弊事務所の設計したマンションインテリアで、ソファで一番人気はイタリアのハイブランドのミノッティが圧倒的です。これまでに採用してきたミノッティのソファの魅力と、マンションインテリアの関係を纏めてみました。
初めてうちの事務所でミノッティのソファを採用したが、こちらの代官山N邸でした。当初はアルフレックの家具でインテリアを纏めたいとのご要望でしたが、とにかくカッコよくスタイリッシュな空間にしたいとのご要望でしたので、試しにミノッティのショールームにも行ってみませんかとお誘いしたところ、ほぼ一目惚れとなりました。
可愛いワンちゃんがいるので、ファブリックの張地はNGとのことで、傷が目立ちにくい黒いレザーベースのシャーマン(Sherman)のソファをご一緒に選ばせて頂きました。低重心で背もたれも低く、ダイニングからの景観を邪魔しないこと、金属製の脚で床からソファが浮いており、クイックルワイパーでの清掃ができること、何よりもオーソドックスで奇をてらっていないデザインをTさまが気に入ってくださいました。ソファ前のセンターテーブルは黒檀突板の天板のカルダー(Calder)と、サイドテーブルとシートを兼ねたシーザー(Ceser)を2脚に、ラグはディベッツ(Dibbets)で、ミノッティで揃えて頂きました。
このアングルの写真だと床からソファが浮いている様子が判りますね。実はちょうどソファーの背面壁にニッチを作り、そこをワンちゃんのコーナーにしてるのですが、ソファが壁にならないように背もたれが低く、下にも隙間があるソファを選んでくださったのかも知れませんね…。
ダイニングテーブルは当初のお客さまのご意向を汲み取って、モルテーニ(アルフレックス社)のダイヤモンドとしましたが、ダイニングチェアはミノッティのフリント(Flynt)、壁面のサイドボード家具もミノッティのモリソン(Morrison)となりました。
Tさまとミノッティの二つのショールーム(当時)を行き来しながら決めた様子をこちらのブログで紹介しております。
次にミノッティのソファを入れたのは、代官山Tさまからご紹介された、お友達のお宅南平台N邸でした。
こちらのお客さまのNさまも、代官山Tさまのお宅を見てからのご依頼でしたので、自然とソファ探しはまずミノッティからとなりました。
ご一緒に選ばせた頂いたのはホワイト(White)のソファでした。これ以降、事務所の定番ともなったホワイト・シリーズですが、ちょうどNさまとご一緒にショールーム巡りをしているタイミングで、日本発売になったと記憶しています。ホワイトの特徴は、①サイドテーブルや、背面テーブルがソファと一体化していること、②ベース(下台とサイドテーブル)とクッションと背もたれが別構造となっており違う張地で張り分けることができることとなっています。
①は当時のイタリア・ソファ界(?)のトレンドとして、ソファを単なる座るための長椅子と考えず、その上で寝転んだり、下で背もたれにして座ったり、背面の背もたれに腰掛けたり、書き物をしたり、軽食を採ったりとリビングダイニングで出来ることをすべてソファに盛り込むという考え方があり、まさにそれを実現した第一弾のソファだったと思っております。N邸のようなレイアウトになると、ダイニングから見ると、窓やテレビ側を眺めようとするとソファが壁になってしまいがちなのですが、普段座る部分にだけ背面サポート入れて、他は低く抑えたり、ソファの背もたれに座ってダイニングの人とお話しをしたり、L字型のコーナーをオープンにすることで、見通しと風通しを良くすることがこのホワイトで実現することができました。
②については、弊事務所ではベースとサイドテーブル部分をレザー(テーブルの一部はラッカー仕上げ)とし、クッションと背もたれはファブリックとしています。レザー張りのソファは高級で長持ちしますが、実はクッション部分については座った時に空気が抜けにくいので、座り心地に問題があったのです(今の新しいソファはその点も改善されています)。ただ、すべてをファブリックで仕上げると、空間全体も柔らかい雰囲気になってしまうので、ベース部分をカチッと角の立ったレザーにすることで、柔らかさと硬質感の二面性をソファに持たせることができるので、その後も多々採用して参りました。
