Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

LGS(軽量鉄骨)と木軸のハイブリッド現場

千代田区M邸

千代田区M邸の工事は着々と進んでおります。

マンション5階の現場にクレーンを使って搬入されたLGS(軽量鉄骨)下地がどんどんと組まれている最中でした。

壁の厚みを使って、手前寝室側からは飾り用のニッチが、反対の右奥側の洗面所からは彫り込みのメディスンボックスが彫り込まれる個所も、LGSできちんと組み立てられています。

LGS屋さんが組立てを終わった個所から、大工さんも2人入って、建具の枠周りを造作し始めてくれています。

今回は室内のバリアフリーを目指して、引き込み扉を多用した設計となっておりますが、それなりの薄さの壁の中に扉を引き込むためのポケットを作るとなると、LGSでは最小寸法が大きくなってしまうので、木軸を組み合わせることになります。

ゲストルームとリビングダイニング間の間仕切り壁には、2.5m幅の大きな建具が引き込まれる予定なので…、

このようにLGSと木製のハイブリッドな作りとなっています。

コンクリート躯体の開口部のサイズをギリギリまで有効活用するのにも、現場での細かい作業が可能な木製軸組が役に立っているようです。

そんな現場にMさまのご主人さまがスイッチとコンセント位置の現場確認のために来てくださいました。

玄関入ってすぐのホールと、その横のシューズインクローゼットのスイッチ位置や、

アートギャラリーからダイニングキッチンへの通用口の収納内部の分電盤や弱電盤の位置なども実地で見てご納得いただいております。

LGSや大工工事と同時進行で、先日コア抜きをした壁からお風呂への追い炊き管が配管されていました。


床下だけでなく、壁から天井裏にもエアコンの冷媒管が配管され始めています。

リビングダイニングは当初は天井カセット型エアコンでしたが、お客さまからのご要望で、隠蔽型のエアコンを2台並べて設置することになりました。元々天井スラブにアンカー孔が空いている個所は、アンカー孔から吊りボルトで配管をサポートしていますが…、

アンカー孔がない個所を配管する場合は、このように接着剤で木レンガ(実際にはFRP樹脂製ですが)を天井スラブに接着剤で固定して、そこに引っ掛ける形でサポートしています。

まだまだこれから天井裏に設備配管やダクトが吊られる予定なので、想定した位置に下地の木レンガが沢山固定されていました。

お客さまが帰られた青も、の現場担当の石坂さんに、樋口さんと片岡社長、うちの副所長で千代田区M邸の設計担当の前田君で、細かく現場定例打合せが続けられていました。

折上げ天井面に張る木突板パネル探し

渋谷区Q邸

渋谷区Q邸のダイニング、折り上げ天井に張る木の突板の候補を探しに、Qさまと一緒に南青山のニッシンイクスのショールームに伺ってまいりました。

ニッシンイクスは、木製のフローリングやパネル材の建材専門店ですが、特にリアルパネルという名称で販売している木製突板パネル材は、オリジナルに開発された内装用不燃/合板ボードとなります。単にきれいな突板を集めるのではなく、節(フシ)や杢(モク)、斑(フ)といった木材が本来持っている特性を活かした天然目突板を集めているのが特徴です。

ご夫妻共に、ちょっとラフで、ヴィンテージ感があり、ラスティック(素朴で飾り気がない素材そのもの)な風合いがお好みなので、このニッシンイクスが良いのではと思ってご主人さまと一緒に訪問させて頂きました。

長い廊下に沿って、無数の引き出しパネルが収納されており、それらを一枚ずつ引き出して見てゆきます。

引っかかるものは完全にしまわずに、すこし引き出しの頭だけを残して戻して置く形でまずは候補を出して、そこから何枚かを同時に引き出して見比べながら候補を絞ってゆきました。

最後に残ったのが、こちらの2枚でした。左手前の一枚は少し節のあるオーク材を不均一なヘリンボーン状に張り合わせたナララスティック ワンショートヘリンボーンで、右奥の一枚は、全く様相が違いますが金箔を板に張って少し黒で拭き取ったものでした。
工事の全体スケジュールから考えると、余裕が全くなかったので、その場でQさまが携帯で撮影した写真を奥さまに見て頂き、ナララスティックの不均等ヘリンボーン張りに決定して頂きました!

