Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ジャクソン・Tフォルム・セラ・リネアタラーラ・アルクリネア

渋谷R邸

渋谷R邸のお客さまご夫妻と一緒に、水回り設備とキッチンのショールーム巡りを行いました。

ジャクソン浴槽ショールーム

まず最初に行ったのは、南青山にある高級アクリル製浴槽のジャクソンのショールームです。大きな浴槽のメリットとデメリットの話をさせて頂きました。
メリットとしては、体を伸ばしてストレスなく入浴できること、お子さまが生まれた後も複数人数で一緒に入浴できること等となります。それに対してデメリットは、お湯を入れるのに時間が掛かること(浴槽サイズによっては自動給湯で30分以上掛かることも)、入れた途端からお湯が冷めてしまうこと、浴槽の掃除が大変なことなどがあります。とはいえ、折角広い浴室を実現できるのですから、楽しみのある大型浴槽を検討すべきだとお勧めしております。

ジャクソンのマイクロバブル体験

ショールーム内には、実物展示としてマイクロバブルの実演浴槽があるので、そちらもお二人に見て頂きました。マイクロバブルは、体が温まりやすい、体を擦らないでも体の汚れが取れやすくなるなどのメリットがあると言われています。浴槽下に専門の機械を入れる方式と、給湯器自体にマイクロバブル機能をつける方式があります。奥さまはとても強い興味を持たれていました。

ジャクソン一人用浴槽

それに対して、こちらの超コンパクトな一人用の浴槽にご興味を持たれたのはご主人さまでした。先回のブログで書いたサウナに強いこだわりがあるので、この一人用浴槽を設置できれば水風呂に入れるのではとのお考えがあるようです!

Tフォルム水回り設備ショールーム

次に伺ったのは、元麻布にあるTフォルムのショールームです。こちらは輸入物の水栓やボウル、便器などを扱う会社ですが、ドイツ製の鋼製ホーロー浴槽のカルデバイを多数展示しています。

鋼製ホーローのカルデバイ浴槽

鋼製ホーローは傷に強く、対候性もあるので、ショールームの奥の坪庭に沢山の浴槽が置かれているのです。

カルデバイ浴槽体験

僕らが良く採用しているこちらのメガデュオは柔らかい形と、体にフィットする感覚が良いとお二人とも気に入ってくださいました。

Tフォルム水回り設備ショールーム

水回り設備以外にもスタイリッシュな建築金物のフォルマーニなども扱っているので、一通りご案内頂きました。

セラ水回り設備ショールーム

次に訪れたのは乃木坂のセラ・トレーディングです。TOTOの子会社で欧州や米国の輸入水回り設備を多数扱っている会社です。

セラ水回り設備ショールーム

こちらでは、水栓と洗面&手洗いボウル、シャワーなどを体感して頂きました。

リネアタラーラショールーム

こちらは別日ですが、世田谷の用賀にある高級オーダーキッチンのリネアタラーラのショールームもご一緒しました。

リネアタラーラショールーム

電気調理器機や小物類をうまく隠せる仕組みはとても喜んで見てくださいました。

リネアタラーラショールーム

ご主人さまはとにかくカッコよいキッチンを、奥さまは使っていても整理整頓しやすく、生活感を隠せるようなキッチンが良いとのご希望でした。ゴミ箱の収納方法は沢山のバリエーションが展示されており、どれが良いかアーダコーダとお話ししながら見比べさせて頂きました。

イタリア最高峰キッチンのアルクリネアショールーム

僕らはご一緒できませんでしたが、先日出来たばかりのショールームを見学して感銘を受けたイタリア最高峰のオーダーキッチンのアルクリネアも予約してみて来て頂きました。
まずは手始めに、最高級品からコストパフォーマンスが良いもの、使い勝手優先なのか、デザイン優先なのか、多種多様な水回り設備ツアーをさせて頂きました。ここから提案と見積りを比較しながら、お二人の考えを伺って、取捨選択してゆく作業となります。

インテリア雑誌「I’m home.」114号に渋谷区Q邸掲載!

