Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

スケルトン解体状況の確認@西麻布N邸

西麻布N邸

解体工事がほぼ終わってスケルトン状態(コンクリートの床壁天井がほぼ表しになった状態)の現場をお客さまと一緒に確認致しました。

230平米の大型マンションで、従来は4寝室あった間取りを2寝室にして、その分リビングダイニングを広くするリノベーション計画なので、とにかく広いLD空間が取れそうです。

解体工事の際の騒音の問題で、間取りを変更することになった浴室周囲の状況を、お客さまのNさまご夫妻に説明させて頂きました。

比較的築浅のマンションではありましたが、床下の給水給湯管は古いタイプのものだったので、全面的に交換することになっています。

こちらはマンションでは珍しい暖炉のリノベーションの説明です。以前は露出されていた暖炉の煙突部分は、大理石で囲う予定なので、さらなる断熱が必要になることや、形を変えることで、断熱レンガの積み増しなどが生じることをご説明させて頂きました。

実は、お客さまとのお打合せの前に、このマンションの暖炉を作った施工会社を見つけて、担当者に現場に来てもらって、こちらのデザインを実現するためには、どのような措置が必要になるのかを事前に研究しておりました。

解体状況を見て頂いた後には、施工会社に用意しておいてもらった現場の打ち合わせ机で、仕上げ材の最終確認をさせて頂きました。

やはり現地にて、日中に本物の光の中で素材を見たほうが実感がわきますね。階段のササラ(横板で全体の荷重を支える部材)の色味も、幾つかのサンプルを現場で見ることで、少し鈍い金色で塗装することに決まりました。

 

解体が終わった現場に置かれている打ち合わせテーブルの大きさで、この空間の大きさが想像できるでしょうか。これまでお手伝いしてきたリフォーム&リノベーションでも最も大きなリビングダイニングになると思われるこの西麻布N邸、これからどのように変化してゆくかどうぞ楽しみにご覧下さい。

 

 

オムニデコール(イタリア)の特殊ガラス扉@世田谷Y邸

世田谷区Y邸

先日、壁を全面的に貼り直した世田谷Y邸では、もう一つの工事が残っておりました。主寝室のクローゼットの扉の吊り込み工事でした。当初から、ガラスの扉を使いたいとのお客さまのご要望で、日本のガラス屋や特殊ガラスを扱っている店舗のものも見て回りましたが、なかなかピタッと来るものが見つかっておりませんでした。

素材探しで困ったときにお世話になってきたアークテック社の増田社長に相談してみたところ、イタリア製のエッチングガラスのオムニデコール社のものはどうだろうかとの推薦がありました。

こちらはアークテック社の目黒ショールームに並んでいるオムニデコールのエッチングガラスのサンプル群です。これらの中からお客さまがご要望していたイメージに近いサンプルをお借りして持って伺ったところ、とても気に入ったものがあったとのことで発注しておりましたが、船便で3か月ほど掛かるとのことでした。すでに世田谷区Y邸は工事も終わり、お引渡し済みでしたが、施工をお願いしていた青の斉藤さんにお宅に伺って貰って、ガラス扉の吊り込み作業をしてもらいました。

こちらが、最終的に吊り込みまでされたオムニデコールの特殊エッチングガラスの扉です。左右の袖壁は造作家具工事で作ってもらった鏡面塗装のパネルで、向かって左側の壁は、扉の吊り込みの具合を後日調整できるようにヒンジとストッパーで納めており、建具のように開くことができる仕組みとしています。

ベッドメーキングまできれいにしてくださった主寝室全体の様子です。少し濃いめのグリーンの壁の奥に、ほのかにウォークイン・クローゼットに並べた洋服を眺められるのことがとても気に入っているとお客さまからもお褒めの言葉を頂きました。

 

トイレ壁の大判セラミック・デクトン張り直し@世田谷区Y邸

世田谷区Y邸

2か月前に竣工お引渡しを終えていた世田谷区Y邸リフォームプロジェクトでしたが、こちらのミスでやり直しになってしまったトイレと、外国からのガラス到着を待って吊り込みをするWIC(ウォークインクローゼット)の施工が残っておりました。

こちらが最終的にスペイン製の大判セラミックタイルのデクトンを室内に貼って仕上がった様子のトイレです。ただ、本来はこの写真のように横に柄が入るようにご依頼を受けていたのに、こちらの指示ミスで縦に柄を入れてしまったことで、張り直しすることになったのですが、間違ってしまったことで、国内在庫がなくなってしまい、完成後ひと月半経ってようやく国内に材料が入ってきました。

当初は、小さいサンプルで、このデクトンの柄を確認しておりましたが、間違えて貼った実物をお客さまが見て、なるべく濃い柄が目線の位置に入らないようにレイアウトを考えてほしいとのご依頼が追加でありました。工事完了後、しばらくご不便をお掛けしてしまったこともあるので、施工の担当者の・斉藤さんと一緒に春日部の倉庫にデクトンの現品の検品確認に行くことになりました。

こちらが、その春日部にあるエール物産の倉庫です。こちらで、デクトンを扱っているコセンティーノ社の世古さんにも立ち会ってもらっての検品をいたしました。

今回日本に届いたのが8枚だったので、それらを順に明るい軒先に並べて貰って、柄の様子を確認してゆきました。

こちらが、その時にメモをした内容です。手書きの部分がデクトンの柄で、最終的には7399と7660というシリアル番号の板が良いという判断をさせて頂きました。この内容を撮影した写真と併せてお客さまにお送りして、ご承認を得たうえで施工をお願い致しました。

そして出来上がったのが、こちらのトイレです。お蔭さまで、お客さまから仕上がりの精度、そして柄の選択はとても良かったと褒めて頂くことができました。

こちらは、倉庫で厚さ6ミリのデクトンの大判(1500ミリ×3000ミリ)を吊っていた特殊工具です。この工具が日本に届く前までは、搬出入で何枚も割れてしまっていたそうですが、これが来てからはトラブルがなくなったそうです。

倉庫内の様子は、このような感じです。コセンティーノ社が扱っている大判セラミックのデクトンとクォーツストーンのサイルストーンが沢山並んでいました。

トイレではDanae(ダナエ)という柄を使わせていただきましたが、その他にもこれだけ豊富な色や柄があるのです。

こちらの倉庫にはコセンティーノジャパン以外にも、オーダーユニットバスのアステック社が米国から輸入しているカンブリアというクォーツストーンも多数保管されていました。古川橋のアステック社のショールームでは拝見したことがありましたが、原版を見ると、相当な迫力がありました。
ここまで細かいことに対応してくれたコセンティーノの世古さん、そして粘り強く施工を見てくれた青の斉藤さんに感謝あるのみです。そして何より、ここまで我慢して待ってくださったお客さまのYさま、どうもありがとうございました。