Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

世田谷区Y邸の竣工お引渡しと照明のシューティング

世田谷区Y邸

長らく時間が掛かったうえ、こちら側の大小さまざまな監理ミス・指示間違いでお客さまにご迷惑をお掛けしてしまっていた世田谷区Y邸ですが、ようやく竣工お引渡しの運びとなりました。

まずはその1週間前の施主検査の様子からご紹介いたします。設計の細かいディテールまでご一緒に検討してくださったYさまのチェックですので、細かい所まで良く見てくださっています。

ただ、施工途中でもお近くにお住まいだったので、何度もチェックして問題がある度に指摘して、その都度直してきたので、施主検査当日に指摘された項目は細かいキズの補修などが中心でした。

また、最後に家具や仕上げ材の違った箇所の目地のコーキングが残っていたので、現場の・斉藤さんがコーキング全色を揃えてくれたものを実際にその場所で見比べながら色を決めてゆきました。

これはダークセルベの大理石壁と塗装仕上げの天井との隙間のコーキングを決めている様子です。全ての個所のコーキング色をこのようにして決め、また傷の補修箇所についても全てチェックを致しました。

約一週間の補修期間を経て、竣工お引渡し当日の様子です。

各種設備などの取扱い説明のために、多数の人が集まってくれていますが、左奥には当初この世田谷Y邸の担当設計者でしたが、お子さまが生まれて産休から育休に入っていたスタッフの竹田さんも赤ちゃんを抱っこしながら参加してくれました。

最初は、リネアタラーラの徳永さんにキッチンの取扱い説明をして貰いました。

続いては、同じリネアさんにお願いしたお隣の書斎部屋の使い勝手の説明です。

お次は、お馴染みの東京バススタイルの和久田さんにオーダーユニットバスの取扱い説明をして貰いました。中々ご希望の色味のタイルが見つからず、韓国から輸入したタイルを使って作って貰った浴室ですが、とても気に入って貰っており、和久田さんたちが苦労した甲斐がありました。

こちらの色味の指示間違いで、塗装し直してもらった主寝室のウォークインクローゼットの壁パネルは、何とかこの引渡しまでに間に合わせることができました。Yさまには本当にご心配をお掛けしてしまい、申し訳ありませんでした。WICの中では、電気工事の井上さんが、NASやLAN配線のことを説明してくれています。

天井カセット式エアコンはフィルターの自動清掃機能付きを選んで頂きましたが、使い方を僕らも青の斉藤さんや片岡さんも知らなかったので、井上さんに実演して貰いました。高い天井にセットした場合、スイッチを操作すると前面パネルが自動的に降りてきて、フィルターを清掃した際のホコリを取り去ることができるようになっていました。

電気配線やLAN配線、ステレオシステムに強い興味をお持ちのご主人さまは、玄関収納の中にある分電盤やルーターの位置なども確認してくださいました。

そうこうしているうちに、段々と外が暗くなってきたので、いよいよ本日のクライマックスの照明の説明とシューティングが始まりました。キッチンの背面壁にあるルートロンの取扱い説明をして貰いました。リビングダイニングだけで9系統の照明回路があるので、ルートロンのグラフィックアイQSを2台設置しています。

実は照明回路の系統数が多いのは、このように天井のダウンライトに関しても、LEDの3000Kとハロゲンの2800Kを二つずつのセットで設置し、両者を調光して最適な光環境を作りたいというYさまご夫妻の強いご要望があったからなのです。これらのダウンライトは共に幾度もショールームに伺って検討したモデュレックスのものです。

また、窓際の薄い隙間に設置したルーチのLED間接照明、柱型の足元には特注でオーダーした森川製作所の床埋め込みアップライト等、色々と難しい問題をクリアしながら設置した照明もルートロンで一括コントロールしています。

外が完全に暗くなってから、Yさまご夫妻のご要望を伺いながら、電気屋の井上さんと現場監督の斉藤さんの二人にシューティング(光の向きを変えて最適な光の位置を探す作業)を行っていきます。

モデシュレックスのフレームレスのダウンライトは、縁がほとんど見えないので、仕上がりはとてもきれいなのですが、細かく角度を調整しながらのシューティングでは、天井を傷つけずに回転したり、角度を変えるのは非常に難しい照明なのです。

書斎入り口に設置したリマデシオの合わせガラスの間に金属メッシュを入れたガラスを、照明シューティングで美しく演出するのは、何度もやり直しながら実験を続けてゆきました。

リビングの一番大きな壁で、クライマックスでもあるポロ社のロードイットパネルと、サルバトーリ社のバンブー仕上げのクレマドルチェ(ライムストーン)の個所も、細くシャープな光が欲しいとのことで、当初用意していたフィルタを最終的には外すことでご満足が良く光環境を実現することができました。