渋谷区Q邸

昨日発売になったインテリア雑誌「I’m home.」114号(2021年11月号)に弊社の設計のマンションリノベーション事例渋谷区Q邸が掲載されました。

インテリア雑誌「I'm home.」に掲載

「色と素材が導く、心地良い暮らし」という特集の巻頭に「素材が響きあうシックな空間にブルーが際立つ」というサブタイルでの掲載となっています。

インテリア雑誌「I'm home.」に渋谷区Q邸掲載

背中が見えている2脚のラウンジチェアは、お客さまが一目で気に入って購入が決まったモルテーニのケンジントン、ソファのクッションは奥さまがナショナルインテリアで誂えて下さったもの、ラグはサイズ違いで大変苦労したジャイプール、壁の海の絵は以前からお手持ちのアートで、それらがリビングのブルーの要素となっています。

インテリア雑誌「I'm home.」に渋谷区Q邸掲載

色と素材の特注とのことで、バイオエタノール暖炉とテレビを纏めた壁周りのハイテグラ(フッコー)とサルバトーリ(インテリアーズ)、床材メーカーの望造に特注オーダーしたヘリンボーン・フローリングのアップ写真も載せて貰っています。

インテリア雑誌「I'm home.」に渋谷区Q邸掲載

キッチン周りは、お客さまもとても気に入って下さっているピール加工のエンペラドールダーク(大理石・日本辰華)のキッチンカウンターと、家具&壁面に使ったリストネジョルダーノ(ADワールド)のフローリング材の組み合わせを中心に紹介してくれています。キッチン本体は、オーダーキッチンのリネアタラーラにお願いしましたが、部分的には造作家具の現代製作所が入り、2社共通で日本辰華に大理石を頼むという変則的なチーム編成で作り上げたキッチンです。

インテリア雑誌「I'm home.」に渋谷区Q邸掲載

これまでブログでもあまりご紹介できていなかった寝室周りもブルーのイメージでとても上手に撮影してくれています。

インテリア雑誌「I'm home.」に渋谷区Q邸掲載

最後のページは玄関ホールから廊下を経て、キッチン、ダイニングへと一直線に抜ける写真です。お客さまが選んでくださったジノサルファッティの照明と、弊社副所長で担当だった竹田さんデザインの姿見が素敵にマッチした空間となっています。

インテリア雑誌「I'm home.」2021年11月号

こちらが雑誌の表紙です。密かに表紙も狙っていたのですが、適いませんでした…。

インテリア雑誌「I'm home.」に渋谷区Q邸掲載

最後のデータ欄では、お知り合いの直井建築設計事務所のお隣に掲載して頂きました。担当だった竹田さんは、学生の頃から直井さんご夫妻と仲が良かったので、このデータページの偶然もとても喜んでおりました!

雑誌「I’m home.」に掲載された過去の事例ブログは以下の通りです。

・外苑前C邸_「I’m home.」リノベーション特集号掲載

・元麻布I邸_「I’m home.」リノベーション特集号掲載

・代官山T邸_「I’m home.」リノベーション特集号掲載

インテリア素材と色味決めの進め方

目黒区O邸

現在設計進行中の大型マンションリフォームの目黒区O邸ですが、リフォーム間取り図と展開図デザインと平行して仕上げ材の選定打ち合わせが続いています。

カーペットのフォアベルクショールーム

こちらは五反田デザインセンター内にある、ドイツ製カーペットのフォアベルクのショールームです。

マンションリフォームの仕上げ材打合せ

実はショールーム見学前は、白金台のカガミ建築計画事務所で仕上げ材と色味の打ち合わせをしていました。一般にリフォーム・インテリアでは、面積の大きい床や壁、天井の素材と色味から決めるようです。ただ、壁や天井はクロス(ビニールクロス)や塗装であれば、見積り金額は想定で入れることができ、最終的な色は工事の途中でも間に合うので、床のフローリング材を最初に決めることが多いようです。
カガミ建築計画では、最初に置き家具の色や素材からスタートすることが多いです。というのは、床材や壁材は小さなサンプルで見ても、その素材で空間全体が覆われた時のイメージが湧きにくいのに対して、家具選び(勿論、お手持ちの家具からスタートすることも多いです)は洋服選びと似ているところがあり、実物サンプルを見ながらファブリクやレザーの触感、座り心地や高さ、重たさなどを実感することができ、価格も分かりやすいからなのです。今回は先日のブログでも書いた通り、一目惚れでほぼ決まった家具があるので、その家具が映えるバックグラウンド作りというイメージでインテリア素材を考えています。

