Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

白金台のビンテージマンションリノベーション計画Y邸

白金台Y邸

白金台で築29年の中古マンションのリノベーションのお手伝いをすることになりました。面積は175平米(53坪)の大型ヴィンテージマンションです。

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手前がリビングで、奥に人が立っているのがダイニングという変形リビングダイニングのお宅です。リビングは面積的にも広くて、整形ですが、ダイニングは梁型が目立ち天井も低く、このままではちょっと寂しいイメージでした。

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キッチンは一度手を入れているようですが、それでもビンテージ感ある変形キッチンでした。外国人向けで高さが高く、面積の割にはレイアウトが使いづらそうなので、新しいレイアウト案をご提案することになりました。

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こちらもビンテージ感がを感じる浴室です。在来工法なので、全面的にやり直しをすると大がかりな工事になることをご説明したところ、まずは古さを感じさせないように手直しして欲しいとのお話になりました。浴室乾燥機がついていいないので、天井の高さを少し落として、浴室乾燥暖房機を設置することになりそうです。

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大きな主寝室は、ちょうど窓前に樹木があって、気持ち良い部屋でした。クロゼットが不足しているので、壁際に一直線にクローゼットを設けることになりそうです「。

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キッチンの床の点検口から覗き込んだ床下の配管状況です。キッチン回りの床はスラブが下がっており、こちらのように水回りの給排水管が更新できるようになっていました。木製の束立てと鋼製の束が混じっており、幾度かリフォームをされた経歴が判ります。

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今回はスケルトンでのリノベーションではなく、消費税込で2000万円の予算で、どこまで手直しできるかというスタイルでの計画となっているので、間取りの変更をなるべく抑えて、目立って古い設備の更新やデザインのリニューアルを中心に広い面積を有効活用しながらどうバランスを取ってゆくかが難しい判断になりそうです。

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実は、以前違うお部屋でしたが、リフォームのご相談でこちらのマンションを拝見したことがありました。マンション内装の雰囲気はわかっておりましたので、事前に送っていただいていた平面図をベースにして、どこをどのように手直ししたら良さそうかを勝手に考えていたものをお見せしたところ、概ね気に入って頂けたようでした。

キッチンと造作家具の設置@広尾Nプロジェクト

広尾N邸

面積が大きいマンションのリフォームだと、幾つかの職種が同時進行で行われることが多々あります。

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こちらの広尾Nプロジェクトでは、既存間取りが玄関ホールから左右にパブリックとプライベートの二つのゾーニングに分かれるので、造作家具の設置とオーダーキッチンの設置、さらには塗装の下地作りが同時に進んでいます。左手開口奥にはキッチンが設置され始めており、手前のリビングでは、造作家具の箱が詰まれていましした。

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代官山のオーダーキッチン屋のクッチーナにお願いしたL字型キッチンのベースが設置されています。古いヴィンテージ物件ですので、壁のカネ(垂直)が取れていないことで、どこを基準にするかなど、制作寸法も苦労しましたが、まずはきれいに取りついておりました。

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ガスレンジの横のPS壁には、薄型のタイルを張りました。出窓前の立ち上がり部分は塗装にするか、同じタイルを張るかを迷っておりましたが、タイルがきれいだったのと、あまりがあるとのことで、タイル張りにすることにいたしました。

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今回は同じクッチーナに洗面カウンターを2本お願いしています。こちらはキッチンからユーティリティー兼パントリーを経て、寝室へと繋がる動線上に設けた洗面のカウンター家具です。奥さまの化粧カウンターと一体になったデザインとなっています。

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そうこうしているうちに、先ほど積まれていた箱がリビングの壁際に立ち上がっていました。左右に立つ本棚の中央には、やはり香港から輸入したライムストーン製の大きなマントルピースが設置される予定となっています。

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プライベート空間へと続く廊下にも、本棚とクローゼット収納が嵌め込まれていました。

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因みに、こちらが同じ廊下を玄関ホール側から見た様子です。この玄関ホールの天井高さを上げるために、給水管の配管ルートを変えるなど、色々と工事側には面倒をお掛けしましたが、それだけの効果が十分にあったようです。

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主寝室で打ち合わせをしている、監督の伊藤さんと大工の服部さん、うちのスタッフの竹田さんのy法酢です。打ち合わせている最中から、職人さんたちが造作家具の扉を、どんどんはめてゆきます。因みに、この部屋は、下地塗が完成していました。

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同じ主寝室の造作収納家具です。天井が高いので、上部の吊戸棚は身長186センチの各務でも届きませんが、ノビノビとしたデザインは開放感があって素敵です。

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一番奥の洋室では、塗装屋さんがパテ作業をしている最中でした。キッチンや造作家具が取りつく部屋は先にパテを仕上げておいて、組み立て中は奥の部屋をパテ作業するという流れで、作業がストップする無駄な時間を作らないで行く様子はマンションリフォームのプロ根性を見せて貰った気がいたします。

