Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

設計検査から施主検査へ

六本木Y邸

六本木のギャラリーテイストのマンションリフォームY邸の工事が終わり検査の段階となりました。色々な検査がありますが、最初に行われるのは施工会社の社内検査です。現場監督と設計・営業担当者が養生が取れてクリーニングされた現場で不具合がある個所をチェックしていきます。本来であればそのチェック項目を是正してから、設計者の検査(いわゆる設計検査)となるのですが、マンションリフォームの場合はスケジュールが押してしまっていることが多いので、是正前に設計検査となることがほとんどです。

六本木Y邸の設計検査

この写真では見えませんが、施工側の検査で既に付箋が付けられた現場に担当の前田君と各務の二人で行ってきました。本来であれば、現場は何もないきれいな状態であって欲しいのですが、厳しいスケジュールの中、清掃を何とか終えた段階でした…。

六本木Y邸のTOYOキッチン

検査しながら、これまで見ていなかった部分を確認して回ります。養生が取れたTOYOキッチンのカウンター初めて見ましたが、とてもスタイリッシュできれいでした!背面収納にもアルミ枠にカラーガラスを入れた4枚の扉がきれいに吊り込まれていました。
左側の白い壁には設計検査の青い付箋が張らていますね。

六本木Y邸_窓へのブラインド取付け

検査している横では、窓のブラインドの取付け作業も進んでいました。これまで良く使ってきたハンターダグラスのシルエットシェードの代わりに、国産のWISという広島の会社のFUGAという製品を使ってみました。サイズや種類、量などの状況によって見積り価格は変わってくるのですが、今回はシルエットシェードより安価だったので、初めて使ってみました。因みにシルエットシェードは既に特許がが切れており、国内でもニチベイかTOSO、そして今回採用したWIS、台湾のノーマンなどが似た製品を作っています。ただ、電動対応してくれるのは本家のハンターダグラスとWISだけとなっています。

レンジフードの排気チェック

施工をお願いしたリフォームキューの設備担当の槻川原(ツキガワラ)さんが、レンジフードの排気の確認方法を見せてくれました。細い糸の束を吸わせる方法もあるそうですが、こちらは火を使わず煙が出る装置で吸気を確認する道具だそうです。

エアコンの温度・風量チェック

こちらは収縮棒の先に、風量と温度を確認するセンサーが付いた道具で、既存利用しているエアコンの動作確認をしてくれています。エアコンについては、工事前に使える状態かどうかを確認するために同様の検査をして貰っていましたが、お引渡し前に同じ検査を繰り替えしてくれた形になります。
写真で見ると天井カセット式エアコン、新品に見えますが、実は表面パネルだけ取り外してプラモデル用の白い塗料で吹いただけなのです…。

六本木Y邸の玄関ホールと廊下

玄関ホール…、

壁面書棚のあるコンパクト書斎

書斎…、

壁面本棚のある主寝室

主寝室…、

レイアウト変更された洗面脱衣室

洗面室と確認して回りました。今回の検査事項としては、ビニールクロスの浮きや継ぎ目の不具合、シールが出来ていない個所、造作扉の反り、などが指摘事項の大半でした。
設計検査でのチェック箇所の補修がほぼ終わった5日後が、施主検査です…。

六本木Y邸の施主検査

テレビ用の壁掛け部品が床に置いてありますが、設計検査時と比べて格段に片づけられています(当たり前ですね…)。

六本木Y邸の施主検査

広く開放的になったリビングダイニングキッチン空間を見て、Yさまご夫妻はとても喜んで下さりました!

六本木Y邸の施主検査

施工不具合を検査するというより、リフォームのポイントを設計側が説明しているのを、Yさまご夫妻が喜びながら聞いてくださっているような流れになりました。こちらは白い空間の中にアクセントとしてデザインした玄関ホールとLDを仕切るブルーの扉です。

玄関ホールの靴棚収納確認

このブルーの扉は開けると、完全に壁裏のポケットに隠れてしまう作りになっています。

カーブ壁のある玄関ホール

扉を開けるとブルーの色がきれいに消えて、LDKから廊下と玄関ホールがひとつなぎの空間になります。

六本木Y邸の施主検査

そのブルーの扉の奥、主寝室のウォークインクロ―ゼットの扉はグリーンとなっています。

キッチン背面の収納チェック

キッチン背面の白いカラーガラス入りのアルミ枠扉の動作確認を前田君がご案内してくれています。

ジャクソンのメンテナンスで磨き直された浴室

清掃と水栓金物の交換ですっかりきれいになった浴室は、きれい好きな奥さまが本当に喜んで下さいました。浴槽はジャクソンのものですが、ジャクソン社にお願いしてバフ研磨して貰い、新品のような白い輝きを取り戻しています。

カーテンのついた主寝室

マナトレーディングのマナテックスブランドから一緒に選ばせて頂いたカーテンとレースが吊られた主寝室も、インテリアがきれいに纏まったと喜んで下さいました。

特注建具の吊り込みと特殊左官仕上げ

代々木上原I邸

代々木上原I邸は、竣工お引き渡しまで秒読み態勢となってきました。特注の建具の吊り込みが始まっています。

建具吊り込み

廊下からリビングダイニングへの入り口の、不思議なデザインの引き戸が吊られています。実はまだ仕上げ材が貼られていないだけなのですが…。

建具吊り込み

ベルベット状のファブリックパネルが張られると、一気に建具が完成です!

建具の特注取っ手

建具のファブリックパネルと真鍮色の特注取っ手と木の取り合いディテールです。いつも僕らがお世話になっている特注家具や建具専門の現代製作所ですが、サスガの出来です!

