Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ビスの種類と使い方について 

世田谷区Y邸

世田谷区Y邸の現場に、沢山のビスの箱が置かれていたので、ちょっと時間が空いたスキに、現場監督の斉藤さんにそれぞれのビスの種類と、その使い方をレクチャーして貰いました。

箱の前にそれぞれのビスを出して撮影させて貰いました。

一番左の小さな箱に入っていたのは、ステンレス木ねじです。長さが短く、頭の径も小さいもので、ステンレスのサッシのツバと木製枠を固定するために使っているものだそうです。ステンレスなので、錆びにも強く、結露などの恐れがあるサッシ廻りには良く使われるビスだそうです。

こちらは「ランスタッチ」、LGS下地のランナーとスタッドをガッチリ固めるための短いビスだそうです。根本ギリギリまでネジが切ってあって、グイっと寄せ付けて締めるイメージのビスだとのことでした。

こちらはコンパネビスです。いわゆる木ビスと言われるもので、よく見るとねじ頭の部分にまでリブが彫られており、箱書きにある通り、締める対象が木製のボードであれば頭までめり込んでゆくのが特徴だそうです。

こちらは軽天ビスです。軽天とはLGS(軽量鉄骨)製の天井下地のことで、細かいネジが二重に切られており、薄い鉄板製の軽天に対してしっかりと効くように工夫されているそうです。

こちらはコーススレッドと呼ばれるビスです。最も一般的なビスで、木材と木材を固定するために使われるものです。同じ名称でも、長さが太さの種類が多く、作業効率も良いビスだそうです。因みに、スパイラル状のネジが半分までしか切られていませんが、これは半ねじと呼ばれるもので、全てにネジが切られているものが全ねじと呼ばれるものです。パッと見では全ねじの方が効きそうですが、実は力の掛かり方が全く違っており、二枚の木材パネルを固定する場合などは、この半ねじタイプの方が効くそうです。

本日現場に置かれていた最後のビスはスリムビスです。先ほどのコーススレッドに比べると、少し細いのでスリムビスと呼ばれるそうです。コーススレッドより溝の切り方が細かくう、ねじ山も小さいことが特徴で、スリムであることで、締めつけた時に木材が割れないことが特徴だそうです。ただ、欠点としては引っ張り力には弱いそうです。大工さんやLGS屋さん、そしてDIYが得意な方であれば、すぐにわかるであろうそれぞれのビスの特徴ですが、こうやって聞いて初めて納得がゆくことも多く、勉強になりました。
因みに、昔の大工さんは木材同志をくっつけることが多く、打ち込んだ後に錆びることで強く結合してくれる釘を使っていましたが、今はドリルの性能が上がったことや、素材も色々な種類のものがあること、また釘のように打ち損じが少ないため、側面にネジが切られているビスを多用するようになっているそうです。

この日は、建具を造作家具をお願いしている青の下請けの現代製作所が建具枠を取り付けに来てくれる日でした。担当者の藤田さんが各個室の入り口に取り付けた塗装枠を養生してくれていました。

また、ハイブランド輸入家具のインテリアズに依頼している、イタリア・ポロ社のリビングの装飾パネル「LOAD IT(ロードイット)」の取付けの為の現調の日でもありました。

単純にパネルを張るだけでなく、コンセントやAVボードからの配線孔などの取り合いもあるので、現場の斉藤さんがインテリアズの佐々木さんたちに注意事項を説明してくれている様子です。

当日にはお客さまのYさまご夫妻も現場に来てくださったので、キッチンとリビング周りの照明スイッチやコンセント、各種スイッチ類(床暖・ルートロン、インターフォン)の最終位置も確認して頂きました。

書斎壁に設置する壁付け照明の位置も、そろそろ決定して欲しいとの青・斉藤さんからの依頼で、すでに輸入元から現場に入っていた照明器具を箱から出して、壁に当てながら、一番良い位置を考えて頂きました。ただ、机が無い状態で、光の具合も判らないと判断ができないとのことでしたので…、

このようなダミーテーブルを当日中に斉藤さんが組み立ててくれました。照明器具も仮のコンセントに接続して点灯できる状態にして、当日夜にYさまご夫妻が現地に来て、最適な位置を検討してくださるとのことになりました。

 

ビニールクロス張り&建具準備中の白金台H邸

白金台H邸

お客さまの検査まであと2週間程度に迫った白金台H邸の現場を視察して参りました。

エントランスから真っ直ぐに進んで見えるリビングの壁の状況です。仕上げでは、向かって左側のニッチ部分には大理石が張られ、右側のニッチにはAVボードが設置される予定ですが、まだその準備段階です。手前右手に見えているマシンは、ビニールクロスに糊付けする機械で、正面に立て掛けられているのは各種建具です。

