Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

マンションバルコニーの屋外家具選び@ニチエスショールーム

港区R邸

お部屋の2辺に大きなバルコニー(併せて約60平米!)がある港区R邸の屋外家具選びで、お客さまご夫妻と千駄ヶ谷のニチエスのショールームを訪問いたしました。

ダイニングの横には、屋外で食事を楽しめるアウトドア用ダイニングを、リビングの外にはリビングの延長となると屋外用ラウンジチェアを、そしてコーナーで一番展望が開ける個所には、特別な屋外家具をと考えています。

ショール―ムに入ってすぐにある、円形で360度回転するデドンのオービット・ラブシートはお客さまもすぐに気が付いて、是非採用なさりたいとの話になりました。

白は清潔感があって良いがそれでも都心では汚れが目立ちそうだとのことで、選べる生地を持ってきてもらい、

灰色の生地をベースに、クッションにグリーンを使ってアクセントにする形でリラックスできるイメージを考えてみました。

最終的に選んだクッションの色味は、この3色になりました。

マンションベランダの屋外家具では、嵐や突風で吹き飛ばさせる可能性があるので、オービット・ラブシートの裏側も確認させて貰いました。このようなキャスター付きで、移動もできるそうで、フレームにワイヤーを結び付けて、ウッドデッキ下の構造体に固定することもできることを確認いたしました。

ダイニング前のテラスのテーブルは、こちらのテーブルで片側にだけシートを入れる考えでおりましたが、奥さまから娘さんのお友達が来るときには大勢で座りたいので、幅は狭くても良いが、両側からシートを入れられるものをとのことで、他のテーブルにすることになりました。

ダイニングのイスは、このCTRのラウンジチェアの小型版のアームチェアとすることになりました。清掃方法やメンテナンスのことを気になさっていたので、カバーリングの外し方も説明してもらいました。

ショールーム奥にあった、このスイングレスト・スタンディング・ラウンジャーにも興味を持って頂いたのですが、残念ながらスペース的にもバルコニーの避難経路を確保できなさそうなのと、マンションへの搬入が難しそうだったので、今回は諦めて頂きました。

 

 

 

建具吊り込み&造作家具据え付け-2@西麻布N邸

西麻布N邸

密度の濃い仕上げ工事が続いている西麻布N邸の続報です。

既存の暖炉のリノベーションもお客さまに選んで頂いた石材をマントルピース上に張って…、

ほぼ完成です。あとは下の曲げ鉄板で作った枠と薪置き場を黒く塗装すれば終わりになります。

既存のロフトへの階段を改造してきたものに、強化ガラスの手すりが取り付けられました。

ロフト上部には変形にデザインした手すりを取り付けて貰いました。

最後の仕上げとして、ササラを一度全面パテ処理した後、鈍いゴールド色の特殊塗装を施してゆきます。

特殊塗装のAIZUのDUNEシリーズの塗装ですが、2度塗りで仕上げてゆきます。

吹き抜けと階段の隙間や、踏板の裏側も塗装してこちらもほぼ完成です。あとは灰色に塗装して貰っている木製の踏み板を取り付ければ、終了です。
ところで、階段手前の天井から鉄筋の棒が三本下がっていますが…、

そこに先日の記事でお見せした不思議な形のプロジェクター収納ボックスが取り付きました。

そのボックスにステンレス鏡面の板を張り付けてゆきます。今はまだ白いシールが貼ってありますが、それを剥がすと…、

このような不思議な存在感のボックスに仕上がりました。

ダイニングの天井には、アーテリアーズ(米国)で発注したシャンデリアの取り付けが始まっています。10キログラム以上の重さがあるので、天井裏にはコンクリート躯体からアンカーで支えた下地を作り、そこからシャンデリアのロッド(縦棒)を吊るして貰っています。

天井面に取り付けると、大きなブラケットがついてしまうので、スタイリッシュに見せるために、天井には取り外し式のパネルを取り付けて、パネルに空けた小さな穴からシャンデリアのロッドが下がってきてるように見せる為に、スタッフの前田君が現場監督の石山さんと相談しながら、うまい方法を考えてくれました。

パネルも鏡面ステンレスで仕上げてゆく予定ですが、すっきりとした吊元になりました。電球はLEDに変えて、電気屋さんたちが電球とガラス製のシェードを一つずつ取り付けてくれます。

パネル部分に鏡面仕上げのステンレス板を張ってゆきます。

このような形に仕上がりました。

建具職人さんたちが苦労していた玄関ホールからキッチンへの勝手口も取り付けが終わっていました。まだ、隣に並ぶ靴収納扉との面が揃っていないので、微調整を続けて貰うことになりそうです。

シャム柿で組んでもらったワインセラー収納も大体組み上がってきました。

玄関ホールからのツヤありのシャム柿扉と、ワインセラーのツヤなしシャム柿扉が並んで、シックなインテリアが出来上がりつつあることが実感できるようになってきました。

リビングからプライベートへと続く廊下を区切る、木目を残した黒い塗装の家具も組み上がってきています。柱型を隠したパネルには、エッジをカットした3枚の鏡が入り、落ち着いた雰囲気に仕上がってきています。