建具吊り込み

メゾネット上階のWIC(ウォークイン・クローゼット)隣に設けたSIC(シューズイン・クローゼット)の左右の造作家具と正面の特注建具の吊り込みも終わりました。

左官のアンティコスタッコ壁

建具吊り込みと前後して、壁の特殊左官仕上げも始まっています。仕上げ材は、アイズコーポレーションのエラ・ベネティアーナというアンティコ・スタッコ(大理石を細かく砕いた粉を使った左官仕上げ)です。

左官のアンティコスタッコ壁

石膏ボードの壁下地に、一度白く下塗りをして、2度目は今回選んだ薄ピンクの下地を塗って、最後にワザと鏝ムラを付けながら仕上げていきます。

ダウンライト照明のシューティング

アンティコスタッコの仕上げはとても繊細なので、天然光が入ってこない玄関ホール空間では、ダウンライト照明の向きを変えて仕上げ状況を確認させて貰いました。

左官のアンティコスタッコ壁

ほぼ仕上がったキッチン周りのカーブ壁周辺です。
カーブした壁の右側に穴が空いた小さな扉が付いていますが…、

内部にニッチをつくり、インターフォンとガス給湯器、エアコン、セキュリティースイッチを入れて、

スイッチボックス

インターフォンの音とモニターだけが見えるように小窓を開けた扉が付いているという仕組みにしています。

吹き抜け空間の骨格とスイッチコンセント確認

関西I邸

壁と天井下地が組み上がっただけの大空間の中で、お客さまのIさまご夫妻と照明のスイッチとコンセント位置の確認をさせて頂きました。

この写真では何がスイッチでどこにコンセントがあるか分かりにくいのですが…、

竹田さんが事前に用意しておいてくれた、このコンセントとスイッチのシートが壁下地に張り付けられているので、それを見ながら照明スイッチ等の流れを確認させて頂きました。

これまでの図面でのお打合せでは、照明器具とスイッチの連動はこのような図面を使って打ち合わせをしてきましたが、専門家でないと中々理解することも難しい図面ですので、今回のように壁下地が立ち上がった時点で現場でお客さまと一緒に空間を歩き回りながら確認するようになりました。

壁のボードが張られていない状態では、ある意味壁をすり抜けて歩くこともできるので、スイッチの位置関係が中々分かりにくいのですが、工務店の現場監督さん達にも手伝って貰ってご説明致しました。

この写真のトンネルのような空間が、元々二つの隣り合った住戸だったものを連結させて部分となります。

居室が並ぶ奥の部屋には、既に東京バススタイルにお願いしていたオーダーユニットバスが据え付けられており、給排水管も接続されています。

ユニットバスの背面にある主寝室で天井の形状やエアコンの位置関係などを担当スタッフの竹田さんが説明してくれています。

灰色のボックスがユニットバスで、その上に半分乗り掛かっているような木製の箱が既存の天井裏ロフト収納です。赤く塗られた鉄骨の梁がロフト収納を支えるために十字に走っています。

ロフト上からのぞき込んだオーターユニットバスの天井です。ピンク色の管が伸びた先に四角い形の周りに黒いゴムが付いているのが天井点検口で、ピンクの管の途中で天井が四角くくりぬかれている部分が浴室乾燥暖房機ユニットが取り付けられるカ所となっています。珍しいアングルから見たユニットバスです。

スイッチコンセントの打ち合わせで、幾つかのコンセントが追加され、インターネット用のモデルとルーターの設置場所も決めることができました。新しく追加されたコンセントを書き込んだ最新の指示図です。

この日はオーダーキッチンをお願いしているリネアタラーラの牧野さんも、現場実測に来てくれていたので、キッチンのことも一緒に説明させて頂きました。

こちらはお客さまのIさまがいらっしゃる前に、事前打ち合わせをしてくれている牧野さんと竹田さんの様子です。寸法的に大きな問題はありませんでしたが、キッチンの袖壁際にある給気口をどう処理するかを早急に考える必要がありそうです。

お打合せ後に、お近くの仮住まいに伺ってインテリアの主な仕上げ材の再確認を奥さまとさせて頂いた際の様子です。
ここからの何枚かの写真は、お客様がいらっしゃる前に、空間の骨格が見えるよう撮影した写真の紹介です。

キッチンのオープンカウンターに立ってダイニングとリビング側を見たアングルです。ダイニング上を走る鉄骨張りは濃い灰色に塗装して貰います。

玄関ホールからLDKに入ってすぐに見える開放的な空間の様子です。一部天井が低い個所がありますが、その先には高天井の空間が広がり、窓からの景色も全て隣地の公園の緑となっていて、とても開放的な空間になりそうです。

ダイニング側からリビングとその先の居室へと繋がる廊下を見た写真です。赤い鉄骨梁の上に載っているのが以前からあったロフト収納です。折角の吹き抜けに面することになったので、開口部を二カ所に設けて、自然光が入ると共に、空気が流れるように工夫することになっています。

リビング廻りです。正面の壁にはサルバトーリの加工大理石が張られ、造作のテレビボードが設置されます。右手窓際には天井カセット式のエアコンを入れるために天井を一部下げています。

リビング側から見返した玄関ホールです。2本のLGS(軽量鉄骨)の柱の間には、ワンちゃんのケージスペースを設け、その背部には玄関からキッチンへと抜ける通路上にパントリー収納を設けています。

吹き抜けになったリビングダイニングの天井を見上げた様子です。ご主人さまが是非にとのことで、木製のルーバーを組み込んだ天井仕上げを張ってゆくことになります。今から出来上がりが楽しみです!