Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

仕上げ材&ディテール打合せ@港区三田A邸

港区三田A邸

ご紹介したリフォーム会社(リフォームキュー)の設計施工で、僕らがデザインアドバイスのスタイルでお手伝いしている港区三田A邸のお打合せの第二弾です。

最初は気になっている色味や素材を雑多に候補として机の上に並べてゆきます。

その後は素材によっても適材適所もありますし、リフォーム予算との関係もあり無制限に選べる訳ではないので、ベースになる素材を決めながら、どこにアクセントをつけて、艶や素材感を表現してゆくかを徐々に絞ってゆきます。そのうえで、各部屋毎に床壁天井に造作家具や建具の色味を暫定的に決めて行きました。

打合せである程度決まったツモリでも、後になると忘れてしまったりすることも多いので、後日リフォームキューの設計の上山さんに部屋毎の仕上げ材を纏めて、それらをどこに使うかの説明を入れたPDF資料を作って貰ったのがこちらの資料です。

フローリング材は特に大きな面積を占めるので、大きなサンプルでご確認なさりたいとのご希望があったので、 今お住いのご自宅に伺っての三回目のお打合せでは、各フローリング板を3枚づつ持って伺ってお預け致しました。日中の光でも確認して頂いたうえで、決定して頂きました。

建築設計、それもアトリエ系(先生と呼ばれるメインの建築家がいる個人事務所系)の設計事務所で働いたことがあるAさまは、異素材がぶつかる細かい取り合いディテールにも強いご興味をお持ちなので、打ち合わせでは各素材の見切りや、取り合いのスケッチも作ってご説明してゆきました。

それを設計の上山さんが図面化してくれたものを…、

また次のAさまとの打ち合わせ時に、ディテールもブラッシュアップさせてゆく作業を続けて貰っています。

また、大きなリビングにはお手持ちのソファを使いながら、新しいダイニングテーブルも購入なさりたいとのことで、家具レイアウトのご提案も致しました。

竣工(完成)検査のハズが…

元麻布ヒルズA邸

元麻布ヒルズレジデンス・フォレストタワーのリフォームプロジェクト、元麻布ヒルズA邸ですが、施工会社から竣工検査への立ち合いをお願いされて現地に伺って参りました。

元麻布ヒルズ フォレストタワーのデザインリフォーム

一応、養生はほぼ剥がされて、クリーニングもされておりましたが、まだ未成工事が多く、残念ながら竣工(完成)検査の2歩ほど手前の状態でした。

元麻布ヒルズ フォレストタワーのリノベーションのお客様チェック

こちらのリビングダイニングは、養生を剥がした際にステンレス幕板に傷が見つかって交換することに施工側が判断した折上げ天井の一部以外は、ほぼ終わっていましたが…、

元麻布ヒルズ フォレストタワーのリフォーム

一番残念だったのは、こちらの玄関回りでした。
完成検査だと意気込んできて、部屋に入った最初の玄関ホールがこのような状態だと、ちょっとモチベーションが下がってしまいました。少し後から来てくださったお客さまも同じ気持ちだったようですが、気を取り直してチェックできるところはして行こうと、各部屋を回らせて頂きました。

元麻布ヒルズ フォレストタワーのリフォーム

それでも、この床壁ともに大理石で張った廊下は、グレアレス(眩しくない)タイプの照明とのコンビネーションで、高級ホテルような空間に仕上がっていました。

元麻布ヒルズ フォレストタワーのリフォーム

主寝室は造作収納の扉がサイズ間違いで入っていませんでしたが、概ねチェックをすることができました。右側の扉奥にはお嬢さまの部屋が垣間見えていますが、選んでくださった可愛らしいピンクの壁紙が張られていました。

