Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

照明スイッチ&コンセント位置の施主チェックとその後のボード張り

原宿K邸

オーナーマンションの原宿K邸では、LGS下地への枠材の取付け工事がほぼ終わり、これからボード張りに入ってゆく段階となっていました。

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高齢になってからも永住することを見据えて、ほとんどすべての扉(浴室のガラス扉とパントリーへの小扉以外の8本)を引き込み扉として設計しているので、その引き込み用の枠の納まりが大変なのです。

原宿K邸リフォーム平面図

特に水回りには通り抜け型の洗面室の両側、トイレ入り口、廊下の前後と5枚の引き込み扉が複雑に絡んでいます…。

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洗面所の中から左に在来工法の浴室(天井裏の浴室暖房換気扇のダクトも結ばれました)、正面奥に職人さんが経っている個所がトイレで、その間に4枚の引き込み扉の枠が重なっています。

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寝室は比較的簡単な作りにしたつもりでしたが、天井にカーブがありそこに間接照明が絡んでいたり、収納とWIC(ウォークイン・クローゼット)の扉が絡んでいたりと、やはり簡単な作りではなかったようです。

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壁際の柱型を利用した大形テレビを壁掛けにする石張り壁の下地です。ちょうど柱横にできてしまう空間をEPS(電気・弱電用の配線スペース)として上手く使うことが出来ました。

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翌々日からボードを張り出すというタイミングで、お施主さまに立ち会って頂きながらのスイッチとコンセント位置の現地チェックをお願いいたしました。玄関から入って、LDを通って寝室に行く動線、その反対動線、下階のお母さまのお宅へ直接つながる階段から入ってくる動線、どこに家具が置かれどんな暮らしをしてゆくのかを現場で考えて頂きながら、照明のスイッチとコンセントの位置の最終確認をして頂きました。

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この写真は玄関から入って正面で、後日靴箱を据え付ける壁の様子です。分電盤と合せて弱電関係の配線も纏めた弱電盤もくるので、天井裏から多くの電気配線が垂れ下がっています。インターネットの高速配線やテレビ線の将来の交換などにも興味があるご主人さまですので、建物の屋上からこの弱電盤に線を通せば、そこからテレビを掛ける壁までCD管を通しておき将来対応できるようにしています。

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翌週に現地定例に行った際には、壁天井共に石膏ボードが張られていました。

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これはダイニングテーブルを置く位置の直上に作っている照明用のボックスを設置するためのスリットです。よく見るとボードが二重になっているのが判るでしょうか?塗装仕上げの場合は、12.5ミリ厚のボードの上に9ミリのボードを継ぎ目をずらして重ね張りしてヒビが生じにくいようにするのが一般的なのです。照明ボックスを埋め込んでから、2枚目のボードを張れるように段取りを組んでいるのですね。

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引き込み扉の足元部分の作り方詳細です。二枚目のボードを張ると壁と幅木がフラットになるように枠と下地LGSを調整してくれているのが判ります。

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テレビ壁のEPSの反対側にはビルトインのワインセラーを入れるニッチを作っています。そこに引き込み扉のポケットが絡み、石を張る強度を持たせた壁の裏にはコンセントやスイッチを仕込んでもらい、さらにはワインセラーからの排熱の通り道も作って貰っています。

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先ほどのLGS下地では良く判らなかった寝室のカーブ天井も曲げベニヤ板が張られたことで、形が見えてきました。因みにこちらの壁だけは以前お住まいになっていた時から寒く感じていたとのことでしたので、断熱材を壁に張って貰っています。

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キッチンのシンクがくる位置の床に設けられた給排水の配管です。スラブを抜いて下階の天井裏へ繋がる位置が決まっていたので、排水の水勾配や途中の掃除口の位置を事前に検討したうえで、床ギリギリに配管を収めることが出来たようです。

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定例では、翌週から工事が始まる在来工法浴室の防水収まりや、ステンレス枠収まりの施工図をチェックさせて貰いました。現場監督の田所さんが頑張って書き上げてくれた図面を念入りにチェックさせて貰いました。

インテリアが完成した広尾N邸の写真撮影

広尾N邸

約一年半前にリフォーム工事が完了していた広尾N邸ですが、お施主さまからようやくインテリアが完成したとのご連絡を頂き、写真撮影に伺って参りました。

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以前伺った際には、リビング周りのインテリアはほぼ完成していましたが、ダイニング周辺は照明器具や壁掛けの鏡、壁面のアートなどが揃っていませんでしたが、それらもお住まいの外国やオーダーしたアメリカから届いたとのことで、ご連絡を頂いておりました。

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ダイニングテーブルは、Nさまご夫妻が若いころにご購入なさった思い出のメープル材のもので、ラグはアメリカのサファヴイヤ、壁掛け鏡はベイカーとそれぞれのインテリア要素の由来も伺わせて頂きました。

