Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

本工事着工前の事前部分解体調査@白金台E邸

白金台E邸

現在お住いのお部屋をフルリフォームすることになっている白金台E邸ですが、図面ではコンクリート躯体の正確な位置が分からない箇所があるので、工事着工前に大工さんに入って貰って、壁の何か所かを開口してもらい、内部の様子を確認することになりました。いわゆる本体工事前の事前部分解体調査です。

事前部分解体調査

工事をお願いすることに決まったスタイル・イズ・スティル・リビングの現場監督の中川さんと大工さんが来てくれて、6か所の開口を作って壁裏の躯体状況を調べてくれました。

マンション管理事務所に保管してある竣工時の青焼図は、このように比較的きちんと作られているものでしたが、2階から最上階の8階までが全て統一した図面となっていました。一般的には下の階ほど上層階からの荷重を受けるのでRC(鉄筋コンクリート)の柱は太く、今回お手伝いしている最上階のEさま邸では柱が細くなっているのではと考えておりました。

事前部分解体調査

特に玄関付近で収納量を確保したいシューズイン・クローゼット(SIC)をもっと大きくできるのではと思って壁を解体して貰いましたが、枠ギリギリまで躯体の柱がありました…。

事前部分解体調査

来客用トイレ内部には30センチほどの奥行きがあるスペースが見つかりました!
ここは有効活用できるように、リネン収納庫などを提案してみたいと考えております。

事前部分解体調査

玄関ホール横の来客用トイレの扉の幅が狭かったので、少しでも広くすることができないかと両袖壁部分を開口してもらいました。躯体壁の位置はほぼ図面通りでしたが、枠の施工方法を検討することで、4~5センチ程度は広くすることができそうでした。

当日の部分解体調査の結果を、現場監督の中川さんが図面に書き込んでくれたものがこちらです。SICも開口部分のサイズは変わりませんでしたが、奥に入ると幅を20センチほど膨らませることができることが判り、こちらについてもプランを変更して靴収納量を増やすことができそうでした。

通常は現場での工事着工で解体をした後で分かり、アタフタした中で設計変更をしてお客さまのご承認を得るプロセスを、この事前部分解体調査をすることで、落ち着いた状況で図面と現地を比べながらどのような選択肢が増えたかをお客さまにご説明し、多少の時間を掛けて設計変更をしてゆくことができます。リフォームに向けてのお引越し前にこのような調査に入らせてくださったEさま、そして短い時間で効率的に、きちんと養生もしながら解体調査を進めてくれた中川さんと大工さん、どうもありがとうございました。

造作家具の組み立て@港区R邸

港区R邸

先行組み立ての家具(大理石や設備との取り合いで、他の家具より先に取り付けておく必要がある家具)も含めるとすでに造作家具の組み立てに入ってから2週間ほどになりますが、改めて港区R邸の造作家具の組み立ての様子をご紹介いたします。

飾り棚と鋼製建具

先回のブログで組み立てが始まっていた廊下からリビングダイニングへと入る鋼製建具の左右の飾り棚が取り付きました。ブルーの養生シートが間に挟まって見難いですが、建具の割り付けと飾り棚の割り付けを合わせてデザイン致しましたが、うまく取り付けができたようです。鏡面仕上げの飾り棚ですが、組み立てた後現場でバフを掛けて、更に磨き込んでゆくとのことでした。

キッチンの後付けフレーム

飾り棚の裏側のキッチンもアムスタイルのキッチン組み立ては無事完了していました。ただ、ビルトインオーブンの入ったトール収納とIHヒーターが入るカウンターの隙間を埋める2方フレームだけは別の造作工事でお願いしており、その取付をニシザキ工芸さんが頑張ってくれていました。

キッチンの後付けフレームの施工

トール収納とその右側に続く吊戸棚の横と上に端部をテーパー処理した鏡面塗装の役物を差し込んでもらうというものです。

後付けフレームの付いたキッチン

出来上がりの様子ですが、あまりにきれいにフレームが入って一体化して、どこをどう加工したのかブログでは判りにくくなってしまいました…。

キッチンの後付2方枠

こちらが2方フレームの端部のディテールです。

後付け御影石2段カウンターが付いたペニンシュラ型キッチンカウンター

キッチンと造作家具の組み合わせのもう一つが、こちらのペニンシュラ型(半島型)カウンターです。手前の艶消しの黒いカウンターセットはオーダーキッチンでお願いして、奥の一段上がった御影石のカウンターは造作家具屋に下の箱を組んで貰い、その上は石屋さんにカウンター石材を据え付けて貰いました。こちらも複数の職人さんの手が入っていますが、うまく一体化させることができたようです。