ダークセルベの大理石壁のスイッチ部分のレザーパネルも、まだ不陸の調整が必要ですが、きれいに仕上がりそうです。

ロフトへの階段正面壁のブラウン色のカラーガラス張りと、

リビングの二つの掃き出し窓の間の袖壁の白いカラーガラス張りも終わりました。

先日の段階で下地が組み上がっていた主寝室のヘッドボードのレザー張りパネルの取り付けも無事終わっていました。

ベッドが当たる部分はフラットな仕上げで、枕と頭が当たる箇所は内部のフトンの綿を増やして膨らませて貰っています。二つのレザーパネルの間の濃い茶色い木パネル部分に照明のスイッチとコンセントを組み込む予定です。

主寝室のカーテン吊り込みの無事終わったようです。

プライベートエリアはカーペット敷き込みとなっています。お子さまの部屋はN君が選んでくれた青いカーペットで、グリッパー工法できっちりコーナーまで張回してくれています。

入って右側の壁にはマグネットも効いて、ペンで書き込みができるボードの左右にカラーコルクを張り、左側にはマナトレーディングでN君に選んでもらったクロス、それとお揃いの柄で色違いのカーテンを吊って貰い、すっかりブルー基調の部屋ができてきました。

こちらはお引渡し後の様子ですが、お客さまが選んだエンジェルシェアの2段ベッドを組んでもらいました。

お客さまへのお引渡しも間近になり、徐々にお客さまが先行してオーダーして下さった冷蔵庫や洗濯機などが、工事中の現場に搬入されてきました。ミス工事などで、未成部分が残ってしまいそうですが、お客さまと施工会社と僕らとの相談で、まずはお引越しを優先させて、その後に幾度かの工事に入らせて頂くという変則スケジュールで進めてゆくことになりました。

竣工時施主検査立ち合い@平河町T邸リノベーション

平河町T邸

約3か月半の工事期間を経て、ようやくリノベーション工事が終わった平河町T邸マンションリノベーションプロジェクト、竣工時のお客さま検査に立ち会ってまいりました。

リビングの窓際に設けたウッドブラインド付きシャッター扉は、今回の工事で最も気に入ってくださっているものの一つだと言ってくださいました。

今回はデザインアドバイスという形でのお手伝いでしたが、フローリングや建具のデザイン&色味、クロスの選択や柱型にトラバーチン(大理石)を張るアイデアは、全てお客さまからのご希望で、僕らはそれらのチョイスが全体としておかしくないかをチェックするような作業形態でした。

玄関ホールは既存の扉の横にブロンズ色のミラーを設置しております。こちらからのご提案としては、建具の高さに合わせて上下二つに分割して、ミラーのエッジ部分はカット加工してはとアドバイスしておりましたが、お客さまの最終判断で真っ新な鏡となりました。その個所についてまた、お客さまとお話をさせて頂きました。

当日は検査立ち合いだけでなく、ご購入くださっていたダイニングテーブル上のペンダント照明の高さを決定する必要もあったので、現場監督の織田さんと弊社スタッフの前田君に現地で実物を抱えて貰って、お客さまと高さの感触を確認致しました。

現地には電気屋さんにも来てもらっていたので、高さが決まり次第、すぐに取り付け作業に移って貰いました。

ペンダント照明が吊られた状態のリビングダイニングのインテリアです。広いお宅で、色々なインテリア要素が混じったデザインとなっていますが、色味と質感のマッチングはとても良く仕上がったと思っております。ただ、家具が入らないとどうにも締まらない空間ですね…。

ダイニングからキッチンへの扉は、スチール枠にアンティーク加工のガラスを入れたデザインとなっています。

クモリフィルムとは全く違った、独特な質感がトラバーチンや大きな柄のクロスと合って、とても素敵な雰囲気に仕上がっています。

キッチン扉とは打って変わって重厚なのが、こちらの玄関ホールからリビングへの建具です。オーク材の木目を残しながら黒く染色した特殊な塗装と、框扉のデザインを採用しております。その両脇の袖壁には、白い巾木とモールディング、そしてアクセントのケーシングを廻し、その中央はグレー色に塗装して貰っています。
床の仕上げで壁際には灰色の大理石をボーダー状に巡らしていますが、これは結構効いていました。

キッチンの構成はリフォーム前とほぼ同じですが、白い壁部分には縦柄のクロス、アイランドカウンターの壁部分にはカラーガラスを張り、お客さまがルミナベッラで選んでくださった3つのAplomb(アプロム)というペンダント照明がアクセントになっています。

広い主寝室は、片側の壁に壁面いっぱいのクローゼットを作り、

反対側には造作本棚収納を作っています。お客さまが選んでくださったクロスとの相性もバッチリです。

小学生の息子さんが選んでくださったクロスは、中学や高校に進んでも飽きなさそうなヨットの設計図のような柄のクロスでした。色違いで同じ柄のクロスを張り分けて貰っています。

来客用トイレはとてもシックかつスタイリッシュに仕上がりました。腰までの大理石とクロスの見切りの縁材が白いのはおかしいので、グレーに塗装してもらうよう依頼しております。青い付箋が所々についていますが、これは手直しが必要な箇所をマークしているものです。

最後に2枚ビフォーアフターの写真を掲載しておきます。リビングダイニングは仕上げ材が変っただけでなく、玄関ホール回りの収納を削って、その分広くした空間効果が感じられます。

リフォーム前は新築マンション(実際は築浅マンションですが)にありがちな個性乏しい空間でしたが、リフォーム後はちょっとクラシカルでシックで、そして高級感が感じられるような空間に仕上がったと思っております。
Tさまご夫妻、リフォーム工事の無事の完了、おめでとうございます!