Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

床脇棚と蛭鐶(ひるかん) お茶室リフォーム-8 

お茶室リフォーム

お茶室リフォームの細かい部材の説明を致します。床脇の棚板と釣棚が据付られました。釣棚にはあと晒竹(さらしたけ)の釣竹が付くことになります。
茶の湯の座敷は一般に、4畳半を境に広間(書院風)と小間(草庵風)に分けられますが、四畳半はどちらにも属する広さなので、趣向によって広間にも小間にも使えます。

お茶室の床と床脇

S邸茶室は書院調に近い意匠(デザイン)としていますので、床脇を伴う床構えとなっています。

下げ振り

本日は天井に付く蛭鐶(ひるかん)の位置を決めてきました。蛭鐶に筌を掛け、釜を吊ったときに、
必ず筌の中心と炉の中心が合わなければいけないので、蛭鐶の取付中心を正確に決める必要があります。蛭鐶から下振(さげふり)を使って、少しずつ調整しながら位置出しをしています。

お茶室の詳細(ディテール) お茶室リフォーム-7 

お茶室リフォーム

お茶室リフォームには、細かい取り決めがあります。お茶室には、床の間に掛軸を吊るしたり、花入れを掛けたりするために特別に名前のついた金物が幾つもあります。
それぞれ取付ける位置について約束事があり、茶道の流派やお茶室の間取りによっても寸法や比率が変わってきます。

お茶室の金物類

本日はお茶の先生であるお施主様に立ち会っていただき、実際取付ける金物を見ながら、取付け位置を現場で決めてきました。因みに金物類は、全てオーダーメイドで、お施主様が昔から付き合いのある茶道具屋さんに作ってもらいました。

お茶室の畳縁

色々なお茶室の写真を見ながら左官材の色見本や、畳表と畳の縁のサンプルを確認し、これから内部の仕上げ材をイメージしてゆきます。縁のデザインによって、その場所の格が決まってしまうので、色々な習い事を教えて頂きながらの慎重な作業です。

お茶室の寸法(スケール) お茶室リフォーム-6 

お茶室リフォーム

お茶室に新しく入れる炉縁(ろぶち)が搬入されました。お茶室リフォームには、寸法の決め事が
沢山あるので、それらの幾つかを紹介いたします。

炉縁

お茶室の炉の寸法は桃山時代から決まっており、外寸1尺4寸(424ミリ)角という寸法が本日まで守らてきたそうです。お茶室にはこのような昔から守られてきた寸法や比率があり、この機会にそういったものを作りながら学べるのは、難しくもありますが、日本文化の底深い奥を見ているようで、とても感慨深いものがあります。
全体の進捗状況としては、入口脇と床の間の下地窓も据え付けられ、大分お茶室の骨格が見えて参りました。

畳の採寸

大工工事で枠が決まってきたので、建具屋さんと畳屋さんが寸法を測りに来ました。建具は、測った寸法を元に工場で障子・襖を作り、また現場に持ってきたときに削り合わせて調整する事ができますが、畳はそうは行きません。寸法の取り方も建具屋さんとは違って、竹尺とレーザーを使って、何度も何度も確かめながら測っている姿が印象的でした。