Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

大工造作工事進行中@白金台E邸

白金台E邸

解体が無事終わった白金台E邸の現場に、大工さんが2人入っての造作工事が始まっています。

白金台E邸_大工の壁工事

広々とした現場に、木製の壁下地材やベニヤ板、Mクロス(ベニヤ板の表面に紙を貼った特殊なボード材)や石膏ボードなどが、きれいに整理されて置いてあります。

白金台E邸_大工の壁工事

 

リビングからダイニング越しにキッチンと玄関ホールを見返した写真です。ちょうど中央にセントラルエアコンの本体がありますが、それを新たに囲い直す壁ができてきていました。

白金台E邸_大工の壁工事

キッチン壁も、壁埋め込みの配管が設置され、フカし壁の下地もきれいに立ち上がっていました。

白金台E邸_大工の壁工事

先ほどのエアコン本体を隠す壁を別のアングルから見た写真です。キッチンへは廊下側から通用口がありますが、その横にはウォーターサーバーと冷蔵庫の奥行の違いを使った、廊下側から使える収納を作る予定です。ちょうどそこにウォーターサーバーの予備のパックが収納できるサイズになります。

白金台E邸_大工の壁工事

玄関ホールから、プライベート部分へと続く廊下部分の大工造作状況です。左側箱の中央に開口が空いているのがゲスト用トイレの入り口となります。扉が隠れて見えるように、扉と同じサイズのパネルを壁に並べるデザインを検討しています。

白金台E邸_大工の壁工事

廊下の左側は、SICと納戸の扉が続きます。扉のサイズに合わせて、壁を目地割して、壁の中に扉が埋め込まれているように考えています。

白金台E邸_大工の壁工事

廊下反対側の壁は、キッチンへの勝手口と収納の扉も含めて、アクセントクロスのパネル張りで考えています。

白金台E邸_大工の壁工事

プライベート空間の奥にある書斎と奥さまのクローゼットを分ける壁の造作は、天井ダクトの隙間を狙って、梁から木製下地を張り出したところから固定されていました。

 

 

 

新規プロジェクト:青山N邸の現調

青山N邸

新しいプロジェクトが青山の高級マンションで始まります。築14年のマンションの約140平米のお部屋のリフォームです。

青山N邸_リフォーム前の既存リビングダイニング

以前違うお仕事でお手伝いをしたことがあるNさまからのご相談で、こちらのお部屋を使わなくなったので、売却をするに際してアドバイスをお願いしたいとのご依頼を頂きました。とても良いエリアの高級マンションで、リビングにはこの写真のような大きな曲面の窓があって、解放感も抜群のお部屋でした。

青山N邸_リフォーム前のリビングダイニング

 

こちらはリビングコーナーからダイニング側を見返したアングルの写真です。ただ、解放感の割には変形間取りなため、家具のレイアウトが難しく、だれがどうやって暮らすのかが見えにくいお部屋だと感じました。

青山N邸_リフォーム前の既存キッチン

キッチンがこのような状態なのですが、先ほどのリビングダイニングの写真と比べると、圧倒的に暗く閉塞感があるのが判るでしょうか…。

青山N邸_リフォーム前のダイニング

このダイニングテーブルの裏の四角い箱状になった部分にキッチンがスッポリ入っているのですが、左奥の廊下側からとダイニング奥の細い通路で通り抜けられる2ウェイなのですが、自然光があまり入ってこないレイアウトとなっていました。

青山N邸_リフォーム前の既存廊下

オーソドックスなデザインの扉が並ぶ廊下ですが、玄関エリアも光が差し込まず暗く、全ての部屋(トイレや洗面も含めて)の扉が同じデザインとなっており、ちょっと迷子になってしまいそうな空間となっていました。

青山N邸_リフォーム前の既存主寝室

3つある寝室のうちの主寝室がこちらです。部屋はやはり台形型と変形ですが、大きなベッドを置いても十分な広さがありました。

青山N邸_リフォーム前の既存浴室

水回りは広々とした洗面スペースに、家族用のトイレがあり、ステンレス枠と強化ガラスの扉&窓で洗面と一体に感じるお風呂という構成でした。

青山N邸_リフォーム前の既存浴室

写真で見ると、浴室もそれほど傷んでいないように見えますが、実際に見てみると、タイルが黄ばんでいたり、細かい欠けや割れがあり、浴槽や水栓金物類も傷んでおりました。

青山N邸_リフォーム前の既存トイレ

来客用のトイレは広いのでですが、便器に座った際の右手側に内部収納が使えない謎の棚がありました。

青山N邸_簡易リフォーム案

以上の現状調査後に、こちらで簡単に纏めたリフォーム案がこちらです。併せて、僕らがリノベーションをお手伝いしたお部屋を幾件も売却してもらったことがある不動産屋の担当者をご紹介いたしました。仕上げ材料次第ではありますが、超概算での費用やスケジュールの見込みをお伝えしたところ、不動産的にもここまでリノベーションすれば、価値も上がるだろうとのアドバイスもあって、是非やりたいとのお話になりました。
時間をそれほど掛けることができないので、まずは取り急ぎ見積りを作るためのデザインと図面と仕上げ表を急いで作ることになりました。