因みに、N邸のリビングではパーソナルチェアはギリアム(Gilliam・廃番) でラグはディベッツ(Dibbets)でした。
南平台N邸のハイブランド家具選びのプロセスは、こちらのブログで紹介しております。
こちらはヤング(Yang)のソファを入れた横浜O邸です。ヤング・シリーズはホワイトと並んで、その後も良くご提案するソファとなりましたが、考え方の基本はリビングの全ての動作をソファに取り込むというホワイトの①の延長の考え方だと思っています。ホワイトに比べると、シートハイト(座面高さ)や奥行きが日本人サイズで座りやすいこと、また、部品の数がとにかく豊富(恐らくミノッティの中でも一番豊富?)でレザーのスティッチ入りのオットマンなどがあり、デザインバリエーションにも富んでいる優れもののソファです。
背もたれクッションにも一工夫されており、折れ目で2つの方向性があり、背もたれに沿って枕のように使っても、反対折にして背もたれとしての強度を保つこともできます。また、レザーのスティッチ張りの差し込み背面も使いやすくなっています。横浜O邸では、ソファはファブリック張りとして、円形のオットマンと差し込み背面とクッションの位置をレザーとしています。お馴染みの シーザー(Ceser) も2本使って頂いております。
横浜O邸のミノッティソファの選び方はこちらのブログで紹介しております。
次はパウエル(Powell)をご採用頂いた六本木N邸です。こちらのお客さまのNさまは、ご在宅の折にはお仕事の一環でテレビを見なくてはいけないとのことで、色々な姿勢でテレビを見ることができるソファということで、ミノッティに白羽の矢が立ちました。また、体格の良いご主人さまが寝っ転がったり、ラグに座って頭をソファにもたれかけても型崩れがしにくいソファということで、パウエルをご一緒に選ばせて頂きました。
テレビ側から見ると、右が長物のソアで、左側に幅広のシェーズロング(ソファの部品で、背もたれに対して座面が長めで、脚や体全体をのせることができるタイプ)として、真ん中には座面と高さがあったパウエルのテーブルを差し込んでいます。ソファの裏面にあるダイニングテーブルに座った時に、間に抜けがあることで、テレビが見やすくなっているのです。
ソファの背面も良く見える部屋構成なので、ソファのベースに金属の線が1本通っていることも、お客さまが気に入って下さったポイントです。ソファの間にテーブルを挟む場合、ちょうどよい位置に床付けのコンセントを仕込んでおくことは、カガミ建築計画の定番となっています。照明器具の配線がソファの背面にダラっと見えないことがデザイン的に重要ですが、最近はソファに座った状態でスマホの充電をなさりたい方も多く、床付けコンセントから延長コードを伸ばしておくと便利なのです。
六本木N邸のソファ選びでは、インテリアのメイズさんにお手伝いして頂きました。当時の様子はこちらのブログに書いてあります。
次にご紹介するのはシーモア(Seymour)を入れた成城Z邸です。Zさまは、このマンションに移る前からミノッティをご愛用とのことで、ご依頼があった時にはすでにアンデルセン(Andersen)のオットマンやプリンス(Prince)のアームチェアもお持ちでした。
ソファはシーモアのレザー張りで、テレビボードはジョンズ・ワイド(Johns Wide)とご指定がありました。上の写真と下の物ではソファのレイアウトが代わっていますが、季節によってソファやその他家具のレイアウトを変えながら、生活を楽しんでいらっしゃるそうです。
クラシカル・エレガントなダイニングとは雰囲気が違っておりますが、とにかくミノッティの家具のクオリティーに全幅の信頼を持っていらっしゃるZ様なのです。
Zさまのお仕事をお手伝いすることになった経緯で、ミノッティのショールームはとても大きなキーポイントなりました。その顛末を書いたのがこちらのブログです。
