Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

超高級マンションリノベの施主検査@港区R邸

港区R邸

数多くの高級素材、大量の造作家具や特殊建具が組み込まれた港区R邸もいよいよ工事が完了し、お客さまの検査となりました。

お客さまは完成ひと月前に現場を見たのが最後でしたので、この検査の日に現地を見て頂いたのは本当に久しぶりでした。僕らも、検査の日に喜んで頂きたかったので、敢えて途中では現場にいらっしゃらないでくださいとお願いしておりました。検査当日、この空間に足を踏み入れたお二人は、本当に、そして劇的に喜んでくださいました!

最初のコンペの時に作っていたCGとほぼ同じアングルから完成した空間を見比べてくださっているご主人さまの様子です。まっだ家具が入っていなのが残念ですが、素材などはCGで考えていたものより数段上に仕上がっていると喜んでくださいました!

お客さまの最初からのコダワリでもあったオニキスの前に立って、感慨深げに見てくださっているご主人さまです。

ご主人さまご自身の美的センスを映し込んだ主寝室も、細かいディテールまで良く出来上がっていると褒めてくださいました。

ガーリーでちょっとお姫さまテイストのお嬢さまのお部屋を奥さまが見てくださっている様子です。

お二人それぞれの思い入れがあった浴室と洗面室も、細かい使い勝手のご説明をしながらご案内したところ、とても満足して下さっている様でした。

検査というより、完成お披露目会のようになってしまいましたが、僕らは検査の3時間前にスタッフ全員で現地に入って付箋を持ちながらチェックして回っております。僕らの検査内容を一通りご説明したところ、細かい所までぬかりなくチェックして、引き渡しまでに是正しておいて欲しいとのご要望を頂きました。
施工をお願いしているリフォームキューとは、是正工事の日程を早急に組んで貰うようにお願い致しました。

以下は検査前日から、検査直前までの現場の様子です。検査前日に、最後の造作家具の幾つかの扉が設置されました。

柄の竪位置が揃っていなかった飾り棚のシャム柿突板の扉も再調整されたものが取り付けられました。

お好みではない突板が張られていた玄関扉の内側は、最後の段階でもっとグレードの高いものに交換して欲しいとのご依頼で、造作家具をお願いしているニシザキ工芸のノウハウで、半分まで塗装仕上げした突板を現地で扉に張って、水性ウレタンを吹き付けてから現地磨きをするという離れ業で、ギリギリまで磨き込んで貰いました。

シールが取れてギリギリに完成したミニバーコーナーです。

こちらもギリギリ綱渡りのタイミングで、検査当日の朝に現場に届いた食卓上のペンダント照明です。

ケンドン式のパネルで作ったダイニング天井裏に、ペンダント照明のフランジ(つば)部分を固定してもらい…、

手袋をはめてガラスの球状カバーを固定してもらいます。

華奢なガラスで、固定に苦労していましたが、これまで幾多の難しいペンダント照明やシャンデリアを組み立てて貰ってきた電気屋の望月親子なので、安心してみていることができました。

カーテンやシェード、房掛けなどをお願いしていたナショナル・インテリアも検査当日の午前中にカーテンの吊り込みに来てくれました。

沢山スペースのある飾り棚ですが、お二人からこれだけの小物を用意することは難しいので、最初のとっかかりになるようなインテリア小物は設計側で準備してくれないかというお話がありました。

 

良くインテリア小物をお願いしている、五反田のベイカー@東京の梶田さんに飾り棚のサイズやデザインイメージを伝えて、お店に在庫があるインテリア小物を検査当日の午前中の現場に持ってきて貰いました。飾り棚に仮置きしてみて、気に入ったものについては、その場で金額をお伝えしてご購入頂くという考え方で、ベイカー@東京に頑張って20種類以上の小物を持ってきてもらいました。

その場でご購入いただいたインテリア小物が、飾り棚に飾られた様子です。お引渡し後のインテリアのことを、ご主人さまから任されている奥さまも、最初のキッカケができたので、ここからは考えやすいと喜んでくださいました。


ずっと細かい打ち合わせにお付き合いして下さってきた奥さまは、ここまで精度が高い空間に仕上がったこと、何度も口にして喜んで下さいました。ここまでほとんど褒めてくださらなかったご主人さまも、「これは本当によく仕上がっている、高級ホテルの最上級の部屋でも、ここまでのグレードのインテリアは見たことがない!」と手放しで喜んでくださいました!

 

 

 

セミオーダーのTVボード&サイドボード@三田M邸

三田M邸

昨年末に竣工お引渡しをした三田M邸のお客さまから、幾つかの家具をオーダーで作りたいとのご依頼がありました。

その時点では、今回のために新しく購入したアルフレックスのソファ、以前のお住まいから使い続けてきた北欧テイストのモブラーのダイニングテーブルセットしか家具がなく、収納も足りず飾り物を置く場所もないので何とかしたいとのご相談でした。

こちらも幾度かお世話になったことがあるインテリアショップのトリシュナ・ジバーナに、偶然お客さまご夫妻もインテリアのご相談に行ったことがあったということが判っていたので、そのトリシュナ・ジバーナの家具を基本にして、サイズを調整し、素材もこちらで指定したセミオーダー品という形で、AVボードとサイドキャビネットを作って貰うことになりました。

お客さまのご要望と、こちらで室内を拝見して導き出した寸法でまずは見積り用のスケッチ図を描きました。

こちらのスケッチを共にトリシュナ側が描き起こしてくれた製作図がこちらです。AVボードの背面に来るコンセント位置との絡みや、色見本などを作って貰いながら幾度か図面のやり取りをして、最終承認を致しました。

