Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

モルテーニの壁面収納システム505

麹町K邸

現在設計プロセス進行中の麹町K邸では、リビングの壁面にテレビ収納とライティングビューロー( writing bureau、つまりライティング=書き物をするとビューロー=引き出し収納が合体した引き出し式書斎机)と飾り棚を設けたいとのご要望がありました。そこで、お客さまご夫妻と青山にあるイタリアブランド家具のモルテーニのショールームに一緒に伺って参りました。

モルテーニ東京ショールーム訪問

以前、Kさまご夫妻だけでも、こちらのショールームに伺ったことがあったそうで、この世界観や色味がとてもお好きだとのことでした。

モルテーニ東京_505ライティングビューロー

モルテーニは元々が壁面収納専門のメーカーでしたので、収納式の書斎コーナーであるライティング・ビューローシステムも幾つかの種類があります。

モルテーニ東京_505ライティングビューロー

こちらは、上部はガラス扉をせり上げて、テーブル部分は立ち上がっていた板をパタンと90度手前に倒すタイプです。

モルテーニ東京_505ライティングビューロー

こちらは、テーブル部分は最初から出っ張っておりますが、テーブル奥に物を押し込むと、上からスライドして落ちてくる扉板で隠すことができるシステムとなっています。

モルテーニ東京505壁面収納システム

今回は書斎コーナーとテレビ収納と飾り棚を組み合わせたデザインを検討しておりますので、幾つかの事例をショールーム内で拝見させて貰いました。今回は全てモルテーニの505シリーズで検討しております。

モルテーニ東京505壁面収納システム

こちらは事例としてはテレビは置いておりませんが、中央左部分の間接照明が入ったオープン棚は縦サイズを大きくすればテレビも置けるレイアウトに変更可能とのことでした。

モルテーニ_ウォークインクローゼットシステム

ショールーム見学の流れの中で、ウォークイン・クローゼットのマスタードレッシング・システムもご覧になって、こちらもとても良いので、提案して貰えないかとのお話しになりました。

モルテーニ_ダイニングテーブル_フィリグリー

やはり流れの中で、僕らが良く採用させて貰っているフィリグリーというエクステンション型のダイニングテーブルをご覧になって、Kさまご夫妻は一目惚れなさって下さり、これは絶対に欲しいというお話しになりました。

モルテーニ東京_505壁面収納

また、最後の打ち合わせで使わせて貰ったこのコーナーで使っているダイニングチェアのアウトラインも、コストとデザインのバランスが良い優れた椅子であることをご説明したところ、こちらも気に入って下さりました。

モルテーニ東京_アウトライン生地選び

アウトラインも多様な張地の中からお好きなものを選べるですが、レザーがお勧めなので、僕らが良く使っているレザーを見て頂きました。ベースはブラウン色と決まりましたが、一つは書斎コーナーでも食卓でも使えるようにして、そこに赤い色をアクセントカラーとして入れてはどうかという話にまで発展致しました。

モルテーニ_壁面収納システム505_提案書

モルテーニがこちらの要望を纏めた提案書案が届き、幾度か間違っていた箇所の訂正や、使い勝手や色味の確認を行った後で最終的に纏めて貰ったのが、こちらのプレゼンシートとなります。飾り棚の背面板にも、アクセントカラーの赤を使おうとのお話しになっております。

リフォーム解体は設備機器取外しから

品川N邸

高層マンションリフォームの品川N邸、いよいよ工事着工となりました。最初は、解体に向けての設備類の切り離し作業となります。

品川N邸解体開始

マンションリフォームの解体時の設備切り離しでまず一番重要なのが、インターフォン等の弱電関係の取り外しとなります。特に高層マンションでは、下の表玄関の開閉や管理事務所とのやり取りなどをこの機器を通して行うことと、それなりの年数が経ってしまっていると、インターフォン機器の在庫がなくなってしまい、取り外し時や、工事最中に機械が壊れてしまうと、取り返しがつかないことになってしまうことがあるからです。
写真の通り、インターフォンの裏には複雑な配線がされているので、それらをきちんと確保しながら、今後の工事のホコリでやられないようにビニール等でカバーして保管して貰います。

品川N邸解体開始

ガス切り離しは簡単な作業で、空調機器はエアコンは再利用となっているので、あとは給排水衛生設備機器の取り外しとなります。
写真の通り、便器やユニットバスの切り離しと機器取り外しが終わりました。

品川N邸解体開始

今回は、これまで使ってきた窓周りのブラインド類を少し寸法を変えて再利用したいとのお話しもあったので、施工をお願いしているスタイル・イズ・スティル・リビングの齋藤社長と現場監督の中川さんに取り外して貰いました。床に置かれているファブリック類はそれです。
また、写真正面に見えている窓下のカウンタ―家具は、天板だけ交換して扉はダイノックシート張りとして再利用するので、天板を取り外して貰いました。

