Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

岸和郎氏設計の清澄の家訪問

見学記

建築家・岸和郎氏が2006年に設計した清澄の家のオーナーが知り合いだと分かり、お願いして住宅の内部を見学させてもらいました。以前、近くを通りかかった際にも、船のような開放的でモダンな住宅で、何とか内部の空間を見たいものだと思ったことがありました。

個人宅ではありますが、5階建てで1・2階は賃貸スペースとして利用し、3階は和室とオフィスとゲストルーム、4階はリビングダイニングとキッチン、5階は主寝室とクローゼットと浴室・洗面、そして屋上階という構成になった大規模な住宅です。

こちらが船の内部のような、開放的で川面に面したリビングの空間です。三面ガラス張りの空間で、冬なのに快晴だったので、暑いくらいにポカポカでした。川を行き交う船が良く見えて、べラダンだから手を振ると、船客が手を振りかえしてくれるのが何とも楽しい経験でした。

同じ階のキッチンです。景色と解放感を重視したキッチンで、軽食用のカウンターコーナーもあります。裏面には収納量十分のパントリーがあり、洗濯機があるユーティリティーへと繋がった回遊動線が用意されています。

3階のオフィスです。ご夫婦がそれぞれ別な用途で使えるように、中央の可動式パーテーションで分割可能となっています。ご主人はもっぱらプロジェクターとスクリーンでテレビを楽しみ、奥さまは大好きな美術書を見ながら執筆活動をすることが多いそうです。

全てがモダンな空間のようですが、3階にはこのような素敵な和室もあります。細い廊下の先の扉を開けると、通り庭があり、その奥にこの和室が現れる仕掛けとなっています。実はご夫妻とも有名な日本のアンティーク品のコレクターなので、どの部屋にも素敵な家具や置物、藍染めの布などが置かれており、それがまた素晴らしい味付けとなって、岸和郎さんのモダンな空間をご自分たちの色に上手に染めていらっしゃいました。

屋上も船上を思わせる開放的な空間ですが、ここにもすごい仕掛けがありました。なんと流れるプールが設置されていました!左側の吹き出し口から水が吹き出し、ずっと一定のスピードで景色を見ながら泳いでいられるようになっているのです。この写真では切れてしまいましたが、右奥には建設中の東京スカイツリーが見えるので、それを見ながら背泳ぎもできそうでした。

六本木T邸 解体準備

六本木T邸

本日から工事着工となっと六本木T邸で、設備や電気の機器取外しなどの解体準備が始まりました。早めに現場に入った設計側で、三色のテープで「撤去」・「保存」・「移設保存」を指示し、図面と照らし合わせながら現場監督のTさんと解体業者さんと確認して回りました。

例えばこのキッチンの写真では、向かって右側と正面のキッチンキャビネットや吊戸棚は「移設保存」、向かって左側のキャビネットと壁は解体となります。

ベージュ色が「保存」、緑色が「解体」、オレンジ色が「移設保存」としています。

マンションリフォーム解体図

テープの印だけでの確認だと、作業中にテープが剥がれて判らなくなってしまうこともあるので、こちらで準備しておいた解体指示図も一緒に確認して回りました。通常は床・壁・天井・造作と撤去要素が多いので二枚に図面を分けますが、今回は比較的シンプルな解体なので、図面一枚で済みました。

確認して回っている最中から、自動火災報知機(自火報)の取り外しが始まり、同時にスプリンクラー撤去の準備が進められています。

リフォーム・リノベーション スーパー講座の連載スタート

ニュース

あけましておめでとうございます。昨年末に発売された建築知識2011年1月号から「リフォーム・リノベーションスーパー講座」の連載が始まりました。

建築家の視点に立ち、リフォーム・リノベーションへのこれまでの取り組みを整理した特集となっています。第一回目の今回は「拡大する市場」としてどこを取っ掛かりにして建築家がリフォームへの参入できるかを書いてみました。

リフォーム専業の会社、営業力のある大手不動産系やハウスメーカー系のリフォーム屋、設計施工体制の工務店にどのような特徴を持って臨めば、設計事務所のリフォームが浸透するのか、これまでの実体験で学んだことを整理して書いてみました。

特に実績が多いマンションリフォームや、ニューヨークの設計事務所で学んだワンランク上のリノベーションについての考え方を紹介しています。書店に並んでおりますので、どうぞ手に取ってご覧ください。