 

 

超高級マンションリノベの施主検査@港区R邸

港区R邸

数多くの高級素材、大量の造作家具や特殊建具が組み込まれた港区R邸もいよいよ工事が完了し、お客さまの検査となりました。

お客さまは完成ひと月前に現場を見たのが最後でしたので、この検査の日に現地を見て頂いたのは本当に久しぶりでした。僕らも、検査の日に喜んで頂きたかったので、敢えて途中では現場にいらっしゃらないでくださいとお願いしておりました。検査当日、この空間に足を踏み入れたお二人は、本当に、そして劇的に喜んでくださいました!

最初のコンペの時に作っていたCGとほぼ同じアングルから完成した空間を見比べてくださっているご主人さまの様子です。まっだ家具が入っていなのが残念ですが、素材などはCGで考えていたものより数段上に仕上がっていると喜んでくださいました!

お客さまの最初からのコダワリでもあったオニキスの前に立って、感慨深げに見てくださっているご主人さまです。

ご主人さまご自身の美的センスを映し込んだ主寝室も、細かいディテールまで良く出来上がっていると褒めてくださいました。

ガーリーでちょっとお姫さまテイストのお嬢さまのお部屋を奥さまが見てくださっている様子です。

お二人それぞれの思い入れがあった浴室と洗面室も、細かい使い勝手のご説明をしながらご案内したところ、とても満足して下さっている様でした。

検査というより、完成お披露目会のようになってしまいましたが、僕らは検査の3時間前にスタッフ全員で現地に入って付箋を持ちながらチェックして回っております。僕らの検査内容を一通りご説明したところ、細かい所までぬかりなくチェックして、引き渡しまでに是正しておいて欲しいとのご要望を頂きました。
施工をお願いしているリフォームキューとは、是正工事の日程を早急に組んで貰うようにお願い致しました。

以下は検査前日から、検査直前までの現場の様子です。検査前日に、最後の造作家具の幾つかの扉が設置されました。

柄の竪位置が揃っていなかった飾り棚のシャム柿突板の扉も再調整されたものが取り付けられました。

お好みではない突板が張られていた玄関扉の内側は、最後の段階でもっとグレードの高いものに交換して欲しいとのご依頼で、造作家具をお願いしているニシザキ工芸のノウハウで、半分まで塗装仕上げした突板を現地で扉に張って、水性ウレタンを吹き付けてから現地磨きをするという離れ業で、ギリギリまで磨き込んで貰いました。

シールが取れてギリギリに完成したミニバーコーナーです。

こちらもギリギリ綱渡りのタイミングで、検査当日の朝に現場に届いた食卓上のペンダント照明です。

ケンドン式のパネルで作ったダイニング天井裏に、ペンダント照明のフランジ(つば)部分を固定してもらい…、

手袋をはめてガラスの球状カバーを固定してもらいます。

華奢なガラスで、固定に苦労していましたが、これまで幾多の難しいペンダント照明やシャンデリアを組み立てて貰ってきた電気屋の望月親子なので、安心してみていることができました。

カーテンやシェード、房掛けなどをお願いしていたナショナル・インテリアも検査当日の午前中にカーテンの吊り込みに来てくれました。

沢山スペースのある飾り棚ですが、お二人からこれだけの小物を用意することは難しいので、最初のとっかかりになるようなインテリア小物は設計側で準備してくれないかというお話がありました。

 

良くインテリア小物をお願いしている、五反田のベイカー@東京の梶田さんに飾り棚のサイズやデザインイメージを伝えて、お店に在庫があるインテリア小物を検査当日の午前中の現場に持ってきて貰いました。飾り棚に仮置きしてみて、気に入ったものについては、その場で金額をお伝えしてご購入頂くという考え方で、ベイカー@東京に頑張って20種類以上の小物を持ってきてもらいました。

その場でご購入いただいたインテリア小物が、飾り棚に飾られた様子です。お引渡し後のインテリアのことを、ご主人さまから任されている奥さまも、最初のキッカケができたので、ここからは考えやすいと喜んでくださいました。


ずっと細かい打ち合わせにお付き合いして下さってきた奥さまは、ここまで精度が高い空間に仕上がったこと、何度も口にして喜んで下さいました。ここまでほとんど褒めてくださらなかったご主人さまも、「これは本当によく仕上がっている、高級ホテルの最上級の部屋でも、ここまでのグレードのインテリアは見たことがない!」と手放しで喜んでくださいました!