元麻布ヒルズ フォレストタワーのリフォーム

洗面脱衣の洗面カウンターもほぼ組みあがっていましたが、メディスンキャビネットの下の間接照明がまだ取り付けられていませんでした。

元麻布ヒルズ フォレストタワーのリノベーション

色々と未成工事が山積みでしたが、それでも先ほどの廊下やその廊下からリビングへの空間の繋がり、

元麻布ヒルズ フォレストタワーの改築

リビングの造作収納部分や、折り上げ天井のデザインなど、キラリと光る箇所が見えてきたので、もうすぐの引き渡しが楽しみになりました。

浴室床のシンダーコンクリート斫り@駒沢X邸

駒沢X邸

ヴィンテージマンションのスケルトンリフォームプロジェクト、駒沢X邸の解体工事が始まりました。

何枚かの建具は、歪みを調整して再塗装して利用する予定なので、まずは解体工事着工前に建具屋さんに持ち帰って貰いました。

廃棄建材として一括して捨てることができないガスコンロやオーブン、エアコンなどの機器類は、設備屋さんや電気屋さんが前乗りして取り外してくれます。

その後、人数を入れての解体工事が始まりました。

一週間後の様子がこちらです。不要な壁はほぼ、天井は全てが解体され、床材もきれいに剥がされていました。

こちらは、玄関入って廊下の床部分を剥がした状況です。実は事前解体の時にも、この配管の高さ(床スラブからの高さ)が、今回のリフォーム提案をする上で一番ネックになると考えて、綿密に調査していた部分です。
図面で、キッチンから排水管が廊下の床下を転がされていることが判っていましたが、その位置によっては、キッチンのシンク位置を移動できないことになると思っていましたが、事前調査で分かった結果と同じく、この高さであればここまで計画してきたキッチン位置が問題なく設置できることが判り、ホッと致しました。

こちらはキッチン部分の天井裏のダクト類です。簡易的な設備の図面はありましたが、ここまで立体迷路のように絡み合っているとは想像しておりませんでした…。
壁や梁のスリーブ(貫通孔)位置や径も整理して、どのダクトをどうレイアウトするか、全体を見直す必要がありそうです。

こちらは主寝室横の水回りの解体初めの様子です。

壁の端部から、タイルとその下地を斫って(ハツッて)ゆきます。この空間については、シャワーユニットを入れる必要があるので、その最低寸法を確保するために、大きな音がする斫り工事をお願いしています。

壁のタイルだけでなく、床のシンダーコンクリートも斫って貰っています。シンダーコンの中に埋まっている排水管交換の為と、新しく設置するシャワーユニットを洗面床とフラットに仕上げる為です。
幸い、このエリアのシンダーコンクリートは脆く、簡単に剥がれたので、作業が捗っています。

今回の解体工事で、一番の山場になりそうなのが、こちらの浴室部分です。
この写真のようにコンクリートの躯体壁で囲まれた内部が浴室になっていますが、総計で40センチほどの高さで嵩上げのためのシンダーコンクリートが打たれていました。

手前の床コンクリートが大きく掘り下げられていますが、横引きの配管が見えていますので、ほぼ同じレベルからシンダーが打設されているようです。こちらでも排水管が埋め込まれてしまっているので、防水層共々シンダーコンクリートを斫る必要があります。

厚みが薄いシンダーコンであれば、斫り機を使って剥がしてゆくことも可能ですが、これだけの厚みがあると、コア抜きの機械を使ってゆくことになります。

近隣住戸の方々とのお約束で、騒音を出せる時間の制限もあるので、200Vの発電機を現場に入れて、2台のコア抜き機を使って作業を進めて貰いました。

まずは壁際部分に沿って、コアを抜いてゆきます。 一つの穴は100φ程度の小さな穴ですが…、

連続して抜いてゆくと、

このように壁際全てを線として抜くことができます。
連続してコア抜き作業をしてゆくと、機械が高温になってしまうので、水を掛けて、時々休んで冷やしながら作業をしてゆくことになります。狭く蒸し暑い空間の中で、二人の職人さんが頑張ってくれました。
ここまでできれば、あとはパッカーという機械を使ってもシンダーコンの解体ができますが、今回は施工をお願いした青の片岡さんのアイデアでクラッシャーという機械を使って、残りの軽量コンクリートを撤去してもらいました

約1週間後に現場を訪問した際の様子です。当初はこのレベルから排水管が埋め込まれている部分だけ斫る予定でしたが、手前の開口部の下から排水管を出すことが出来そうなので、ハツリ作業はここまでとなりました。


これまでも幾度かヴィンテージマンション特有のこのシンダーコンクリートのハツリを経験して参りましたので、それらの記事をご参考までに以下に挙げておきます。