タイルをカットしてフラットに収めたキッチンのコンセント

こちらはマイナーなディテールですが、タイル壁にコンセントをフラットに埋め込むことができるか現場に確認していたのですが、多少タイルの余裕があるので、チャレンジしてみますとのことでしたが、このようにきれいにタイルをカットしてコンセントプレートを埋め込んでくれました!周りの隙間をコーキングでシールすれば相当きれいに見えるハズです。

TV収納壁のデザイン

リビングの一つの見せ場である、テレビ壁部分はポルトロの造作とその裏から伸びている木製ルーバーが合体し、間接照明もきれいに入っていることを確認させて貰いました。

AV&ホームオートメーション機器収納の内部

テレビ壁の右奥にあるAV収納の内部です。照明器具のトランス、照明調光のルートロンやホームオートメーションのクレストロンに関係した制御装置などがほぼ隙間なく置かれていました。排熱のための給気と排気処理だけしたうえで、ここはお客さまが触る箇所ではないので、点検口で閉じてしまう予定です。

ダイニング天井の点検口を兼ねたカラーガラスパネル

ダイニング天井のカラーガラス張りの点検口を兼ねたパネルもうまく収まっていました。

オニキス用の背面LED収納ボックス

先日のブログで箱だけが作られていたオニキス(光を透過する大理石)用の背面照明ボックスにはLEDのライン照明が11本入っていました。オニキスとLED照明の隙間の寸法と、LEDの間隔については、何度も実験を重ねて導き出した寸法通りに設置されています。

玄関ホールのサルバトーリ

玄関ホールの壁も仕上がってきました。黒く塗装した木製フレーム内の加工大理石サルバトーリもコーティング材が塗布され、フレームと一体化してシックに仕上がってきました。

マットなカラーガラスが入った玄関正面壁

玄関入って正面のマテラック(マット仕様のカラーガラス)と真鍮の目地材で作った壁と扉も不思議な存在感となっています。ちょうど中央部の扉を開けるとシューズインクローゼット(SIC)があるのですが、パッと見にはその存在をうまく隠すことができました。

靴収納内部のロイヤルの背面金物付き収納棚

因みにこちらが、そのSICの内部です。左手前が傘収納で、その他は靴用の棚で、全ての棚が可動となっています。

廊下に並ぶ造作収納棚

廊下の壁面収納も箱の据え付けが終わっていました。建具と収納家具の扉を同じ面材を使って仕上げてゆく予定で、出来上がると壁一面フラットに仕上がってくることになります。

ポルトロの残りを使って主寝室の書斎コーナー

主寝室の書斎コーナーの机と鉄で作って貰った特注の飾り棚も取り付けが終わっています。机の正面には、リビングのテレビボード壁に使った高級大理石のポルトロの残り部分を活用しています。

主寝室のテレビ用ニッチとサイドの金属ルーバーパネル

ベッドの反対側の壁のテレビボード壁も出来上がりつつあります。中央の黒い部分にテレビを収め、左右には真鍮の金属パネルを入れています。

リマデシオのガラス建具が入った主寝室のウォークインクローゼット

ウォークインクローゼットのリマデシオのガラス建具も無事収まりました。まだ設計が煮詰まっていない段階で、スケジュールの関係上先行発注したものでしたが、寸法のズレもなくきちんと収まっていました。

リマデシオのガラス建具が入った主寝室のウォークインクローゼット

金属メッシュ入りのガラスを使っているので、外側(ベッドがある側)から見ると、WIC内部照明を点灯しないとちょっと見えにくい状態ですが、クローゼット内部に入ると、外からの光が差し込んで明るい空間になっています。

息子さんの部屋の造作勉強机と棚

これまでほとんど紹介していなかった息子さんの部屋ですが、勉強コーナーの造作家具が入ってきました。ウォールナット材とカラーガラスを使って、コンパクトながら収納量と使い勝手を両立したデザインをと考えた部分です。

