Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

窓際の梁を隠す、R形状の下がり天井

白金台P邸

窓から緑しか見えない白金台P邸のリフォーム計画では、その緑が見える窓をどう見せるかかが、大きなデザイン上のポイントとなっています。

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従来は、窓上に張り型があって、窓を圧迫しているように見せていたので、このように垂れ壁部分を天井とR形状に繋ぐことで、梁の存在を消して、軽く見せることを考えています。また、アルミサッシのテラス側に見える網戸も隠したいので、新たにサッシ手前側に木製の方立を立てて、そこにプリーツ式網戸を収める計画としています。

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まだこの段階では、却って天井が下がってきて圧迫感が増しているように感じれそうですが、出来上がりはきれいになる予定です…。床の工事も、同時進行で進んできています。

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こちらは、事前に大工さんたちが工場で曲げ加工してきたFGボードです。水に浸しながらゆっくり圧力を加えて曲げてゆくので、均一には曲がってきませんが、曲がった形で組んだ下地にビスで固定することで、全体のカーブが出来上がります。

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天井の梁だけでなく、リビングの床と窓サッシの下端も20センチほどずれていました。ベランダと一体感が感じられる式台が、室内側にも伸びているイメージで、このような台を作ってもらいました。窓サッシ戸の間に溝が見えますが、そこにプリーツ網戸が入る予定です。

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床は、元々が直床でカーペット張りだったので、マンション管理組合の規約に則った、遮音マットを敷いて、その上からフローリングを張るための下地ベニヤ板を敷き込んでもらっています。

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FGボードと床下地が張り終わったリビング空間を横から見た様子です。カーブの部分と平らな天井が繋がっただけで、圧迫感は随分減ってきていると思っているのですが、如何でしょうか?

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まだ、複雑な形状の枠材が現場に置かれていました。設計した僕らは、仕上がりイメージを考えながらデザインしていますが、造る側のリフォームキューでは、それらをどのように作ってゆけば、材料に無駄がなく、かつ効率的に作ってゆけるかを検討して、材料を発注してくれています。役割の違いではありますが、僕らのデザイン性を理解して、それを頑張って実現してくれる施工側には、感謝あるのみです。

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同じ大工造作工事では、玄関タタキ横のベンチ家具の下地も組まれていました。

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設備に絡む形で、浴室の壁&天井下地工事も進んできました。

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後は、ちょっとの間、この気持ち良いテラスに仮置きされていたハーフユニットバスを組み込んでゆきます。
それにしても、このテラスで緑に囲まれながら露天風呂を楽しめたら、どんなに気持ちが良いのでしょうか…。

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そして、後日ハーフユニット浴槽が組み込まれた浴室の様子です。手前、洗面脱衣室との壁下地も上がってきました。

廊下の床のフローリング張りも始まりました。IOCの幅広フローリングのオーク40クリアブラッシュドを採用していますが、通常の張り方と少し変えて、壁の縁四週にボーダー状に一枚廻したうえで、中には横張りしてゆくスタイルで張って貰っています。

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張り終わってきたリビングのコーナー部分のフローリングです。広い面積を、一様に張ってしまうと、ノッペリしてしまいがちなので、今回はこのような工夫をしてみました。

相見積りでリノベーション工事の施工業者決定@原宿K邸

原宿K邸

マンションオーナー邸のリフォームプロジェクト、原宿K邸の実施設計が纏まったので、3社の工務店・リフォーム会社に見積りに来てもらいました。同日に2時間半毎に時間を区切って、それぞれの会社に現説(現場説明)を行いました。

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近所でちょうど工事現場が進行中のさんは、設備や電気、大工く解体業者と各職方を現地に連れてきて、時間をかけて丁寧に見て行ってくれました。

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見積りをお願いしていから2.5週間で3社(お施主さまが紹介してくださった工務店に、僕らが紹介したゼネコンとリフォーム会社の3社)からの見積りが揃い、それらを同項目毎に整理して比較できる表を作った上で、お施主さまご夫妻にご説明させて頂きました。最終的には見積りの精度や金額、そして何より施工側のやる気で、こちらの辰さんにお願いすることになりました。

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これらの素材は、見積り図面に掲載している仕上げ材で、その最終確認もこの日に行わせていただきました。

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施工業者が決まった後は、またインテリアの選定です。ソファーについては、奥さまが一番気に入ってくださっていたミノッティのヤングというソファーにほぼ決まり、その組み合わせを確認いたしました。

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レザーとファブリックのどちらにするか、ずっと悩まれていましたが、二つのソファーの組み合わせでレイアウトすることに決まったので、それぞれにレザーとファブリックを張るという折衷案で行くことに決まりました。

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ミノッティのショールームすぐ近くにあるフローリングメーカーのIOCのショールームです。ぼくらが良くお願いしているスカンジナビアンのフローリングか、こちらの製品にするかも、最後まで悩まれた項目でしたが、最終的にはこちらIOCのフローリングを採用することに決まりました。

