Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

造作家具(造り付け家具)の作り方

日本家屋リフォーム

中野区の和風リフォーム工事もいよいよ終盤に差し掛かってきました。いわゆる造作家具(造り付け家具)といわれるものには、大きく二通りの作り方があります。

  1. 家具屋が工場で作った家具を、現場で組み上げる方法
  2. 大工が現場で作って、そのまま設置する方法

1の場合、工場で正確な図面を元に作るので、引出しのスムーズな開閉などに通じる寸法の正確さや、工場塗装で仕上げるカウンターや面材の美しさが特徴になります。ただ、時間が掛かるのと、費用が高めになってしまう傾向があります。
2の場合は、現場で大工が組み上げるので、その作業に時間が取られることや、細かい精度には問題があります。ただ、今回のように壁や床が歪んでいる場合は、現場に合せての調整も可能なので、フレキシブルな対応が可能となります。

どちらの方法にも一長一短ありますが、今回は上記の歪みの問題や、費用・時間の問題があったので、2の大工さん方式で進めています。写真は本棚を組み立てているプロセスと、床の間に設置した様子です。

現場での作業では、難しいディテール(詳細)や複雑な金物、引き出しや扉の多用は難しいので、なるべくシンプルな作りになるように工夫しています。特に今回は全体の雰囲気の統一感が重要なので、大工さんや仕上げの塗装屋さんには、その点を特に説明して作ってもらっています。

リフォナビの特集に掲載

リフォーム

リフォーム関連のホームページの老舗、「リフォナビ」のマンションリフォーム特集に、カガミ建築計画のデザインリフォーム事例が取り上げられました。リフォナビでは、リフォームに関連する特集を定期的に組んでいるそうです。今回はその第六弾としての「マンションリフォーム あ・ら・か・る・と」という特集だそうです。

中古マンションを、ライフスタイルにあわせてりフォームしたい、でも管理組合の規約や、構造的にいじれない柱や梁などの問題をどうすべきか?そんな問題にリフォームのプロがアドバイスする内容となっています。6人のリフォーム専門家の一人で、「構造上の制約を解消するデザインリフォーム 」のプロとして紹介して貰っています。

取り上げられた事例は「白金台T邸」と「小石川S邸」です。 どちらも構造的制約を、造作家具や建具で
上手く隠し、仕切って対処するリフォームデザインとなっています。このような形で紹介されるのは、嬉しいような、照れるような不思議な感覚がしますね。

旧い窓の中の新しい窓

日本家屋リフォーム

住宅が建った当初は、南側に大きな庭があり、庭に面して広縁があったそうです。僕達がリフォームで調査に入った時点では、広縁は壁で閉じられ、横長の窓が作られていました。その窓の正面には、アパートが建てられており、採光は望めず、プライバシーの問題もあって、開閉もままならない状態でした。
そこで今回のリフォームでは、まだ光が入り込む欄間を残し、横長の一連窓は、洗面や浴室の換気のための一部を除き、他は全て塞ぐこととしました。

リフォームの費用の問題もあったので、外壁にはなるべく触らない方針で設計を進めています。新しい窓の設置は、既存の窓のサッシ枠の中に木製の枠を組み、その中に新規窓を入れるという
工法を採用しました。

窓の大きさはリフォーム前より小さくなりますが、新しい窓はペアガラスで断熱性がアップし、
飛散防止フィルム貼りで防犯性がアップと、高機能化しています。塞いだ窓の部分は、内部に断熱材を詰め、ガラスには目暗フィルムを貼って処理する事となりました。