こちらは弊社では少し珍しい高層マンションリフォームの渋谷区タワーマンションS邸のインテリアです。こちらでは、ソファは大型のL字に組んだヤング(Yang)シリーズです。リビングダイニングにオープンなキッチンを加えると約80平米と、普通サイズのマンションがスッポリ入ってしまうほど大きなLDKで、壁面に設けたテレビも見たいし、高層階からの都心の景色をながら目ながらリラックスもなさりたいとのことで、しっかりとした背もたれで背面にも座れるヤングでソファを構成しました。
拡張性があるのが、このヤングシリーズ、そしてミノッティの魅力なのです。ミノッティは、例年2作ほどソファの新作を出すのですが、基本的に以前に発売したソファシリーズは簡単には廃番にしないので、現在50シリーズほどのソファを販売しています。ものによって違いますが、このヤングやホワイトでは、構成部品は100個以上に上がり、さらに張地もレザーとファブリックで数えきれないほどありますので、拡張性があるのです。ひと頃流行ったがその後消えてしまう家具ブランドやシリーズ物とは違い、全てが定番製品という考え方で、オーダーの度に作り始めるスタイルなので、張替えも可能ですし、部品の差し替えも将来的に楽しめるのがミノッティという家具ブランドの考え方なのです。
こちらはホワイトをご提案した、西麻布N邸です。リビングダイニングだけで100平米を超える超大型マンションで、さらに写真でもわかる通り、室内に階段があるメゾネットのお宅です。ダイニングとリビングのちょうど真ん中に階段があるので、壁にテレビを置いてソファを壁に向けてしまうと、空間が二つに分断されてしまうので、階段の手前にスクリーンを仕込んで(写真天井のためのステンレスのボックス)奥の壁からプロジェクターでテレビが見れるような設計となっています。
もう少しアップで見たこちらの写真で、左奥がプライベート空間への入り口となっていますが、ソファのそのコーナー部分を空けて、見通しをよくするのにこのホワイト(White)シリーズがちょうどよかったのです。僕らが好みとしているベースをレザーにして、座面と背面をファブリックにした仕様となっております。
円形でレザー張りのオットマンのデニー(Denny)と、お子さまが載っているシルバーと手前のゴールドのスツールのスティル(Still)もミノッティの家具です。
広尾N邸では、ソファ発注前にCGを作ってインテリアと家具がマッチするかを確認したうえで発注となりました。ミノッティでは、CGを作るのに必要な3Dデータとファブリックやレザーの仕上げイメージ写真も用意してくれるので、CGが作りやすいのです。その時の様子もブログでご紹介しております。
ここでもまたホワイト(White)が続きます。こちらも総面積200平米を超える大型マンション住戸の元麻布I邸のリビングです。奥さまの好みはクラシカルエレガントで、ご主人の好みがモダンイタリアンと、違ったテイストを第二具エリアとリビングエリアで振り分けたインテリアとなっています。
シャープでスタイリッシュなテレビボードの正面に、カチッとしたホワイトのシルエットが端正に見えますね。こちらでの家具選びツアーは色々なバリエーションを見て回る、大変楽しいショールーム巡りでした。
珍しいソファレイアウトのこちらは白金台E邸です。リビングに大きな窓がある場合は、窓に背を向けるソファレイアウトは普通はしませんが、こちらのお宅は窓のブラインドをあけると隣接建物からの視線が気になるので、基本的にはブラインドをオープンにすることが無いとのことで、このようなレイアウトを考えました。
大きく張り伸ばした木製の窓枠の中に、ミノッティのアンデルセン(Andersen)の白くクリーンなソファがスッとはまっているような家具レイアウトとなっております。インテリア好きな奥さまが、以前からソファに対して持っていたイメージと、このアンデルセンの奇をてらわないオーソドックスなフォルムがぴったりと合ったことで選んで頂きました。モルテーニやフレックスフォルムのソファと比較しながらミノッティに落ち着いたプロセスをこちらのブログに書いております。
これ以降もまだまだミノッティのソファを採用した事例がありますが、全部まとめるのは一苦労なので、まずはここまでで一度公開させて頂きます。