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まだ、この時点で決まっていないのが、浴室の浴槽です。Tフォルム・カルデバイの鋼製ホーロー浴槽か、ジャクソンのアクリル製浴槽かで決めかねているので、基本的にはリノベーションの内容はほぼ奥さまにお任せのご主人さまにもショールームに来て頂き、エア入浴(?)して貰いました。

 

 

 

アムスタイルのオーダーキッチンと東京バススタイルのオーダー浴室

赤坂S邸

最近のマンションリノベーションプロジェクトで、最も多くお願いしているキッチンと浴室の組み合わせが、アムスタイルのオーダーキッチンと東京バススタイルのオーダーメイド浴室です。現在計画進行中の赤坂S邸でも、他社のショールームを多数見学に周りましたが、最終的にお施主さまが選んでくださったのがこちらの組み合わせでした。

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はじめはお施主さまが一人で、予約もせずにフラりとショールームを訪問して、それでアムスタイルの洗練されたデザインを気に入ってくださいました。その後は、他社も含めて相見積もりでキッチンを進めていましたが、最終的には価格よりもデザインとのことで、アムスタイルで進めることになりました。

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といっても、細かいことまでご自分でチェックしてくださるSさまですので、僕らと一緒の打合せでも5回ほど、お一人でも同じ回数くらいは代官山のショールームに伺って、担当の宮本さんとの打合せを重ねてゆきました。

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現在進行中の原宿K邸や、まだキッチンメーカー未定ながら相見積もりで進んでいる他のプロジェクトなども重なって、週に2~3度ほどこちらのショールームに通わせてもらっています。

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赤坂S邸でほぼ決まってきた仕上げ材のイメージです。人造大理石のカウンター天板に、2種類の塗装と色とウォールナット突板を合わせた扉デザイン、そこに建築工事で取り付けるカラーガラスを組み合わせるデザインとなりました。

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同時に東京バススタイルでの打合せも進んできました。Sさまは、僕らのブログを愛読してくださっていたので、僕らにデザインの相談をする前に、ブログで知ったこちらの東京バススタイルに相談に来てくださっていたそうです。

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ショールームに展示されているジャクソンの高級浴槽には実際に入っていただき、サイズ感や素材の肌触りも確認して頂きました。

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浴槽内部の床材・壁材についても、ショールームにある多数のタイルを選んで、それらの組み合わせを幾度もチェックさせて貰いました。

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浴室内部だけでなく、隣接する洗面脱衣室の床と壁仕上げとも関連するので、同じシリーズで磨き仕上げとグリップ仕上げ(水でぬれた足でも滑らない仕上げ)があるタイルや、似た質感のタイルを探して、それらのマッチングを確かめてゆきます。折角良いタイルが見つかっても、日本の大理石調タイル事情はほぼイタリアやスペイン、トルコなどからの輸入に頼っているので、在庫状況によっては使えないものもあり、喜んだり悲しんだりの連続の中で、ようやく最終的なタイルにたどり着くことができました。

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ショールームを回りながら、設備や仕上げ材を決める打合せとは別に、ご自宅にお邪魔しての打合せもさせて頂きました。

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ご自宅では、リフォーム工事をお願いすることになったリフォームキューの岩波さんと、うちのスタッフ・前田君と三人で伺って、六本木に持ってゆく予定の置き家具や備品類を実測させて頂きました。

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打合せは戸越にあるリフォームキューの事務所でも行いました。今回は、僕らは設計監理契約ではなく、お施主さま側に立ってのデザインアドバイス契約でプロジェクトを進めています。このケースでは、リフォーム会社のリフォームキューが設計施工一環で請け負っての工事となります。

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キッチンや浴室で決まってきた素材と、建築工事のフローリングや大理石、カラーガラスやモザイク大理石などを合わせて、採取的な仕上げ材を決定してゆきました。

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リフォーム会社との工事契約を結んだあとですが、僕らの事務所での打合せ時に僕らとのデザインアドバイス契約も結ばせていただきました。通常は、設計に取り掛かった時点か、ある程度リノベーション計画の目途が立ったところで、設計あるいはアドバイス契約を結ばせて頂くのでしょうが、僕らはお施主さまとの関係次第で、早めに契約を結すばせて頂いた上でハイ・スピードでデザインを進めることや、最終的な工事金額出るまで契約をお待ちしたりと、それぞれのプロジェクトの事情に合わせてフレキシブルに対応することを心掛けています。

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左側は玄関ホール、右側は来客用トイレのイメージスケッチです。デザインアドバイス契約では、図面はこのような空間イメージスケッチやディテールのスケッチだけで、CADで描く図面はリフォーム会社に起こしてもらい、それらを赤チェックしてゆくスタイルで進みます。もうすぐ見積りもフィックスできそうなので、その後に工事着工することができそうです。