洗面カウンターの造作家具

洗面所のダブルボウルのカウンターもピッタリサイズで収まっていました。メディスンキャビネットなしで引き出し収納だけでなるべく効率的にドライヤーや洗顔材などを収めたいとのことで、引き出しの中も工夫をしております。

来客用トイレの内装

来客用トイレもレザーパネルと背面からの間接照明を仕込む鏡以外、ほぼ仕上がって参りました。ジャクソンのブラウン色のトイレ便器がマッチするリッチなインテリアになってきました。

マットなカラーガラスと真鍮目地のディテール

写真では目地棒の色がわかりにくいのですが、玄関ホールでは真鍮の目地棒とマテラック(マット仕上げのカラーガラス)を組み合わせており、こちらのトイレではステンレス鏡面の目地棒とマテラックを組み合わせてみました。どちらも不思議な奥行と色合いが生まれて、とてもきれいです。

オニキス取り付けの事前打ち合わせ@現場

こちらは最後の写真となりますが、光を透過するオニキス材の取付が迫ってきたので、その施工業者が現場に打ち合わせに来てくれました。現場監督の織田さんと営業&設計の坂本さんと綿密な段取り打合せをしてくれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

システム収納家具のギャラリー収納ショールーム見学

白金台E邸

ヴィンテージマンションリフォームの白金台E邸では、パブリックゾーンのLDKや玄関回りは、ディテールまでこだわった造作家具で作る予定ですが、デザイン性よりも使い勝手やコストパーフォーマンス重視のプライベートゾーンの寝室の収納や子ども部屋の机などはいわゆるシステム収納家具を使って、コストダウンとスピードアップを図る考えで計画を進めています。

そこで、お客さまのEさまご夫妻と東銀座にあるギャラリー収納のショールームを訪問して参りました。こちらは数あるシステム収納家具屋さんの中でも、一番ショールームが充実しており、扉の面材などの候補も数多くあるので、以前から使ってみたいと思っておりました。

Eさまのご主人はお仕事の合間に抜けてショールームに来て頂いたので、時間があまりないとのことで、まずはご主人さまのクローゼット収納の展示を拝見いたしました。この写真のように、扉を開けた中の引き出しシステムやカゴ状になった引き出し等が充実しています。

この写真の左側のように、扉と同面に収まる引き出し収納もデザイン的なアクセントになりそうです。

これまでは主寝室の中だけでご夫妻の洋服収納を全て納めていましたが、今回は寝室の横に奥さま専用のウォークインクローゼットを作る予定なので、主寝室内にはご主人さまの洋服を中心に収納する予定です。ベッド正面壁にはテレビを置くカウンターも設けたいので、その参考になりそうな収納も拝見させて貰いました。

ご主人さまが仕事に戻ってしまう前に、取り急ぎここまで考えてきた各部屋の仕上げ素材の候補を、ショールームの打ち合わせテーブルの上に広げさせて貰い、仕上がりのイメージを確認して頂きました。まだ細かくは決定できませんが、色使いや素材は概ね問題ないだろうとのことでしたので、このイメージの延長で、クローゼット家具などの色味をこちらでご提案してゆくことになりました。

こちらが、GALLERY収納の扉面材のサンプル棚です。この中から、仕上がりイメージと費用を考えながら幾つかのミニサンプルを貰って、デザイン検討してゆくことになります。

ご主人さまが戻られた後は、奥さまと一緒にその他の収納展示を拝見させて貰いました。こちらはパントリー/ユーティリティーをイメージした扉無しのオープン収納です。

その手前のオープン棚は、クローゼットのカバンや小物などの収納に良いかもしれないとの話になりました。

お子さまたちの部屋にも効率的な収納を設けたいとのことで、勉強机と本棚とクローゼットを組み合わせた収納セットをご提案することになりました。

こちらに広げた面材が、主寝室のクローゼット収納や書斎家具の候補になりそうな候補たちです。

 

ショールーム訪問2週間後に、第一弾の提案図面と見積りが提出されたので、細かい部分をチェックしてやり取りしながら内容と費用を固めてゆくことになります。