Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

アクセントクロスの活用法@中央区Y邸

中央区Y邸

普段は壁や天井は塗装で仕上げることが多いのですが、コストやお子様がいらっしゃるご家庭では、汚れに対する強さやメンテナンス性を考えて、ビニールクロスを使うこともあります。中央区Y邸では、壁と天井はクロスで仕上げています。

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ただ、白っぽいベースとなるクロスだけで張り回すと、部屋に入った視線がどこにも引っ掛からないで上滑りしてしまう感覚があるので、アクセントとなるクロスを適宜配置してゆくよう心掛けています。大きな川面に面したこちらの壁では、右の二つの窓の間に灰色のクロスを張っています。写真では判りにくいですが、クロスの色に合わせて、二つの窓の木製枠も灰色で塗装しています。

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同じリビングダイニングの反対側です。向かって右には、梁型の下のテレビを置く予定の壁にも灰色のクロスを張っています。機器の黒さと同調するように一番濃いクロスとなっています。濃さが浮かび出るように、上部の梁型には間接照明を仕込んでみました。また、この写真では判りにくいですが、玄関へと繋がる廊下の向かって左側に薄い灰色のクロスが張られています。これは、インターフォンや照明スイッチをこの場所に盛って来たかったのですが、コンクリートの躯体壁ではスイッチ類を動かせないでの、一部壁をフカしました。そのフカした部分をサインボード的に見せるために、薄目の灰色クロスで巻き込んで仕上げて貰っています。

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こちらは主寝室のクロス張り状況です。正面左側が廊下からの入り口で、その横は三枚の折れ戸付きのクローゼット収納です。右側がベッドのヘッドボードを寄せる壁ですが、こちらも濃い灰色で仕上げて貰っています。小物入れのニッチも同じクロスで仕上げています。

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玄関では、入って右側の壁とそこから寝室へと向かう廊下の右壁をベージュ色のアクセントクロスで仕上げて貰っています。この空間では、アクセントクロス以上に、正面のフローリング張りの壁の方がアクセントウォールになっていますね。床に這っているサペリ材をそのまま壁に立ち上げています。

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廊下側からリビングを見返した写真です。こちらから見ると左側の壁がアクセントクロス仕上げとなっていますが、やはりフローリング張りのアクセントウォール壁の方が目立っています。

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玄関横のニッチ奥の壁も灰色のクロスでアクセント仕上げとなっています。その手前の板仕上げに見える個所は姿見の鏡を張る予定です。

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こちらはクロスではありませんが、玄関の三和土(タタキ)部分はタイルの二色張りでボーダー仕様としています。

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洗面所の床と壁一部にも大判のタイルを張っています。浴室との境の柱もタイルを張って、アクセント的に使っています。アクセントウォールというより、アクセント柱?でしょうか。

 

 

 

 

広尾I邸の検査・お引渡し

広尾I邸

先日中間検査をしたばかりの広尾I邸のリフォーム工事が、早くも完成しお施主さまの検査に立ち会って参りました。

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Iさまご夫妻とお嬢様が、このタイミングに合わせて再度帰国してくださいました。右に立っているのが、工事をお願いした武田工務店の武田さんです。

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お嬢様と一緒にキッチンの使い勝手を確認していらっしゃっるHさまの奥さまです。外国暮らしが長いお二人なので、日本のレンジフードを興味深そうに眺めていらっしゃいました。

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こちらがキッチンの全容です。薄いグリーンの扉と人大の天板、キッチンパネルも薄いグリーンで上品な出来上がりになっていました。

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この冷蔵庫もキッチン屋のジーマティック社に支給して貰ったものです。冷蔵庫横と上の収納は、キッチン扉に合わせて大工さんに作って貰いました。取手金物もジーマさんにお願いして支給して貰ったので、上手くマッチしたデザインとなりました。

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まだ、家具が入っていない状態ですが、完成後のリビング・ダイニングです。壁際だけを明るくして、部屋中央にはほとんど照明を設けず、家具横にレイアウトするスタンドライトで部屋の明るさをコントロールする欧米スタイルの生活になる予定です。