品川N邸解体開始
品川N邸解体開始

アイカのポストフォームと呼ばれる、MDFの基材にメラミン化粧板を巻き込んだカウンター材でした。長物なので、途中で引き寄せ金物で連結されておりました。

品川N邸解体開始

丁寧に取り外してくれたので、壁もほとんど傷まないままで済みました。

品川N邸解体開始

窓周りの枠下までフローリングを新しいフローリング張り伸ばすかどうかを、齋藤さんとお客さまがお打合せをして下さっている様子です。

既存ブラインドの寸詰め調整

当日は車で現地に伺って、長物のブラインド類を当初にお客さまが依頼して作って貰ったマナ・トレーディングまで運んでチェックして貰いました。

既存ブラインドの寸詰め調整

作ってからそれなりの年数が経っていたので、実物を見てからでないと、寸詰め加工ができるかどうかは何とも言えないと言われておりましたが、現物をチェックして貰い、傷みもなく、これであれば加工可能とのことでした。

代官山N邸リノベーションのビフォー&アフター

代官山N邸

未成工事と補修工事が終わった代官山N邸リノベーション工事のお引渡しと設備機器類の取り扱い説明に立ち会って参りました。

代官山高層マンションリノベーションの竣工お引渡し

今回はデザインアドバイスでのお手伝いなので、検査・お引渡し・取り扱い説明は、全て施主側の立場での立会いとなります。

クチーナのオーダーキッチンの取り扱い説明

オーダーキッチンをお願いしたクチーナの高橋さんがIHコンロの使い方、レンジフードの清掃の仕方を奥さまに教えてくださいました。

クチーナのオーダーキッチンの取り扱い説明

アイレベル(コンロ下ではなく、目線に近い高さ)にビルトインされた、ミーレ社の電気オーブンの説明は、奥さまメモを取りながら熱心に聞いてくださいました。

代官山高層マンションリノベーションの竣工お引渡し

ユニットバスや洗面、給湯器や暖房乾燥機の説明はリフォームキューの森井さんが説明してくれました。

竣工記念写真@代官山N邸

ご主人さまは、お仕事の都合で途中で退席されるとのことで、関係者集まっての記念撮影をさせて頂きました。期せずして、全員白いシャツに黒いパンツで、レストランの新規オープン時のスタッフ記念撮影(笑)のようになりました。左から、リフォームキューの営業&設計担当の森井さん、Nさまご夫妻、カガミ建築計画のプロジェクト担当の前田君、そして各務です。

代官山高層マンションリノベーションの竣工お引渡し

ご主人さまが帰る直前に、前日に撮影した写真とリフォーム前の様子を比べたビフォー&アフターの写真集を記念にお渡しいたしました。
以下、ビフォーアフターの写真です。

代官山リノベーションのビフォーアフター

同じ場所から同じアングルで撮影した写真なのですが、リノベーションの前後があまりに違っていて、何が起こっているのかイマイチ分かりませんね…。 左側のクローズドキッチンと右側の個室を撤去して、ビフォーの中央奥に見えている収納扉の位置までLDKが拡幅しているのです。

代官山リノベーションのビフォーアフター

少し斜めから見比べた、こちらのアングルの方がLDKの広さの変化具合が良くわかるかもしれません。

右側に見える窓の構成は同じですが、以前は腰高の窓二つに、ちょっと重たいカーテンがぶら下がっていましたが、窓二つを同じ枠で囲んで間の小壁に板材を張り、枠内に入るシェードを収めることで、一枚の大きな窓のようなデザインに変えています。

代官山リノベーションのビフォーアフター

以前の廊下からキッチンを見たアングルも大きく変わっています。キッチンの壁がなくなりオープンになったことで、LDKの体感的な広さは約2倍ほどになっていると思えます。

代官山リノベーションのビフォーアフター

設計のお手伝いをした僕も一番驚いたのは、この天井の様変わりです。以前は2段に折り上げられていた天井ですが、折り上がった高天井の位置にビルトインのエアコンが入っていることからも判る通り、ダウンライトも余裕で入れることができる寸法があるので、折り上げの形状をシンプルにして、一体化したLDKの空間の天井を全て上げることができました。

代官山リノベーションのビフォーアフター

マンション特有の部屋のコーナーの柱型は、このようなフレーム要素(壁面一面と下がり天井を同じ素材で囲っている)にニッチ収納、折り上げ間接照明と、カラーガラス張りの面と分割してデザインすることで、柱型の無言の存在感(?)を消すように努力致しました。

代官山リノベーションのビフォーアフター

こちらは玄関から廊下を見返したアングルのビフォー&アフターです。左がビフォーで、こうやって写真見るとビフォーも悪くないのですが、タタキ右横の扉は小さな納戸なのですが、意味なく立派だったものを壁と同じクロス張りにして収めることで、正面へと視線が集まり、素材感や色味も廊下を曲がった先にあるLDKへと合わせることができました。