しです!

ヴィンテージマンション_天井カセット式エアコの吊り込み

墨出しの翌週には、天井カセット式のエアコンが吊り込まれていました。左奥の小さな窓の上、天井から灰色の箱が吊り下げられていますが、こちらがエアコンで、写真左上の梁に沿って通っている白と薄ベージュの管がエアコンの冷媒管とドレイン管になります。

ヴィンテージマンション_天井カセット式エアコの吊り込み

リビングには2台の天カセが吊られています。無造作に吊られいるように見えますが、折り上げ天井のラインや照明器具との位置関係がシビアなので、厳密に墨出しされた位置に吊られているのです。

ビンテージマンションリフォームの床配管

先ほどの設備の墨出しに沿って、給水(水色)給湯(オレンジ)管と排水管(灰色)、更には緑色の床暖房用のペアチューブが敷設されました。

ヴィンテージマンションの設備リフォーム

排水管はきちんと排水勾配がとられていないと逆流してしまうので、どの設備屋さんも気を付けてくれます。ただ、水圧が掛かって勾配に関係のない給水給湯等はあまり気を使わないのですが、こちらではうまく元からあった床スラブの配管用ピットを使って、配管同士が交差する場所がなるべく少なくなるように調整してくれています。

ヴィンテージマンションの設備リフォーム

こちらは公園がある北側の個室の床下です。元から壁に空いていた既存のスリーブを使って配管をベランダに設置した給湯機へとつないでいます。

既存スリーブ孔の径とペアチューブが通る本数の関係

こちらがスリーブを通り抜けるペアチューブです。先日、青の片岡さんが丸いチューブを使ってペアチューブが何本通るかの実験をしてくれましたが…、

スリーブ孔の径とペアチューブの本数

それがまさに役に立ちました!

ヴィンテージマンションの設備リフォーム

電気関係の配線も、分電盤がある南側のブロックから、居室群がある北側のブロックへと通す本数が多いので、壁に最初から空いていたスリーブを使って配線して貰っています。

ヴィンテージマンションの浴室作り替えリフォーム

大変な時間が掛かる工事を経て床下のシンダーコンクリートまで解体された浴室ですが、底の部分がボコボコと平らではないので、オーダーユニットバスの脚が来る位置だけを狙って、平らになるように足場下地を作って貰いました。

オーダーユニットバスの脚置き設置

間近で見ると、このようになっています。これは青の片岡さんのアイデアでしたが、全体をモルタルで均したり、セルフレベラーを打つより、確実に安くスピーディーに作れる方法ですね。

ヴィンテージマンションリフォームの床遮音下地

広いお宅なので、一番奥の主寝室エリアでは、床の遮音下地を作りが始まっていました。今回は床下での音の反響がなくなるよう、吸音材としてグラスウールを敷き込んだタイプを使っています。

ヴィンテージマンションリフォームの床遮音下地

遮音置床下地造りは、工事が早いので、現場に来ている間にあれよあれよと床下地が造りが終わっていました。

ヴィンテージマンションリフォームの床遮音下地作り

遮音床下地は、水回りなどでピットが深く掘られた箇所でも、長足タイプで対応ができます。

ヴィンテージマンションリフォームの床遮音下地_際根太作り

遮音床下地では、際根太(キワネダ)と言われている、コンクリートの躯体と床下地が接するところを、どのように施工するかの細かいマニュアルもあるのですが、こちらはきちんと施工されていることを確認致しました。
ちょうど際根太とコンクリートが直接触れず、ゴムを挟んでいることで、室内の音がコンクリート躯体を伝わって、上下や左右の住戸に伝わらないようにしているのです。

造作家具&建具打ち合わせ

この日は、造作家具や建具をお願いしている現代製作所との打ち合わせもあったので、盛り沢山な現場監理の一日でした…。