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玄関タタキには大理石敷きになっています。ただし、普通の大理石を張るには厚みが十分になかったので、コンフォート社のイージーストーンを初めて使ってみました。「EASYSTONE」は3ミリ厚の天然大理石を、実(さね)付きの特殊プラスティックに張り合わせた、12㎜の新しい化粧材です。接着剤込みで12.5ミリで仕上げることができ、また目地なしで、突きつけ仕上げが可能で、更に簡単でスピーディな施工性がある素材です。

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廊下からリビングを見返したアングルです。右側の壁面収納は、古い家具を活かして、扉を塗り直し、取手を交換しています。

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オーだユニットバスの東京バススタイルにお願いしたメインの浴室もきれいに仕上がっていました。もとはキッチンにあった洗濯機を浴室横の洗面所に移設しています。この両室の排水管は、シンダーコンクリートを斫って、全てやり替えています。

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こちらは主寝室横のサブの浴室とトイレです。外国人仕様なので、トイレと浴槽が横合わせに並んでいます。こちらには大理石調のタイルを張って貰い、照明を交換し、浴槽も塗装で仕上げて貰いましたが、とても上質な空間に仕上がりました。

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廊下横には来客用のトレイもあります。こちらの家具のジーマティック社にお願いしています。背面のクロスだけアクセントを張っています。
まだ未成工事や、やり直し工事があるので、まだ本当の完成ではありませんが、一度お引渡しをして、これからはHさまのご家族が帰国時には使い始めることになります。工事途中からのリフォームアドバイスは初めての経験でしたが、お施主様の忍耐力と、工務店の頑張りで何とかお役に立つことができたのではと思っています。

 

白金N邸の第二期リフォーム計画スタート

白金N邸

昨年末に第一期リフォーム工事を終えていた白金N邸の第二期工事が正式に決まり、設計内容をここまでお施主さまと一緒に詰めて参りました。

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第一期工事では、玄関周りのクロスの張り替えや、寝室のカーペット交換、各居室のカーテン・ブラインド類の取り付けでしたが、今回の計画では、床をフローリングに張り替えて、天井を塗装に変更、壁はパネル仕様とするので、改めて図面を起こすために実測をさせていただきました。

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アルバイトのTさんに測ってもらい、それをスタッフの竹田さんがメモしてゆきます。僕、各務はすべての部屋の写真を撮ってゆきました。

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全体がどうもベタッとした印象だったので、壁をパネル仕様にして、建具や家具の扉と合せてデザインしています。

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工事をお願いすることになっている高級マンションリフォームに強い、品川区のリフォームキューに依頼して作ってもらった壁パネルのサンプルです。左は木目を残したモノで、右は白いペンキで塗りつぶしたモノです。

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お施主様のNさまご夫妻に事務所に来ていただいて、床フローリングと壁パネルを見比べて、確認して頂いています。壁パネルは、部屋ごとに色を変えて塗装することになりそうです。

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リビングの角手前にあるコンクリートの柱は、構造材なのでどうしても撤去できないので、邪魔な柱を設計に取り込んで、小さな読書コーナーを計画することになりました。130905nakatatei_uchiawase-5

色味の打ち合わせは夜の照明の基ではできないので、日程を改めて奥様と打ち合わせをさせていただきました。アメリカにお住まいだった時のご自宅はDIYで壁塗装を楽しんだことがあるNさまは、色を選ぶのがとても楽しいと喜んでくださいました。奥にいるのが、工事の現場監督の岩波さんです。

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玄関ホールは白系統、ラウンジ(前室)は淡いグリーン(ピスタチオ)系統、ダイニングは赤をさしたベージュ色、リビングは黄味をさしたベージュのイメージで、改めて塗装サンプルを作ってもらうこと決まりました。日本のペンキ屋さんの塗装は、あまりにきれい過ぎるので、もう少しアメリカや欧州風に、手で塗った触感が残るように調整してもらうことになっています。
設計内容も詰まってきて、図面も仕上がってきたので、見積りをお願いして、来週には工事契約して、その翌週には着工の予定となっています。