Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

電気式フィルムタイプ床暖房とフローリング張り@白金台H邸

白金台H邸

ヴィンテージマンション全面リノベーションプロジェクトの白金台H邸では、遮音マット上に電気式床暖房フィルムが貼られ、その上からフローリング張りが始まっていました。

遮音マットの上に下地用のベニヤ板9ミリが敷かれ、工事会社のリフォームキューに仕様を決めて貰った電気式フィルムタイプの床暖房(プリマヴェーラ・アルシステム)が敷設され、その上に今回採用しているオークフローリング材(オーク40クリアオイルIOC)を張っています。

フローリングの長さが1820ミリで、床暖房フィルムは303ピッチで釘打ちようの隙間があるので、一本のフローリングに付き、7カ所で釘固定できる計算になっています。

広いリビングダイニングの5分の4ほどがすでに張られていました。天井のボード張りも終わり、左側の壁には大理石を張るための構造用合板の下地も完成していました。

キッチン入り口付近に設けられたインターフォンや各種スイッチ類(照明や床暖房)のボックスにも通線されています。右奥に見えている壁にはキッチンの吊戸棚やカラーガラスが貼られる予定なので、そこにも構造用合板下地が設置されています。

主寝室の横に設けるウォークインクローゼット周りでは大工さんがクロス用の下地を作ってくれています。腰高までとその上を目地で切ってビニールクロスの色を変えるデザインとしています。

ハーフユニットバスの工事も進んでいます。腰壁上には、タイルを張るためのラスカットが貼られていました。天井は塗装で仕上げるケイカル板となっています。

ハーフユニットは文字通り、腰から下までしか防水パンがありませんが、このように壁仕上げ材を乗せるための受けとその後ろまで防水パンが立ち上がっており、水が背面に回り込むのを防ぐ仕組みとなっております。

 

 

床埋め込みコンセントボックスとカーブ型間接照明の造作@世田谷区Y邸

その他

リノベーションプロジェクトの世田谷区Y邸の既存空間の特徴は、高層マンションならではの大きなガラス開口でした。利大よそ三角形のリビングダイニングの一面が大きなガラス窓になっています。開放感があって良いのですが、どうしてもガラス面には家具を置きにくいので、家具のレイアウトに制限が出てしまいがちな構成でした。

窓がある面にはコンセントも付ける箇所が取れなかったので、今回はこのような床フローリング埋め込むタイプのコンセントボックスを作って貰っています。これらを床に埋め込むことで、窓際に机を持ってきても、そこへのテーブルランプや携帯の充電コーナーを設けるさいにも、電気の線が壁から通路越しに伸びてくることをなくすことができるのです。

施工会社の下で、南麻布K邸でも頑張ってくれた大工の矢野さんが沢山の床埋め込みコンセントボックスを作ってくれています。仕上がりは見えなくなってしまう部分も本当に丁寧に作ってくれているので、現場を見に来てくださったお客さまご夫妻もとても喜んでくださっています。

LDの窓はコーナーが少しカーブしています。その窓際に間接照明を埋め込むデザインとなっていますが、このカーブした木材が…

この写真のように、組み上げられるとカーブの窓型に沿った間接照明ボックスとなります。

青の現場監督の斉藤さんが、実際の窓側に合わせて定規を作ってくれて、それを元に加工場でここまで刻んだ材料を現場で組んでもらっています。

長く大きい大開口の窓際に一本に連なった間接照明ボックスが走っています。

その他の部分も下地の合板が張られて、少しずつ空間の祖形が見えてきました。

現場に寄ってくださったお客さまとは、主寝室のウォークインクローゼットの扉となるガラスを選んで頂きました。少し色がついて色気があるようなガラスを見たいとのことで、お付き合いのあるハナムラアークテック、その他のガラス専門店から集めたファブリックガラスやタペストリー加工やエッチング加工を施したガラスを取り寄せたものを見て頂きました。結果としては、アークテックが扱っているイタリアのオムニ・デコール社のガラスを採用することに決まりました。

造作家具&造作キッチンの打ち合せ@白金台H邸

白金台H邸

下地工事が全般的に進んでいるヴィンテージマンションリフォームの白金台H邸にて、造作家具の打ち合せをして参りました。

キッチンとリビングのTVボードは、横浜A邸でもキッチンをお願いしたアルノに別途工事としてお願いしており、その他の家具については、建築工事のリフォームキューの下に入って貰っているテラダにお願いしております。

キッチンや柱周りは、家具工事と大工造作工事が絡む箇所が多いので、このようなスケッチを担当スタッフの岩井さんが書いて説明してくれました。

リビングのTVボードも、壁の奥行きや柱型との辛みがあるので、別途工事ではありますが、下地の作り方等については、アルノの鵜飼さんと担当の水野さんがリフォームキューの現場監督の高橋さんと相談してくれています。

うちの岩井さんが書いてくれた各室の展開図です。家具図はこちらでは起こさず、これらの展開図をベースに、アルノとテラダが起こしてくれた図面をチェックしながら進めてゆく算段となっています。

因みに、こちらが僕らの平面図と展開図を元にアルノが作ってくれたキッチン制作図です。こちらで幾度か赤でチェックバックしながら制作図をブラッシュアップして行って貰いました。

浴室の横の洗面カウンターについては、床下に設ける排水関係の点検口の位置と作り方を相談させて貰いました。

背面に見えていたのが、こちらハーフユニットバスです。四周の柱が立っただけでも、部屋のように感じられるから不思議なものです。

キッチン入り口のスイッチ類が入ったこちらの壁もキッチンのカウンターと絡んできます。

こちらリビングの窓際の柱型は、家具工事とは直接絡んできませんが、将来的に外壁に給湯管のコア抜きについて管理組合が許可してくれれば、浴室への追い炊き管が接続できるように、予備のPSを作っている様子です。