Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ペンダント照明の吊り込み@番町H邸

番町H邸

約3か月前に竣工お引渡しをさせて頂いた、千代田区番町のH邸にペンダント照明の吊り込み工事で伺わせて頂きました。

実は工事の立会いというのは名目で、実際はお引き渡し後にお客さまご家族がどのように使ってくださっているかを見学させて頂くのが真の目的でした。

ダイニングから繋がる造作カウンター家具の一角に設けたミニベンチです。一番下のお子さまがチョコンと座って、キッチンで料理の下拵えの準備をしているHさまの奥さまとお話ししながら、絵本で読んでいらっしゃいました。

すぐ横にはお子さまたち用の絵本コーナーが設けられ、ベンチ板の下はお掃除ロボのルンバの基地になっていました(これは当初から予定していたので、コンセントを用意しておりました)。

ペンダント照明の吊り込みに時間が掛かっているうちに、上の二人のお子さまたちも学校から帰ってきて、狭いベンチにお尻を寄せ合って無理に三人が座ってくれました(笑)。

さすがに三人がここまでギュウギュウに座ることはないそうですが、お子さまたちにとっては特等席なので、二人で場所取りのケンカになることもあるとのことでした。

もう一つのお子さまたち向けの工夫が、こちらの秘密の抜け道です。キッチン奥のユーティリティーからダイニングに抜ける、お子さましか通れない細道です。
こちらも通り抜けだけでなく、この写真のようにスロープを使っての遊びを考えてくれているとのことでした。

こちらが本日の目的のペンダント照明です。レウィット(ルミナベッラ社)の白いシェードの物です。

以前も一度他のプロジェクトで採用させて貰ったことがありましたが、組立て自体は簡単なのですが、高さ調整が難しいので、電気屋の望月さんとリフォームキューの坂本さんに仕組みを理解して貰っています。

まずはダイニングテーブルをそのままに置いた状態で、仮に吊ってみて、高さを確認して頂いた後で…、

テーブルをどかしての実際の取付け作業に入って貰いました。

1灯吊り終わった後、2灯目をつっている様子です。実は1灯だけであれば、高さ調整も大変ではありますが、まだできるのですが…、

2灯の高さを揃えて、かつ2灯それぞれが傾いていない状態を作るのがとにかく難しいのです!

ペンダント照明を点灯した状態で、高さと傾きを坂本さんに何度も調整して貰います。

何とか二つが揃って平行になった所で、本日のお仕事は終わりになりました。お昼過ぎに伺ってから、約5時間ほどもお邪魔してしまいました。

帰る前に、キッチン横に設けたマグネット壁の使い勝手や、

玄関横のベンチコーナーの使い勝手の感想も伺わせて頂きました。
本日は長い時間お邪魔してしまい、申し訳ありませんでした。お子さまたちがベンチに寄り添った、素晴らしい写真を撮影させて頂き、どうもありがとうございました。

リフォームコンクール優秀賞受賞! 4年連続の受賞です。

世田谷区N邸

第31回住まいのリフォームコンクール」(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター主催)にて、僕らがデザイン・設計のお手伝いをした世田谷区N邸が優秀賞を受賞いたしました!

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応募した際のタイトルは「部屋の凹凸を利用した機能付きニッチで生活に潤いを」です。

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添付資料の色付き図面を見ると判りやすいのですが、角部屋で窓がリビング・ダイニングだけで4つもある採光・通風に恵まれたお宅なのですが、部屋の凹凸が多く、家具がレイアウトしにくく、無駄な空間が生じやすいという問題がありました。
そこで、出っ張った各ニッチ部分(図面のピンク色部分)にリラックスニッチ、読書・遊びニッチ、TVニッチと機能を振り分け、それに合った空間性を付与して、メインの空間(図中の肌色部分)と補完しあうというコンセプトでリノベーションデザインいたしました。

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こちらがダイニングの横に設けたリラックスコーナーです。壁と天井を床と同じウォールナット材で張り廻し、天井部分にフックをつけて、ハンモックや写真のような植栽を吊るせる作りとしています。

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右手に映っているのが読書・遊びコーナーです。集成材で作ったカウンターは、大人が座って読書をするベンチにもなると同時に、お子様のAちゃんのおもちゃを仕舞う収納であり、小椅子に座るとお絵かき用の机にもなります。

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奥に見える緑色の壁周辺がTV・AVコーナーです。テレビの配線を隠すために、壁をふかして段差をつけ、逆T字型に組んだAVラックを作りつけています。

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因みに、こちらがリノベーション前のリビングダイニングの様子です。

僕らはこれで4年連続での受賞になります。大手のリフォーム会社では連続受賞しているところが幾社かありますが、個人が主催する設計事務所では(僕らが知っている限りでは…)4年連続の受賞は初めてではないでしょうか。
何より、デザイン・設計としてお手伝いさせて頂いたNさまご夫妻とAちゃん、そしてお施主さまの紹介からプロジェクトのプロデュース・施工をしてくださった㈱NENGOの中村専務と的場社長、どうもありがとうございました!

サイザル麻のタイルカーペット敷き込み

広尾N邸

造作家具や建具、大物の暖炉(マントルピース)が取りついた広尾Nプロジェクトの床に、サイザル麻のカーペットが敷かれました。

ロール状のものにするか、タイル状のものにするか、また外国から輸入すべきか、日本の上田敷物の製品を使うか、IOCの製品を使うかを検討しましたが、結局、価格や張りやすさ、製品の精度などを考慮して、上田敷物のマヤヘンプ・タイルを採用いたしました。

こちらは主寝室の様子です。建具や収納家具の扉が大きいので、スケール感が狂いやすいのですが、扉の向こうに見えているスタッフの竹田さんのサイズと比べると、この部屋の大きさが判るハズです。

プライベートゾーンへの長い廊下にもサイザル麻を張っています。実はこのマンションには、床材にフローリング禁止という条項があるのですが、それ以外の材料についてはすべて許容する(例え大理石張りでもOK!)という、変なリフォーム規約が残っています。お施主さまのNさまは、本当はフローリング張りを望んでいらっしゃったので、ほかの住民の方々も巻き込んで規約改定をしようと考えたのですが、それにかかる時間を考えたうえで、結局このサイザル麻のタイルカーペットを選んでくださいました。
因みに廊下の左側壁に張っている壁紙は外国から送って頂いた天然素材のクロスです。

廊下の両側には本棚が設置されています。こちらは折れ曲がった廊下側から見返した様子です。

玄関ホールはまだ鏡が張られていませんが、高い天井でのびやかな空間になっています。

サイザル麻カーペットタイルのディテールです。高さ15センチの幅木との相性もバッチリです。

キッチン床のビニールタイルも張られています。こちらの壁にも、廊下で使ってた青に似た色を塗装で塗ってもらっています。

来客用トイレは天然素材壁紙とビニールタイルの組み合わせです。広いので本棚を設けています。

主寝室横の洗面室には、やはりビニール製ですが、ボロンという素材を張っています。

サイザルとボロンの見切りはシンプルに真鍮のアングル材を入れて貰いました。

青色は当初は大きなモチーフではありませんでしたが、一時帰国していらしたNさまがリビングのフレンチドアの桟も青で塗装するようにお願いしていたようで、このような様子になっていました。
これで内装工事もほぼ終了で、あとは鏡を張れば完成になります!
サイザル麻の床張りのディテールについては、こちらの記事をご参照下さい。