Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

六本木ヒルズレジデンスのお化粧リフォームプロジェクト

投資・賃貸用リフォーム

これまで何軒ものリフォーム&リノベーションプロジェクトでお手伝いをさせて頂いているMさまからのご依頼で、六本木ヒルズレジデンスの小型物件のお化粧リフォームのデザインを致しました。

基本的な間取りは変更せずに、設備機器の交換(今回はユニットバスとトイレを交換しています)と照明計画の変更以外は、ほぼ内装材を張り替えたり、既存扉をダイノックシート張りにしたりと、お化粧程度のリフォームでした。写真のお部屋がリビングで、左奥に見えているのが寝室です。

上と下でビフォー&アフターなのですが、写真だと何が変っているかイマイチ判りませんね…。実は下がり天井と梁型部分を濃いめのビニールクロスで張り分けて、広めの寝室の中でベッドを置くエリアと、ラウンジチェアやテレビを置く位置を分けたツモリです。写真では違いが判りにくいですが、お客さまからは相当良くなったと褒めて頂きました。
低層階で、ケヤキ並木が目の前に見えているの、とても素敵な寝室です。

こちらはリビングのビフォーアフターです。以前は白い壁紙に囲まただけで、グレード感を感じにくい空間でしたので、クロスのパネル張りとスポットライト照明で正面性を作り、折り上げ天井も間接照明を仕込んで、落ち着いた雰囲気の部屋にリフォームしています。

同じリビングで、玄関とキッチン方向を見返したアングルの写真です。
ダラダラと空間が繋がっていたので、キッチンと玄関は暗めの色調に変えて、リビングとの空間性を違えてメリハリを作っています。

真っ白だった玄関は、既存扉に木目調のダイノックシートと姿見の鏡を張っています。床は住宅の玄関では珍しく塩ビ素材を編み込んだボロンを張ってみました。照明もグレアレスのダウンライトに変えたので、随分ドラマチックな雰囲気になりました。

キッチンは設備類は全く変えずに、床は塩ビシートの張り替え、壁はキッチンパネルで全面を仕上げ、吊戸棚はダイノック巻きとしています。照明も変えていますが、あまり費用を掛けずにグッと落ち着いたイメージになりました。

トイレは便器交換と手洗いを変えています。床素材は、玄関からボロンを張り伸ばして、クロスとダイノックを使って、シックなトイレへとリフォームしています。
通常は、このサイズのお仕事は受けていないのですが、今回はMさまからのご依頼でもあり、あまり費用を掛けずにコストパーフォーマンスにこだわったリフォームも研究しておいた方が、後々のためにも良いのではとの言葉も頂いていたので、チャレンジしてみました。

現在、賃貸募集中ですが、同じ間取りの他の部屋より3割増しの家賃で決まりそうだとの嬉しいニュースが届いております!

 

 

 

リフォーム再販プロジェクト白金台H邸の完成

白金台H邸

工事開始から随分時間が経ったように思われますが、ようやく白金台H邸のリフォーム工事が完成いたしました。

工事途中で思わぬところにガス配管の立ち上がりが現れたり、浴室のガス追い炊き管の設置申請が管理組合に通らなかったり(実際は申請そのものを受理して貰えなかった…)、と色々と面倒なことが沢山ありましたが、完成してお客さまが喜んでいらっしゃる様子を拝見していると、それらの苦労もすべて消えてゆくのが不思議なものです。

リビングには大理石の大きな壁を作り、L字型のフレームで囲い込んでいます。柱型を取り込んだAV収納もきっちり出来上がっていました。

デザイン的に一番大変だったのはこのキッチンでした。このプロジェクトで、初めてゼロから図面を書いてくれた岩井さんが、ひとつのキッチンで、こんなに沢山の仕上げ材や色味・ツヤを指定したのは、初めてだったと言っていました。

細かく仕様を変えてデザインをしたキッチンですが、バラバラにならず、一体感がある素敵な空間に仕上がったと思っています(自画自賛)。

共用廊下から玄関に入って見える景色がこちらです。この小さな玄関ホールでも、カラーガラス、チーク羽目板、3種類の塗装色、ガラス、タイルにフローリングと多様な材料が散りばめられています。右側に見えているチーク羽目板の壁は…

途中納戸の隠し扉を経て、コーナーを回り込んでリビングの突き当りまで伸びています。木製ルーバーが組み込まれた2枚の建具は、内部のエアコン室内機隠しのためのものですが、古いルーバーを使ったり、色味の濃いチーク突板を使ったことで、ヴィンテージ感も上手く演出できたのではと思っています。

リビングからプライベート空間に進んで、すぐに見えてくるのが、このライブラリー廊下です。メラミンで作った書棚とビニールクロスの張り分けで作った費用を抑えてデザインした空間ですが、想像以上にカッチリとした良い空間に仕上がっていました。

その奥にある洗面脱衣も、クォーツストーンやチーク突板、鏡や床材のボロンで高級感のある空間に、

ハーフユニットバスを使った1816サイズの浴室も、タイルやステンレス枠等と相まって、とてもきれいに仕上がりました。今回のこの白金台H邸はリフォームをしたうえで、再販売に掛けることになっています。お客さまのご要望で、リースの家具も入れてからオープンハウスを開催する予定となっております。

リネアタラーラのキッチン&書斎家具の組立て@世田谷区Y邸

世田谷区Y邸

世田谷区のY邸では、全体の建築工事はにお願いしていますが、浴室は東京バススタイルとしてキッチンと背面収納と書斎の家具はリネアタラーラに別途発注(設計&監理はカガミ建築計画ですが、お支払いはお客さまから直接の形)でお願いしています。

お客さまの細かいニーズに応えて、何度も図面修正をして貰った、こだわりのキッチンがようやく現場に入って組立て始められました。

こちらは背面収納(カップボード)側です。

カウンター下の収納は引出が基本となっていますが、最上段は手掛けで引っ張り出す形となっていますが、それより下段の引出は、触るだけで引き出せて、軽く押せば無音でしまわれる電動引出を採用しています。この不思議な形の機械が引出の奥に仕込まれている電動装置、ブルム社のSERVO-DRIVEです。この装置の分だけ、引き出しの奥行きが5センチ短くなってしまうことで、お客さまも随分悩まれたようでしたが、利便性を考えて採用になりました。

こちらはキッチン上部の吊戸棚についている、電動のフリップアップ装置です。

この図面のような形で、大きく扉が開くシステムとなっていますが、扉の頂部が天井に当たらないように、細かく寸法の検討をしてもらった上での発注・設置となっています。

冷蔵庫上の収納もフリップアップ扉となっていますが、こちらは手動タイプです。この収納内部には弱電関係の機器類を設置する予定なので、排熱のために、箱の上下にパンチングメタルで作った通気口を作って貰っています。

今回のプロジェクトでは、リネアタラーラにはキッチンだけでなく、書斎の造作家具セットもお願いしています。6畳ほどのスペースに、ご夫妻それぞれのワークテーブル、更にご主人さまの本や奥さまの趣味の収納、洋服の収納などが複雑に組み合わさった造作家具です。