東京バススタイルのオーダーユニットバス打ち合わせ

六本木N邸

お施主さまの都合で、ここまでスローペースで進んできた六本木N邸プロジェクトですが、お二人にとってとても重要な要素である浴室とシャワーブースの内容がほぼ決まってきました。

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ここまでの打ち合わせプロセスですが、いつもオーダーユニットバスをお願いしている、白金台の東京バススタイルで3度の打ち合わせを重ねてまいりました。初回は、ご主人さまの都合がつかず、奥さまだけでオーダーユニットバスであれば、どのようなことが可能になるのかを説明させて頂きました。

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今回六本木N邸で計画している浴室は、このショールームのサンプル浴室より大きいのですが、浴槽と扉の位置が参考になるので、実際に中に入って頂き使い勝手をイメージしながら、シャワーと浴槽の関係を考えて頂きました。

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オーダーのユニットバスだけでなく、やはりオーダーでシャワーブースも作る予定なので、ショールーム内のシャワーユニットも体験して頂きました。因みに、このユニットのガラスは、電気のオン・オフで透明と不透明をコントロールできる特殊なガラスだそうです。

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オーダーで浴室やシャワーユニットを作った場合、既成のユニットバスと比較して、以下のポイントが自由に選べます。

  • サイズと形(四角でない変形も可能)を自由に選べる
  • 壁や床材、ガラス壁や扉材などの内装仕上げを自由に選べる
  • 浴槽やシャワー水栓、レインシャワーやボディーシャワーなどを自由に選べる

上の写真は、ショールームの廊下が仕上げ材料のギャラリーのようになっているので、気になるタイルや大理石を選んでいる様子です。

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こちらが、まず暫定的に選んで頂いた仕上げ素材のサンプルです。全体にベージュトーンでオーソドックスな仕上げになりそうです。

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この段階で、まず担当の和久田さんに一度図面を書いてもらい、見積りも作ってもらいました。ユニットバスでありながら、室内にシャワーコーナーを作った特殊な構成となっているので、サイズ的にも結構大きく、費用もそれなりの金額が出てきました。

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約一か月置いての二度目の打ち合わせにはご主人さまも参加してくださいました。当初の計画では、浴室は奥さまがメインに使用して、シャワーユニットはご主人が専用に使う予定だったのですが、寝室との位置関係、さらには大型のウォークインクロゼットの位置関係などから、浴室はご夫婦ともに使用して、シャワーユニットは奥さま専用の洗面室の中に設けることになりました。

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この図面で右上に見えているのがオーダーのユニットバスです。(図面には見えない)左側の主寝室からは、廊下を経て、ライブラリーと洗面・脱衣を通過して浴室へ行く動線となっています。洗面所を下へ抜けると、お二人それぞれのための大きなウォークイン・クローゼットがあるという平面構成となっています。

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レインシャワーはご主人が使って、ハンドシャワーはお二人とも使用することは決まっておりましたが、カラン(お湯と水がひとつの蛇口から出る混合水栓)をどこに設けるかどうかをお二人でご相談中です。浴槽については、こちらのショールームにはあまり多くのサンプルがないので、浴槽専門のショールームを後日訪問することになりました。

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別の日程で、南青山にあるジャクソン社の高級浴槽のショールームを訪問いたしました。ジャクソンの浴槽は、純粋に日本製で、日本人デザイナーが作った浴槽ですが、その垢抜けたデザインと浴槽を単なる湯あみの道具以上なものに昇華させたという意味で、本当に画期的なものだと思っております。

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ライフスタイルに沿って色々なサイズ、形の浴槽がショールームには展示されております。身長差のあるN夫妻ですので、お二人のうちのどちらのサイズに合わせるかも話し合っていただきました。

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こちらはショールームの2階にある浴槽の体験コーナーです。いくつもの浴槽が引出式になっており、それぞれにお二人に入って頂いて、半身浴が可能なスタイルやたっぷりのお湯に浸るタイプなどを実験して頂きました。

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浴槽を決めた上での東京バスショールームでの3回目の打ち合わせです。浴室内に大きなベンチを設けておりましたが、本当に必要なのかをご検討して頂いたところ、椅子を中に置いた方がフレキシブルな使い方ができそうだとのことで、ベンチが不要になりました。ドイツ製の水栓類はデザインはカッコ良いが、水圧は随分減ってしまうことを再度ご説明したところ、カランは日本のTOTOの製品を採用することをご決断いただきました。その他、壁に設置する鏡の位置、床タイルと壁タイル、照明の位置や細かい金物類の配置など、未決だった部分を決めて頂くことができました。
これで最後の図面と見積りを上げて貰って、最終確認をしてからリフォーム工事の発注とタイミングを合わせて、ご契約・発注という流れになる予定です。