そして2か月ほどの製作期間を経て、無事搬入まで終わったという連絡を貰ったので、インテリアの撮影に伺わせて頂きました。

壁際のAVボードは、エレベーターで搬入できる最大寸法で作って貰い、カウンター甲板を建具でも使ったゼブラウッドで作って貰いました。

左端に見えているAVボードで、色合わせして貰ったゼブラウッドが正面のものです。

ダイニングテーブルの奥の壁にはサイドボードを作って貰いました。お引渡し時にはまだ取り付けができていなかった、ダイニングのペンダント照明を吊られており、とても良い雰囲気に仕上がっていました。

まずは仮置きしてみたサイドボードです。背面のパネル張りしたクロスと色味が見事にマッチして、素敵な雰囲気でした。

ソファの背面のコンソールも、同じアルフレックスにお願いしたものが届いていました。

考えていた追加の家具、ペンダント照明などのインテリア備品がほぼ揃って、ようやく落ち着いたとMさまもとても喜んでくださっていました。

お料理好きで、いつも美味しいお手製のお菓子を用意して下さるMさま、この日は豆を入れたパイを焼いてくださっていました。ここまで色々な苦労があったけれど、こんなに素敵な空間に生まれ変わったことで、全てが笑い話になって本当に良かったと仰ってくださいました。

アレキサンダーラモントのパネル張り&造作家具組立

港区R邸

造作家具の組み立て設置が続いている港区R邸の現場状況を引き続き案内いたします。

リビング柱型裏のワインセラーコーナーの造作

先回のブログで、オニキスを張った柱型の側面にワインセラーコーナーが着々と組み立てられています。

パネルを張る前のリビング柱型

ワインセラーの背面側はタイにオーダーした特殊パネル待ちの段階まで仕上がっていました。

アレキサンダーラモントのストローマルケタリーパネル

ちょうどよいタイミング(そのタイミング調整も現場監督の大事な役目ですが)でお願いしていた、その特殊パネル、アレキサンダーラモントのストローマルケタリーパネルが現場に届きました。

アレキサンダーラモントのストローマルケタリーパネルの原材料のライ麦

ストローマルケタリー(Straw Marquetry(麦ワラの寄木細工))とは左のライ麦の茎を一本一本手で割いて、アイロンで伸ばしたものを天然由来の染色剤で染めて、それを一枚づつ手で加工して、放射状に張り付けるという気の遠くなるような作業を経て完成するパネルです。

港区R邸柱型の四周展開図

この柱型については、当初こちら側でこのような展開スケッチ図を描きました。これをベースにアレキサンダーラモントの日本側代理店のエルクリエーションに見積をお願いして、お客さまのご承認を貰ったうえで、施工図を描き起こして貰いました。

 

アレキサンダーラモントのストローマルケタリーパネル承認図

タイのアレキサンダーラモント側で描き起こしてくれた承認図です。これを設計デザインの僕らと、施工のリフォームキューで幾度かチェック確認、寸法変更などをしたうえで、最終承認して発注したものが、先のパネルです。

アレキサンダーラモントのストローマルケタリーパネル

パネルの取付は、思いのほか早く、他の作業を見ている間に、あっという間に張り終わっておりました…。

オニキスが2枚張られた港区R邸のリビングダイニング

オニキスとアレキサンダラモントの2大高級素材で張り分けられた柱型の様子です。それぞれの枠を黒色で統一したので、それぞれの素材が別々に主張せずに、とても良い感じに仕上がってきました。

TV壁横の柱型を抱き込んだAV機器収納の造作

その他の家具の組み立ても順調に進んでいます。テレビ壁の横のAV機器収納棚は、真鍮目地棒が入って、あとは扉とスティッチ入りのレザーパネルを張り付けるだけのところまで組み上がってきました。

組み立て途中の造作家具の真鍮見切り

部分的にオープン棚が入ったり、扉付きの収納が入るので、真鍮の目地棒の組み立て順が大変だったとのことです。

レザーパネルを取り付けてゆくと…、

レザーパネルが入ったAV造作収納棚

このように仕上がりました!
パネル割を工夫して、後ろに柱型があることをカモフラージュしています。

スティッチ入りレザーパネルと真鍮目地のディテール

スティッチ入りのレザーパネルと真鍮の目地棒のディテールもとてもきれいに仕上がりました。

このブログの最初で紹介したワインコーナーもここまで仕上がってきました。クオーツストーン製のカウンター上はカラーガラスで仕上げていますが、最後のコーキングと扉付けが終われば、このコーナーは完成です。

御影石のカウンターを組み込んだキッチンのペニンシュラ型カウンター

キッチンのオープンカウンター下の艶消しのカラーガラス(マテラック)と間接照明も入りました。

スチール製の棚を取り付けた寝室書斎コーナー家具

主寝室の書斎コーナーの造作家具もそれぞれの扉が取り付けられて完成です。

ベッドを置くニッチ部分も石製の腰壁上のレザーパネルが入り、完成です。ベッドの両袖の再度テーブルはオリジナルで作りましたが、それも大理石の甲板がつけば完成となります。

 

壁掛けテレビと両サイドの金属パネル

ベッドのちょうど反対側の壁にテレビを埋め込んだ様子です。

ベッドが入った際の枕元の位置から、テレビ埋込の壁を見たアングルです。テレビ下に見えている配線類は、ちょうど床に置かれているカバーで隠す算段となっています。

ミラーとカラーガラスと大理石の腰壁とテレビを組み込んだ主寝室の壁デザイン

撮影した時期が前後してしまっていますが、主寝室の入り口側からテレビ壁を見返した様子です。姿見の鏡とカラーガラス、その奥に金属パネルや大理石の腰壁が続くことで、不思議な奥行感が出てきました。