Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

お客さま主導での高級キッチンショールーム巡り

外苑前C邸

現在リフォーム計画進行中の外苑前C邸ですが、特にキッチンに強いこだわりをお持ちの奥さまに引っ張られる形で、高級キッチンショールーム巡りをしています。

ジーマティックの高級輸入キッチンショールーム

こちらはドイツの高級輸入キッチンのジーマティックの青山ショールームです。僕らが主戦場としているマンションリフォームでは、解体から竣工お引渡しまでのスケジュールを考えると、輸入キッチンは納期的に厳しく、検討すらしないことも多々ありました。ただ、今回はCさまが、僕らがキッチンショールームの案内を始める前に、お友達からの推薦やご自身の研究で、こちらのジーマティックやポーゲンポールのショールーム回りをスタートさせていたので、後追いする形でショールーム巡りをすることになりました。

ジーマティックの高級輸入キッチンショールーム

こちらはショールーム1階にある少しクラシカルなスタイルのキッチンシリーズ「Beaux-Arts (ボサール)」です。

ジーマティックの高級輸入キッチンショールーム

Cさまのお友達には、こちらのジーマティック派、ポーゲンポール派、クッチーナ派にキッチンハウス派と、それぞれがご自身が使っているキッチンを推したり、長く使って問題があった個所などをアドバイスしてくださる方がいらっしゃるようで、こちらも勉強になっています。

ポーゲンポールの高級輸入キッチンショールーム

こちらは新宿アクタス内のポーゲンポールです。これまでは、広尾のポーゲンポール東京ショールームに伺うことが多かったのですが、二つは役割分担が違っているようで(アクタスは正規輸入代理店、ポーゲンポール東京は日本法人のポーゲンポール・ジャパン直営店)、Cさまは両者を見比べて、今回は新宿アクタスのポーゲンで見積りを進めたいとのことでした。

ポーゲンポールの高級輸入キッチンショールーム

イタリア輸入家具のポリフォルムではアクタスにお世話になっていますが、キッチンで真剣に検討するのは初めての経験です。

ポーゲンポールの高級輸入キッチンショールーム

Cさまが事前にこちらに伺った際に気に入った素材を並べて貰いました。

改めて高級輸入キッチンのドイツ御三家(ポーゲンポール、ジーマティック、ブルトハウプ)のうちの2つのシステムを拝見して、扉の塗装クオリティーの高さと、メラミン扉の精度の高さに驚きました。特にメラミン扉は小口の処理が本当に上手で、よほど注意してみないと塗装との違いに気が付かないほどのレベルでした。
また、輸入キッチンは納期的にマンションリフォーム&リノベーションでは難しいと思っていましたが、壁や柱との取り合いにある程度の余裕を見ることができることや、複雑な建築工事との取り合いを作らない、また工事スケジュールを4か月ほど見ることができれば、採用することもできそうだということが判ったのは大きな収穫でした。

オーダーキッチンのクッチーナ代官山ショールーム訪問

別日に訪問したのが、お馴染みの代官山のクッチーナです。ジーマティックやポーゲンポールが、華麗なデザインなのに対して、こちらは堅実なデザインで派手さはありませんが、使い勝手重視の展開となっています。

オーダーキッチンのクッチーナ代官山ショールーム訪問

言い方は悪く聞こえるかもしれませんが、普通の主婦が十分に使いこなせるキッチンで、機能性と収納を強化して、それをきれいに展開しているのが、こちらクッチーナだと思っています。

オーダーキッチンのクッチーナ代官山ショールーム訪問

とはいえ、1階や上階には、輸入キッチンにも負けない華やかな(その代わり実用性は乏しいですが…)キッチンも展開しています。

オーダーキッチンのクッチーナ代官山ショールーム打ち合わせ

シンクの形状や、ごみ箱システム、ガスかIHかのレンジなどを具体的に選ぶのに適したショールームですので、まだキッチン本体の形は決まっていませんが、どのような機器類を選ぶべきかについて打ち合わせをさせて頂きました。

オーダーキッチンのアムスタイル代官山ショールーム訪問

クッチーナから道を挟んだ向かいにある、やはり僕らにとっての定番であるアムスタイルショールームも訪問致しました。ここまで4社、更にはキッチンハウスや僕らが推薦したまだ駆け出しのモービリティーポも見比べていらっしゃるので、さすがにCさまも少し疲れたようで、それぞれの特徴を比較しながら、改めてお友達のアドバイスをこちらでも整理して、考えてゆこうとの話になりました。

完成後の外苑前C邸の様子もどうぞご覧ください。


防振釣り木と防振木レンガ

駒沢X邸

駒沢X邸のお客さまからは、上下両隣のお部屋の方への音漏れと、他住戸からの音の伝達をなるべく最小限にしたいというご要望を伺っておりました。施工をお願いしている青の片岡さんたちと相談して、躯体(床や壁や天井のコンクリート)と内装の縁を切るのが良いだろうとの考えで一致しました。床については、遮音置床システムで対応できますが、天井と壁の組み立てが問題になりました。

