Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

カラーガラス張り@虎ノ門ヒルズレジデンスリフォーム

虎ノ門ヒルズM邸

大理石が張られた虎ノ門レジデンスでは、今回デザイナーとして一番拘りたかったカラーガラス張りの工事が始まりました。

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キッチンでは、写真の手前に見えている袖壁部分(ベニヤ板部分)、その内側の立ち上がり部分、そして玄関の正面壁部分にカラーガラスを採用しています。

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壁に立て掛けられていたのが、事前に寸法を確認の上、短冊状にカットされて現場に届いたカラーガラスのピースです。

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キッチン前壁には、白と薄いベージュ色の二種類のカラーガラスをデザイン張りしてゆきます。1ミリの誤差も許されない精度が求められるので、ベテラン職人さんたちの目も真剣そのものです。

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カラーガラスは、鏡やガラスと同じように、両面接着テープと速乾ボンドの両刀使いで貼ってゆきます。

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まずは先に張り上がったキッチン前壁のデザイン張りのカラーガラスです。この段階では、少しガラの違いが目立ちますが、全部の家具が揃えば、きれいにバックグランドにこのデザインも沈み込んでゆく予定です。

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玄関正面壁は、壁端部が斜めにカットされているので、その角度に合わせてカラーガラスも調整してもらっています。リフォームキューの石原さんが、熱意を燃やして頑張ってくれたディテールです。アップの写真でも判りにくいですが、左側には見切りとして鏡面のステンレスが張られており、それに合わせた角度に端部をカットしたカラーガラスがピタッと寄せて張り付けられる算段となっています。

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こちらが張り上がったデザイン張りの玄関正面壁です。写真ではどうしても撮りにくいのですが、肉眼ではきちんとレンガ状に張られた感じが、なんともシックでスタイリッシュに仕上がりました!

 

 

遮音マットの床下地@白金台Y邸

白金台Y邸

白金台Y邸はマンションの管理規約で軽量床衝撃音のレベルをLL=45(現在LL表記は改正されて、正しくはΔLL(Ⅰ)(デルタ・エルエル・ワン))と規定されているので、フローリングを使う場合は、当該性能を持つ遮音フローリング(フローリング自身に遮音性能を持つクッション材が張り付けられたもの)を使うか、規定をクリアする遮音材を敷いた上に通常のフローリングを張るかのどちらかを選ぶことになります。

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遮音下地も、置床(二重床)にするか、遮音マットを敷くかの2通りしかありませんが、今回は掃出し窓の床からの高さや天井高さを確保することを優先したので、床遮音マットを使うことになりました。

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遮音マット自体は11ミリと薄いものですが、このままではフローリングを張れないので、その上に12ミリのコンパネ(コンクリートパネル用合板)を張ってゆきます。

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遮音マットの継ぎ目とコンパネの継ぎ目が重ならないように、ずらしながら張ってゆくのです。ダイニング部分には、コンパネ上に張るフローリング材も山積みされていました。

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ダイニング側からフローリング材越しにリビングとキッチンを見返した様子です。以前はバラバラだったリビングとダイニングとキッチンがダイニングを介して繋がる完成イメージが見えてきました。

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現場監督さんにお願いして梱包を解いて、フローリング材を確認させてもらいました。今回採用するのはIOCのオークフローリングです。

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同じダイニングの天井と袖壁にはオーク材の羽目板を張る予定ですが、こちらは違うメーカーの製品なので、こちらも開梱して色味を確認させてもらいました。羽目板はニッシンイクスのリアルパネルです。
写真では違う部屋の違う光環境で撮影したので違って見えますが、色味や木目もよくマッチしそうなので安心いたしました。

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ダイニングとキッチンの間仕切りは、壁際に大きな引き戸2枚を入れる設計となっています。金具で吊った吊り戸になるので、天井の羽目板の下地にはスリットが入れてありました。

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他にも、かつての給湯室をユーティリティーへとリフォームする部屋では、東京ガスの職人さんたちがダクトの接続をしてくれていました。

 

 

 

リノベーション・ジャーナルのインテリア特集号に掲載されました

六本木M邸

以前幾つかのマンションリノベーションプロジェクトを取材撮影して頂いた雑誌「リノベーション・ジャーナル Vol.5」が発売されております。ブログでのご報告が遅くなりましたが、先月初頭から店頭に並んでいたようです…。

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日本で唯一のリノベーション専門誌であるこの雑誌に大きく取り上げて頂いたのはとても名誉なことです。特集のテーマは「インテリアをデコる100の法則」で、高級インテリアを扱ったLUXURYの32ページ(!)は全て僕らが設計したプロジェクトの紹介となっております。
最初に取り上げられたのは、品川区Y邸です。突板の使い方などが説明されています。

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2つ目の登場事例は、先日「第31回住まいのリフォームコンクール」で優秀賞を頂いた世田谷区N邸です。こちらでは塗装仕上げの注意点などが説明されています。

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次は神戸M邸で、プロフェッショナルにリビング・キッチンを動線に取り込む設計手法の解説です。

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お馴染み(?)の白金台S邸は、自然素材を使いながらありがちな北欧テイストを避けて高級感を演出する方法について書いてくれています。

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モールディングやケーシングをふんだんに使った六本木M邸でも、詳細写真を使っての説明となっています。白っぽくて、僕の腕ではうまく撮れていなかったディテールもプロの写真家の手できれいに撮影されています。

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南平台N邸は、雑誌初登場です。こちらだけは、取材撮影の日程が足りず、こちらで撮影した写真を使っています。

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ここまでの事例紹介的なページに加え、ここからはさらに色使いとゾーニング、空間の個性化、装飾部材の使い方、天井と照明の関係、大きな壁面の演出の仕方、フローリングとラグの相性、アルミサッシの存在感の消し方、高級建具のデザイン、AV収納の見せ方などを細かく説明してくれています。ほとんど、僕らが考えてきたデザイン手法を丸裸にされて解剖されてしまったようで、恥ずかしいばかりなのです。

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しかし、ここまでで終わりではなく、巻末には「リノベマスター仕事術」というタイトルで、経験豊富な縦主をうならせる高級リフォームの作法について、図面を使いながら詳しく解説してくれているのです。

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当初、特集の意図を編集長の大菅さんに伺った際に、こんな大規模なインテリアの特集がうまく纏まるのか、正直不安ばかりでした。ただ、最終的に出来上がったものは、文章を読んでも図面を見ても、写真を眺めてもなるほどと思えることばかりの、素晴らしいマンションインテリアの特集号に仕上がっていました!

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このような派手で、内容も良く判らず、僕の名前も誤植されていますが(残念…)、実に面白く(プロであれば)必ず役に立つ雑誌となっておりますので、どうぞ書店で手にとってご覧ください。