マンションリフォームの仕上げ材打合せ

モルーテニでほぼ決まった家具のサンプルシートを机の真ん中に置き、その色味とうまく馴染む色味や素材、そしてその色味を引き立てくれる色味や素材のコンビネーションを並べながら、お嫌いなものがあれば取り除いてを繰り返してゆきます。

目黒区O邸の展開図

平面図と展開図にも暫定的にでも決まった素材があれば、色付けしていきながら、家具サンプルと見比べて調整してゆきます。

ソファ等の大型家具はボリュームも大きくなるので、素材と色味の大きな要素菜になるので、どのブランドのどのスタイルで進めるのか、見積りも合わせながら検討してゆきます。

マンションリフォームの仕上げ材打合せ

素材と色味については、あくまでも購入する家具を前提としていますが、大よそ組み合わせが決まってきたところで、実はまだ見ていなかった床のカーペット素材のことをお話ししていたところ、やはり実物サンプルを見比べてみたいとの話になり、急遽ファオベルクを扱っているアーテリアに電話して「今からお客さまと一緒にショールームに伺ってよいか」と問い合わせて行くことになった次第です。

カーペットのフォアベルクショールーム

仕上げ材のイメージマッチングをもうすでに3度ほどしていたので、これだけ沢山の色と質感がありましたたが、すぐに候補となるカーペットサンプルを選ぶことができました。

カーペットのフォアベルクショールーム

リビングのソファ下に来るカーペットの候補がこちらの3種類です。

マンションリフォームの床素地検討

一応、他にも合うものがないかを試しに取り出して見比べてみましたが、色の濃淡はあってもグレーから紺色に傾いたカーペット三種のどれかが良いだろうとの話に落ち着きました。ただ、窓が小さいショールームの照明の光では正確な色味が見えないので、大判サンプルをショールームから借りて、次回の現地での打合せ時に見比べようとのことになりました。

マンションリフォームの床素地検討@現地

そして、これが後日現地床にカーペットサンプルを並べて、ソファの張地サンプルと見比べながら、工務店・の石坂さんや片岡さんとも自由に意見を述べて貰いながら、考えを纏めてゆきます。

マンションリフォームの床素地検討@現地

最終的には、一番右端のこちらのカーペットで進めようとのことになりました。実はまだ家具(ソファ)もこの時点では購入までは進んでいませんでしたが、カーペットがこの色なら、ソファもこの組み合わせだろうとのことで、同じタイミングでソファも決定となりました。

マンションリノベーションの概算見積りご提示

まだここまで本決まりになっていない素材ばかりでしたが、スケジュールのことや全体予算のこともあったので、暫定の仕上げ材での見積りを施工会社の青さんにお願いしていました。

概算見積り書は3通あり、それぞれ、どこをどの素材とした場合か、またどの範囲までリフォームした内容かを神崎さんがお客さまに説明してくれました。当初予算よりは家具なども含めるとオーバー気味だとのことでしたが、考えていた浴室の仕様が今の段階ではできないことが分かっていたので、浴室とセットになる洗面も今のままでの使用は十分可能なので、それを何年か後に回すことで、LDKと玄関廊下の空間クオリティーを重視したデザインで進めようとの方針が決まりました。

マンションリフォーム工事着工前の記念撮影

工事契約と設計契約はまだでしたが、基本的な方針が決まったので、関係者皆で記念撮影をさせて頂きました。左から工務店・青の片岡社長、現場監督の石坂さん、弊社の設計担当の神崎さん、Oさまご夫妻に私、各務です。
ここから先のプロセスもどうぞ宜しくお願い致します!