こちらが、取り外したモデュレックス社のフィルタです。実は、このフィルタを置いているテーブルも、インテリアズ社にお願いしたサルバトーリの石で作ったテーブルです。

シューティング作業に手間取って、約2時間ほど掛かってしまいましたが、最後に青の片岡さんからお引渡し書類の説明をして貰いました。かれこれ4時間ほど掛かっての取扱い説明からシューティングでしたが、最後はとても満足が行くスペースができたことを喜んでくださっているとのお言葉を頂きました。
やり直し工事が多数発生してしまい、青の斉藤さん、そして造作家具工事の現代製作所の藤田さんたちには、ご迷惑をお掛けしました。Yさまそして奥さま、こちらのミスで色々なご心配をお掛けして、本望ではないところも残っているのではと思っておりますが、それもご納得して感謝の言葉を伝えてくださったこと、心からありがたく思っております。どうぞ今後とも宜しくお願いいたします。

新しくカガミ建築計画/デザインリフォームのホームページを公開しました

リフォーム

古いシステムを使っていたことで、最近に完成したプロジェクトの更新が滞っていたこれまでのカガミ・デザインリフォームのホームページでしたが、今回思い切って、新しくカガミ建築計画-高級マンションのリフォーム・リノベーションの設計&デザインーという形のホームページに作り直しました。

これまでは、最近は対象をマンション絞って断っていた戸建てリフォームや別荘リフォームの事例が数多く掲載されていたのを、全て過去のプロジェクトの欄に押し込んで、高級マンションのリフォーム&リノベーションに特化していることが、一目でわかるようにしています。最新のブログ記事もこちらのトップページから確認できるようになりました。

何より良くなったのが、この作品事例集でしょうか。一気に最新の事例を18個も増やすことができました。ここ3年ほどは、ホームページの更新なしで、こちらのブログのみでの告知だけでしたが、良くここまでご依頼してくださるお客さまがいらっしゃったものだと、今更ながら驚いております…。
今後は、使いやすいシステムを汲んでいるので、小まめに新しいプロジェクトを更新してゆく予定です。

仕事の進め方のページも、新しい撮り下ろしの写真も含めて作り直しました。こちらは一般的な設計監理のスタイルの仕事の進め方(プレミアム・リノベーション)です。

もう一つ、最近ご依頼が増えている簡易型のサービス「デザインアドバイス」についてのご説明も加えてみました。

事務所の紹介についても、僕各務本人の写真も撮って貰い更新しています。これまで隠しページ的だった、僕各務が作ってきた事務所内でのランチもこのページの「きょうのランチ」からブログ形式で見ることができるようになりました。

 

230平米のスケルトン状態

西麻布N邸

西麻布N邸の解体工事が始まりました。ある程度解体が進んだとのことで、作業が終わって清掃が済んだタイミングで現地を拝見してきました。

230平米の大きなお部屋をスケルトンにするところから始まるプロジェクトですが、壁床天井を撤去したことで、とにかく大きい空間であることが印象に残るスケルトン現場です!

このタイミングで、僕らがチェックしたかったのは、竪配管の配管状況と正確な位置を見ておきたかったのです。特にこの写真に写っている竪配管は、ちょうど玄関ホールからリビングへと入る建具の横に表しで見えてくる配管なので、リフォームプランの墨出しにも大きく影響するものでした。

こちらの配管も、来客用トイレの手洗いカウンターの奥行きと絡んでくる配管でしたが、両者ともこちらが想定していたものより良い位置関係にあったので、お客さまに喜んで頂けそうです。

もう一つ気に掛かっていたのが、水回り周辺の下地状況でした。大理石がふんだんに張られていた現場でしたが、それらが上手く剥がせるかどうかは、近隣住戸にお住いの方々にとっての解体騒音と大きく関係してくるものでした。

浴室の壁及び床の大理石までは、何とかうまく取り外せたようでした。ただ、ここから床のシンダーコンクリートをパッカー工法を使って削り取ってゆく予定でしたが、マンション管理組合から解体時の騒音があまりに大きいので、幾つかの住戸の方々から、工事を一旦停めて欲しいとの依頼が来てしまいました…。
こちらの設計を依頼してくださっているお客さまからは、急いだ工事をすることで、その後お隣さんとして顔を合わせることになる方々と気まずい関係になるは避けて欲しいが、かといって引き渡しまでのスケジュールは守ってほしいとのお話もあったので、床のシンダーコンを撤去する範囲を最小限にするよう、水回り設備の位置関係をもう一度見直すことになりました。

その他、天井裏のエアコン設備状況も確認することができました。これらは基本的に撤去してしまいますが、どこでダクトが梁を貫通しているかの一状況を確認いたしました。

どのような作りになっているか、皆目見当がついていなかった暖炉も仕上げ材が撤去されました。

LGSでの下地の作り方や、どこまで耐火材料が敷かれているかも現物で確認することができました。この暖炉については、お化粧直しをして今後も使ってゆくことになるので、竣工時の施工資料から見つけた施工会社にコンタクトを取って、お化粧直しの方法から相談することになっています。

現場に纏められていた廃材です。LGSの金属ゴミ、きれいに剥がされた大理石、赤茶の袋に詰められたモルタルなどのガラ、奥に見えている断熱材など、整頓された状態でとてもきれいに纏められておりました。