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天井が高い室内空間なので、床置きの家具だけでは空中がスカスカしてしまいますが、ペンダント照明や、少し高めの位置にレイアウトされたアートや鏡がちょうど良い具合に散らばっていることで、遠近感を感じる素敵なインテリアが完成していました。

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Nさまは本当にインテリアがお好きな方で、リビングについても何度も家具レイアウトを変更して、壁掛けのアートもレイアウトし直すことで、徐々にしっくりとした雰囲気が熟成されるとのお話を伺いました。

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写真左端に、僕らが撮影している様子を楽しげに見てくださっているNさまご夫妻が写り込んでいます。

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玄関ホールにも壁の織壁紙と色があったサファヴィヤのラグがジャストサイズで入り、コンソールとテーブルランプ、壁のアートと相まって、ウエルカミングな雰囲気の空間に仕上がっていました。

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同じ玄関ホールを、玄関側から見た写真です。きちんとした太目のケーシングを枠廻りに廻したことが、このようなエレガントかつクラシカルなインテリアには合うことを再確認することが出来ました。

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1年近くベッドが届かずにお布団で暮らしていらしたそうですが、ベッドがアメリカから届いたことでほぼ完成した主寝室のインテリアです。よく見ると部屋の天井などは左右対称ではないのですが、アートやテーブルランプの配置などで、きれいに空間を整えているテックニックが判ります。

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折れ曲がった先のプライベート廊下にも小型のコンソールとアートが掛けられ、すっかり落ち着いた空間になっていました。

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最後は、これまであまりお見せしていなかったキッチンです。香港在住時は文化的にも外食やお手伝いさんに作った貰った食事が多かったそうですが、この大きな窓がある開放的なキッチンが手に入ってからは、ご主人のNさまが料理を作る機会が増えてきているそうです。

 

横浜O邸リフォームプロジェクトがスタート

横浜市O邸

横浜市西区の125平米の築浅マンションのリフォームプロジェクトがスタートしました。以下のスケッチは、初回打ち合わせ前にこちらで用意しておいたラフリフォーム案です。

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最初はホームページの相談フォームからメールでご連絡をいただき、こちらの事務所での無料相談から始めさせて頂きました。フルスケルトンリフォームのご希 望ではなかったので、規模やスケジュールなどの条件からまずはリフォームアドバイスでのお手伝いをご提案させて頂きました。
リフォームアドバイスコースの場合は、パートナーとなるリフォーム会社を選んで頂く必要があるので、4社の候補となるリフォーム会社をご推薦して、まずはホームページや企業理念などを見比べて頂きました(こちらからも、それぞれの会社のメリット&デメリット、僕らの会社とのこれまでの経験や担当者との相性などもメールでご説明しております)。その結果、僕等が良く施工で依頼しているリフォームキューの担当者と話をしてみたいとのことで、メールのCCでご紹介の上、アポイントメントを取って頂き僕らなしで面談をして頂きました。
その面談での印象も良かったとのことでしたので、次は現地で待ち合わせてリフォームキューの坂本さんと一緒に現調をさせて頂きました。

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ちょうどお引渡しが済んだすぐのタイミングでの現調でした。まずはしばらく暮らして、その間にリフォーム案を練ってゆき、住みながらのリフォームをしてゆきたいとのことご希望でした。そこで、主寝室とクローゼットだけは、お引越し前までにリフォームをすることに決め、急ぎでリフォームプランを作り、仕上げ材を決めて、お見積りを作ってもらう流れになりました。

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まだ築浅できれいなマンションでしたが、一番気になったのはこちらの天井でしょうか…。折角の天井高さが、リビングダイニングの中央に3台もの天カセ式エアコンがあるせいで、空間が分断されていました。図面で確認すると、この個所の天井裏には梁がないことが判っていたので、他の場所にエアコンを移すことをお勧めしました。

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正面右に見える既存の建具はきれいなので、レイアウトは変えるにしても建具は再利用することになりました。また、テレビやステレオ等のAV機器に加え飾り棚もある造作家具をデザインして欲しいとのご依頼もありました。

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キッチンのペニンシュラ(半島)型カウンターはお化粧直しをしたうえで使いたいとのことでしたが、背面の調理器具や食器を置く棚は作って貰いたいとのご希望でした。他にも大型冷蔵庫やビルトイン・ワインセラーも置きたいとのお話でした。

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最初にメールを頂いた時から、ミノッティのソファを入れたいことや、僕らがお手伝いしたプロジェクトでは虎ノ門M邸のインテリアがお好みとのお話を伺っていたので、そのテイストに合せた素材を床に並べて見て頂きました。

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同じような色味の素材でも、塗装仕上げの全ツヤと3分ツヤの違い、カラーガラスと鏡の使い分け方法、大理石や突板をどのような所に使うとアクセントになりそうかなどを、これまでの事例写真と素材を見比べながらご説明いたしました。
概ねの仕上げ感覚についてはご了承を頂きましたので、次回はミノッティのショールームでソファ選びをする約束を致しました。
このプロジェクトの完成後の様子は、横浜市O邸をご覧ください。