一気に突板を決めた後、ニッシンイクスの弊社担当営業の中村さんに、木の染色塗料なども見せて頂きました。

因みに、約一月後に現場のダイニング天井折り上げ天井の軒裏に張られた様子がこちらです。


イタリア製最高級オーダーキッチンのアルクリネアショールーム見学

キッチンリフォーム

イタリア製最高級輸入オーダーキッチンのアルクリネアの出来立てホヤホヤのショールームを、事務所スタッフ一同で見学に伺ってまいりました。

イタリアの高級キッチンと言えば、モルテーニ系列のDADA(ダーダ)、インテリアーズが紹介しているボッフィ、クライス&カンパニーのミノッティ・クッチーネ、そしてクリナップが日本代理店をしているバルクッチーネなどがありますが、その中でもイタリア最高峰と言われている超高級キッチンが今回のアルクリネアだそうです(説明の齊藤さん談)。

イタリアの建築&インテリア&家具デザインの巨匠のアントニオ・チッテリオ氏がデザイン監修を行う、世界中のセレブ御用達のキッチンブランドとのことで、このショールームの設計自体もイタリアのチッテリオ氏からの設計図面に加え、細かい照明スペックやディテールの指示に従って作られ空間だそうです。

謎の飛行物体のような写真ですが、これはしゃがんで上のレンジフードをを見上げた写真です。アルクリネアのシグネチャーデザインと言われる、スタイリッシュなレンジフードですが、同時給排気には対応していないとのことで、日本の高級マンションで使えるのか、担当の齊藤さんに確認して貰っています。
所で、上のキッチンの扉部分や、このレンジフードのステンレスの色がピンク掛かっていのが分かるでしょうか?これもアルクリネアの特別な技術の一つで、ステンレスを真空状態で化学変化させることで、色を変色させることができるのだそうです!

アルクリネアの使い勝手上の特徴の一つは、シェフズ・キッチンというキーワードとのことです。つまり、自宅のキッチンながら、プロのシェフを自宅に招いて料理を作って貰うのに最適なキッチンという意味だそうです。このキッチンも右側で食材を切ったり、盛り付けたりするエリアと左側シンクとIHヒーターを使って調理をする側で2人のシェフが存分に腕を振るえるステージになるようです。しかも、背面の光壁の裏には…、

このようなオールステンレスの下拵え用のキッチンが隠されているという周到さなのです!

このデザインとクオリティーで裏のキッチンとは…

こちらのキッチンも相当に考え込まれて作られたもので、例えばこのステンレスカウンターのディテールも板金で水作業をするエリアが一段下がっていますが、そのコーナーの溶接や磨きだしの技術も世界一と言われるイタリアのFOSTER社に特注で作らせたものとのことです。

特注の突板を取っ手部分まで廻しこんだディテールもチッテリオのコダワリで、扉背面にビスが出ないように、表面からプレス加工する機械を作ったうえで膨大な時間を掛けながら一品生産のように作り込んでいるのだそうです。

こちらは、ステンレスと木を組み合わせたバリエーションのキッチンです。イートインコーナーがあって、僕らのマンションリノベーションでも一番使えそうに感じられたキッチンです。

こちらのステンレスもフォスター社に加工して貰ったものだそうですが、ヘアライン仕上げながら何十年も使い込んだかのような独特な磨き方となっています。

こちらがそのディテールです。
因みに、こちらのキッチンの背面にも…、

独特の金物を使って本当にスムーズに、かつきれいに折り畳める扉金物を使って隠せる下拵え用キッチンがあるのです。因みに、参考価格を伺ったところ、表のキッチンと裏のキッチンに折れ戸やパントリー収納や設備機器を含めて、3500~4000万円程度で作ることができるとのことでした。これだけの素材やディテールであることを考えると、お得なのではと感じてしまいます…。

アルクリネアのキッチンショールームには、3つのキッチン展示があり、これがショップフロントにある大理石製キッチンです。このキッチンにも凄い技術やディテールが隠されているのですが、ここまで凄いことの連続で、ちょっと頭がオーバーヒートしてしまい、記憶が飛んでしまいました…。

これまで、ドイツキッチンの御三家と言われるジーマティックポーゲンポールブルトハウプ、イタリアの高級キッチンもそれなりに見てきた経験があり、簡単には驚かないつもりでショールーム見学に伺いましたが、予想を超えるような素材やディテールで驚きの連続でした。いつかとは言わず近いうちに、自分たちがお手伝いするマンションリノベーションプロジェクトで、是非使ってみたいキッチンであると強く感じています!
因みにアルクリネアの日本代理店は、建材メーカーの雄、アドヴァンです。不思議なご縁でアルクリネアを扱うことになった経緯も、担当の齊藤さんに聞かせてもらいました。ご案内下さった、齊藤さんと東谷さんと市川さん、どうもありがとうございました。