防振釣り木の組み立て

そこで、天井スラブから天井を吊るための釣り木をこのような構成で作って貰うことになりました。

防振釣り木用金物

スラブに空いているアンカー孔に差し込む金物には、ゴムパッキンを挟み込んで、音や振動が伝達しにくいように工夫しています。

防振金物の組み立て

既製品でこのような金物が売っている訳ではないので、現場側で部品を発注して、現場の大工さんに一つずつ組み立てていって貰うのです。

防振釣り木の組み立て

金物を組んで、それを釣り木に接合するのも大工さんに手作業です。

防振木レンガ

壁と新たに設ける壁下地とは、やはりゴムで防振した木レンガを作って貰いました。

防振木レンガの組み立て

木レンガとは、コンクリートの壁面に取り付ける木片で、壁下地などを釘打ち固定できるようにするための部品です。木片に写真のような厚みのあるゴムを設置して防振木レンガを作って貰いました。

壁への防振木レンガの取り付け

こちらが、防振木レンガを壁に取り付けた様子で、

天井スラブに取り付けた防振釣り木

こちらが防振吊り木を天井スラブに取り付けた様子です。

スケルトン状態の駒沢X邸

大工さんたちの細かい組み立て作業で、徐々に現場に防振下地が組みあがってゆきます。

床給排水管と床下地の取り合い

以前に設置されていたキッチンの給排水管を避けながらの床の遮音下地造りも進んでいました。

PS回りの壁下地検討

玄関近くにあったPSは解体しましたが、上下階を貫通している配管は動かせないので、床に型紙を置いたような形状でカバーを作る計画ですが、どうやってそのカバーを作るかも打ち合わせ致しました。

水回り設備の打合せ@東京バス&大洋金物&CERA

外苑前C邸

外苑前C邸のお客さまと、二日掛けて水回り設備のショールーム回りをしました。最初に訪問したのは、弊社事務所からも近い、東京バススタイルです。

東京バススタイルのショールーム訪問

中古でご購入なさったお部屋の浴室は、まだ十分きれいなので、絶対に交換したいという訳ではないのですが、一般的なユニットバスで作り直した場合、ハーフユニットバスを使って作り直した場合、そして東京バスのフルオーダーでユニットバスを作った場合の見積りを参考に欲しいとのことで、こちらを訪問致しました。

東京バススタイルショールームのジャクソン浴槽体験

ショールーム内のユニットバス実例の中に設置してある、ジャクソン社のネオヴェンティは内部の広さを体感するために実際に入って頂きました。

浴室内のタイル選定

参考のための見積りといっても、ある程度仕上げ材を選んで頂く必要があるので、こちらにおいてある大判タイルや、

浴室内のタイル選定

東京バススタイル名物のタイルライブラリーに入り込んで、気に入った仕上げタイルを選んで頂きました。

東京バススタイルのショールーム打ち合わせ

豊富な実例を見ながら、シャワーや水栓などを選んで頂いたところ、全体の金額次第ではありますが、やはりお仕着せのメーカー物のユニットバスではなく、本格的なオーダーユニットバスで作り替えたいとのお気持ちが強くなってきたとのことでした。

オーダーユニットバスでは、仕上げ材以上に浴槽などの設備の費用によって、全体価格が変わってくるので、僕らが良く使わせてもらっている、Tフォルム(大洋金物)が輸入しているドイツ製浴槽のカルデバイを南麻布のショールームで見て頂きました。

カルデバイの浴槽体験

鋼板ホーロー浴槽は、日本ではあまり普及していませんが、デザインや素材の質感が抜群で、価格帯も抑えることができる優れモノをCさまに体験して頂きました。ただ、浴槽については、ご主人さまの意向が強いとのことで、改めて別の日にご夫妻で浴槽体験に来てみたいとのお話しでした。

CERAショールームにて手洗いボウル選定

こちらは別日で設定した輸入洗面ボウルや水栓金物のショールームのセラ・トレーディングを訪問した際の様子です。

CERAショールームにてシャワー選び

こちらでは、洗面所の洗面ボウル、二つのトイレの手洗いボウル、そしてそれぞれの水栓に加え、東京バスやTフォルムでは実感できなかったシャワーやキッチン水栓の水圧や重たさなどを体感して頂きました。

CERAショールームにて水回り金物選定

暫定的ではありますが、一通りの水回り金物の選んで頂き、

CERAショールームにて打ち合わせ

水回りに絡んでくる部屋の建築仕上げ材の候補などをお見せしながら、打ち合わせをさせて頂きました。

完成後の外苑前C邸の様子もどうぞご覧ください。