Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

雑誌「I’m home.」の取材撮影風景@渋谷区Q邸

渋谷区Q邸

先日、インテリア雑誌「I’m home.」に渋谷区Q邸が掲載されたことをブログで告知しましたが、その一か月半ほど前に撮影&取材に来てもらった際の様子です。


実は今回発売された114号から、編集長が名物編集長と言われた角田絵理沙さんから、大南真理子さんに変わったのです。ただ、取材が決まった際も角田さんで、撮影当日も角田さんのディレクションでしたので、撮影時には編集長が変わることもこちらは伺っておりませんでした…。

以前であれば、撮影の1~2週間前に、事前視察をして、足りていないアートや調度品などをお客さまにも伺った上で、編集部側で用意して貰うのですが、今回はコロナで事前のゲネプロ(事前調査)ができなかったので、ぶっつけ本番でのインテリアセッティングとなりました。
レイアウトや調度品の飾り方、そして何よりカメラマンの撮影アングルに対しての角田さんのコダワリは相変わらずの迫力でした!

ナカサアンドパートナーズのカメラマンの方に撮影して頂くのは、これで2度目になります。お客さまご夫妻もどのように撮影してゆくのか、興味があるとのことで、会社を休んで(?)終日の撮影にお付き合いくださいました。

撮影の合間には、編集部の尾崎さんがお客さまご夫妻にどのような経緯でリノベーションを考えたのか、数ある設計事務所やリノベーション会社の中から、どうやってカガミ建築計画に絞ったのか、打ち合わせではどのようなご要望を伝えたのか等々、僕らも伺いたかったお話しを1時間ほどかけてヒアリングしてくれました。

僕らもQさま邸に伺ったのは約半年ぶりで、以前は家具や調度品がなく、生活感も感じられない空間だった寝室やクローゼット、シューズインクローゼット(SIC)なども、今回の撮影のタイミングで一緒に撮影させて頂きました。

主寝室奥のご夫妻のウォークインクローゼットや、

玄関横にある大容量のSICもご参考までに撮影させて頂きました。棚板はまだ多少の余裕はありますが、手前がご主人さまで、奥が奥さまというレイアウトで、ほぼいっぱいになっていました。

リビングの隅に設けた書斎コーナーもお二人のお手持ちのコレクションや本、調度品で素敵にコーディネートして下さっていました。

来客用トイレもアートや水回り小物が入って、とてもう良い雰囲気です。

この日はご夫妻お二人ともがお宅にいるとのことで、これからコロナが収まった後にホームパーティーを開く可能性のことも考えて、僕、各務の義理の姉で、イタリアンの出張料理人の岸本恵理子さんをご紹介させて頂きました。彼女は材料は持ち込みで、調理器具やお皿やカトラリーはなるべく訪問先の物を借りて料理を作るスタイルなので、この機会にキッチンを見て貰いました。

キッチン奥の調理機器やオーブンなどの仕様も見せて貰います。

特に大皿や大きなパスタを茹でる鍋、フライパンなどは重要なので、どのようなものが揃っているかをチェックさせて貰っていました。
朝9時から夕方4時まで掛かっての取材撮影でしたが、途中インタビューや、出張料理人の訪問、またここでは書いておりませんが、電気屋さんも入って照明の不具合の修理などもお願いしたので、あっという間に時間が過ぎていきました。
編集長の角田さん、長い間雑誌「I’m home.」を引っ張っての活躍、どうもお疲れさまでした。そして長時間の取材撮影に快くお使いくださったQさまご夫妻、どうもありがとうございました!

KONARAHOUSE茅ケ崎ショールーム訪問

湘南T邸

リゾートマンションリフォームプロジェクト湘南T邸の施工会社として白羽の矢を勝手に立てさせて頂いたKONARAHOUSEの茅ケ崎ショールームをTさまと一緒に訪問させて頂きました。

コナラハウス茅ケ崎モデルルーム訪問

コナラハウスの小形さんご夫妻とは、2017年7月にあるインテリア関係の集まりで初めてご挨拶をさせて頂きました。当時は、コナラさんのことは存じ上げていなかったのですが、コナラハウスのプレゼンテーションを見て、トラディッショナルなインテリアをベースに、コンテンポラリーな色使いや素材を取り入れ、トランジッショナル(伝統と現代の融合)スタイルに昇華させるデザインに大きなショックを受けました。プレゼンテーション後にご挨拶に行こうとしたら、小形夫妻からこちらに寄ってきて下さり、「以前より、カガミ建築計画のブログのファンでした」といって貰って以降のお付き合いなのです。こちらに湘南エリアでご相談があったお客さまをコナラさんにご紹介したプロジェクトがうまく進んで、お客さまからも小形さん達からも感謝されたこともありました。お客さまをご紹介差し上げた経緯がコナラさんのブログの記事になっています…。