奥から、白い扉は洋室の既存扉、ルーバーを再利用して作り直してもらったエアコンパッケージユニット前の建具、廊下のチークパネルの中に埋まる納戸への隠し扉となっています。

玄関ホールは、向かって左側の大型の靴収納が取りついております。養生の下にはタイルとフローリングも張られており、天井のクロスも仕上がっているので、まだまだ仕上がりには程遠く見えますが、壁のクロスを張って、家具の扉を付けて、姿見の鏡を張れば、もうほとんど完成状態となっています。

リビングから扉を経てプライベート空間に入った所にあるプライベート書庫廊下の造作本棚も設置が終わっていました。

この小空間も、他の廊下とは違った空間であることを示すために、天井や壁にクロス張り分け用のハット目地を入れて、細かくクロスの色を変えています。

主寝室横のウォークインクローセット内部に設けた奥さま用のお化粧コーナーです。正面窓の左隣には、自然光でお化粧ができるように可動式の鏡を扉のような形で吊り込む予定です。

養生をめくると、チークのお化粧カウンターと小物を入れる引出が2本ついています。

ハーフユニットバスを使った浴室もステンレスの枠と強化ガラスが付いて、グレードアップされています。

まだ、手前の洗面所側の木製枠が取りついていない段階ですが、しっかりと木製下地にステンレス枠が固定されている様子が判りますね。白く見える部分も保護のためのビニールテープが張られているステンレス枠です。

浴室の中は、まだ物置のように使われていましたが、壁のタイルがきれいに張られていました。

リビングの柱周りのクロスもきれいに張られていました。クロスパネル張り仕様で細かく目地割りをしていますが、クロス職人さんたちが苦労しながら上手く張り廻してくれていました。

 

アドヴァン・キッチンショールームにて西麻布N邸のキッチン打合せ

西麻布N邸

西麻布N邸の計画が着々と進んでおります。こちらが土日をお休みとしている関係上、平日の夜しか打合せの時間が取れていないN家の方々とは、中々ご一緒にショールーム周りをすることができておりませんでした。

色々とキッチンショールームをご推薦してきた中で、価格とのCP(コストパフォーマンス)が一番良いことでキッチンをお願いすることになったアドヴァンのキッチンショールームに夕方6時からの変則的な時間でお打ち合わせをさせて頂きました。アドヴァンからは僕らの営業担当の西田さんとキッチン担当の穂坂さんが参加してくれています。

まずはアドヴァンキッチンの一般的な仕様のご説明して貰った後は、

具体的ににシンクの大きさや使い勝手のお話をさせて頂きました。ご主人さまの趣味の釣りで、大きな魚を捌く機会が多いN家では、より大型のシンクでかつ水栓も二つ必要なことはこちらから説明させて頂きました。

背面の食器収納や吊戸棚の説明では、天井高さと吊戸棚の位置関係、扉を開けた時の使いやすい高さや、大型炊飯器を置いた場合の寸法などが話題に挙がりました。

引き出しについては、見掛けのサイズ(表面から見た引出の高さ)と実際に開けた場合の高さが違うこともご説明いたしました。アドヴァンが高級オーダーキッチンに取り組みだしたのは比較的最近のことですが、引出などに使う金物については、ブルムの最高級仕様でスペックして貰っています。

食洗機については、ショールームにあるミーレ社ものを使って、ガゲナウ社との違いや、ミーレの中でもハイエンドタイプと普及タイプについての違いを説明して貰いました。

最後に面材やカウンター材のサンプルをお見せして、イメージの確認を致しました。因みに、これらの面材の塗装サンプルは、うちの事務所から持ってきたものです。これまで色々なキッチンを作ってきた中で、色々な色味で、かつツヤの度合いが違うものが揃ってきたので、それを有効活用することができました。

これまでアドヴァンと一緒に進めてきた見積り用の図面に、本日の打合せの変更内容を書き込んで、図面及び見積りの訂正をお願いするための指示書を前田君が作ってくれました。これまで採用させて貰った実績がないキッチンではありませんでしたが、細かい事まで担当者と話をすることができて、疑問の幾つかも晴らすことができました。また、これまでは図面を基にお客さまとの打合せをして参りましたが、やはり実物を見ながらのショールームの打ち合せは、沢山のことを検討して頂く上でもとても有意義でした。