Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

リマデシオ、サルバトーリ、リストネジョルダーノのイタリアン三役揃い踏み

港区R邸

解体工事に着工した港区R邸は、まだ内装仕上げ材で未定部分があるので、それらを急ピッチで打ち合わせ中です。

主寝室のウォークイン・クローゼットの扉は、イタリアのRimadesio(リマデシオ)社で既に発注を掛けておりましたが、ガラスの種類だけはまだ未定でしたので、用賀のリネアタラーラのショールームで、実物を見ながら、どのガラスが良いかを確認して頂きました。

リマデジオ社のガラスには、合わせガラスの間に何を挟むかによって多様な透明度を選ぶことができますが、主寝室の他の素材の色味と合わせて、ブラウン色の金属メッシュを入れたガラスを使うことに決まりました。

玄関ホールは、床がシチスのモザイクタイル、正面壁がマット仕様カラーガラスのマテラック、左側壁は大理石まで決まっていましたが、右側壁が未定のままでした。レザー張りや特殊加工も木等もご提案してきましたが、お客さまの感性と合わず、ペンディング状態でしたが、インテリアズが扱っている加工大理石のサルバトーリをご案内したところ、気に入って頂くことができました。

実は、奥さまには家具ショールーム訪問時にチラッと見て頂いたことがありましたが、ご主人にはお見せしたことがありませんでした。色々な石種で、その加工方法で9通りものバリエーションがあるので、それらの特徴を簡単にご説明させて頂きました。

このピエトラ・ダヴォーラの石種をChevron加工したものを、木製フレームの間に嵌めてゆくデザインでお見積りとCGイメージを作って、それらを確認の上、最終決定とすることになりました。

キッチンのサービスカウンターに使う素材も、中国福建省で候補としてコスモスブラックを選んでおりましたが、実物サンプルを貰うことができなかったので、このインテリアズ・ショールームにある似た素材を見て頂きました。

こちらが用意していたCGと先ほどのキッチンカウンターを見比べて頂いた上で、コスモスブラックで進めることのご承認を頂くことができました。

また、主寝室の床フローリングについては、イタリア製フローリングブランドのリストネジョルダーノのスライドという種類のフローリングをご提案しておりました。

こちらが芝園橋にあるADワールドのショールームにあるリストネ・ジョルダーノのスライドを実際に張った実例です。

この鋭角の交点に当たる部分が、どこまで正確に出来ているのかを、実物で確認させて貰いましたが、本当に正確に作られていました。

フローリング同志は、普通のオスメスのある実(サネ)加工ではなく、両方ともメス加工で間に雇い実(ヤトイサネ)を挟んでの張り方になるとのことでした。特殊な張り方なので、ADワールドの責任施工(材料を提供してくれる会社がフローリング張りまで責任をもって施工してくれる方式)となるとのことでした。

タイミング的に、お客さまと一緒にショールームに伺うことができませんでしたが、これらの写真をお見せしながらご説明した上で、リフォームキューの営業の坂本さんとRさまに一緒にショールームに行って頂き、色味とディテールを実物で確認して頂い上で、決定となりました。
日本では、まだ知名度がそれほど高くない、イタリア初のインテリア素材ブランド三役を一度に使わせて頂くという贅沢を楽しみたいと思っております。

新規プロジェクト:二番町I邸の現地調査&サッシ詳細採寸

二番町I邸

新しく始まったプロジェクト二番町I邸の現地調査に伺って参りました。築12年の117平米(35坪)のお宅をLDKとお風呂を中心にリフォームするプロジェクトです。一度、ご購入が決まった時点で、前のオーナーさまがまだ暮らしている時点で現地を拝見させて頂きましたが、調査ができるような状況ではなかったので、前オーナーのお引越し後に改めて、現地調査に入らせて頂きました。

パッと見たところ、とてもきれいで、大きくリフォームする必要は無さそうに思えるのですが…、

お子さまが二人いらっしゃるIさま一家は、できればオープンスタイルのキッチンと、ご家族が集まれる大きなダイニングスペースがご希望で、インテリアとしてももっとニュアンスカラー(ヴィヴィッドカラーの反対で、彩度の低い色でグレーやベージュを中心として色合い)で纏めたいとのご希望です。
こちらが既存のキッチンの様子ですが、奥に見えるダイニングスペースに大きな問題がありました。

こちらは、事前にこちらで用意したLDKのリフォーム案です。左上の既存プランに対して、左下のリフォームA案では、ダイニングテーブルを窓際に置けるようにキッチンを縮小し、オープンカウンター設けたプランです。右下のリフォームC案は、既存とほぼ同じ大きさのキッチンとダイニングスペースで、柱型の横からベンチシート設ける考えでした。右上のリフォームB案はキッチンとダイニングの位置を交換して、窓際にキッチンを持ってゆく変形プランです。
Iさまは、広いダイニングが実現できるC案が良いのではとのご意見でした。キッチンをどのように開放的にして、リビングの家具レイアウトをどうするかを、これから相談してゆきたいとのお話でした。