コナラハウス茅ケ崎モデルルーム訪問

その後も、インテリア関係のセミナーなどでお目に掛っていましたが、実力が広く認知されるようになり雑誌「I’m home.」や「Real Kitchen」や一般誌でも取り上げられることが多くなり、いつか何かのプロジェクトでご一緒したいですねと連絡を取り合っておりました。

KONARA HOUSEモデルルーム訪問

そんな時に、湘南T邸のお話しがスタートして、施工会社としてお願いできないかをコナラハウスに相談させて貰ったところ、是非ご一緒したいとのお返事を貰いました。とはいえ、お客さまとの相性もあるので、まずは僕らが都合がつかなかった土日の日程で、Tさまご夫妻お二人で茅ケ崎のモデルルームを訪問して頂き、とても気に入って頂いたことを確認したうえで、改めてTさまと弊社担当スタッフの前田君と僕の三人でショールームを訪問させて頂きました。

コナラハウス茅ケ崎モデルルーム訪問

まずは先に着いた前田君と僕でザッとショールーム内を見学させて頂きました。以前はご自宅を兼ねたショールームだったので、毎回の片付けが大変だとの話は聞いていたのですが、今は違う場所に小形一家は引越して、こちらはショールーム兼、撮影スタジオとして使っているとのことでした。

コナラハウス茅ケ崎モデルルーム訪問

当時は、色々な場所をご夫妻でインテリア雑誌や本を見ながら住みながら手を加えて行ったそうで、大変だった分楽しさも沢山あったとの話を聞かせて貰いました。

コナラハウス茅ケ崎モデルルーム訪問

Tさまがいらしてからは、家具の作りや金物の使い方等、専門的なことも確認しながら、ご一緒に改めてお部屋を回らせて頂きました。

コナラハウス茅ケ崎モデルルーム訪問

Tさまご夫妻のお好みのインテリアテイストとも合う部分も多々あり、実際の物を見ながら設計を相談できる強みを改めて感じておりました。

KONARA HOUSEモデルルーム訪問

小形ご夫妻がかつては実際に使っていた寝室です。さすがにTさまはこれは黒くてシャープ過ぎて、リゾートライフには合わないと仰っていました。

KONARA HOUSEモデルルーム訪問

廊下を腰壁や塗装で装飾し、天井を木張りにするアイデアは、どこかで是非取り入れたいとのお話しもありました。

コナラハウス茅ケ崎モデルルーム訪問

約25~6年前にニューヨークのCicognani Kalla 建築事務所で修業していた頃は、このような腰壁やケーシング付きのパネル装飾建具の設計もしていたので、慣れ親しんだデザインではありますが、担当スタッフの前田君はこのようなデザインは初めてなので、細かい取り合いのことを小形さんたちに根掘り葉掘り聞いていました(笑)。

コナラハウス茅ケ崎モデルルーム訪問

楽しいインテリアや空間の工夫がいっぱい凝らされたモデルルームで、周囲の緑も相まって、日本にいることを忘れてしまうようなひと時でした。因みにこちらは2階の廊下突き当りに設けられたアトリエコーナーです。

KONARA HOUSEモデルルーム訪問

モールディングやケーシングを多用して、洋風な住宅を提案する作り手としては、輸入住宅というジャンルの会社があります。ただ、彼らはほぼすべての建材や素材やデザインを輸入先の北米や欧州に頼っているので、日本の暮らしと合わせる部分で齟齬があったり、デザインがパターン化されていることで、モダンな要素を取り入れることが難しい等の問題がありました。それに対してコナラハウスは、小形夫妻が自宅でのトライアンドエラーを繰り返しながらの実験と、モダンインテリアを研究することで、見事に日本風のトランジッショナルスタイルを作り上げることができていることが、大人気の秘密だと実地で理解することができました。

コナラハウス茅ケ崎木工場訪問

モデルルームの対面には、大きな納屋のような建物があり、内部がこのような加工場となっています。

コナラハウス茅ケ崎工場訪問

KONARAHOUSEの社員でもある職人さんが3人ほど造作家具などを作成中でした。

コナラハウス茅ケ崎材木小屋訪問

ウッドショックの影響も多少あるとのことでしたが、内部造作材などは小形さんが気に入ったものをある程度買い貯めしているとのことでした。

コナラハウス茅ケ崎モデルルーム訪問

最後のこちらの写真はおまけで、ポーチのブランコベンチで寛ぐ僕、各務です。
仕上げのレベルや隠れる部分の作り方、造作家具の金物等、カガミ建築計画が考えている施工レベルの空間を十分に作れる力があることが判り、会話の中でもお客さまのTさまとコナラ・小形さんたちの相性も良いことが分かったので、これから見積り作業に入って貰いますが、基本的にコナラハウスで施工を考えてスケジュールも組み立ててゆくことになりました。Tさまご夫妻、そして小形さんご夫妻、どうぞ今後とも宜しくお願い致します!