キッチンを窓際に持ってゆく可能性があったので、窓サッシの位置や高さ、細かいディテールの寸法まで、担当スタッフの神崎さんに実測してもらいました。

細かく実測しながら、サッシや枠の位置関係を図面化するための寸法資料を集めていきます。

神崎さんと各務の実寸データでサッシの細かい図面を起こすことができそうです。

他の窓についても、寸法体系が同じかどうかを確認し、柱の位置なども実測で平面詳細図通りかを見て貰いました。

天井の段差位置や、照明器具、自火報、エアコンや点検口の位置もチェックしてゆきました。

その他、キッチンを作り替えるうえで、重要な要素になるシンク下のディスポーザーと設備配管の位置関係も調べました。

リフォーム後のキッチンも、シンク下の引き出しがほぼ同じ形状になると予想されるので、引き出しについてもチェックしておきました。
これらの資料をベースに、もう少し詳細まで詰めたリフォーム案を作りつつ、キッチンショールーム周りをお客さまとしてゆくことになりそうです。

 

検査を飛ばしての取り扱い説明@西麻布N邸

西麻布N邸

長かったリノベーション工事もほぼ終わり、クリーニングをした西麻布N邸の現場に、お客さまのNさまご夫妻が取り扱い説明を受けるために現場に来てくださいました。本来であれば、検査を経て補修工事を行い、お引渡しのタイミングで取り扱い説明となるのですが、今回は複雑な事情があって、流れが前後してしまいました。

まずはクリーニングが終わった状態の西麻布N邸のリビングダイニングの様子です。沢山の異種素材が混じっていますが、全体に高級感があり、華やかな空間がお好きなNさまご夫妻のお宅らしさができたのではないかと思っています。

逆方向から見たリビングダイニングです。

リビングと玄関ホールを仕切るシャム柿の二枚扉も、とてもシックで落ち着いた雰囲気に仕上がっていることが改めて分かりました。

リビングの裏にある、来客用トイレは便器が付きましたが、シンクがまだで完成一歩手前です。ゴールドのガラスタイルがNさまご夫妻からのご要望の非日常的な華やかさを演習してくれています。

こちらはクリーニングが終わって全容を現した浴室です。タイルの張り替えや、アクセントタイルが効いています。

浴槽側からの見返りアングルです。洗面から浴室内のお子さまたちの様子を覗ける小窓がついています。

お客さまが購入して現地まで配送手配して下さっていたIKEAのクローゼット家具については、施工会社が組み立てだけを請け負ってくれました。IKEAの収納サイズに合わせて部屋内寸法(こちらの寸法もお客さまが事前に調べて指定してくださいました!)を決めていたので、コーナーも含めて、きちんと組み上がってきました。

色違いのIKEAを使ったご主人さまのクローゼットもスタイリッシュです。造作家具で作った場合の三分の一程度の価格で、ここまで出来てしまうと、造作家具屋さんも顔が真っ青になってしまいそうです…。

右がIKEA家具で、左側が造作家具です。造作家具は天井までピッタリと作られているのに対して、左のIKEAのは天井との間に結構な隙間が生じてしまいました。IKEAは事前から綿密に検討しておけば、平面的には無駄なく組み上げることができますが、高さ方向は造作家具には劣りますね。それでも、ガラス扉付きの引き出しがついて、造作家具の半分以下の価格ですから、驚きます…。

先日組み上げていた、子ども部屋の2段ベッドもきちんと収まっていました。

そうこうしているうちに、お客さまのNさまご夫妻がいらして、キッチンをお願いしたアドヴァンの穂坂さんも揃ったので、検査しながら取り扱い説明をして貰いました。

食洗器やレンジフードの清掃方法まで、「マニュアルを見てください」だけでなく、きちんと穂坂さんに実演してもらっての説明にして貰いました。

浴室とシャワールームの取り扱い説明は、東京バススタイルの和久田さんでした。

キッチンと浴室の取り扱い説明が終わった西麻布N邸ですが、実はまだ完成していない部分が幾つか残っており、検査自体も後回しになっています。

取り扱い説明を終えたばかりの浴室ですが、その外側の洗濯機収納とベンチ&ミニ収納がまだほとんど出来ていない状況です…。

リビングの暖炉部分も、鉄部の塗装が完全には終わっていなかったので、一度取り外して、仕上げ塗装をしたうえで、再度はめ込むことになっています。

ほぼ完成したように見えるリビングダイニングですが、よく見ると階段の段板がまだ未施工だったり、壁の大理石の一部が張れていません。これは、石職人さんがサイズを間違ってカットしてしまったので、追加で大理石パネルを発注して、補修工事で直してゆく予定となっています。
工事工程が伸びてしまったことで、工事完了より先にお引越しで、新居での生活が始まってしまうので、検査を飛ばして、取り扱い説明をするという変則的なスケジュールで進んでゆくことになりました。