最短記録(?)3回のショールーム訪問でオーダーキッチンの内容決定!

目黒区O邸

目黒区O邸の大型キッチンは、早い時点でお客さまがリネアタラーラのデザインと考え方、そして担当者の牧野さんを気に入って下さったので、脇目を振らずにリネアでの打ち合わせを進めています。

リネアタラーラショールーム打合せ@目黒区O邸

初回のショールームは、土日で僕らとタイミングが合わなかったのでOさまご一家だけでのご訪問でした。当初のキッチンラフ案に、お客さまからのご意見と、リネアタラーラの牧野さんからのフィードバックを加えた案を練った上で、2回目の訪問は僕と担当の神崎さんと一緒に伺わせて頂きました。

リネアタラーラショールーム打合せ@目黒区O邸

今回は3回目の訪問となりますが、収納やシンク等の使い勝手を確認しつつ、仕上げ材を大まかに決めたうえで、概算見積りを依頼するための打ち合わせをさせて頂きました。

リネアタラーラ_オーダーキッチンの仕上げ材仮決定

ダイニングに面する対面側のシンクカウンターは、天板は最初からご主人がとても気に入って下さっているステンレスのホットバイブレーション仕上げで、キッチン内側の仕上げはメンテナンスとコスパを考えてメラミンで、ダイニング側は見映えの美しさとダイニングらしさの演出の為に塗装とカラーガラスで検討しています。

リネアタラーラ_オーダーキッチンの仕上げ材仮決定

コンロ側については、僕らが良く使っているイタリアのフィアンドレ社の大理石調大判タイルをお見せしたところ、金額的には高くなりそうだが、是非見積りの段階では入れておいて貰いたいとのご希望がありましたので、柱型のカバー部分も含めてスペック・インすることになりました。キッチンに於いては冷蔵庫のサイズや仕上げもキッチン本体と同様に重要なので、まだ仮の段階ではありますが、どの冷蔵庫を採用すべきかも打ち合わせをさせて頂きました。

リネアタラーラショールームでのキッチン詳細打合せ

概算見積りが2週間ほどで出て参りました。それをOさまと僕らで、金額を削りたい部分、設備で増額したい部分を打合せするために、3回目のショールーム訪問を致しました。

リネアタラーラショールームでのキッチン詳細打合せ

ご主人さまこだわりの大型の魚でも捌ける幅1100ミリのシンクに対して、水栓2つをどのようにすべきかの実地打ち合わせもさせて頂きました。

リネアタラーラショールームでのキッチン詳細打合せ

水栓は一つはグローエのJP301101、もう一つは浄水器付きのセラHGM13806Tで2本の水栓の間隔の寸法と位置関係の実験検討を致しました。こういった実験スタイルの打ち合わせは、多様な水栓のサンプルストックがあるショールームならではのメリットですね。

リネアタラーラショールームでのキッチン詳細打合せ

今回は引き出し収納の内寸も見たいとのことでしたので、巻き尺片手に設計している図面と同サイズの引き出しを実測しながら見て回りました。

リネアタラーラショールームでのキッチン詳細打合せ

奥行きの浅い対面カウンターのダイニング側の引き出しの奥行き寸法や…、

リネアタラーラショールームでのキッチン詳細打合せ

高さの浅いカトラリー用引き出しの内部有効高さも見て頂きました。扉を閉じた時にスッキリ見える手掛け引き出しの高さ寸法が浅くなってしまう理由もご説明させて頂きました。

リネアタラーラショールームでのキッチン詳細打合せ

仕上げ材のグレードの再設定と、当初キッチンで検討していたワインセラー収納部分を造作家具で作ることに変更することなどで、キッチン部分に掛ける費用の目標値も見えてきました。

リネアタラーラ_目黒区O邸キッチン図面

早い時点で、お客さまからキッチンとしての内定(実際の発注前ですが、他社との比較検討でリネアに依頼することを決定)が出ていたこと、またコロナ禍でミーレの食洗器の先行発注をすでにしていること、僕らカガミ建築計画とリネアとの関係などから、牧野さんがここまで図面も作ってくれております(通常は、キッチンの契約をしたうえでなければここまでの図面は仕上げて貰えません)。
ここまででほぼ内容が決まったので、次回のお客さまとの現場打合せの際に牧野さんにも来てもらい、キッチンの工事契約を締結して貰うことになりました。

今回はコロナ禍の中でのスピード対応で、お客さまのショールーム訪問は3回(うち僕らが同行したのは2回)で複雑で大型のキッチンの設計と見積り額を纏めることができました。ただ、その裏では、お客さまご夫妻でミーレのショールームに行って頂いたり、施工会社のとリネアと僕ら設計でキッチン中央を貫通するPSの取り合いや寸法確定のためのメールでの大量のやり取りがありましたが…。